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韓国最大の公的さい帯血バンクにおいて、19年間保管したさい帯血の造血機能の評価について報告されました。

さい帯血には、造血幹細胞をはじめとする造血前駆細胞が含まれており、これまで白血病や再生不良性貧血などの血液疾患に対する造血幹細胞移植に用いられてきました。近年では、さい帯血に含まれるさまざまな細胞や生理活性物質に着目し、脳性麻痺をはじめとする神経疾患など、再生医療分野への応用についても研究が進められています。
さい帯血は、採取後に凍結保存され、必要に応じて移植や研究に使用されます。そのため、長期間の凍結保存によって、細胞の生存率や造血前駆細胞としての機能が維持されるかどうかは、さい帯血の品質を考えるうえで重要な点です。特に、さい帯血バンクでは長期間にわたって保管されることがあるため、保存期間が細胞の品質に与える影響を明らかにすることは重要です。
本稿では、韓国最大の公的さい帯血バンクにおいて、最長19年間凍結保存された1,129ユニットのさい帯血を対象に、長期保存が細胞の品質や造血前駆細胞機能に及ぼす影響を評価した研究についてご紹介します。

保存期間と造血機能の関係

長期凍結保存後の造血前駆細胞機能(図1)

図1では、保存期間と、造血前駆細胞がコロニーを形成する能力を示すCFU、総有核細胞数を示すTNCあたりのCFU、さらに造血幹・前駆細胞の指標となるCD34陽性細胞あたりのCFUとの関係が解析されました。検査時期などの影響を調整する前は、いずれも保存期間が長いほど低下する傾向がみられましたが、その相関は弱いものでした。さらに、これらの影響を調整すると、CD34陽性細胞あたりのCFUと保存期間との有意な関連は認められず、造血前駆細胞のコロニー形成能は長期保存後も維持されていることが示されました。

 

造血前駆細胞機能に影響する因子(図2)

図2では、多数の要因の中からCFUに影響する因子の重要度を評価するRandom Forest解析が行われました。その結果、解凍後のCD34陽性細胞数がCFUを予測する最も重要な因子であり、次いで検査時期が重要な因子として示されました。一方、保存期間の影響は相対的に小さく、CFUの変化には保存年数そのものよりも、解凍後の細胞状態や検査時期の影響が大きいことが示唆されました。

 


本研究では、最長19年間凍結保存されたさい帯血においても、造血前駆細胞のコロニー形成能が維持されていることが示されました。保存期間そのものの影響は限定的で、解凍後のCD34陽性細胞数など、実際の細胞品質を評価することの重要性が示唆されました。一定の保存年数で一律に使用期限を設けるよりも、解凍時の品質評価に基づいて使用可否を判断する考え方が、より科学的根拠に基づく可能性が示唆されました。

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