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19年間保管された自己臍帯血による再生不良性貧血の治療について

2023年5月、中国母子保健協会第10回臍帯血会議において報告された、19年間保管した自己臍帯血を用いた再生不良性貧血の治療についてご紹介します。

19年間という臍帯血の長期保管は、中国における臍帯血の自己保存および自家利用の記録を大幅に更新しました。

 

【概要】

2021年12月、18歳になったばかりのXiaoan(仮名)は、潰瘍や出血斑などを突然発症しました。一連の検査の結果、再生不良性貧血と診断されました。再生不良性貧血は、血液中の過剰反応性T細胞が自分自身の骨髄を攻撃する自己免疫疾患です。T細胞による骨髄への重度な攻撃は骨髄不全および死亡に至る可能性があります。

Xiaoanの両親は治療法を探す中で、現在のところ「臍帯血造血幹細胞移植」が有効な治療法の一つであり、患者自身の自家臍帯血を用いた臍帯血移植での治癒率は高いということを知りました。このことは彼らにとって希望の光となりました。なぜなら彼らは、中国での臍帯血に対する認識がまだ浸透していなかった2003年、Xiaoanの出産時に臍帯血造血幹細胞を天津臍帯血バンクに保存していたからです。

自家臍帯血移植の治療計画が決定すると、臍帯血バンクのスタッフは直ちに臍帯血の出荷準備に取り掛かりました。専門技術者による再検査の結果、19年間保管されていた臍帯血造血幹細胞は良好な状態であり、すべての指標が出荷基準を満たしていることが分かりました。

2022年12月、Xiaoanは同国の血液疾患を専門とする著名な病院で、正式に幹細胞移植を受けました。約1ヵ月後に集中治療室を出たときには、すべての身体的指標が順調に回復していました。彼は2023年2月に退院し、通常の生活に戻りました。

臍帯血には血液を造る「造血幹細胞」が豊富に含まれており、今日では80以上の血液系疾患および代謝疾患に対し臨床応用価値があるとされています。臍帯血保存技術の普及が、より多くの家族の健康の保全につながっています。

このストーリーの詳細はペアレンツガイド日本語HPにて公開されています。

引用元:ペアレンツガイド

https://parentsguidecordblood.org/ja/news/19nian-jian-bao-guan-sitazi-ji-qi-dai-xie-niyoruzhi-liao

 

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