妊娠超初期に現れる11の症状を徹底解説!注意すべき行動も紹介

伊沢博美

記事監修者:伊沢博美

医学博士/日本再生医療学会再生医療認定医/日本抗加齢医学会専門医/遺伝子細胞治療認定医

「妊娠超初期には、どのような症状が現れるのだろうか」「何に気をつけたらよいのだろう」と悩んでいませんか。

妊娠超初期は、受精卵が子宮内膜に接する「着床」が起こり、さまざまな身体的・精神的な変化が現れます。

また妊娠が始まったばかりですが、気をつけなければ胎児やあなたに悪影響を及ぼす可能性もあるのです。

この記事では、おもに以下の内容を解説していきます。

・妊娠超初期=妊娠週数4週未満
・妊娠超初期に現れるおもな11の症状
・妊娠超初期から気をつけたい3つの行動

この記事を読むと、妊娠超初期に現れる症状がわかり、あなたや母体の健康を守るための行動も把握できるようになりますよ。

妊娠超初期=妊娠週数4週未満

妊娠超初期とは、妊娠0週から3週までの期間をさします(※1)。

妊娠週数の数え方は、最終月経(直近の生理日)の初日を「妊娠0週0日」としてカウントします。

計算が煩わしいという人は、下記のツールで確認してみましょう。

「出産予定日」「最終月経開始日」などを入力するだけで、妊娠週数がわかります。

▼厚生労働省委託のおすすめ妊娠週数ツールはこちら

妊娠出産・母性健康管理サポート「妊娠週数・月数の自動計算」

また、この時期は胎児の発育にかかわる重要な時期であり、母体にもさまざまな症状や変化が現れます。

出典:(※1)順天堂大学医学部附属静岡病院 産婦人科「妊娠中の薬について」

妊娠超初期に現れるおもな11の症状

妊娠をすると、女性ホルモンのバランスが変化するため、さまざまな身体的・精神的変化が引き起こされます。

ただし症状の現れ方には個人差があり、一部の症状が出る場合や、まったく変化のない場合もある点は覚えておきましょう。

妊娠超初期に現れる主な症状は、以下のとおりです。

・疲労感や眠気
・腹痛や下腹部の張り
・軽度の出血
・おりものの変化
・乳房の張りや痛み
・頻尿
・便秘
・食欲が極端
・においに敏感
・めまい
・発熱
・感情の起伏が激しい

順番に見ていきましょう。

症状1:疲労感や眠気

妊娠超初期にはプロゲステロン(黄体ホルモン)と呼ばれるホルモンの働きによって、眠気が強くなる場合があります。

またプロゲステロンは、急激に増加するため疲労感を引き起こすことも。

眠気が強いときは無理して行動せず、十分な休息をとりましょう。

可能であれば、短い昼寝を取り入れてもよいですね。

極端な疲労感が長引く場合は、貧血や甲状腺機能の問題など、ほかの問題が起きている可能性もあるため、医療機関へ相談しましょう。

症状2:腹痛や下腹部の張り

受精卵が子宮内膜に着床する際、軽い腹痛や下腹部の張りを感じる「着床痛」を感じることがあります。

着床痛の程度や持続時間には個人差がありますが、ズキズキとした痛みや、チクチクとした違和感を覚える人も。

ただし強い痛みが続く場合や、出血量が多い場合は、子宮外妊娠や流産の可能性もあるため、早めに医療機関を受診しましょう。

公共社団法人 日本産婦人科学会によると、流産のうち約80%は妊娠12週未満、つまり妊娠初期に起きているといわれているため、油断は禁物です(※2)。

出典:(※2)公益社団法人日本産科婦人科学会「流産・切迫流産」

症状3:軽度の出血

着床の際に、ごく少量の出血が見られる「着床出血」をすることがあります。

生理よりも少ない量で、ピンク色や薄い茶色の出血です。

すべての妊婦さんに見られるわけではなく、気づかないほど少量のケースも。

大量の出血や痛みを伴う場合も、流産や子宮外妊娠の可能性があるため、すぐに医療機関を受診しましょう。

症状4:おりものの変化

妊娠超初期は、おりものの量や性状にも変化が起こる場合があります。

一般的には、以下のような変化です。

・量が増える傾向
・水っぽくサラッとした状態になる
・乳白色や黄色っぽくなる
・酸っぱいニオイがする

ただし、これらの変化には個人差があり、

・おりものの量が変わらない人
・むしろ減った人
・逆に粘りの強いものになった人

など症状は、さまざまです。

症状5:乳房の張りや痛み

女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンの影響で、乳房が張ったり、触ると痛みを感じたりするケースもあります。

身体がホルモンの変化に慣れてくると、症状が治まってくる場合もあります。

症状6:頻尿

プロゲステロンの増加により、膀胱が刺激されやすくなるため、トイレに行く回数が増える場合があります。

ただし頻尿だからといって、水分摂取を控え過ぎないよう注意が必要です。

水分補給は、こまめに行うようにしましょう。

頻尿と同時に排尿時の痛みや発熱がある場合は、尿路感染症の可能性もあるため、医療機関で早急に受診してください。

症状7:便秘

妊娠超初期は便秘になりやすい時期だといえるでしょう。

プロゲステロンの増加により消化管の収縮が抑制され、腸の筋肉がゆるみ、腸の働きが低下するためです。

また食べられるものが妊娠前と変わり、食事が偏ったり、食欲不振で食事量が減ったりすることもあるでしょう。

食生活の変化も便秘の原因になるのです。

症状8:においに敏感

においに対して過敏になることもあります。

いままで平気だったにおいが苦手になる場合も。

よくある症状としては、きついにおいのものが食べられなくなったり、特定のにおいで気分が悪くなったりなどです。

株式会社エムティーアイが運営している、ルナルナが妊娠を経験した人に行った調査によると、以下のようなにおいが苦手になったとの意見がありました(※3)。

・ご飯が炊けるにおい
・スーパーのお惣菜売り場
・シャンプーや柔軟剤
・タバコ
・アロマ

なかには「夫のにおいが嫌になった」など、苦手になるにおいには個人差があります。

出典(※3)PR TIMES|「“つわり”についての調査結果〜妊娠と共にやってくる“つわり”という試練を乗り越えよう!~」『ルナルナ』ユーザーのアンケート調査「みんなの声」Vol.23

症状9:めまい

女性ホルモンバランスの変化は自律神経が乱れる原因となり、めまいや立ちくらみを引き起こす場合があります。

また妊娠中は多くの血液が必要になるため、立ちくらみの原因が貧血というケースも

めまいや立ちくらみによって転倒する可能性もあるため、日常生活では十分注意しましょう。

症状10:発熱

妊娠すると女性ホルモンの影響で体温が上がり、微熱のような状態が続くことがあります。

具体的には、杏林医学会が公表している研究論文によると、排卵後から「約72日間」続き、平均体温よりも「0.2℃」高い傾向にあるといわれています(※4)。

ただし、これ以上の高熱が続く場合は別の病気や異常が考えられるため、早急に医療機関で受診しましょう。

出典(※4)J-STAGE|本多啓,阿部穰ほか「妊娠と基礎体温(1)妊娠成立から分娩終了までの正常基礎体温の観察」杏林医会誌3巻3号 p149〜156 1972年

症状11:感情の起伏が激しい

妊娠超初期には、身体的な変化だけでなく、心理的な変化も起こります。

気分の浮き沈みが激しくなったり、些細なことで喜んだり悲しんだりと、感情が不安定になりやすいです。

感情を安定させるためにも、リラックスできる行動や時間を意識的に作るようにしましょう

妊娠超初期から気をつけたい3つの行動

妊娠がわかった時点でとるべき行動は以下の3点です。

・禁酒
・禁煙
・カフェインを控える

あなたと胎児の健康を守るためにも徹底しましょう。

順番に解説していきます。

1:禁酒

妊娠中の飲酒は「胎児性アルコール症候群」の胎児が生まれるリスクが高まります。

胎児性アルコール症候群では、ADHDやうつ病や学習障害などの精神疾患や、低体重・低身長といった発達の遅れが見られるケースも

妊娠がわかった時点で禁酒しましょう。

出典:e-ヘルスネット(厚生労働省)「胎児性アルコール・スペクトラム障害」

2:禁煙

喫煙する妊婦さんは「流産・早産」を起こしやすく、低出生体重児の出生リスクが高くなるといわれています。

また受動喫煙の場合でも、胎児の発育を阻害する可能性があるのです。

厚生労働省が行った調査によると、喫煙者と非喫煙者から生まれた赤ちゃんを比べてみたところ、喫煙者から生まれた赤ちゃんは低出生体重児となる確率が「約2倍」高くなっているとわかりました(※5)。

さらに喫煙者は、

・早産
・自然流産
・周産期死亡(妊娠28週以降の死産と、生後1週間以内の早期新生児死亡)

の危険性が高いといわれているのです(※6)。

家庭内に喫煙者がいる場合は禁煙、もしくは家の中では吸わないように配慮してもらいましょう。

喫煙所や喫煙可能なお店などにも近づかないことも大切です。

出典:(※5、6)厚生労働省「Q 妊娠中の健康への悪影響について」

3:カフェインを控える

妊娠中にカフェインを過剰摂取すると、胎児の発育を妨げたり、自然流産のリスクを高める可能性があります。

厚生労働省が公表している情報によると、カフェインを「200〜300mg/日」以上摂取した場合、自然流産する確率が上がるというデータもあるのです(※7)。

コーヒーを飲むのであれば「2〜3杯/日」までにしておきましょう(※8)。

ただし、カフェインはコーヒーだけではなく、

・ココア
・紅茶
・チョコレート

などにも含まれているため、覚えておきましょう。

出典(※7、8)厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~」

妊娠超初期のよくある質問

妊娠超初期について、よくある2つの質問をまとめました。

順番に見ていきましょう。

Q1:妊娠超初期でも、つわりは起こる?

妊娠超初期でもつわりが起こる可能性はありますが、確率は低いといえるでしょう。

その裏付けとして、株式会社エムティーアイが運営している、ルナルナが妊娠を経験した人に対して「つわりが始まった時期」を聞いたところ、妊娠3週以前(妊娠超初期)と回答した人は「5.0%」しかいませんでした(※9)。

出典(※9)PR TIMES|「“つわり”についての調査結果〜妊娠と共にやってくる“つわり”という試練を乗り越えよう!~」『ルナルナ』ユーザーのアンケート調査「みんなの声」Vol.23

Q2:性行為しても大丈夫?

胎盤が未完成である妊娠超初期における性行為は避けるのが無難でしょう。

性行為による刺激や細菌感染症、精液による子宮収縮などの影響で、流産・早産を引き起こす可能性があるためです。

まとめ

妊娠超初期とは「妊娠0週から3週」までの期間をさし、以下のような症状や体調の変化が現れます。

・疲労感や眠気
・腹痛や下腹部の張り
・軽度の出血
・おりものの変化
・乳房の張りや痛み
・頻尿
・便秘
・においに敏感
・めまい
・発熱
・感情の起伏が激しい

無理に動かず、パートナーの力を借りながら身体や心に負担をかけずに過ごしましょう。

また妊娠超初期に限らず、妊娠中は以下の行動はしないよう徹底しましょう。

・飲酒
・喫煙
・カフェインの過剰摂取

妊娠生活は始まったばかりです。

あなたや胎児のために気をつけたいことは多いですが、気を張り過ぎず、ときにはリラックスして過ごせる時間も作りつつ、妊娠生活を楽しみましょう。

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この記事の監修者

伊沢博美

経歴

神宮外苑Woman Life Clinic 院長

獨協医科大学医学部卒業、医学博士。
日本再生医療学会再生医療認定医、日本抗加齢医学会専門医。順天堂医院、婦人科・内科健診施設、再生医療等提供機関に勤務。
2020年に『神宮外苑Woman Life Clinic』を開設。女性内科・不妊・更年期障害など女性特有の健康課題に対し、一人ひとりに合わせた医療ソリューションを提供。

資格

医学博士/日本再生医療学会再生医療認定医/日本抗加齢医学会専門医/遺伝子細胞治療認定医

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