妊娠中に風邪をひいてしまい、赤ちゃんへの影響を心配していませんか。軽い症状であれば、赤ちゃんへの影響はありません。しかし「38℃以上の発熱」「症状が長引く」場合、赤ちゃんへ影響を及ぼす可能性があります。この記事では、おもに以下のような内容を解説します。
・赤ちゃんへの影響
・風邪をひいたときの対処方法
・薬の服用方法
この記事を読むと、妊娠中の風邪への対処方法がわかり、大切な赤ちゃんを守れるようになりますよ。
それは本当に風邪?妊娠初期症状との違い
風邪と妊娠初期の症状は似ています。
妊娠初期の症状は、下記のとおりです。
・微熱
・頭痛
・吐き気
・倦怠感
・腹痛
風邪がなかなか治らないと思ったら、じつは妊娠していたという可能性もあります。
以下の症状がある場合は、風邪の可能性が高いといえるでしょう。
・38度を超える熱
・咳
・鼻水
風邪と妊娠初期症状を見分ける方法
・基礎体温を日ごろから計測しておく
妊活をされている方は、毎日基礎体温を測る習慣のある方が多いと思います。
基礎体温を測っていると、妊娠初期には体温が高くなるため、妊娠の可能性に気付くきっかけになります。
・妊娠検査薬で確認する
妊娠か風邪か見分けるために、妊娠検査薬でチェックをしてみましょう。 陰性であった場合でも、検査の時期が早いと正しく陽性反応が出ていない可能性もあるため、1週間ほど空けて再度チェックをすることをおすすめします。
【経験談】妊娠中の風邪による赤ちゃんへの影響
妊娠中は薬を飲むこと、ほかの病気に感染することを恐れて、病院に行くのをためらってしまうかもしれません。しかし風邪をこじらせて高熱が続くと、「流産」「切迫早産」のリスクが高まるなど、赤ちゃんにも影響することがあります。
私は妊娠中に風邪で38度の高熱を出しましたが、病院に行かずしばらく我慢していました。すると「腎盂腎炎」になってしまい、切迫早産で入院した経験があります。最初はただの風邪でも「なかなか治らない」「熱が出る」といった症状がある場合は、早めに病院を受診しましょう。
薬を飲まないことよりも、自分の心身を健康に保つことが、赤ちゃんにとって一番大切です。
妊娠中は市販の風邪薬を飲んでも大丈夫?
風邪がなかなか治らずつらいときは、薬に頼りたくなりますよね。しかし妊娠中は、薬が赤ちゃんに悪影響を及ぼすリスクがあります。「妊娠の可能性がある」「すでに妊娠がわかっている」場合は、自己判断で市販薬を服用するのは禁物です。風邪でも病院で受診し、妊娠中に服用しても問題ない薬を処方してもらいましょう。
漢方薬なら妊娠中に服用しても大丈夫?
体に優しく安全に思える漢方薬。しかし、妊娠中に飲んではいけない漢方薬もあります。よく見かける「葛根湯」も成分によっては、控えた方がよいものもあります。妊娠中は漢方薬であっても自己判断での服用は控え、医師や薬剤師に相談しましょう。病院で受診すると、安全に使用できる漢方薬を処方してもらえますよ。
【妊娠週数別】薬の服用における赤ちゃんへの影響
薬の服用が赤ちゃんへ与える影響は、妊娠週数によって異なります。
妊娠週数の数え方は、以下のとおりです。
・妊娠初期は0週~15週(1カ月~4カ月)
・妊娠中期は16週~27週(5カ月~7カ月)
・妊娠後期は28週~39週(8カ月~10カ月)
最後の生理が始まった日を「妊娠0週0日」として数えましょう。それぞれの妊娠週数における、薬を服用する影響について説明していきます。
妊娠0~3週
薬による赤ちゃんへの影響はありません。
最後の生理が始まってから、次の生理が来るまでに薬を服用しても影響はないです。妊娠に気付いて「最近、薬を飲んでしまった」と思い出す人もいると思いますが、大丈夫ですから安心して下さいね。
妊娠4週~7週
赤ちゃんの器官が形成される期間です。そのため、薬による赤ちゃんへの影響にもっとも気をつける必要があります。
妊娠4週~7週は生理予定日から1カ月後であり、妊娠に気付くことが多い時期です。しかし妊娠に気付いていない場合、妊娠初期症状を風邪の引き始めと思い薬を飲んでしまうこともあります。持病などで、以前から服用している薬がある人もいるでしょう。
すべての薬が赤ちゃんに影響するわけではありません。妊娠がわかり次第「どの薬をいつから何日服用したか」を診察の際に伝え、影響の有無を確認すると安心できますよ。
妊娠8週~15週
まだまだ薬の影響に気をつけたい時期です。
悪阻が始まり、妊娠に気付く人も増えると思います。風邪をひいたら市販薬を服用せず、病院を受診しましょう。しかし悪阻もなく、生理不順の人は妊娠に気付かないこともあります。まだ赤ちゃんの器官の形成が続いている時期のため、うっかり薬を服用してしまった場合は、服用した薬の影響を医師に確認するとよいでしょう。
妊娠16週以降
薬の影響は減ります。しかし薬の種類により、避けた方がよい成分もあるため、自己判断で服用する前に医師へ確認をしましょう。
【症状別】妊娠中に風邪をひいたときの対処方法
対処方法を紹介する症状は、以下の3点です。
・発熱
・咳
・鼻水
すぐに病院を受診できないときにも、試してみて下さい。ただし症状がつらい場合は、風邪が悪化する前に病院で薬を処方してもらいましょう。
症状1:発熱
発熱をおさえる方法は、3つあります。1つめは「冷却シートを使用する」方法です。
冷却シート(タオルなどを巻いた保冷剤なども効果的)を太い動脈が通っている首、脇の下、太ももの付け根に貼りましょう。
2つめは「身体を温める食べ物・飲み物」を摂取することです。以下へ、身体を温めるために効果的な食材例をあげます。
(生姜、人参、ゴボウ、レンコン、玉ねぎ、カボチャ、りんご、ブドウ、納豆、みそ、玄米、ほうじ茶、タンポポ茶、タンポポコーヒー)
3つめは「身体を冷やす食べ物・飲み物」を摂取することです。発熱時はまず身体を温め、汗が出始めたら熱を下げるようにしましょう。
以下へ、身体を冷ますために効果的な食材例をあげます。
(きゅうり、キャベツ、レタス、なす、ほうれん草、小松菜、梨、スイカ、メロン、バナナ、みかん、白米、牛乳、豆乳、緑茶)
症状2:咳
・水分をたくさん摂る
・室内を加湿する
・マスクを着用する
・上体を起こして過ごす(枕を高くして寝る)
・生姜湯に蜂蜜を入れて飲む(一歳未満の赤ちゃんには蜂蜜厳禁)
・お茶(ノンカフェインが望ましい)に梅干しを入れて潰しながら飲む
症状3:鼻水
・蒸しタオルを鼻にあてる
・室内の加湿
・マスクの着用
・深呼吸をして息を吐ききったら息を止めて鼻をつまみ、頭をゆっくり上下に振り苦しくなってきたら手を放して呼吸する
・ビタミンAの豊富な人参やカボチャを食べる(妊娠初期に過剰摂取すると赤ちゃんに奇形が起きやすくなると言われています)
妊娠中の風邪を予防する4つの方法
妊娠中は、普段以上に風邪に注意して、予防に努めましょう。日頃実践できる予防法をご紹介します。
予防方法1:手洗いとうがい
帰宅後は手洗いとうがいをしっかり行いましょう。外出先では様々なものに触れています。爪先や指の間は特に洗いにくい箇所なので、泡立てた石鹸でまんべんなく洗い流しましょう。喉にも菌が付着しやすいため、手洗いの後のうがいも習慣にしましょう。
予防方法2:マスクの着用
外出する時にはマスクを着用し、ウイルスの侵入を防ぎましょう。多くの人が集まる場所や電車内では特に着用することをおすすめします。
予防方法3:喉を乾燥させない
喉の乾燥も風邪をひいてしまう原因になります。日頃からこまめに水分補給をしたり、特に冬の時期は空気が乾燥するため、加湿器を使用して対策をしましょう。
予防方法4:疲れやストレスを発散
妊娠中はホルモンバランスの乱れや、様々なマイナートラブルが原因となり、ストレスや疲れが溜まりやすい状態です。それにより自律神経の乱れや免疫機能の低下を招いてしまいます。妊娠中は普段以上に体をいたわりましょう。十分な睡眠をとる、音楽を聴く、軽い運動をする、マッサージに行くなど、自分に合った方法でストレスを解消してみてはいかがでしょうか。
まとめ
妊娠中は免疫力が下がり風邪を引きやすい状態です。家族から風邪がうつることもあります。少しだけ睡眠時間を長くするだけでも免疫力が上がるため、妊娠中に限らず睡眠はしっかりとりましょう。
妊娠初期に悪阻や眠気が強ければ、横になりゆっくり休んでください。
妊娠中期は動ける範囲で、外に出てリフレッシュしましょう。
妊娠後期には美味しいものを食べて、出産に向けて体力を付けてください。
自分の心身の健康が、赤ちゃんにとって何よりの安心と安全です。
免疫力を上げて風邪などを乗り切り、元気な身体で出産を迎えてくださいね。
チャンスは出産時の一度きり。赤ちゃんの将来の安心に備えるさい帯血保管とは
うまれてくる赤ちゃんのために、おなかに赤ちゃんがいる今しか準備できないことがあるのをご存知ですか?
それが「さい帯血保管」です。
さい帯血とは、赤ちゃんとお母さんを繋いでいるへその緒を流れている血液のことです。この血液には、「幹細胞」と呼ばれる貴重な細胞が多く含まれており、再生医療の分野で注目されています。
このさい帯血は、長期にわたって保管することができ、現在は治療法が確立していない病気の治療に役立つ可能性を秘めています。保管したさい帯血が、赤ちゃんやご家族の未来を変えるかもしれません。
しかし採取できるのは、出産直後のわずか数分間に限られています。採血と聞くと痛みを伴うイメージがあるかと思いますが、さい帯血の採取は赤ちゃんにもお母さんにも痛みはなく安全に行うことができます。
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さい帯血バンクには、「公的バンク」と「民間バンク」の2種類があり、公的バンクでは、さい帯血を第三者の白血病などの治療のために寄付することができます。
一方民間バンクでは、赤ちゃん自身やそのご家族の将来のために保管できます。現在治療法が確立されていない病気に備える保険として利用できるのが、この民間さい帯血バンクです。
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さい帯血を保管した人の声
■出産の時だけのチャンスだから(愛知県 美祐ちゃん)
■さい帯血が本当の希望になりました(東京都 M・Y様)
※ほかの保管者のから声はこちら
さい帯血保管は、赤ちゃんへの「愛」のプレゼント。
赤ちゃんに会えるまでのもう少しの期間、ぜひ少しでも快適に、幸せな気持ちで過ごしてくださいね。
この記事の監修者
坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー