妊娠後期の食事でおさえる3つのポイントを解説!摂取したい栄養素やおすすめメニュー例も紹介
記事監修者:助産師 坂田陽子 先生
助産師/看護師/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

「妊娠後期の食事、なにに気をつければいいかわからない…」
「胃が圧迫されて食べられる量が少なくなってきた」
「赤ちゃんのために必要な栄養素をちゃんと摂取できているか心配」
上記のように悩んでいるのではないでしょうか。
出産が近づき、後期つわりや体重増加などの悩みも増えるなか、なにをどう食べればよいか迷ってしまいますよね。
そこでこの記事では、おもに以下の内容を解説していきます。
・妊娠後期の食事でおさえるべき3つのポイント
・妊娠後期に摂取したい6つの栄養素と食材一覧
・朝昼夜別の具体的なおすすめ食事メニュー例
この記事を読むと、妊娠後期に適した食事管理ができるようになり、母体と胎児の健康を守れるようになりますよ。
妊娠後期の食事でおさえるべき3つのポイント

妊娠後期の食事で、とくにおさえておきたいポイントとして、以下の3つがあげられます。
| ポイント | 理由や目的 | 具体的な方法・食材 |
| 食事回数を増やす | 胃が圧迫され一度に食べられる量が減少 | 1日4~5回に分けて摂取(※1) |
| バランスのよい食事 | 胎児の成長に必要な栄養素を確保 | 主食・主菜・副菜を組み合わせる |
| 塩分を控える | むくみ・妊娠高血圧症候群の予防 | 1日6.5gを目安に、7.0g未満に制限(※2) |
上記であげたポイントを意識して、食事をとりましょう。
(※1)出典:西宮市役所「妊娠中の食事のポイント」
(※2)出典:厚生労働省「ママのための食事BOOK」
妊娠後期に摂取したい6つの栄養素と食材一覧

妊娠後期に積極的に摂取したい栄養素としては、おもに以下の6つがあげられます。
| 栄養素 | 働きや効果 | 主な食材 |
| 葉酸 | 血液を作る、赤ちゃんの成長をサポートする | ほうれん草、ブロッコリー、枝豆などの緑色野菜 |
| 鉄分 | 血液を作る(妊娠中期以降は通常の約1.5倍必要)(※3) | レバー、赤身肉、大豆製品 |
| カルシウム | 赤ちゃんの骨や歯の形成 | 牛乳、チーズなどの乳製品、小魚類 |
| たんぱく質 | 赤ちゃんの体を作る基礎となる | 肉、魚、卵、大豆製品 |
| ビタミンC | 鉄分の吸収を高める | 緑黄色野菜、果物 |
| 食物繊維 | 妊娠中の便秘を予防 | 野菜、芋類、海藻類 |
上記の栄養素を含む多様な食材をバランスよく組み合わせ、母体と胎児の健康を守りましょう。
(※3)出典:豊岡市役所「妊娠期の栄養」
【朝昼夜別】妊娠後期のおすすめ食事メニュー例

妊娠後期の食事で、おすすめのメニュー例をあげました。
なにを食べようか悩んでいる人は、参考にしてみてくださいね。
| 食事 | メニュー例 | 主な栄養素・効果 |
| 朝食 | ・胚芽米ご飯 ・チーズオムレツ ・フルーツヨーグルト |
・卵やチーズ:手軽なカルシウム供給源 ・フルーツ:ビタミンCが豊富 ・胚芽米:食物繊維とビタミンB群 |
| 昼食 | パターン1
・豚肉と小松菜のチャーハン パターン2 ・天ぷらそば |
・豚肉:鉄分とたんぱく質 ・小松菜:カルシウムと葉酸 ・ナッツ:良質な脂質 ・海藻:ミネラル豊富 ・ツナ:たんぱく質とDHA |
| 夕食 | ・胚芽米ご飯 ・豚汁 ・ぶりの照り焼き ・きゅうりとわかめの酢の物 |
・ぶり:良質なたんぱく質と鉄分 ・わかめ:ミネラルが豊富 ・豚汁:野菜からビタミン・食物繊維 ・和食中心でバランス良好 |
出典:国立研究開発法人 国立成育医療研究センター「スマイルガイド食事編」、札幌市豊平区役所ホームページ「妊婦さん向け献立1週間(妊娠中期~後期)」、滋賀医大附属病院「妊産婦の食事」、秋田市役所「妊産婦さんの食事」
妊娠後期に避けるべき食品・飲み物一覧

妊娠後期に避けるべき食品・飲み物として、以下のようなものがあげられます。
| 避ける食品・飲み物 | 理由・リスク | 詳細 |
| アルコール飲料全般 | ・胎児性アルコール症候群を引き起こす可能性(※4) ・胎児の成長や神経発達に深刻な影響 |
完全に摂取を控える |
| カフェインを多く含む飲み物
(コーヒー、紅茶、エナジードリンク) |
妊娠後期は体内でのカフェイン分解が遅くなる | 1日300mg以下(コーヒー約2杯分)に制限(※5) |
| ・生ハムやスモークサーモン
・加熱していないナチュラルチーズ |
リステリア菌による食中毒のリスク | 加熱調理された製品を選ぶ |
| 生肉や加熱不十分な肉 | トキソプラズマ感染のリスク | 肉類は十分に加熱してから摂取 |
| 大型魚
(マグロ、カジキなど) |
メチル水銀の摂取過多による影響 | 食べ過ぎに注意 |
バランスのよい食事を心がけつつ、上記であげた食品に注意しましょう。
▼妊娠中の飲酒やカフェイン摂取について詳しい記事はこちら
(※4)出典:内閣府|食品安全委員会「お母さんになるあなたと周りの人たちへ」
(※5)出典:内閣府|食品安全委員会「食品中のカフェイン」
妊娠後期の食事に関するQ&A
ここでは妊娠後期の食事について、よくある3つの質問をまとめました。
順番に見ていきましょう。
そんなときは一度にたくさん食べようとせず、少量を数回に分けて食べるのがおすすめです。
消化の良いおかゆやスープ、果物など食べやすいものから取り入れてみましょう。
こまめに少量ずつの水分摂取をすることや栄養補助食品を上手に使うのも安心につながります。
ただし、極端な食事制限は赤ちゃんの成長に影響する可能性があります。
揚げ物や甘いものを控えて、野菜やたんぱく質を中心にバランスをとることが大切です。
食事の工夫で調整しながら、心配なときは医師に相談してみましょう。
一般的には妊娠前の食事量にプラス450キロカロリー程度が目安とされています。
ただし、体格や活動量によっても違うため、自分に合った目安は医師や栄養士に確認すると安心です。
まとめ
妊娠後期の食事管理は、母体と胎児の健康を守るために極めて重要です。
この時期におさえるべき重要なポイントをまとめました。
▼食事のポイント
| ポイント | 理由 | 具体的な方法 |
| 食事回数を増やす | 胃の圧迫により一度に食べられる量が減少 | 1日4〜5回に分けて摂取 |
| バランスのよい食事 | 胎児の成長に必要な栄養素を確保 | 主食・主菜・副菜を組み合わせる |
| 塩分を控える | 妊娠高血圧症候群の予防 | 1日6.5gを目安に、7.0g未満に制限 |
▼積極的に摂取したい栄養素
| 栄養素 | 働き・効果 | 主な食材 |
| 葉酸・鉄分 | 血液生成・細胞の成長をサポート | 緑色野菜、レバー、赤身肉 |
| カルシウム・たんぱく質 | 赤ちゃんの骨・体の形成 | 乳製品、肉類、大豆製品 |
| ビタミンC・食物繊維 | 栄養吸収促進・便秘予防 | 野菜、果物、海藻類 |
▼避けるべき食品
| 食品・飲み物 | 理由・対策 |
| アルコール類 | 完全摂取禁止(胎児性アルコール症候群のリスク) |
| カフェイン含有飲料 | 1日300mg以下に制限 |
| 生肉・生ハム | 感染症リスクのため加熱調理したものを選択 |
これらのポイントを意識して、安全で健康的な妊娠後期を過ごしましょう。
赤ちゃんの未来に備える「さい帯・さい帯血保管」を考えてみませんか?
赤ちゃんとお母さんをつなぐ、「へその緒(さい帯)」と、その中を流れる血液「さい帯血」には、体を作るためのもととなる貴重な「幹細胞」が多く含まれていて、赤ちゃんやご家族の将来に備えて長期的に凍結保管することができます。
幹細胞は新しい医療への活用が進められており、もしもの時に役立てられる可能性があります。
- 出産後わずか数分の間にしか採取できない貴重な赤ちゃんのものです。
- 採取の際、お母さんと赤ちゃんに痛みや危険はありません。
- どちらにも幹細胞がたくさん含まれています。
- 再生医療分野など、さまざまな活用が進んでいます。
- それぞれ異なる幹細胞が含まれているため、両方を保管しておくことで将来の利用の選択肢が広がります。
実際に保管・利用した方のお声
出産時にしか採取できない「さい帯血」を、脳性まひのお子さまに対して臨床研究で使用された方のお声をご紹介します。
高知大学の臨床研究で
さい帯血投与を受けたお子さま
さい帯血を保管して
本当に良かったと思っています
元気に産まれたと思っていましたが、生後半年頃から左手をほとんど使おうとしないことに気付き、1歳頃にやはり何かおかしいと思ってMRIを撮ってもらうことにしました。結果1歳5ヶ月で脳性まひとわかりました。
2歳の誕生日にステムセルからハガキが届き、出産時に保管したさい帯血がもしや役に立つのではと思い至りステムセルに問い合わせました。ちょうど臨床試験への参加者を募集していて、運よく2歳5ヶ月のときに参加することができました。
輸血前は左手と左足に麻痺があり、歩けてはいるものの、とても転びやすく、少し歩いては転びを繰り返していました。しかし輸血後、翌日には転ぶ回数が減り、おもちゃを両手で掴めるようになって驚きました。その後もリハビリも継続し、完治したわけではありませんがかなり麻痺が軽くなったように思います。
現在、地域の小学校の普通級に集団登校で通えています。
まさか我が子がさい帯血を使って治療をすることになるとは思っていませんでしたが、保険のつもりでさい帯血を保管しておいて本当に良かったと思います。
さい帯・さい帯血を利用した再生医療の研究が、今まさに国内外で進んでいます。
その他のお声は公式サイトからご覧いただけます。
医師からのメッセージ
総合母子保健センター
愛育病院 病院長
百枝幹雄 先生
応用範囲が広がる
「さい帯・さい帯血」による再生医療
近年、めざましく進歩している再生医療のなかで、さい帯やさい帯血の幹細胞を利用する技術の最大の特徴は、通常は破棄してしまうけれども実はとてもポテンシャルの高い出生時の幹細胞を活用するという点です。
これまで有効性が示されている白血病、脳性まひ、自閉症のほかにも様々な疾患に対して臨床研究が進んでいますし、民間のバンクではご家族への利用も可能になりつつありますので、今後はますます応用範囲が広がることが期待されます。
一方、忘れてはならないのは必要になるまで幹細胞を長期間安全に保管するには信頼できる設備と技術が必要だということで、それにはそれなりのコストがかかります。
コスト・ベネフィットのとらえ方は人それぞれですが、お子様とご家族の将来を見据えてベネフィットが大きいとお考えの方には、信頼できる施設へのさい帯やさい帯血の保管は十分価値のある選択肢だと思います。
さい帯・さい帯血についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
保管するなら、ステムセル研究所の「HOPECELL(ホープセル)」
株式会社ステムセル研究所が提供する「さい帯・さい帯血ファミリーバンクHOPECELL(ホープセル)」は、日本国内で最も選ばれている保管サービスです。
ステムセル研究所は、25年以上の保管・運営実績がある日本初のさい帯血バンクで、国内最多となる累計80,000名以上のさい帯血を保管しています。

研究所
研究所
国内では脳性まひに対する、赤ちゃんご自身やごきょうだいのさい帯血投与の研究が行われています。海外の臨床研究では、投与により運動機能および脳神経回路の改善が報告されています。また自閉症スペクトラム障害(ASD)に対して、さい帯血の投与によりコミュニケーション能力や社会への順応性が向上する可能性が期待されており、大阪公立大学にてお子さまご自身のさい帯血を投与する臨床研究が開始されます。
研究所
無料パンフレットをお送りします!
さい帯・さい帯血保管についてより詳しく知っていただけるパンフレットをご自宅へお送りします。
赤ちゃんの将来に備える「さい帯・さい帯血保管」をぜひ妊娠中にご検討ください。
この記事の監修者
助産師 坂田陽子 先生
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー
