【管理栄養士が教えます】赤ちゃんの成長に大切な栄養のお話

助産師 坂田陽子 先生

記事監修者:助産師 坂田陽子 先生

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

<赤ちゃんの成長>

妊娠はわずか0.1~0.2mmの受精卵が着床することで成立します。受精卵が子宮内膜に着床して間もないこの時期は胎芽期と呼ばれ、妊娠7週頃の赤ちゃんの大きさは約1cmで体重4gほどです。妊娠8週目に入ると、胎芽期から胎児期に移行し赤ちゃんはおなかの中で成長していきます。そして出産時期には身長約50cm、体重約3,000gになります。赤ちゃんは生まれてからの成長も目覚ましく、1才までに身長は約1.5倍、体重は約3倍になります。

赤ちゃんが成長するためにはお母さんと赤ちゃんの適切な栄養摂取が不可欠です。今回は赤ちゃんがどのようにして体内に栄養を取り入れ成長していくのか、赤ちゃんの成長段階と共にお話していきます。

 

<おなかの中の赤ちゃんの栄養>

おなかの中の赤ちゃんは胎盤を通じてお母さんの血液の中の栄養を吸収しています。

妊娠中の栄養はお母さんの必要量に加え、赤ちゃんの成長と共にその需要が増してきます。この時期のお母さんの栄養状態が赤ちゃんの健康に大きく影響します。

妊娠前の瘦せすぎや妊娠中のダイエットが、胎児発育不全や低出生体重児のリスク因子になることが研究で明らかになっています。低出生体重児は全身の器官が十分に成熟する前に生まれることが多く、入院治療が必要となることがあります。おなかの中の赤ちゃんが順調に発育するためにお母さんがしっかり栄養を摂ることが大切です。1日3回バランスのよい食事を心がけましょう。

日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、妊婦さんのエネルギー付加量は妊娠初期で+50kcal、妊娠中期で+250kcal、妊娠後期で+450kcalとなっています。また、たんぱく質の付加量(推奨量)は妊娠中期で+5g、妊娠後期で+25gとなっています。

 

<赤ちゃんの授乳栄養>

生まれてから1才までは、人の一生のうちで最も著しく成長する時期です。赤ちゃんの成長において栄養は不可欠な要素です。生後 5~6 カ月頃までの赤ちゃんにとって、唯一の栄養源は母乳やミルクです。授乳栄養には母乳による母乳栄養、ミルクによる人工栄養、母乳とミルクの両方を用いる混合栄養があります。

・母乳栄養

母子健康手帳には「新生児には母乳が基本です。」と書かれています。母乳栄養は赤ちゃんの病気を防ぎ、赤ちゃんとお母さんの絆を強くします。特に、初乳と呼ばれる出生後 2日間分泌される母乳は免疫物質を多く含み、たんぱく質、ミネラルが豊富に含まれているので、新生児に必要な栄養が与えられ、アレルギー予防にもつながるため非常に重要だとされています。

母乳栄養には、赤ちゃんの疾病・死亡率が低い、赤ちゃんが必要とする栄養素を全て含んでいる、赤ちゃんの消化・吸収・代謝の負担が少ない、アレルギーの心配が少ない、細菌などを含まず衛生的、手間がかからず経済的、お母さんとの接触が赤ちゃんの情緒的発達によい、お母さんの産後の回復を促す等のメリットがあります。

母乳栄養の場合、お母さんの体内の代謝亢進と赤ちゃんの需要に応じるために、お母さんに必要な栄養量は増加します。母乳の分泌を促すためにも和食中心のバランスのとれた食事を意識しましょう。日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、授乳婦さんのエネルギー付加量は+350kcal、たんぱく質の付加量(推奨量)は+20gとなっています。また、十分な睡眠、こまめな水分補給、ストレスをためない、体を冷やさない等の生活面での意識も大切です。

・人工栄養

母乳分泌の不足、お母さんや赤ちゃんの体調による授乳禁忌、お母さんの仕事の都合等によっては人工栄養を頼ることになります。ミルクは栄養成分を母乳に近づけて作られているため、人工栄養が栄養面で劣るということはありません。ミルクには母乳栄養で不足しているビタミンD、ビタミンK、カルシウム、鉄などが多く含まれています。

粉ミルクは製品によって決められた通りの濃さに溶かすことが大切です。調乳する際には必ず手を洗い、一度沸騰させた70℃以上のお湯でミルクをしっかり溶かし、十分に冷まして体温ぐらいになっていることを確認してから飲ませましょう。飲み残しや調乳後2時間以上たったミルクは必ず捨てましょう。

最近では哺乳瓶に注いでそのまま飲ませることのできる液体ミルクが注目されています。調乳の手間がないのでお出かけ、夜間の授乳、赤ちゃんを預ける時等に便利です。また、衛生的で災害時に備えることもできます。

・混合栄養

混合栄養とは授乳の一部を人工栄養で補うことです。母乳を与えた後に不足分をミルクで補う方法と、母乳栄養と人工栄養を別々に行う方法があります。前者は母乳の分泌不足のため赤ちゃんの1回の栄養所要量を満たせない場合に用いる方法で、最初に母乳を 飲ませてその後にミルクを補充します。後者はお母さんが仕事をしている場合等に用います。母乳の分泌量を減少させないためにできるだけ授乳回数を減らさないことが望ましいです。

母乳栄養が推進されるなかで、やむを得ず人工乳栄養や混合栄養を選択するお母さんの中には、赤ちゃんに対する罪悪感や失敗感から精神的に落ち込む人も少なくありません。現在のミルクは優れた品質であることを理解し、母乳栄養に固執することなく必要に応じて無理なく人工栄養、混合栄養を選択しましょう。人工栄養を母乳栄養に近づけるための工夫として抱いて授乳する、衛生的に処理する、決められた通りの濃さにする等が挙げられます。また、母乳栄養のように赤ちゃんの要求に従って欲しがるだけ飲ませる自律授乳という方法もあります。人工栄養で自律授乳を行う場合、ミルクの与えすぎには注意しましょう。

 

<赤ちゃんの離乳栄養>

母乳やミルクを飲んで栄養を摂ってきた赤ちゃんが、形のある食べ物をかみつぶすことができるようになり、必要な栄養の大部分を母乳やミルク以外から摂れるようになるための練習過程を離乳といいます。

離乳食には固形物を食べる練習、成長のための栄養補給、かむ力を育てるトレーニング、食べ物の味・香りの経験、食べる楽しさの経験、食文化の経験等の役割があります。

離乳の開始は5~6カ月頃が適当です。赤ちゃんの発育、発達の状況に合わせて進めましょう。生後5~6か月頃は1日1回なめらかにすりつぶした状態の食べ物を与えます。母乳やミルクは赤ちゃんが欲しいだけ与えます。この時期は離乳食を飲み込むこと、その舌触りや味に慣れさせることが主な目的で、離乳食から補給される栄養は少なくて大丈夫です。

7~8カ月頃から1日2回食で食事のリズムをつけていきます。いろいろな味や舌ざわりを楽しめるように食品の種類を増やしていきましょう。下でつぶせるくらいの固さが目安です。母乳やミルクは離乳食の後に2回と、別で3回程度与えます。

9~11カ月頃から1日3回食に進めていきます。この頃になると歯ぐきでつぶせるくらいの固さの食べ物が食べられるようになってきます。離乳食の後の母乳やミルクは少しずつ減量し、中止していきます。離乳食とは別に赤ちゃんの栄養補給のために母乳やミルクを1日に2回程度与えます。

生後12~18ヵ月頃になって、形のある食べ物を歯ぐきでかみつぶすことが出来るようになると、栄養の大部分を母乳やミルク以外の食べ物から摂れるようになります。これで離乳が完了します。食事は1日3回となり、そのほかに1日に1~2回間食を用意しましょう。1歳以降は牛乳をコップで与えます。

 

<まとめ>

赤ちゃんの成長のために必要な栄養についてお分かりいただけたでしょうか。赤ちゃんの発育、発達段階に合わせて必要な栄養量や栄養摂取の方法は変化していきます。それぞれの段階に応じてお母さんと赤ちゃんの適切な栄養摂取を心がけましょう。

 

赤ちゃんの未来に備える「さい帯・さい帯血保管」を考えてみませんか?

赤ちゃんとお母さんをつなぐ、「へその緒(さい帯)」と、その中を流れる血液「さい帯血」には、体を作るためのもととなる貴重な「幹細胞」が多く含まれていて、赤ちゃんやご家族の将来に備えて長期的に凍結保管することができます。

幹細胞は新しい医療への活用が進められており、もしもの時に役立てられる可能性があります。

さい帯・さい帯血保管のポイント!

  1. 出産後わずか数分の間にしか採取できない貴重な赤ちゃんのものです。
  2. 採取の際、お母さんと赤ちゃんに痛みや危険はありません。
  3. どちらにも幹細胞がたくさん含まれています。
  4. 再生医療分野など、さまざまな活用が進んでいます。
  5. それぞれ異なる幹細胞が含まれているため、両方を保管しておくことで将来の利用の選択肢が広がります。

実際に保管・利用した方のお声

出産時にしか採取できない「さい帯血」を、脳性まひのお子さまに対して臨床研究で使用された方のお声をご紹介します。

高知大学の臨床研究で
さい帯血投与を受けたお子さま

さい帯血を保管して
本当に良かったと思っています

元気に産まれたと思っていましたが、生後半年頃から左手をほとんど使おうとしないことに気付き、1歳頃にやはり何かおかしいと思ってMRIを撮ってもらうことにしました。結果1歳5ヶ月で脳性まひとわかりました。
2歳の誕生日にステムセルからハガキが届き、出産時に保管したさい帯血がもしや役に立つのではと思い至りステムセルに問い合わせました。ちょうど臨床試験への参加者を募集していて、運よく2歳5ヶ月のときに参加することができました。
輸血前は左手と左足に麻痺があり、歩けてはいるものの、とても転びやすく、少し歩いては転びを繰り返していました。しかし輸血後、翌日には転ぶ回数が減り、おもちゃを両手で掴めるようになって驚きました。その後もリハビリも継続し、完治したわけではありませんがかなり麻痺が軽くなったように思います。
現在、地域の小学校の普通級に集団登校で通えています。
まさか我が子がさい帯血を使って治療をすることになるとは思っていませんでしたが、保険のつもりでさい帯血を保管しておいて本当に良かったと思います。

さい帯・さい帯血を利用した再生医療の研究が、今まさに国内外で進んでいます。

その他のお声は公式サイトからご覧いただけます。

医師からのメッセージ


総合母子保健センター
愛育病院 病院長
百枝幹雄 先生

応用範囲が広がる
「さい帯・さい帯血」による再生医療

近年、めざましく進歩している再生医療のなかで、さい帯やさい帯血の幹細胞を利用する技術の最大の特徴は、通常は破棄してしまうけれども実はとてもポテンシャルの高い出生時の幹細胞を活用するという点です。
これまで有効性が示されている白血病、脳性まひ、自閉症のほかにも様々な疾患に対して臨床研究が進んでいますし、民間のバンクではご家族への利用も可能になりつつありますので、今後はますます応用範囲が広がることが期待されます。
一方、忘れてはならないのは必要になるまで幹細胞を長期間安全に保管するには信頼できる設備と技術が必要だということで、それにはそれなりのコストがかかります。
コスト・ベネフィットのとらえ方は人それぞれですが、お子様とご家族の将来を見据えてベネフィットが大きいとお考えの方には、信頼できる施設へのさい帯やさい帯血の保管は十分価値のある選択肢だと思います。

さい帯・さい帯血についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

保管するなら、ステムセル研究所の「HOPECELL(ホープセル)」

株式会社ステムセル研究所が提供する「さい帯・さい帯血ファミリーバンクHOPECELL(ホープセル)」は、日本国内で最も選ばれている保管サービスです。

ステムセル研究所は、25年以上の保管・運営実績がある日本初のさい帯血バンクで、国内最多となる累計80,000名以上のさい帯血を保管しています。

どうやって保管するの?
ステムセル
研究所
出産時に産科施設で採取されたさい帯・さい帯血は、ステムセル研究所の高レベルのクリーンな環境で専門スタッフが処理・検査を行います。国内最大級の細胞保管施設にて、約-190℃の液体窒素タンク内で長期間大切に保管されます。また、ステムセル研究所は厚生労働省(関東信越厚生局)より「特定細胞加工物製造許可」を取得しており、高品質と安全性を実現しています。
保管したさい帯血は何に使えるの?
ステムセル
研究所

国内では脳性まひに対する、赤ちゃんご自身やごきょうだいのさい帯血投与の研究が行われています。海外の臨床研究では、投与により運動機能および脳神経回路の改善が報告されています。また自閉症スペクトラム障害(ASD)に対して、さい帯血の投与によりコミュニケーション能力や社会への順応性が向上する可能性が期待されており、大阪公立大学にてお子さまご自身のさい帯血を投与する臨床研究が開始されます。

さい帯・さい帯血保管は高いと聞いたのですが…
ステムセル
研究所
さい帯またはさい帯血のどちらか一方を10年間保管する場合、月々2,980円(税込)で保管することができます。出産時にしか採取・保管することができない貴重な細胞なので、お子さまの将来に備えて保管される方が増えています。

無料パンフレットをお送りします!

さい帯・さい帯血保管についてより詳しく知っていただけるパンフレットをご自宅へお送りします。

赤ちゃんの将来に備える「さい帯・さい帯血保管」をぜひ妊娠中にご検討ください。

この記事の監修者

助産師 坂田陽子 先生

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー