陣痛は生理痛のような痛みってホント?

記事監修者:坂田陽子
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

陣痛は生理痛のような痛み!?
陣痛は生理痛のような痛みと表現されることがあります。私自身も、陣痛の始まりを例えるならば「生理痛を10倍くらい強くした痛み」でした。陣痛と生理痛はなぜ似たような痛みなのでしょうか?今回は陣痛と生理痛の痛みのメカニズムをご説明いたします。知っていると便利な痛みの対処法についてもご紹介いたします。
陣痛と生理痛に関係するプロスタグランジン
排卵後に妊娠しなかった場合、不要になった子宮内膜が剥がれ落ちて出血が起こります。これが生理です。生理中は子宮内膜からプロスタグランジンというホルモンに似た働きをする生理活性物質が分泌されます。プロスタグランジンには子宮を収縮させ不要になった子宮内膜を血液とともに体外に押し出す働きがあります。このプロスタグランジンによる子宮の過度な収縮が生理痛の主な原因です。プロスタグランジンには痛みを強める作用を持つものもあるので、プロスタグランジンが頭で作られた場合、頭痛などの症状が現れることもあります。
実はこのプロスタグランジン、陣痛の際にも分泌されます。陣痛とは出産のために起こる子宮収縮の痛みです。陣痛も生理痛もプロスタグランジンの分泌により促される子宮収縮の痛みなのです。このことから、陣痛は生理痛のような痛みといわれることが多いのです。さらにプロスタグランジンには製剤になっているものもあり、出産のときに陣痛を促すための陣痛促進剤として使われています。
生理痛に似ているのは前駆陣痛
陣痛には大きく分けて3つの種類があります。産前の子宮収縮による前駆陣痛、出産の段階で起こる本陣痛、産後の子宮収縮による後陣痛です。この中で生理痛と似ているといわれているのが前駆陣痛です。
前駆陣痛は偽陣痛とも呼ばれていて痛みの感覚が不規則で長時間継続しないという特徴があります。また、強い痛みが時間の経過とともに弱くなってくる傾向があります。前駆陣痛は本格的な陣痛に向けて身体が準備を始めているというサインでもあり、基本的にはそのまま分娩に進むということはありません。
本陣痛の場合、始まりは生理痛に似た軽い不規則な痛みであっても、徐々に痛みの感覚が規則的になり、強さも増していきます。子宮収縮による痛みだけでなく、胎児が出るために子宮口が押し広げられることで生じる痛み、胎児の頭が下がってくることで骨盤が押し広げられ生じる腰の痛み、胎児の頭により産道の筋膜などが圧迫・刺激されて生じる痛み、赤ちゃんが出てくる間際の外陰部から肛門にかけて強い力で引っ張られるような激しい痛みなど様々な痛みが相まって、もはや生理痛とは比べものにならないという方が多いようです。
生理痛のような前駆陣痛の対処法
生理痛に似ていると表現される前駆陣痛ですが、生じる原因については、まだ完全には明らかにされていません。妊婦さんが活動的に動いた時、膀胱内に尿が溜まっている時、性交渉の後、脱水傾向にある時などに子宮収縮が誘発され、前駆陣痛が生じやすいと考えられています。生理痛のような痛みが強い時でもおなかに赤ちゃんがいる妊婦さんは鎮痛薬を使用することが出来ません。痛みを和らげるために出来る対処法をご紹介いたします。
①ゆっくり深呼吸をする
3秒くらいかけてゆっくり鼻から吸って、3秒くらいかけて口から吐く呼吸をすると痛みが和らぐことがあります。肩の力を抜き、落ち着いて長くゆっくりと呼吸しましょう。この呼吸法は本陣痛の始まりの痛みにも使えるので練習しておくと良いでしょう。
②楽な姿勢で安静に過ごす
楽な姿勢で安静に過ごすことで痛みが和らぐ場合があります。自分にとって楽な姿勢を見つけてみましょう。横向きの状態で足にクッションを挟むとおなかや腰に負担がかからず痛みが和らぎます。姿勢を変えることで痛みが和らぐ人もいるようです。
③水分摂取を心がける
脱水気味になると子宮収縮が誘発され、生理痛のような痛みが生じやすくなるといわれています。こまめに水分を摂るようにしましょう。お水やリラックス効果も期待できるノンカフェインの温かいハーブティーがお勧めです。
④体を温める
体が冷えていると、ちょっとしたことで痛みを感じやすくなります。身体を温めることで全身の血行が良くなり、痛みが和らぐことがあります。温かい飲み物で体の内部から温めたり、カイロを使って痛みのある部分を温めたりしてみましょう。
⑤気分転換をする
痛みがそれほど強くない場合には、気分転換をして痛みから気を逸らすと良いでしょう。好きな音楽・映画・本などを楽しむ、アロマテラピーでリラックスする、ストレッチや安産体操をするなど、自分に合った気分転換の方法を見つけてみてください。
不安な場合には産院に相談を!
本格的な陣痛に繋がりそうなときには産院に連絡し、相談することが必要です。生理痛のような痛みを感じたら、まずは落ち着いて、痛み、おなかの張りの状態や間隔を確認しましょう。痛みの間隔が規則的であるようなら、時間を計ってみてください。なお、生理痛のような痛みと共に出血があった時、破水した時には、すぐに産院に連絡して主治医の指示に従うようにしてください。どのようなタイミングで連絡を取るべきか、事前に相談しておくといざという時に慌てないで済むので安心です。
まとめ
陣痛と生理痛の痛みが似ているのは、どちらも子宮収縮による痛みだからということがわかりました。前駆陣痛の場合、生理痛と違って薬を飲むことができないので、痛みに苦しむ方も多いかと思います。今回ご紹介した痛みの対処法を参考にしてみてください。
陣痛はもうすぐ赤ちゃんに会えるサインです!皆様どうぞ良い出産をお迎えください!
赤ちゃんの未来に備える「さい帯・さい帯血保管」を考えてみませんか?
赤ちゃんとお母さんをつなぐ、「へその緒(さい帯)」と、その中を流れる血液「さい帯血」には、体を作るためのもととなる貴重な「幹細胞」が多く含まれていて、赤ちゃんやご家族の将来に備えて長期的に凍結保管することができます。
幹細胞は新しい医療への活用が進められており、もしもの時に役立てられる可能性があります。
- 出産後わずか数分の間にしか採取できない貴重な赤ちゃんのものです。
- 採取の際、お母さんと赤ちゃんに痛みや危険はありません。
- どちらにも幹細胞がたくさん含まれています。
- 再生医療分野など、さまざまな活用が進んでいます。
- それぞれ異なる幹細胞が含まれているため、両方を保管しておくことで将来の利用の選択肢が広がります。
実際に保管・利用した方のお声
出産時にしか採取できない「さい帯血」を、脳性まひのお子さまに対して臨床研究で使用された方のお声をご紹介します。

高知大学の臨床研究で
さい帯血投与を受けたお子さま
さい帯血を保管して
本当に良かったと思っています
元気に産まれたと思っていましたが、生後半年頃から左手をほとんど使おうとしないことに気付き、1歳頃にやはり何かおかしいと思ってMRIを撮ってもらうことにしました。結果1歳5ヶ月で脳性まひとわかりました。
2歳の誕生日にステムセルからハガキが届き、出産時に保管したさい帯血がもしや役に立つのではと思い至りステムセルに問い合わせました。ちょうど臨床試験への参加者を募集していて、運よく2歳5ヶ月のときに参加することができました。
輸血前は左手と左足に麻痺があり、歩けてはいるものの、とても転びやすく、少し歩いては転びを繰り返していました。しかし輸血後、翌日には転ぶ回数が減り、おもちゃを両手で掴めるようになって驚きました。その後もリハビリも継続し、完治したわけではありませんがかなり麻痺が軽くなったように思います。
現在、地域の小学校の普通級に集団登校で通えています。
まさか我が子がさい帯血を使って治療をすることになるとは思っていませんでしたが、保険のつもりでさい帯血を保管しておいて本当に良かったと思います。
さい帯・さい帯血を利用した再生医療の研究が、今まさに国内外で進んでいます。
その他のお声は公式サイトからご覧いただけます。
医師からのメッセージ

総合母子保健センター
愛育病院 病院長
百枝幹雄 先生
応用範囲が広がる
「さい帯・さい帯血」による再生医療
近年、めざましく進歩している再生医療のなかで、さい帯やさい帯血の幹細胞を利用する技術の最大の特徴は、通常は破棄してしまうけれども実はとてもポテンシャルの高い出生時の幹細胞を活用するという点です。
これまで有効性が示されている白血病、脳性まひ、自閉症のほかにも様々な疾患に対して臨床研究が進んでいますし、民間のバンクではご家族への利用も可能になりつつありますので、今後はますます応用範囲が広がることが期待されます。
一方、忘れてはならないのは必要になるまで幹細胞を長期間安全に保管するには信頼できる設備と技術が必要だということで、それにはそれなりのコストがかかります。
コスト・ベネフィットのとらえ方は人それぞれですが、お子様とご家族の将来を見据えてベネフィットが大きいとお考えの方には、信頼できる施設へのさい帯やさい帯血の保管は十分価値のある選択肢だと思います。
さい帯・さい帯血についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
保管するなら、ステムセル研究所の「HOPECELL(ホープセル)」
株式会社ステムセル研究所が提供する「さい帯・さい帯血ファミリーバンクHOPECELL(ホープセル)」は、日本国内で最も選ばれている保管サービスです。
ステムセル研究所は、25年以上の保管・運営実績がある日本初のさい帯血バンクで、国内最多となる累計80,000名以上のさい帯血を保管しています。

研究所

研究所
国内では脳性まひに対する、赤ちゃんご自身やごきょうだいのさい帯血投与の研究が行われています。海外の臨床研究では、投与により運動機能および脳神経回路の改善が報告されています。また自閉症スペクトラム障害(ASD)に対して、さい帯血の投与によりコミュニケーション能力や社会への順応性が向上する可能性が期待されており、大阪公立大学にてお子さまご自身のさい帯血を投与する臨床研究が開始されます。

研究所
無料パンフレットをお送りします!
さい帯・さい帯血保管についてより詳しく知っていただけるパンフレットをご自宅へお送りします。
赤ちゃんの将来に備える「さい帯・さい帯血保管」をぜひ妊娠中にご検討ください。

この記事の監修者
坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー