2021年8月31日
赤ちゃん・子育て

赤ちゃんの健康についてご一緒に考えてみませんか?

坂田陽子

記事監修者:坂田陽子

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

赤ちゃんが「健康で元気にすくすく育ってほしい!」、ママ・パパならば、きっと誰しもが願うことですよね。今日は、赤ちゃんの健康を守るために、ママ・パパができることを考えていきたいと思います。

 

赤ちゃんが健康であるということは?

そもそも、赤ちゃんが「健康である」というのは、どういう状態のことを言うのか考えてみたいと思います。

「健康である」であることは、

①「赤ちゃんがいつものように元気」で

②「赤ちゃんの月齢に沿った発育」がある状態だと思います。

もちろん、「健康」の定義は一つではないと思いますが、本コラムではこのように考えたいと思います。

①「赤ちゃんがいつものように元気」とは?

・赤ちゃんのいつもの体温はどのくらいでしょうか?

・いつも母乳はどのくらいのみますか?

・離乳食でしたら、いつもどのくらい食べますか?

・いつものお昼寝の時間は?

・だいたいいつも起きる時間は?寝る時間は?

・いつものおむつ替えの回数、量や便の色は?

・いつもの好きな遊びは?喜ぶときは?ご機嫌の感じは?

赤ちゃんの健康を考える上で、ポイントとなるであろう点をいくつか挙げていましたが、ママ・パパは、赤ちゃんとの生活の中で、上記のような「いつも感」を肌で感じて、感覚的に覚えていらっしゃるかと思います。

「いつものような元気」を維持しているときは、まさに赤ちゃんが健康で元気にすくすく育っている!という実感をすることができます。反対に、「いつものような元気」という感覚が当てはまらなくなった場合、「アレ?いつもと違うな」という時には、赤ちゃんの全身状態をよく観察して、必要な場合には、医療機関を受診することが、必要になってくると思います(※1)。

ご家族でよく赤ちゃんの様子を共有する(※2)ことで、異変にいち早く気づき、結果、早期の回復が期待できます。

※1

赤ちゃんに発熱や下痢、嘔吐の症状があったとしても、赤ちゃんが「いつものように」食欲があり、ご機嫌が良いときは、医療機関に受診しなくても治ってしまうことなどもあります。反対に、発熱や嘔吐の症状も多くないけれど、「いつものように」母乳を飲まない、離乳食を食べない、好きな遊びをしない、といった場合は、医療機関を受診しましょう。

※2

ママ・パパとでは、育児の時間が異なったり、おじいさまやおばあさまに、赤ちゃんをお預けしたりするときなど、この「いつも感」という感覚を、是非ご家族で共有されると良いと思います。具体的には、赤ちゃんのいつもの様子を口頭で伝える、メモにしておく等がお勧めです。

 

②赤ちゃんに月齢に沿った発育があるということとは?

どのようにして月齢や年齢に沿った発育があるか確認すればよいのでしょうか?

この点、強い味方となってくれるのは「母子健康手帳」です。妊婦健診の頃からよくご覧になっていらっしゃるかとは思います!母子手帳にある、乳幼児健康診査を受けて、発育曲線をチェックすることが、一つの確認方法と言えるかと思います。

乳幼児健康診査について、もう少し触れますと、母子健康法に基づいて市町村などが乳幼児に対して行うもので、義務化されているのは、1歳6か月健診と3歳児健診ですが、ほとんどの自治体で3~4か月健診や、生まれた医療機関で1か月健診などが行われています。節目ごとの健康診査では、体重・身長・栄養状態・異常がないか、運動機能や精神発達の状況について確認することができます。

ちなみに、この健康診査は、お住まいの市町村の保健センターや指定された病院で受けます。当日は、母子手帳・健康保険証・問診票・おむつ・ミルク等をご準備してお出かけなさってください。

また、赤ちゃんの発達は、個人差が大きいので、ご不安になってることや、疑問点を予め記入して、健康診査の際に、医師や保健師さんにお尋ねしてみるのもお勧めです。

 

さいごに

赤ちゃんが健康ですくすく元気に育ってほしい、筆者も親となっての永遠のテーマと感じておりますし、コロナ禍におきましても、「元気」でいることの大切さを再認識しております。

このコラムでは、日ごろのお子さまのご様子を「いつも感」と称して呼ばせていただきましたが、ママ・パパは、赤ちゃんと過ごす時間の中で、少しずつ、肌感覚で「いつも感」を蓄積なさっていると思います。ある本には、『ママ・パパは我が子を診る最初のお医者さん』という言葉がございましたが、このような心構えを持つことも大切かなと感じています。

とはいえ、緊急の時のご対応も、今一度ご家族でご確認ください。赤ちゃんが生後3か月未満で38度以上の高熱がでる、顔色が非常に悪い、何をしても泣き止まない、そのような際は、緊急度に応じて、休日・夜間でも受診、または救急車を呼ぶことも必要です。

赤ちゃんの健康な姿は、本当に愛しくて幸せを感じるものです。

お子さまの健やかなご成長を心より願っております。

 

参考文献

宮下守『症状からすべてわかる 子どもの病気の不安に答える本』講談社、2010年09月01日

 

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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