妊娠生活の最中、健康的な赤ちゃんを産みたい、だから早産では出産したくないと思っていませんか。
早産は37週未満での出産をさします。
早産には原因があり、リスクを上げてしまう行動も。
しかしあなたの生活の送り方次第で、早産のリスクは下げられるのです。
この記事では、主に以下のような内容を解説していきます。
・ 早産とみなされるのはいつから?
・ 早産の原因
・ 早産のリスクを下げる対策
この記事を読むと、早産を回避するために自分ができることを知れますよ。
早産とみなされるのはいつから?【37週未満】
妊娠の経過が順調で、妊娠37週以上42週未満までの出産を「正期産」と定めています(注1)。
一方早産とは、正期産よりも早い「妊娠37週未満」の出産です(注2)。
胎児が母親の胎外に出ても何とか生きていけるラインです。
「妊娠22週未満」の出産は流産といい、早産とは区別されます(注3)。
出典
(注1) 早期新生児期における早期母子接触及び栄養管理の状況【簡略版】|厚生労働省
(注2) 早産 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
(注3) 流産・死産|働く女性の心とからだの応援サイト(厚生労働省)
出産に対する早産の割合【約6%】
富山大学産婦人科の調査によると、日本における早産の割合は全妊娠の約6%といわれており「17人に1人」は早産を経験していることになります(注4)。
しかし世界の国と比較すると早産の割合は少なく、日本の周産期医療が進んでいるといえるでしょう。
また、早産による新生児の死亡リスクも低くなっています。
出典
注4 早産児の後遺症なき生存を目指して|富山大学産婦人科
気になる早産の原因【6つ】
原因1:母体の感染症
膣や子宮内に感染が起こり、その炎症が子宮内まで広がると絨毛膜羊膜炎(じゅうもうまくようまくえん)や子宮頸管炎(しきゅうけいかんえん)などが起こり、早産を引き起こすきっかけとなる場合があります。
原因2:母親が痩せ気味
妊婦さんがやせすぎているほど、胎児がおなかにとどまっている日数が短くなる傾向にあると言われています。
原因3:多児妊娠
双子以上の多児妊娠では、胎児が一人の時よりも子宮が大きくなり、早い時期からおなかが収縮しやすくなります。
そのため、早産の確率は、単児妊娠に比べて高くなります。
原因4:合併症
妊娠高血圧症候群や、妊娠糖尿病といった合併症が悪化すると、早産になる場合があります。
妊娠高血圧症候群では、悪化するとママと赤ちゃんの安全を考え、帝王切開などの人工早産となる場合があります。
また、妊娠糖尿病になると、羊水の量が増え、子宮収縮が引き起こされ早産につながることがあります。
原因5:子宮頸管無力症
子宮頸管は通常長く、硬く閉じていますが、子宮頸管無力症は、子宮頸管がやわらかく、ゆるくなってしまう状態になります。
そのため、子宮口が開いて、陣痛がきていないのに胎児が出てしまうと早産になる可能性があります。
原因6:喫煙
煙草には、ニコチンやタールが含まれていて、これらは血管の収縮を引き起こします。
胎児に、十分な酸素や栄養が行き届かくなると発育不全や早産になるリスクが高くなります。
早産は2種類に分けられる
早産は人為的に行なう「人工早産」と自然とに早産になる「自然早産」に分けられます。
以下のような症状がみられる場合、人工早産が検討されます。
症状名 | 症状 |
妊娠高血圧症候群 | 調査して記載する
母体の「脳出血」のリスクや胎盤機能が低下し、胎児への酸素や影響の供給の低下が起こる |
前置胎盤 | 胎盤が正常より低い位置に付着し、胎盤が子宮の出口の一部または全部を覆っている状態 |
常位胎盤早期剥離 | 出産の前に胎盤が子宮の壁からはがれる |
胎児機能不全 | さまざまな原因によって胎児が低酸素状態となり、元気がなくなってしまう |
一方、何らかの理由により、通常より早いタイミングの陣痛で自然に陣痛がきてしまい出産する場合を自然早産といいます。
早産のうち、約75%は自然早産です(注5)。
出典
注5 自然早産の臨床的な特徴とそこから見えてきた治療戦略と限界、 そして、その予防策へと|富山大学産婦人科
【データ別】早産で生まれた赤ちゃんの生存率は?
早産は、赤ちゃんの生存率に大きく影響します。
出産週数と生まれた赤ちゃんの体重別に生存率を見てみましょう。
データ1:出産週数
まずは出産週数別に生存率を見てみましょう。
出産週数 | 22~23週 | 24~25週 | 26~27週 |
生存率 | 66.1% | 86.5% | 94.0% |
出典:低出生体重児保健指導マニュアル|厚生労働省
出産週数で見るとお腹の中にいる期間が長いほど、赤ちゃんの生存率が高くなることがわかります。
データ2:出生体重
出生体重別に見た、赤ちゃんの生存率は以下のとおりです。
体重 | 500g未満 | 501~750g | 751~1000g |
生存率 | 60.2% | 84.6% | 94.7% |
出生体重で見ると、体重500gを超えて生まれた場合から、生存率が大きく高まっているとわかります。
早産が赤ちゃんに与える影響とは?
早産は赤ちゃんの発達にも大きな影響を与えます。
在胎週数が短いほど(早く生まれるほど)身体の発達が未熟なため、後に重篤な障害が発現発言する可能性が高くなります。
妊娠22週で生まれた場合、赤ちゃんの体重は500 g前後で長期間の新生児医療(新生児集中治療室での治療)が必要となります。
日本産婦人科学会 早産・切迫早産|公益社団法人 日本産科婦人科学会
最近では、妊娠34週以降の正期産に近い時期の早産であっても、呼吸障害など長期に障害を残すことが報告されています。
【対策】早産のリスクを下げる7つの習慣
早産を避けるための完璧な予防法はありません。
早産のリスクが上がる要因をできる限り取り除くことが大切なのです。
・ バランスのよい食事をとる
・ 疲れやストレスを溜めない
・ 負担の大きいダイエットをしない
・ 身体を冷やさない
・ 喫煙しない
・ 感染症防止に避妊具を使用
・ 妊婦健診を欠かさない
定期的に妊婦健診で産婦人科医に診てもらい、切迫早産の段階で対処することが重要です。
切迫早産の兆候(おなかの張りや出血等)や破水の疑いがあるときは、次の健診を待たずにすぐ産院に相談しましょう。
すぐに入院して治療を受ける場合もあります。
対応が遅れると早産となり、赤ちゃんに影響が出てしまう恐れがあるため、いつでも入院できるよう、万が一に備えましょう。
切迫早産
早産になりかけている状態、すなわち切迫早産の状態では、できる限り胎児がお母さんのおなかの中で成長できる期間を延ばすことが大切です。
切迫早産の治療は第一に安静にすることで、状況に応じて投薬を行ないます。
軽症の場合はおなかに力を入れたり、圧力がかかったりしないよう自宅で安静に過ごします。
重症の場合は、入院するケースも。
安静を保ちつつ子宮収縮抑制薬などによる処置を行ないますが、早産が避けられないと判断した場合は、新生児集中治療室(NICU)がある専門の設備が整った病院へ救急搬送されることもあります。
<まとめ>
早産になったお母さんは、気持ちの整理がつかず時には自分を責めてしまうこともあるかもしれません。
赤ちゃんは出来る限り長くお母さんのおなかの中で育てることが理想的ですが、赤ちゃんとお母さんの命を優先するためにやむを得ず早産になるケースもあります。
早産で産まれた赤ちゃんの成長は、正期産に生まれた赤ちゃんに比べてゆっくりの傾向がありますが、成長するにつれて差が小さくなることも多いものです。
もし早産になった場合でもご自身を責めず、可愛い我が子の成長をゆっくり見守ってあげましょう。
また、これから出産を控えている妊婦さんは、生活習慣などに気をつけて、早産のリスクを下げるようにつとめましょう。
チャンスは出産時の一度きり。赤ちゃんの将来の安心に備えるさい帯血保管とは
うまれてくる赤ちゃんのために、おなかに赤ちゃんがいる今しか準備できないことがあるのをご存知ですか?
それが「さい帯血保管」です。
さい帯血とは、赤ちゃんとお母さんを繋いでいるへその緒を流れている血液のことです。この血液には、「幹細胞」と呼ばれる貴重な細胞が多く含まれており、再生医療の分野で注目されています。
このさい帯血は、長期にわたって保管することができ、現在は治療法が確立していない病気の治療に役立つ可能性を秘めています。保管したさい帯血が、赤ちゃんやご家族の未来を変えるかもしれません。
しかし採取できるのは、出産直後のわずか数分間に限られています。採血と聞くと痛みを伴うイメージがあるかと思いますが、さい帯血の採取は赤ちゃんにもお母さんにも痛みはなく安全に行うことができます。
民間さい帯血バンクなら、赤ちゃん・家族のために保管できる
さい帯血バンクには、「公的バンク」と「民間バンク」の2種類があり、公的バンクでは、さい帯血を第三者の白血病などの治療のために寄付することができます。
一方民間バンクでは、赤ちゃん自身やそのご家族の将来のために保管できます。現在治療法が確立されていない病気に備える保険として利用できるのが、この民間さい帯血バンクです。
ステムセル研究所は、国内シェア約99%を誇る国内最大の民間さい帯血バンクです。
ステムセル研究所が選ばれる理由
・1999年の設立以来20年以上の保管・運営実績あり
・民間バンクのパイオニアで累計保管者数は7万名以上
・全国各地の産科施設とのネットワークがある
・高水準の災害対策がされた国内最大級の細胞保管施設を保有
・厚生労働省(関東信越厚生局)より特定細胞加工物製造許可を取得
・2021年6月東京証券取引所に株式を上場
詳しい資料やご契約書類のお取り寄せは資料請求フォームをご利用ください。
さい帯血を保管した人の声
■出産の時だけのチャンスだから(愛知県 美祐ちゃん)
■さい帯血が本当の希望になりました(東京都 M・Y様)
※ほかの保管者からの声はこちら
さい帯血保管は、赤ちゃんへの「愛」のプレゼント。
赤ちゃんに会えるまでのもう少しの期間、ぜひ少しでも快適に、幸せな気持ちで過ごしてくださいね。
▼さい帯血保管について、もっと詳しく
この記事の監修者
坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー