出産経験のある人は、妊娠中に「浮腫(ふしゅ)」を経験したことがあるのではないでしょうか。
浮腫とは、いわゆる「むくみ」のことです。
「足がパンパンになる」
「靴下の跡がなかなか消えない」
「足が重く不快」
など、これを読んでいるあなたも、浮腫に悩まされているのではないでしょうか。
私の場合は出産前の2週間ほど、痛いほどに手がむくんでいるのを感じ、辛かった記憶があります。
つらい浮腫の症状ですが、改善する方法はあります。
この記事では主に、以下のような内容を解説していきます。
・妊婦さんの浮腫の原因
・妊婦さんの浮腫の影響
・妊婦さんの浮腫の改善方法
この記事を読むと、浮腫の悩みが軽くなり、楽に妊娠生活を送れるようになりますよ。
浮腫(=むくみ)がひどくて悩んでいる…という妊婦さんは、ぜひ参考にしてください。
浮腫とは?
浮腫とは血液中の水分が血管の外へしみ出し、細胞の外にたまっている状態のこと。人間の体内では、細胞内と細胞外の水分バランスが保たれていますが、細胞外の水分が多くなることによって引き起こされます。これがむくみ、すなわち「浮腫」です。
妊婦さんでは、とくに臨月に近付くにつれて浮腫が多く見られます。
妊婦さんに浮腫が起こりやすい3つの原因
妊婦さんは主に以下3つの原因によって、浮腫が起こりやすくなっています。
- ホルモンバランスの変化
- 子宮による大静脈圧迫
- 血液量の増加
順番に内容を解説します。
原因1:ホルモンバランスの変化
妊娠中は、体に水分を保持させるホルモン(エストロゲン)が多く分泌されます。
そのため体内に水分が溜まりやすくなり、浮腫の原因となります。
原因2:子宮による大静脈圧迫
大きくなっている子宮が脚から心臓への血流を圧迫すると、水分が貯留されます。体液が貯留します。水分が脚の静脈に溜まると、周囲の組織にしみ出します。
子宮はおもに下半身につながる大静脈を圧迫するため、足などに浮腫が生じやすくなるのです。
原因3:液量の増加
妊娠中は体内を循環する血液量が増加します。出産時の出血に身体が備えようとするためです。
血液量が増加すると、血管内の圧力が増え、浮腫の原因となります。
妊婦さんの浮腫に悪影響はないのか?
血液量が増えることによる足などの浮腫は、ほとんどの妊婦さんが経験する生理的なものといえます。
腫れぼったさや不快感がありますが、生理的な浮腫は健康的な妊婦さんにも起こり得るため、それほど心配はないと考えられています。
そのため、日常生活に支障がない程度の浮腫であれば、それほど心配はありません。
また出産後は、自然と浮腫が解消される妊婦さんも多いです。
ただし、まれに妊娠中の病気が原因で起こる浮腫もあるため、ご自身の体に異変がないか注意しておきましょう。
妊娠高血圧症候群が原因で起こる浮腫
妊婦さんの浮腫のなかには、病気が原因で起こるものもあります。たとえば、「妊娠高血圧症候群」で浮腫の症状が見られることも珍しくありません。
妊娠高血圧症候群とは、妊娠20週以降分娩12週の間に高血圧になることです。さらに蛋白尿が見られることもあります。
以下の症状がみられる妊婦さんは、病気が原因の浮腫が疑われるため担当の医師へご相談ください。
・血圧が140/90mmHg以上
・片方の脚・ふくらはぎのみのむくみで、熱感・発赤・圧痛・発熱などを伴っている
・手のむくみ
・急に悪化するむくみ
・錯乱、呼吸困難、視覚の変化、ふるえ、けいれん、急な腹痛、急な頭痛
・急激な体重の増加
日頃の食生活で塩分を過剰摂取すると、浮腫しやすくなるだけでなく、妊娠高血圧症候群になるおそれがあるため注意が必要です。塩分は控えめに、水分は適度に補給しましょう。
【体験談】私の浮腫と妊娠高血圧症候群
じつは私も第一子の妊娠中、妊娠中期から血圧が上昇してしまい、毎日血圧を測定し、病院でチェックしてもらうことになりました。赤ちゃんの万が一のことを考慮して、個人病院から、NICUのある総合病院へ転院が決まり、とても不安でした。
定期健診のときには、まったく問題のなかった血圧が急に高くなっていて、びっくりしたのを覚えています。「個人差はあるけど、出産までに徐々に血圧が上がりやすいから気をつけてね」と助産師さんに言われましたが、本当でした。血圧が下がりにくい状態になったため、徹底的に食事の塩分に気をつけて生活をしていましたが、どんどん血圧が上がってしまったのです。出産の2週間ほど前から、手の浮腫を感じて痛かったり、たまに頭痛を感じたりして、血圧も高い状態が続きます。担当の医師から「次の検診の時には入院した方が良いと思うので、さらに血圧が上がらなくても入院の準備をしておいてください。高くなったら即入院です。」と言われました。
この2日後、予定よりもひと月ほど早く破水して出産を迎えたため、入院をすることはありませんでした。「妊娠高血圧症候群」は母体死亡や胎児新生児の死亡の原因となることもあるため、とても心配して生活していました。
妊婦さんの浮腫を改善する3つの方法
浮腫は手足がむくみ、痛みが伴うこともあるため、つらい症状ですよね。
ここでは、妊婦さんの浮腫を改善する3つの方法をご紹介します。
改善方法1:塩分を控える
塩分の摂りすぎは浮腫の大きな原因です。浮腫が気になるときは、味付けの濃い食べ物や、ジャンクフードなどはなるべく避けるようにしましょう。
改善方法2:足のリンパマッサージをする
浮腫を改善するには、足のくるぶし、ふくらはぎ、太ももなどをゆっくりさすり上げるリンパマッサージがおすすめです。体の外側から心臓に向かって行うと効果的です。好きな香りのオイルなどでリンパマッサージをすると、リラックス効果も抜群ですよ。
改善方法3:浮腫に効く漢方を飲む
浮腫には、利水作用のある以下のような漢方が効果的です。
- 柴苓湯
- 五苓散
- 当帰芍薬散
- 防已黄耆湯
なかには妊娠中に服用すると、悪影響をおよぼす漢方もあるため、産婦人科で相談のうえ処方してもらいましょう。
まとめ
妊婦さんの浮腫は、生理的な症状であるため心配のない場合も多いです。
しかし「症状がひどい」「血圧が高い」「頭痛を伴う」場合は、妊娠高血圧症候群を発症しているケースもあります。
ただの浮腫だと油断せず、塩分の摂りすぎに注意しながら、リンパマッサージなどのセルフケアで症状緩和につとめましょう。
チャンスは出産時の一度きり。赤ちゃんの将来の安心に備えるさい帯血保管とは
うまれてくる赤ちゃんのために、おなかに赤ちゃんがいる今しか準備できないことがあるのをご存知ですか?
それが「さい帯血保管」です。
さい帯血とは、赤ちゃんとお母さんを繋いでいるへその緒を流れている血液のことです。この血液には、「幹細胞」と呼ばれる貴重な細胞が多く含まれており、再生医療の分野で注目されています。
このさい帯血は、長期にわたって保管することができ、現在は治療法が確立していない病気の治療に役立つ可能性を秘めています。保管したさい帯血が、赤ちゃんやご家族の未来を変えるかもしれません。
しかし採取できるのは、出産直後のわずか数分間に限られています。採血と聞くと痛みを伴うイメージがあるかと思いますが、さい帯血の採取は赤ちゃんにもお母さんにも痛みはなく安全に行うことができます。
民間さい帯血バンクなら、赤ちゃん・家族のために保管できる
さい帯血バンクには、「公的バンク」と「民間バンク」の2種類があり、公的バンクでは、さい帯血を第三者の白血病などの治療のために寄付することができます。
一方民間バンクでは、赤ちゃん自身やそのご家族の将来のために保管できます。現在治療法が確立されていない病気に備える保険として利用できるのが、この民間さい帯血バンクです。
ステムセル研究所は、国内シェア約99%を誇る国内最大の民間さい帯血バンクです。
ステムセル研究所が選ばれる理由
・1999年の設立以来20年以上の保管・運営実績あり
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・全国各地の産科施設とのネットワークがある
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さい帯血を保管した人の声
■出産の時だけのチャンスだから(愛知県 美祐ちゃん)
「さい帯血を保管しようと決めたのは、妊娠8ケ月の時でした。最初の病院では、民間バンクは確証がないということで断られました。でも、そんな考えであきらめていいのかと思い、他院への転院を決意。3軒目の病院で婦長さんが話を聴いてくださり、先生と相談した結果、無事採取保管となりました。
採取できるチャンスはたった1回だけ。将来、医療技術が進歩した時に後悔しないためにも、採取保管できて本当に良かったと思います。今後、さい帯血が多くの人に理解され、官民問わず必要とする人々が有効に利用できるようなシステムになっていくことを望みます。」
■さい帯血が本当の希望になりました(東京都 M・Y様)
「私の子どもはウィルス性の病気から脳の一部が機能障害となりました。万が一に備えて保管しておいたさい帯血。
治療に効果があると知り、現在は移植治療に向けて準備をしているところです。まさか使うことになるとは思わなかったし、使わない方が良かったのですが、一生に一度きりのさい帯血を保管しておいて良かったと心から思います。」
※ほかの保管者のから声はこちら
さい帯血保管は、赤ちゃんへの「愛」のプレゼント。
赤ちゃんの将来に向けた準備をしながら、赤ちゃんに会えるまでの期間、ぜひ幸せな気持ちで過ごしてくださいね。
▼さい帯血保管について、もっと詳しく
この記事の監修者
坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー