妊娠後期におきる頭痛の原因とは?5つの対処法や注意点も解説

助産師 坂田陽子 先生

記事監修者:助産師 坂田陽子 先生

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

妊娠後期に入り、頭痛の症状がつらいと悩んでいませんか。

頭痛薬の服用は赤ちゃんへの影響が気になり、どう対処すればよいか悩んでいる人もいるでしょう。

妊娠後期における頭痛には、運動不足やホルモンバランスの変化など、いくつかの要因が考えられます。

あらかじめその要因を知っておけば、予防や対策も取りやすくなりますよ。

この記事では、おもに以下の内容を解説していきます。

 

■妊娠後期に頭痛がおきる3つの原因

■妊娠中の頭痛をやわらげる5つの対処法

■妊娠中に注意すべき頭痛の症状

 

この記事を読むと、妊娠後期におきる頭痛をやわらげられるため、楽に日常生活を過ごせるようになりますよ。

妊娠中の頭痛に悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

妊娠後期は緊張性頭痛であるケースが多い

妊娠初期は目の横周辺にズキズキする痛みを伴う片頭痛」がおきるケースが多いです。 

一方妊娠後期は、後頭部周辺で頭が締め付けらるような痛みが起きる緊張性頭痛であるケースが多い傾向す。 

緊張性頭痛は肩こりや倦怠感といった症状も見受けられるでしょう。

妊娠後期におきる頭痛の原因【3選】

妊娠後期は生活習慣や体内のホルモンバランスの変化によって、頭痛が引き起こされます。 

おもな頭痛の原因は以下の3点です。 

・ 貧血 

・ ホルモンバランスの乱れ 

・ 運動不足やストレス 

順番に内容を見ていきましょう。

 

原因1:貧血

娠中は赤ちゃんに栄養を送り込むために、母体をめぐる血液の量を増やそうと一時的に血液が薄まった状態になります。 

妊娠中にこる貧血のほとんどがこの鉄欠乏性貧血」です。 

不足によって赤血球の流れが悪くなり、体に十分な酸素が行き渡りにくくなります。 

たくさんの酸素が必要となる脳酸素不足になると、頭痛やめまいなどが症状として現れてくるのです 

妊娠後期になると貧血が進行しやすく、その分、頭痛も起きやすくなります 

また、貧血状態は胎児にも影響が出恐れもあり、注意が必要です。 

胎児は羊水の中にいるため、子宮中に流れている血液の中の酸素を胎盤やへその緒を通して取り込みながら呼吸しています。 

つまり母体が貧血状態に陥り、酸素が不足すると、胎児も十分な酸素を取り込めないのです 

そのため重度な貧血の場合は、産婦人科医の適切な判断のもと、鉄剤による治療が必要になる場合もあります。 

原因2:ホルモンバランスの乱れ

妊娠すると女性ホルモンの1つである黄体ホルモンが大量に分泌され、ホルモンのバランスが妊娠前と比べて大きく変化します。 

ホルモンバランスの変化により自律神経がうまく機能せず、血管の拡張や収縮が乱れてしまうと、生理前の頭痛と同じような痛みを感じたり、肩こりや首のこりを生じたりして、頭痛につながる場合もあるのです

原因3:運動不足やストレス 

頭痛のなかでも、緊張性頭痛は運動不足や睡眠不足、長時間の悪い姿勢、精神的なストレスが原因だといわれています。

妊娠後期にると、大きなお腹での外出が億劫にることで運動不足になってしまったり、大きくなった子宮に膀胱が圧迫されたりすることで排尿回数が増え、夜しっかり眠ることができないケースも。

初めての妊娠であれば、とくに出産や育児に対しての不安がストレスになる場合もあります。

妊娠後期の頭痛をやわらげる対処法【5選】

妊娠後期の頭痛はつらいですよね。 

ここでは、妊娠後期の頭痛に効果のある対処法を5つ紹介します。 

 

・ 鉄分の摂取 

・ 血行促進 

・ ストレス解消 

・ ツボ療法 

・ 頭痛薬の使用 

 

順番にくわしく解説していきます。 

 

対処法1:鉄分の摂取

妊娠後期になると、胎児が大きくなり鉄分の需要が急激に増え、貧血状態から頭痛を引き起こしやすくなります。 

貧血を防ぐためにも、鉄分は積極的に摂りましょう。 

具体的にはレバー豚・牛モモなど肉類全般は、血色素の産生に欠かせない良質なタンパク質も多く含んでいます。

鉄の吸収を促す「ビタミンC」は緑黄色野菜や果物に多く含まれているため、一緒に摂取すると効率がよいです。

対処法2:血行促進

妊娠後期に多い緊張頭痛の原因は、血管の収縮によって生じる血行不良です。 

血行を促すために、お風呂に入ったり、適度な運動やマッサージなどを行ったりすると、凝りがほぐされ痛みが和らぐことも多いでしょう。 

目元や首肩をホットパックなどであたためるのもおすすめです。 

ただし片頭痛を併発している場合は、運動や入浴痛みが増してしまうことも 

頭痛のタイプが分からない場合は、医師へ相談してくださいね。 

対処法3:ストレス解消

緊張型頭痛の原因となる精神的ストレス解消大切です。 

運動不足だと思ったら、適度なストレッチやエクササイズを取り入れる。 

ストレスを感じたらお茶を飲んだり、身近な人と話してみたりするなど、自分に合ったストレス解消法を探してみてくださいね。

不安や悩みがあれば、周囲の人や産婦人科医への相談も1つの方法です。 

対処法4:ツボ療法

頭痛に効果的なツボの部位は以下のとおりです。 

 ●合谷手の親指と人差し指の付け根の間 

 ●百絵:頭頂部 

 ●風池:後ろの骨と後頭部のくぼみの中間 

持ち良いと感じる程度に、親指や手のひらでやさしく押しましょう。 

蒸しタオルやお灸で温めるのもおすすめです

対処法5:頭痛薬の使用

辛い頭痛が続く場合、ついつい頭痛薬を飲みたくなってしまいますよね。 

しかし、自己判断で市販薬服用しないようにしましょう。 

妊娠中でも飲める頭痛薬は産婦人科で処方してもらえるため、一度受診をして相談してみてください 

こんな頭痛には注意!すぐ受診すべき症状

下記のような症状が伴う場合は、すぐに医師へ相談しましょう。 

・ 目がチカチカする 

・ 血圧高い 

気持ち悪い・嘔吐する 

上記の症状がある場合妊娠高血圧症候群になっている可能性があるため、すぐに受診をしてください。

とめ

妊娠後期はさまざまなマイナートラブルに悩まされますが、頭痛もつらい症状のひとつです。 

血行改善・ストレス解消・ツボ押しなどセルフケアをしながら、それでも頭痛がおさまらない場合は、無理せず医師に相談しましょう。 

また頭痛は、まれに妊娠高血圧症候群など、危険な症状のサインであることも。 

気になる症状があるときは、早めにかかりつけの産婦人科に相談してみてくださいね。 

 

参考文献 

・「産褥期の概要 」(MSDマニュアル家庭版) 

・「病気がみえる vol.10 産科」

 

 

 

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総合母子保健センター
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百枝幹雄 先生

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この記事の監修者

助産師 坂田陽子 先生

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー