妊娠が発覚して、これからどんな食べ物をとればよいのだろうかと悩んでいませんか。
妊娠初期はつわりの症状があり、思うような食事がとれないこともあるでしょう。
思うような食事がとれなければ、胎児への影響も心配ですよね。
妊娠初期の食事では、栄養のバランスが大切です。
この記事では主に、以下のような内容を紹介します。
・妊娠初期の食事にバランスが大切な理由
・積極的に摂りたい栄養素と食べ物
・簡単に作れるおすすめのレシピ
この記事を読むと、妊娠初期の食事で悩むことがなくなり、安心して妊娠生活を送れるようになりますよ。
妊娠初期の食事はバランスが大切!
妊娠中はバランスのよい食事の摂取が大切です。
以下の4点に気をつけて食事のバランスを考えてみましょう。
・「主食」の炭水化物でエネルギーを摂取
・「主菜」でたんぱく質を補給
・「副菜」で不足しがちなビタミン・ミネラルを補う
・「乳製品や小魚」などでカルシウムを摂る
妊娠初期の食事でバランスが大切な理由とは?【胎児への影響も】
妊娠中の栄養は母体の健康維持と胎児の器官形成のためにバランスよく摂ることが重要となります。
炭水化物はエネルギーとなり妊娠中の活動を支えます。
たんぱく質は胎児、胎盤、臍帯、子宮などを形成するために不可欠です。
ビタミンやミネラルは胎児の要求により母体より供給されます。また、妊娠中に起こりやすい貧血や肌トラブルを予防するためにも必要です。
栄養素はそれぞれ妊娠中に必要な役割を果たしていて、どれかが極端に欠けると妊娠期を健康に過ごすことができなくなってしまいます。
妊娠初期に摂取したい栄養素と食べ物
妊娠初期で積極的に摂取したい栄養素は、下記の5点です。
・たんぱく質
・葉酸
・鉄
・カルシウム・ビタミンD
・食物繊維
栄養素1:たんぱく質
たんぱく質は、赤ちゃんとお母さんの血液や筋肉を作る大切な栄養素です。
体の中でつくられない必須アミノ酸をバランスよく含んでいる食べ物を摂りましょう。
良質なたんぱく質が摂れる食べ物に、以下5品目があります。
・肉類
・魚類
・大豆食品
・卵
・牛乳や乳製品
栄養素2:葉酸
葉酸はビタミンB群の一種で、胎児の正常な発育に大切な働きをします。
妊娠前~妊娠初期の摂取で、胎児の「神経管閉鎖障害発症」のリスクを減らすことができるのです。
葉酸を多く含む食べ物として、以下3品目があげられます。
・緑黄色野菜
・大豆食品
・海藻類
また葉酸は、サプリメントなどで補うのもおすすめです。
栄養素3:鉄
妊娠中は妊娠前に比べ、胎児の成長をサポートするために血液量が増えます。
水分にあたる「血しょう」が4割近く増えるのに対して、赤血球は2割程度しか増えず、血液は薄い状態です。
そのため、妊婦さんは鉄欠乏状態に陥り、貧血になることもあります。
血液不足の対策には、妊娠初期から積極的に鉄を摂取すると効果的です。
たとえば以下3品目には、鉄が多く含まれています。
・魚介類
・大豆食品
・緑黄色野菜
動物性食品に含まれる鉄のほうが、体への吸収率が高いといわれています。
栄養素4:カルシウム・ビタミンD
カルシウムは体の機能維持や調子を整える働きをするミネラルのひとつで、胎児の骨や歯などを作る栄養素です。
以下のような品目に多く含まれています。
・乳製品
・大豆食品
・小魚類
・海藻類
カルシウムはビタミンDを同時に摂ると吸収率がよくなります。
またビタミンDには、カルシウムを骨に沈着させる働きがあり、「魚類」「きのこ類」に多く含まれています。
栄養素5:食物繊維
食物繊維は、妊娠中の便秘予防や改善に効果的な栄養素です。
主に下記の品目に含まれています。
・雑穀米
・野菜類
・果物類
・きのこ類
・海藻類
食物繊維の豊富な食材は、消化されにくく胃腸に負担がかかりやすいものが多いです。
妊娠初期のつわりの時期には加熱調理して、やわらかくして食べるとよいでしょう。
妊娠初期に注意したい栄養素・成分と食べ物
妊娠初期に注意したい栄養素や成分は、以下の5点です。
・塩分
・ビタミンA
・ヨウ素
・ヒ素
・水銀
1:塩分
妊娠初期に限らず、妊娠中は塩分の摂りすぎに注意しましょう。
成人女性の1日あたりの食塩摂取の目標量は「7.0g」未満です。
妊娠中に塩分の過剰摂取が続くと「妊娠高血圧症候群」になる可能性があります。
妊娠高血圧症候群とは、妊娠時に高血圧を発症した場合をいいます。重症化すると母体と胎児共に大変危険な状態となることがあります。
水分補給とカリウム摂取で余分な塩分を体外に排出できます。カリウムを多く含む食べ物は「野菜類」や「果物類」です。
2:ビタミンA
ビタミンAは目や皮膚の粘膜を健康に保ち、抵抗力を強める栄養素です。
しかし妊娠初期にビタミンAを過剰に摂取すると、胎児に奇形を起こす可能性が高くなると報告されています。
ビタミンAを多く含む「レバー」や「うなぎ」は避けたほうがよいでしょう。
なお「にんじん」や「かぼちゃ」などの緑黄色野菜に含まれるβ-カロテンは、体内でビタミンAに変換されます。
しかし体に必要な分だけビタミンAに変換され、余剰分は体外に排出されるため、ビタミンAの過剰摂取には繋がりません。
3:ヨウ素(ヨード)
ヨウ素はエネルギーの代謝、細胞の発達と成長に必要な栄養素です。
妊娠中にヨウ素が欠乏すると死産や流産、先天異常などを招く恐れがあります。
しかし過剰に摂取すると、胎児の甲状腺機能を低下させてしまう恐れがあるため、注意が必要です。
日本人は海産物を多く食べるため、摂取量が必要量を大幅に上回っているケースが多いとされています。
ヨウ素が多く含まれている食べ物は「海藻類」「ヨード卵」です。
市販のうがい薬や喉の鎮痛薬にも含まれていることがあるのでこちらも注意が必要です。
4:ヒ素
ヒ素は健康被害を及ぼす成分で「ひじき」に多く含まれます。
しかし小鉢に入ったひじきの煮物を、週に1~2回程度食べる分にはまったく問題ありません。
ひじきには「鉄」「カルシウム」「食物繊維」など栄養価の高い成分が含まれているため、適正量を摂るようにしましょう。
5:水銀
水銀は胎児の「先天性異常」を引き起こす可能性があるといわれています。
とくに大型の魚には、食物連鎖によって水銀が蓄積されているため注意が必要です。
厚生労働省では特定の魚について、妊娠中の摂取量の基準を以下のように定めています。
摂取基準 | 魚の種類 |
80g/週1回 | ・キンメダイ
・メカジキ ・メバチマグロ ・本マグロ ・クロマグロ |
80g/週2回
(160g/週) |
・キダイ
・マカジキ ・ユメカサゴ ・クロムツ ・ミナミマグロ |
なお以下の魚類については、注意は不要です。
・キハダマグロ
・ビンナガマグロ
・メジマグロ
・ツナ缶
・サケ
・アジ
・サバ
・イワシ
・サンマ
・タイ
・ブリ
・カツオ
出典元:厚生労働省「お魚について知っておいてほしいこと」
【必見】妊娠初期におすすめする食べ物一覧
食材名 | 特徴 |
ヨーグルト | ・カルシウムが豊富
・整腸作用で、便秘改善に効果的 |
あさり | ・吸収率の良い動物性の鉄が豊富
・疲労回復の効果 |
小魚 | ・カルシウムが豊富
・妊娠中のおやつに最適 |
豆腐 | ・たんぱく質、カルシウムが豊富
・つわりでも食べやすい |
納豆 | ・たんぱく質、葉酸、鉄、カルシウム食物繊維が豊富
・血液をサラサラにする |
枝豆 | ・たんぱく質、葉酸、鉄、カルシウム、食物繊維が豊富 |
ほうれん草 | ・葉酸、鉄、カルシウム、食物繊維が豊富 |
ブロッコリー | ・葉酸、ビタミンC、カリウム、食物繊維が豊富 |
きのこ | ・食物繊維やビタミンD、カリウム、鉄、亜鉛などが豊富 |
いちご | ・葉酸、食物繊維、ビタミンC、カリウムが豊富
・つわりのときでも、口にしやすい |
バナナ | ・葉酸、食物繊維が豊富
・つわりを軽減するビタミンB6も豊富 |
出典元:厚生労働省「妊娠中・産後のママのための食事BOOK」
【簡単】妊娠初期におすすめのレシピ3選
妊娠初期はつわりの影響で、食べられるものが限られますよね。
逆にちょっとした調理やひと手間で、受け付けなかった食材が驚くほど食べやすくなったりするのも、妊娠中の不思議なところ。
ここからは妊娠初期におすすめの栄養素や、食べやすさ・手軽さにこだわったレシピを3つ紹介します。
「美味しそう」「食べられそうかも」と思うレシピがあれば、ぜひ無理のない範囲で試してみてくださいね。
鶏むね肉ときのことほうれん草の蒸し焼き
鶏むね肉の薄切りと、エリンギ・まいたけ・えのきなどのきのこ類、ほうれん草を、少量の水を入れたフライパンで蒸し焼きにします。
味付けは少々の塩コショウやしょう油など、お好みで。
栄養価や食物繊維が豊富かつ低カロリーであるため、便秘解消や体重増加が気になる妊婦さんにおすすめです。
あさりと枝豆のペペロンチーノ
鉄分が豊富なあさりと、葉酸やカルシウムが豊富な枝豆のペペロンチーノ。
つわり中でも、ニンニクとオリーブオイル、唐辛子の辛みがきいた味付けなら食欲がわくというケースも。
あさりの砂抜きや枝豆を茹でるのが大変な場合は、缶詰や冷凍食品でもOK。
塩分がやや多めのレシピになりますので、食べすぎには注意してくださいね。
トマトとしらすのマリネ
切ったトマトとしらすに、お好みでお酢やレモン果汁をかけていただくマリネ。
葉酸が豊富なトマトと、カルシウムが豊富なしらすで、栄養価の高いレシピです。
簡単でさっぱり食べられるので、食欲のない妊婦さんにもおすすめです。
【注意】妊娠中に避けたい食べ物
妊娠中は免疫機能が低下して、食中毒など食べ物が原因の病気にもかかりやすい状態です。
食中毒にかかると、早産や流産のリスクが高まるといわれています。
また妊娠中は、自己判断で薬を服用することもできません。
そのため妊娠初期には、食中毒の原因になるような生ものの摂取は避けるようにしましょう。
厚生労働省からも「リステリア食中毒」を引き起こす可能性のある食べ物として、以下のような「加熱殺菌をしていない」食材は避けるように示されています。
・ナチュラルチーズ
・肉や魚のパテ
・生ハム
・スモークサーモン
妊娠初期にお菓子は食べても問題ないのか?
妊娠初期に絶対にお菓子を食べてはいけないということはありません。ただし、スナック菓子やチョコレートを大量に食べるのはNGです。
妊娠初期にお菓子を食べるのであれば、次のようなものがおすすめです。
・フルーツゼリー
・ヨーグルト
・ドライフルーツ
・干し芋
・ミックスナッツ
・蒸しパン
・お煎餅(油で揚げていないもの)
好きな時にダラダラと食べるのではなく、食事と食事の間の時間に補食のような感覚で時間を決めて食べるようにしましょう。
まとめ
妊娠初期はつわりに悩む人も多く、思うように食事が摂れないこともあります。しかし、妊娠初期は胎児のさまざまな器官が形成される大切な時期で、母体に必要な栄養素も増えていきます。
妊娠初期はバランスのよい食事を心がけましょう。また、妊婦さんには自身や胎児の健康のために気をつけなければならない栄養素や食品があることも覚えておきましょう。
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■さい帯血が本当の希望になりました(東京都 M・Y様)
※ほかの保管者のから声はこちら
さい帯血保管は、赤ちゃんへの「愛」のプレゼント。
赤ちゃんに会えるまでのもう少しの期間、ぜひ少しでも快適に、幸せな気持ちで過ごしてくださいね。
この記事の監修者
坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー