陣痛前の胎動はどう変わる?陣痛のサインと注意すべき胎動の変化を紹介

記事監修者:助産師 坂田陽子 先生
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

「陣痛前は胎動が増えたり減ったりするの?」
「胎動の変化でどんな時に病院に行くべき?」
上記のように悩んでいるのではないでしょうか。
胎動は、お腹の赤ちゃんを感じられるサイン。
出産が近づくにつれて胎動の変化に敏感になり、いつ陣痛が始まるのか、異常ではないかと不安になりますよね。
じつは陣痛前の胎動には、特徴的な変化があります。
そこで本記事では、以下の内容を解説していきます。
- 陣痛前の胎動はどのように変化するのか
- 医療機関で受診すべき胎動3つの変化
この記事を読むと、正常な胎動の変化と受診が必要なサインの違いがわかり、安心して出産に臨めるようになりますよ。
陣痛前の胎動は減る傾向にある
藤田保健衛生大学などが公表している研究論文によると、陣痛開始または破水の「約15〜19日前」に胎動のパターンが明らかに変わり、出産時期が近づくにつれて徐々に少なくなっていくといわれています(※1)。
そして遅くとも陣痛開始、または破水の「8日前」には胎動の減少が確認できるとされています(※1)。
ただし胎動をまったく感じなくなった場合は正常な減少ではないため、早急に医療機関に連絡しましょう。
胎動の変化は自分で判断せず「いつもと違う」と感じた場合は、医療機関で相談することが大切です。
胎児の健康状態を確認する重要なサインとして、胎動の変化には注意を払いましょう。
(※1)出典:J-STAGE|藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院(永田文隆ほか)けいゆう病院(鈴木健治)「胎動数の時系列解析により得られる変換点の存在と陣痛発来日との関係」日産婦誌49巻臨時増刊
医療機関で受診すべき胎動3つの変化
妊娠後期に以下のような変化が見られた場合は、医療機関での受診をおすすめします。
- 胎動が明らかに減少した・感じられなくなった
- 胎動が急に弱くなった
- いつもと明らかに違う胎動
順番に解説していきます。
変化1:胎動が明らかに減少した・感じられなくなった
妊娠後期において、胎動が明らかに減少した場合やまったく感じられなくなった場合は、すぐに医療機関に連絡が必要です。
「昨日まで元気よく動いていたのに急に動かなくなった」という状況は、胎児が何らかの原因で弱っている可能性があります。
具体的には10回の胎動を確認するのに1時間以上かかる場合は、医療機関で受診することが推奨されています(※2)。
胎盤からの酸素供給が少なくなり、苦しくて動けなくなって胎動が減少している可能性があるためです。
胎児機能不全や常位胎盤早期剥離などの深刻な状態が隠れていることもあるため、躊躇せず医療機関で受診しましょう。
(※2)出典:獨協医科大学病院 総合周産期母子医療センター「産科外来の案内」
変化2:胎動が急に弱くなった
「急に胎動が弱くなった」と感じた場合も、迷わず医療機関に連絡しましょう。
通常、赤ちゃんの胎動は妊娠末期までほぼ一定のパターンを保つものです。
急激な変化は、胎児の状態に何らかの異常が生じている可能性があります。
胎動が弱くなった原因として、へその緒のトラブルや胎盤機能の低下などが考えられます。
変化3:いつもと明らかに違う胎動
いつもと明らかに違う胎動を感じた場合も、医療機関に連絡することをおすすめします。
普段から胎児の動き方を知っておくことで、異常な変化に気づきやすくなるでしょう。
とくに妊娠32週以降は、毎日同じ時間に胎動カウントを行い、健康状態をチェックする習慣をつけるとよいといわれています(※3)。
胎動の変化を医療機関に伝える際には、いつから変化したか、どのように変わったかを具体的に説明できるよう、日頃から赤ちゃんの動きに注意を向けておくことが大切です。
(※3)出典:獨協医科大学病院 総合周産期母子医療センター「産科外来の案内」
陣痛前の胎動に関するQ&A
ここでは陣痛前の胎動について、よくある3つの質問をまとめました。
順番に見ていきましょう。

また赤ちゃんは骨盤内に頭を固定して出産へ向けて準備をするため、その際に激しい胎動を感じる場合があります。


日中、仕事や家事をして体を動かしていると、胎動に気づきにくくなります。
お母さんがリラックスしている夜間の方が、より胎動を感じると言われています。
まとめ
胎動や陣痛の感じ方は、個人差があるので、自分が正常なのかどうか、不安になってしまうこともありますよね。
少しでも不安や心配なことがある場合には、無理に自己解決しようとせず、医療機関に相談するなどして、不安を取り除くように心がけましょう。
赤ちゃんの未来に備える「さい帯・さい帯血保管」を考えてみませんか?
赤ちゃんとお母さんをつなぐ、「へその緒(さい帯)」と、その中を流れる血液「さい帯血」には、体を作るためのもととなる貴重な「幹細胞」が多く含まれていて、赤ちゃんやご家族の将来に備えて長期的に凍結保管することができます。
幹細胞は新しい医療への活用が進められており、もしもの時に役立てられる可能性があります。
- 出産後わずか数分の間にしか採取できない貴重な赤ちゃんのものです。
- 採取の際、お母さんと赤ちゃんに痛みや危険はありません。
- どちらにも幹細胞がたくさん含まれています。
- 再生医療分野など、さまざまな活用が進んでいます。
- それぞれ異なる幹細胞が含まれているため、両方を保管しておくことで将来の利用の選択肢が広がります。
実際に保管・利用した方のお声
出産時にしか採取できない「さい帯血」を、脳性まひのお子さまに対して臨床研究で使用された方のお声をご紹介します。

高知大学の臨床研究で
さい帯血投与を受けたお子さま
さい帯血を保管して
本当に良かったと思っています
元気に産まれたと思っていましたが、生後半年頃から左手をほとんど使おうとしないことに気付き、1歳頃にやはり何かおかしいと思ってMRIを撮ってもらうことにしました。結果1歳5ヶ月で脳性まひとわかりました。
2歳の誕生日にステムセルからハガキが届き、出産時に保管したさい帯血がもしや役に立つのではと思い至りステムセルに問い合わせました。ちょうど臨床試験への参加者を募集していて、運よく2歳5ヶ月のときに参加することができました。
輸血前は左手と左足に麻痺があり、歩けてはいるものの、とても転びやすく、少し歩いては転びを繰り返していました。しかし輸血後、翌日には転ぶ回数が減り、おもちゃを両手で掴めるようになって驚きました。その後もリハビリも継続し、完治したわけではありませんがかなり麻痺が軽くなったように思います。
現在、地域の小学校の普通級に集団登校で通えています。
まさか我が子がさい帯血を使って治療をすることになるとは思っていませんでしたが、保険のつもりでさい帯血を保管しておいて本当に良かったと思います。
さい帯・さい帯血を利用した再生医療の研究が、今まさに国内外で進んでいます。
その他のお声は公式サイトからご覧いただけます。
医師からのメッセージ

総合母子保健センター
愛育病院 病院長
百枝幹雄 先生
応用範囲が広がる
「さい帯・さい帯血」による再生医療
近年、めざましく進歩している再生医療のなかで、さい帯やさい帯血の幹細胞を利用する技術の最大の特徴は、通常は破棄してしまうけれども実はとてもポテンシャルの高い出生時の幹細胞を活用するという点です。
これまで有効性が示されている白血病、脳性まひ、自閉症のほかにも様々な疾患に対して臨床研究が進んでいますし、民間のバンクではご家族への利用も可能になりつつありますので、今後はますます応用範囲が広がることが期待されます。
一方、忘れてはならないのは必要になるまで幹細胞を長期間安全に保管するには信頼できる設備と技術が必要だということで、それにはそれなりのコストがかかります。
コスト・ベネフィットのとらえ方は人それぞれですが、お子様とご家族の将来を見据えてベネフィットが大きいとお考えの方には、信頼できる施設へのさい帯やさい帯血の保管は十分価値のある選択肢だと思います。
さい帯・さい帯血についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
保管するなら、ステムセル研究所の「HOPECELL(ホープセル)」
株式会社ステムセル研究所が提供する「さい帯・さい帯血ファミリーバンクHOPECELL(ホープセル)」は、日本国内で最も選ばれている保管サービスです。
ステムセル研究所は、25年以上の保管・運営実績がある日本初のさい帯血バンクで、国内最多となる累計80,000名以上のさい帯血を保管しています。

研究所

研究所
国内では脳性まひに対する、赤ちゃんご自身やごきょうだいのさい帯血投与の研究が行われています。海外の臨床研究では、投与により運動機能および脳神経回路の改善が報告されています。また自閉症スペクトラム障害(ASD)に対して、さい帯血の投与によりコミュニケーション能力や社会への順応性が向上する可能性が期待されており、大阪公立大学にてお子さまご自身のさい帯血を投与する臨床研究が開始されます。

研究所
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この記事の監修者
助産師 坂田陽子 先生
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー