出産が怖いと感じられる3つの理由とは?不安を和らげる2つの方法や体験談も紹介

助産師 坂田陽子 先生

記事監修者:助産師 坂田陽子 先生

助産師/看護師/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

「出産のことを考えると恐怖で仕方がない」
「陣痛の痛みに耐えられるか不安」
「ちゃんと出産できるのだろうか」

上記のように悩んでいるのではないでしょうか。

出産は人生の大きなイベントであり、恐怖や不安を感じるのは自然なことです。

実際に、日本トレンドリサーチが行った調査によると「約86%」の人が出産への恐怖があったと報告されているのです(※1)。

そこでこの記事では、おもに以下の内容を解説していきます。

・出産が怖いと感じられる3つの理由
・出産時の不安を和らげる2つの方法
・実際の出産経験談とアドバイス

この記事を読むと、出産への恐怖心を軽減し、より前向きな気持ちで出産に臨めるようになりますよ。

(※1)出典:PRTIMES|日本トレンドリサーチ「【出産に対する恐怖心】出産したことがある49.6%が、恐怖心が「とてもあった」」

出産が怖いと感じられる3つの理由

出産が怖いと感じる理由は人それぞれです。

まずは、自身が怖いと感じている理由を明確にしていきましょう。

妊婦さんが出産を怖いと感じるおもな理由は、以下のとおりです。

・陣痛の痛みに対する恐怖
・出産時のリスクに対する不安
・未知の体験への漠然とした恐れ

順番に見ていきましょう。

理由1:陣痛の痛みに対する恐怖

出産に対する恐怖のなかでもっとも多いのが、陣痛の痛みへの不安です。

初産の場合は、どれほどの痛みなのか想像がつかないため、未知の痛みに対して強い恐怖を感じてしまいます。

「鼻からスイカを出すような痛み」といった表現をされることも。

一方、経産婦さんの場合は過去の痛かった経験がよみがえり「またあの痛みを経験するのか」という恐怖に襲われることがあるのです。

また陣痛だけでなく、

・会陰切開の痛み
・帝王切開後の痛み
・抜糸の痛み

など、出産にかかわるさまざまな痛みへの不安も含まれています。

痛みに弱い体質の人や過去に手術経験のない人にとって、この恐怖はより大きく感じてしまうでしょう。

自身の恐怖心が「痛み」から来ているという人は、下記も参考にしてみてください。

出産の痛みについて、よりくわしく理解できるようになりますよ。

出産の痛みが怖い!感覚を4つの例えや体験談で紹介

理由2:出産時のリスクに対する不安

母子のリスクへの心配も、出産恐怖の大きな要因です。

帝王切開を予定している場合、手術そのものへの恐怖や「本当に赤ちゃんは安全なのか」という不安を抱えがちです。

無痛分娩を選択した人も、その方法に伴うリスクや「本当に痛みが軽減されるのか」という疑問をもつ場合があります。

また切迫早産や妊娠中の病気による胎児への影響を心配し、最悪の事態を想像してしまう人も少なくありません。

年齢によるリスクを気にかける妊婦さんもおり、とくに高齢出産の場合はこの傾向が強くなります。

現代の医療技術は発達していますが、100%安全とは言い切れないのが現実であり、その不確実性が恐怖心を生み出しています。

理由3:未知の体験への漠然とした恐れ

初めての出産では、すべてが未経験のため漠然とした不安を感じるものです。

妊娠から出産、そして育児まで、体の変化や生活の変化が次々と起こり「本当に自分にできるのか」という不安が生まれます。

とくに初産の人は、出産をどう乗り切ればよいのか、生まれたあとの赤ちゃんとの生活がどうなるのか想像がつかず、恐怖心が大きくなりがちです。

人は知らないものや、未経験のものに対して恐怖を抱きやすい性質があるため、妊娠・出産という人生の大きな変化に直面することで、この心理が強く働くのです。

またホルモンバランスの変化による精神状態の不安定さも、恐怖心を強める要因となります。

出産時の不安を和らげる2つの方法

出産時の不安を和らげる方法としては、おもに以下の2つがあげられます。

・不安な気持ちを一人で抱え込まず誰かに話す
・無痛分娩の検討

順番に見ていきましょう。

方法1:不安な気持ちを一人で抱え込まず誰かに話す

それぞれが抱える不安や恐怖の内容は異なります。

不安な気持ちを一人で抱え込まず、家族や友人、かかりつけ医などに気持ちを打ち明けるだけで、解消されたり和らいだりする場合があります。

ほかにも、出産を経験した人に話を聞いてもらい、アドバイスをもらうのも効果的でしょう。

誰もが不安や恐怖をもって出産に臨んでいることがわかれば、気持ちも楽になるはずです。

また具体的に、なにが怖いのかをノートに書き出してみるのも効果的です(※2)。

書き出したノートを助産師さんに見せて、専門的なアドバイスを受けてみてもよいでしょう。

(※2)出典:厚生労働省|若者を支えるメンタルヘルスサイト「今の気持ちを書いてみる」

方法2:無痛分娩の検討

無痛分娩とは、陣痛の痛みを和らげながら行う出産方法です。

最大のメリットは痛みの軽減で、ほかにも妊婦さんの疲労が少なくなり、産後の回復が早くなる傾向があります。

また個人差はありますが、会陰切開やその縫合などの処置でも麻酔が効いているためスムーズに行えます。

一方で、麻酔の影響で陣痛が弱くなり分娩時間が長くなることや、血圧低下や発熱などの副作用が起こる可能性も。

無痛分娩の安全性については、麻酔が原因で母体が死亡する確率は10万人に1人程度とされており、適切な管理下では安全な医療行為といえます(※3)。

出産への恐怖が強い人は、医師と十分に相談してメリットとデメリットを理解したうえで検討することをおすすめします。

無痛分娩について、よりくわしく知りたい人は下記を参考にしてみてください。

無痛分娩とは?事前準備や出産の流れを解説

(※3)出典:医療法人聖粒会 慈恵病院「無痛分娩の安全性」

【経験談】出産が怖い!という気持ちが和らいだ2つの方法

私自身は2人の子を自然分娩で出産しました。

とくに初産では、今までに経験の無い事というのもあり、とにかく陣痛がどのような物か分からず漠然と「怖い」という気持ちがとても大きかったのを覚えています。

たとえば

・どのくらい痛い?
・具体的にどんな痛み?
・人それぞれとは分かっていても、どのくらい時間がかかる?
・リラックスするためにほかの人はどんな工夫をしてる?

など心配は尽きませんでした。

1.自分に合ったリラックス法を探しておく

産院でいただいた教材や、マタニティー雑誌などに「穴が開くのでは?」というくらい繰り返し読み、知識だけはと詰め込んで不安を紛らわせていました。

そしていざお産当日。

予定日もちょうど過ぎた頃だったので、産院で勧められたとおり、長めの距離を歩いて買い物に行き、しっかり夕食をとった後で、タイミング良く陣痛が始まりました。

初めは生理痛と大差は無いくらいの痛みから、だんだん強くなりお腹が痛いというよりは、腰骨が思いきり引っ張られている様な感覚でした。

陣痛の間隔も短くだんだん強くなって来て、いよいよ本陣痛かな?と思っていたのですが、それなりの間隔にはなっても、10分間隔からはなかなか進みません。

産院へ電話で報告し、相談のあと向かいましたが、陣痛の間隔はそれほど縮まらなかったので一旦帰宅する事に…。

その後も痛みは同じように10分間隔となかなか進まず、とにかくリラックスしなければ進まない!と色々準備していたアロマを焚いたり、音楽を聞いたりして過ごしました。

それでも痛みと不安の為か、なかなかうまくリラックスする事ができなかったので、助産師さんから勧められた入浴をする事にしました。

(破水の可能性がある方は感染症の心配や、赤ちゃんに影響が出てしまう事もあるそうなので、自身で判断せず必ず産院に相談して下さいね)

入浴中は浮力のおかげか、お腹が張る感覚はあるものの、定期的な痛みも和らぎ束の間ですがとてもリラックスできました。

2.陣痛中は噛まずに食べられる物を準備する

その後、入浴で血行も良くなり余程リラックス出来たのか、お産は一気に進み着替え終わった頃には、陣痛の間隔もほとんど分からないくらい短くなっていました。

それからは歩くのもやっとといった具合だったので、こわいという気持ちも何処へやら。

とにかく生まれるまでに産院に着かなければと必死でした。

そんな心配とは裏腹に、初産でそのままスムーズに生まれる訳もなく、その後も陣痛室で数時間唸る事になります。

そこで重要なのが食事についてです。

どこの産院でも、必ずお産の前に助産師さんから助言があると思いますが、陣痛は初産で平均して14時間、経産婦でも8時間程度と基本的に長丁場です。

中には20時間以上かけて出産する人も。

自分自身でも気付かないうちに緊張していたり、力が入ってしまったり、妊婦さんは想像以上に体力を消耗しますので、食欲が無くても食べられる物。

最悪の場合噛めなくても飲み込んでエネルギーを摂取出来るような物を用意しておきましょう。

実際に私の場合は、あれこれ考えて用意した軽食も殆ど食べられず。

そんな具合でしたので、当然体力もギリギリで、いざいきむ段階になってもそう何度も力を入れる事ができず苦戦しました。

そんなとき、母が差し入れで持って来てくれたプリンなら、2、3口が精一杯でしたが食べることができました(ちなみに自力では食べられず、母に押し込んでもらいました)。

口にできる食べ物があったことは、辛い陣痛中においても安心材料となりました。

出産への恐怖に関するQ&A

ここでは出産への恐怖について、よくある3つの質問をまとめました。

順番に見ていきましょう。

痛みに弱い人でも出産に耐えられる?
坂田先生
「私は痛みに弱いから大丈夫かな…」と不安になる方はとても多いです。

ですが、出産は助産師さんや医師がしっかりサポートしてくれるので心配しすぎなくて大丈夫です。

無痛分娩など、痛みを和らげる方法もあります。

出産が怖くて夜眠れないことがあるが、対処法はある?
坂田先生
不安で眠れないときは、同じ経験をした先輩ママの声を読んだり、出産体験談を見たりすると安心できることがあります。

また、深呼吸やアロマ、お気に入りの音楽を聴くなどリラックス法を試してみましょう。

どうしても眠れない日が続くときは、健診のときに先生や助産師さんに相談してみてください。

不安を言葉にするだけでも心が軽くなることがありますよ。

出産の過程で一番痛いタイミングは?
坂田先生
多くの方が「いきみを我慢する時(子宮口が全開になる直前)」を一番強い痛みとして感じます。

ただ、痛みの感じ方は人それぞれで、短く感じる方もいます。

赤ちゃんに会える直前の痛みはとても強いですが、それを乗り越えると大きな達成感と喜びが待っています。

助産師さんが呼吸法や体勢を教えてくれるので、一人で抱え込まなくて大丈夫です。

まとめ

出産への恐怖は、多くの妊婦さんが抱える自然な感情です。

初産婦は痛みの程度が想像できず、経産婦は過去の辛い経験がよみがえることで恐怖心が大きくなります。

また帝王切開や無痛分娩に伴うリスク、年齢による影響への心配も不安を高める要因です。

不安軽減の対策としては、以下のようなものがあげられます。

方法 具体的な取り組み
気持ちを話す ・家族・友人・医師への相談
・不安の書き出し
無痛分娩検討 ・メリットとデメリットの理解
・医師との十分な相談

一人で抱え込まず、専門家や経験者からアドバイスを受けることでも、出産への恐怖心を和らげ、安心してお産に臨めるようになるでしょう。

▼出産までの経過や費用について正しく理解して、不安や恐怖を軽減!詳しい記事はこちら

出産の不安を解消!妊娠中に知っておきたい基礎知識を徹底解説

赤ちゃんの未来に備える「さい帯・さい帯血保管」を考えてみませんか?

赤ちゃんとお母さんをつなぐ、「へその緒(さい帯)」と、その中を流れる血液「さい帯血」には、体を作るためのもととなる貴重な「幹細胞」が多く含まれていて、赤ちゃんやご家族の将来に備えて長期的に凍結保管することができます。

幹細胞は新しい医療への活用が進められており、もしもの時に役立てられる可能性があります。

さい帯・さい帯血保管のポイント!

  1. 出産後わずか数分の間にしか採取できない貴重な赤ちゃんのものです。
  2. 採取の際、お母さんと赤ちゃんに痛みや危険はありません。
  3. どちらにも幹細胞がたくさん含まれています。
  4. 再生医療分野など、さまざまな活用が進んでいます。
  5. それぞれ異なる幹細胞が含まれているため、両方を保管しておくことで将来の利用の選択肢が広がります。

実際に保管・利用した方のお声

出産時にしか採取できない「さい帯血」を、脳性まひのお子さまに対して臨床研究で使用された方のお声をご紹介します。

高知大学の臨床研究で
さい帯血投与を受けたお子さま

さい帯血を保管して
本当に良かったと思っています

元気に産まれたと思っていましたが、生後半年頃から左手をほとんど使おうとしないことに気付き、1歳頃にやはり何かおかしいと思ってMRIを撮ってもらうことにしました。結果1歳5ヶ月で脳性まひとわかりました。
2歳の誕生日にステムセルからハガキが届き、出産時に保管したさい帯血がもしや役に立つのではと思い至りステムセルに問い合わせました。ちょうど臨床試験への参加者を募集していて、運よく2歳5ヶ月のときに参加することができました。
輸血前は左手と左足に麻痺があり、歩けてはいるものの、とても転びやすく、少し歩いては転びを繰り返していました。しかし輸血後、翌日には転ぶ回数が減り、おもちゃを両手で掴めるようになって驚きました。その後もリハビリも継続し、完治したわけではありませんがかなり麻痺が軽くなったように思います。
現在、地域の小学校の普通級に集団登校で通えています。
まさか我が子がさい帯血を使って治療をすることになるとは思っていませんでしたが、保険のつもりでさい帯血を保管しておいて本当に良かったと思います。

さい帯・さい帯血を利用した再生医療の研究が、今まさに国内外で進んでいます。

その他のお声は公式サイトからご覧いただけます。

医師からのメッセージ


総合母子保健センター
愛育病院 病院長
百枝幹雄 先生

応用範囲が広がる
「さい帯・さい帯血」による再生医療

近年、めざましく進歩している再生医療のなかで、さい帯やさい帯血の幹細胞を利用する技術の最大の特徴は、通常は破棄してしまうけれども実はとてもポテンシャルの高い出生時の幹細胞を活用するという点です。
これまで有効性が示されている白血病、脳性まひ、自閉症のほかにも様々な疾患に対して臨床研究が進んでいますし、民間のバンクではご家族への利用も可能になりつつありますので、今後はますます応用範囲が広がることが期待されます。
一方、忘れてはならないのは必要になるまで幹細胞を長期間安全に保管するには信頼できる設備と技術が必要だということで、それにはそれなりのコストがかかります。
コスト・ベネフィットのとらえ方は人それぞれですが、お子様とご家族の将来を見据えてベネフィットが大きいとお考えの方には、信頼できる施設へのさい帯やさい帯血の保管は十分価値のある選択肢だと思います。

さい帯・さい帯血についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

保管するなら、ステムセル研究所の「HOPECELL(ホープセル)」

株式会社ステムセル研究所が提供する「さい帯・さい帯血ファミリーバンクHOPECELL(ホープセル)」は、日本国内で最も選ばれている保管サービスです。

ステムセル研究所は、25年以上の保管・運営実績がある日本初のさい帯血バンクで、国内最多となる累計80,000名以上のさい帯血を保管しています。

どうやって保管するの?
ステムセル
研究所
出産時に産科施設で採取されたさい帯・さい帯血は、ステムセル研究所の高レベルのクリーンな環境で専門スタッフが処理・検査を行います。国内最大級の細胞保管施設にて、約-190℃の液体窒素タンク内で長期間大切に保管されます。また、ステムセル研究所は厚生労働省(関東信越厚生局)より「特定細胞加工物製造許可」を取得しており、高品質と安全性を実現しています。
保管したさい帯血は何に使えるの?
ステムセル
研究所

国内では脳性まひに対する、赤ちゃんご自身やごきょうだいのさい帯血投与の研究が行われています。海外の臨床研究では、投与により運動機能および脳神経回路の改善が報告されています。また自閉症スペクトラム障害(ASD)に対して、さい帯血の投与によりコミュニケーション能力や社会への順応性が向上する可能性が期待されており、大阪公立大学にてお子さまご自身のさい帯血を投与する臨床研究が開始されます。

さい帯・さい帯血保管は高いと聞いたのですが…
ステムセル
研究所
さい帯またはさい帯血のどちらか一方を10年間保管する場合、月々2,980円(税込)で保管することができます。出産時にしか採取・保管することができない貴重な細胞なので、お子さまの将来に備えて保管される方が増えています。

無料パンフレットをお送りします!

さい帯・さい帯血保管についてより詳しく知っていただけるパンフレットをご自宅へお送りします。

赤ちゃんの将来に備える「さい帯・さい帯血保管」をぜひ妊娠中にご検討ください。

この記事の監修者

助産師 坂田陽子 先生

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー