水疱瘡とは?赤ちゃんは特に感染に注意して。

坂田陽子

記事監修者:坂田陽子

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

◯水疱瘡とは

水痘・帯状疱疹ウイルスに感染することで起こる発疹性の病気で、発症は9歳以下の子供に多く、12月〜7月にかけて広く感染の可能性があります。
風疹やおたふくかぜよりも感染力が非常に強く、同じ室内にいるだけで感染してしまいます。
感染した人の唾液や鼻水、水ぶくれの中にウイルスが存在し、くしゃみなどの飛沫(飛沫感染)、おもちゃや皮膚についたウイルス(接触感染)、空気中を漂っているウイルス(空気感染)を吸い込んだり目などの粘膜についたりすることで感染します。

感染から2週間程度の潜伏期間があり、発疹が出る2日前から周囲に感染させる可能性があります。まれに脳炎や肺炎、かきむしった皮膚からの細菌感染症などの合併症を起こし重症化、最悪の場合死にいたることが知られています。
お母さんが一度も水疱瘡にかかったことがなく、免疫のない赤ちゃんが水疱瘡にかかると重症化しやすいです。お母さんが水疱瘡の免疫を持っていたとすると、赤ちゃんに一時的に引き継がれますが、免疫を引き継いでいる赤ちゃんでも生後7ヶ月ほどでお母さんからの免疫は消えてしまうので特に1歳未満の赤ちゃんはなるべく感染を避けたいですね。

このように感染力が強く怖い病気のように思えますが、2014年から水痘ワクチン(生ワクチン)の定期接種が始まり子供の患者数は減少しています。
1歳を迎えた赤ちゃんは間隔をあけて2回の予防接種を受けましょう。

◯症状と受診の目安

発熱することが多く、だるさや頭痛がおきることもあります。
頭や顔、口の中をはじめとする全身に虫刺されのような赤い斑点ができ、後に水ぶくれになって強い痒みが出ます。数日すると熱は下がりますが、全身の水ぶくれがかさぶたになるまでに1週間ほどかかります。
発熱(発熱しないこともあります)、体に出始めた赤い斑点や水ぶくれを確認したらすぐに受診しましょう。ただし、感染力が強いので、水疱瘡が疑われる時には事前に病院に伝えて受診するといいでしょう。発疹が出てから2日以内ならば抗ウイルス薬の投与で症状の軽減が期待できます。

◯気をつけるべきこと

水疱瘡は自然に治癒するのを待つ病気なのでかさぶたになるまでの約1週間は家の中で様子をみながら過ごしますが、その時の注意点をまとめます。

水疱瘡の水ぶくれは大変かゆいので何もわからない赤ちゃんはかき壊してしまうことがあります。皮膚からの細菌感染を防ぐためにも爪は短く切っておきましょう。赤ちゃんの爪は薄くてカミソリの歯のようになってしまうこともあるので、爪切りよりもヤスリで削る方が良いかもしれません。

あまりにも手が伸びてしまう時はミトン(手袋)をつけるのも良いでしょう。
また、発熱が続いていたり水ぶくれが増えていたりする時は湯船につかることは控えます。体が温まるとかゆみも増してしまうし、家族への感染の可能性もあります。

ただし体を清潔に保つことは皮膚の合併症を防ぐことにもなりますので、体調が落ち着いてきたら水ぶくれを潰さないよう軽くシャワーをし、やさしくタオルで拭いてあげましょう。

◯ワクチン

水疱瘡の人と接触感染しても予防接種をして免疫をつけていれば感染しません。
1回のワクチン接種で80〜85%、2回の接種で90%以上、水疱瘡にかかるのを減らすことができます。
また、まれに起こってしまう重症化をほぼ100%防ぐことができると言われています。過去に水疱瘡にかかっているもしくは予防接種を受けると抗体ができるので、ほとんどの大人は抗体を持っていると言われています。
しかし実は予防接種で得た抗体が体内に残るのは20年程度とされていて、20年以降は感染の可能性が高くなります。特に妊婦さんが感染すると妊娠初期では流産になることが多く、出産直前直後に水疱瘡の症状が出ると赤ちゃんはお母さんが抗体を作る前に生まれてしまうので母子ともに重症化するリスクが高くなってしまいます。

妊娠を希望している方は予防接種をあらかじめ受けることも検討してみてください。
ちなみに接種後2ヶ月は避妊する必要があるのでご注意ください。
また、もしも赤ちゃんや家族が感染してしまってお母さんが免疫を持っていなかった場合には、発症前に予防接種を受けることで症状が軽くすむことが期待できますのでかかりつけ医に相談しましょう。
感染力が強いためなかなか防ぐことは難しいかもしれませんが、1歳未満の赤ちゃんはなるべく感染しないように過ごし、1歳を迎えたらお誕生日のプレゼントと一緒に予防接種を忘れないようにしましょう。

 

赤ちゃんの未来に備える「さい帯・さい帯血保管」を考えてみませんか?

赤ちゃんとお母さんをつなぐ、「へその緒(さい帯)」と、その中を流れる血液「さい帯血」には、体を作るためのもととなる貴重な「幹細胞」が多く含まれていて、赤ちゃんやご家族の将来に備えて長期的に凍結保管することができます。

幹細胞は新しい医療への活用が進められており、もしもの時に役立てられる可能性があります。

さい帯・さい帯血保管のポイント!

  1. 出産後わずか数分の間にしか採取できない貴重な赤ちゃんのものです。
  2. 採取の際、お母さんと赤ちゃんに痛みや危険はありません。
  3. どちらにも幹細胞がたくさん含まれています。
  4. 再生医療分野など、さまざまな活用が進んでいます。
  5. それぞれ異なる幹細胞が含まれているため、両方を保管しておくことで将来の利用の選択肢が広がります。

実際に保管・利用した方のお声

出産時にしか採取できない「さい帯血」を、脳性まひのお子さまに対して臨床研究で使用された方のお声をご紹介します。

高知大学の臨床研究で
さい帯血投与を受けたお子さま

さい帯血を保管して
本当に良かったと思っています

元気に産まれたと思っていましたが、生後半年頃から左手をほとんど使おうとしないことに気付き、1歳頃にやはり何かおかしいと思ってMRIを撮ってもらうことにしました。結果1歳5ヶ月で脳性まひとわかりました。
2歳の誕生日にステムセルからハガキが届き、出産時に保管したさい帯血がもしや役に立つのではと思い至りステムセルに問い合わせました。ちょうど臨床試験への参加者を募集していて、運よく2歳5ヶ月のときに参加することができました。
輸血前は左手と左足に麻痺があり、歩けてはいるものの、とても転びやすく、少し歩いては転びを繰り返していました。しかし輸血後、翌日には転ぶ回数が減り、おもちゃを両手で掴めるようになって驚きました。その後もリハビリも継続し、完治したわけではありませんがかなり麻痺が軽くなったように思います。
現在、地域の小学校の普通級に集団登校で通えています。
まさか我が子がさい帯血を使って治療をすることになるとは思っていませんでしたが、保険のつもりでさい帯血を保管しておいて本当に良かったと思います。

さい帯・さい帯血を利用した再生医療の研究が、今まさに国内外で進んでいます。

その他のお声は公式サイトからご覧いただけます。

医師からのメッセージ


総合母子保健センター
愛育病院 病院長
百枝幹雄 先生

応用範囲が広がる
「さい帯・さい帯血」による再生医療

近年、めざましく進歩している再生医療のなかで、さい帯やさい帯血の幹細胞を利用する技術の最大の特徴は、通常は破棄してしまうけれども実はとてもポテンシャルの高い出生時の幹細胞を活用するという点です。
これまで有効性が示されている白血病、脳性まひ、自閉症のほかにも様々な疾患に対して臨床研究が進んでいますし、民間のバンクではご家族への利用も可能になりつつありますので、今後はますます応用範囲が広がることが期待されます。
一方、忘れてはならないのは必要になるまで幹細胞を長期間安全に保管するには信頼できる設備と技術が必要だということで、それにはそれなりのコストがかかります。
コスト・ベネフィットのとらえ方は人それぞれですが、お子様とご家族の将来を見据えてベネフィットが大きいとお考えの方には、信頼できる施設へのさい帯やさい帯血の保管は十分価値のある選択肢だと思います。

さい帯・さい帯血についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

保管するなら、ステムセル研究所の「HOPECELL(ホープセル)」

株式会社ステムセル研究所が提供する「さい帯・さい帯血ファミリーバンクHOPECELL(ホープセル)」は、日本国内で最も選ばれている保管サービスです。

ステムセル研究所は、25年以上の保管・運営実績がある日本初のさい帯血バンクで、国内最多となる累計80,000名以上のさい帯血を保管しています。

どうやって保管するの?
ステムセル
研究所
出産時に産科施設で採取されたさい帯・さい帯血は、ステムセル研究所の高レベルのクリーンな環境で専門スタッフが処理・検査を行います。国内最大級の細胞保管施設にて、約-190℃の液体窒素タンク内で長期間大切に保管されます。また、ステムセル研究所は厚生労働省(関東信越厚生局)より「特定細胞加工物製造許可」を取得しており、高品質と安全性を実現しています。
保管したさい帯血は何に使えるの?
ステムセル
研究所

国内では脳性まひに対する、赤ちゃんご自身やごきょうだいのさい帯血投与の研究が行われています。海外の臨床研究では、投与により運動機能および脳神経回路の改善が報告されています。また自閉症スペクトラム障害(ASD)に対して、さい帯血の投与によりコミュニケーション能力や社会への順応性が向上する可能性が期待されており、大阪公立大学にてお子さまご自身のさい帯血を投与する臨床研究が開始されます。

さい帯・さい帯血保管は高いと聞いたのですが…
ステムセル
研究所
さい帯またはさい帯血のどちらか一方を10年間保管する場合、月々2,980円(税込)で保管することができます。出産時にしか採取・保管することができない貴重な細胞なので、お子さまの将来に備えて保管される方が増えています。

無料パンフレットをお送りします!

さい帯・さい帯血保管についてより詳しく知っていただけるパンフレットをご自宅へお送りします。

赤ちゃんの将来に備える「さい帯・さい帯血保管」をぜひ妊娠中にご検討ください。

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー