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凍結された臍帯血の長期保管による品質の安定性を調査した論文が報告されました

ドイツ・デュッセルドルフのホセ・カレーラス臍帯血バンクに凍結保管された臍帯血について、長期にわたる保管による品質の安定性を調べた論文が報告されましたのでご紹介いたします。

Long-Term Stability of Cord Blood Units After 29 Years of Cryopreservation:
Follow-Up Data From the José Carreras Cord Blood Bank
Stem Cells Translational Medicine, 2024, 13, 30–42

 

評価の対象となった長期保管臍帯血は以下の通りです。

総有核細胞生存率について、細胞分離をせずに保管をした臍帯血では平均88.91%、用手的赤血球除去法では平均84.22%、自動分離装置を用いた方法にでは平均88.64%であり、いずれの処理法においても細胞生存率は良好な結果であり、臍帯血の品質が長期間安定していたことを示しています。

 

各臍帯血ユニットを用いた造血幹細胞移植の生着までに要した日数は、細胞分離をせずに保管をした臍帯血ユニットと比較し、用手的赤血球除去法および自動分離装置を用いた方法により保管をした臍帯血ユニットにおいて短く、早期生着を示しています。

(細胞分離をせずに保管をした臍帯血ユニットでも十分に品質の基準を満たしています。)

 

【用手的に赤血球を除去した後に保管された臍帯血の品質】

凍結保管後91ヶ月から300ヶ月(25年)の間における、各品質評価項目のデータです。全ての項目において、長期にわたり大きな変化は見られませんでした。

図中の点線は、各項目における品質基準の下限値を示しています(下表参照)。

 

【臍帯血の品質基準(FACTおよび当該臍帯血バンク)】

FACT;Foundation for the Accreditation ofCellular Therapy

国際的な細胞治療の認証機関

PEI/Internal CBB Limits;Paul Ehrlich Instituteにより認証されたホセ・カレーラス臍帯血バンクの品質基準

 

ステムセル研究所では、上記と同様に用手的に赤血球を除去した後に臍帯血を保管しているため、当社においても長期間保管をした臍帯血の品質が安定していると考えられます。

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