#さい帯血
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液体窒素で長期間保存したさい帯血の品質に関する新たな情報が発表されました
臍帯血細胞の長期保存における品質の安定性については、世界初の臍帯血移植(1988年)の臍帯血を提供したインディアナ大学のBroxmeyerらが、23.5年間凍結保存された臍帯血を用いた実証結果を報告*していましたが、さらに長期保存された臍帯血の品質について、新たな情報が報告されました。
*Hematopoietic stem/progenitor cells, generation of induced pluripotent stem cells, and isolation of endothelial progenitors from 21- to 23.5-year cryopreserved cord blood. BLOOD, 5 MAY 2011 VOLUME 117, NUMBER 18
- インディアナ大学のBroxmeyerらが、27年間凍結保存された臍帯血の品質が安定していることを報告しています。保存期間だけでは除外の理由にはならないことを示しています。
- ハインリッヒ・ハイネ大学のLiedtkeらが、29年間凍結保存された臍帯血における品質の安定性について報告しています。
- 臍帯血の長期保存が成功している例は、Cryo-Cell社(アメリカ)や、Medipost社(韓国)、デュッセルドルフバンク(ドイツ)においても再現されており、既報によれば、適切に凍結保存された臍帯血は老化しないと考えられます。また、BMDI公的臍帯血バンク(オーストラリア)からは、20年間凍結保存された臍帯血を用いた白血病に対する非血縁者間移植の成功報告がなされ、そして中国母子健康協会(中国)からは、19年間凍結保存された臍帯血を用いた自家移植による再生不良性貧血の治療報告がなされています。(Parent’s Guide for Cord Blood 記事より抜粋・翻訳)
上記は、実証に用いられた臍帯血の保存期間であり、保存期間の限度を示すものではありません。今後、より長期間保存された臍帯血の品質データが示されていくものと考えられます。