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第43回日本母体胎児医学会学術集会にて当社共催のランチョンセミナーを開催しました
2021年8月27日・28日に、第43回日本母体胎児医学会学術集会が行われ、当社共催のランチョンセミナーを開催しました。
演題
「羊水由来間葉系幹細胞治療が開く未来」
会 場:オンライン開催
会 長:藤田医科大学医学部産科・婦人科 関谷 隆夫 教授
演 者:慶應義塾大学医学部 産婦人科 田中 守 教授
座 長:三重大学医学部産科婦人科 池田 智明 教授
座長:池田 智明 教授
演者:田中 守 教授
今回の発表では、田中先生より出生前検査で用いられる羊水から採取される間葉系幹細胞を用いた再生医療研究について講演して頂きました。
羊水から採取した細胞を3~5週間の培養で増やし、脳神経障害モデル動物に羊水由来間葉系幹細胞を投与した結果、神経保護や全身の炎症抑制、成長因子の分泌等が認められ、症状改善に繋がっていることが発表されました。
早産脳障害モデル動物(LPSモデル)に対し、ヒト由来羊水幹細胞(hAFSC)を腹腔投与することにより、脳内の炎症性細胞が減少し、生存率の改善が見られました。また、 hAFSCのモデル動物内における局在を確認したところ、hAFSCは腹腔に留まっていることから、長期的に高次脳機能障害を改善する可能性があることが示されました。
羊水を用いる利点として、妊娠中に自家羊水由来間葉系幹細胞の準備ができ、胎児治療/出生直後の申請治療が可能であることや、自身の細胞を用いるため、倫理的な問題が少ないことが挙げられます。
発表の最後に今後の期待として、ハイリスク妊婦さんの抽出とインフォームド・コンセントを経て、羊水の採取・培養を行い、生まれてくる赤ちゃんの脳障害防止を目的とした臨床研究の実施が重要であると発表されていました。
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