東京大学医科学研究所および東京大学医学部附属病院との自家さい帯由来細胞を用いた共同研究に関するお知らせ
2020年09月23日
この度、株式会社ステムセル研究所では、日本初の自家さい帯(へその緒)由来細胞の臨床応用の実現に向け、東京大学医科学研究所および東京大学医学部附属病院との共同研究を開始いたしました。
手術が必要な先天性形態異常(口蓋裂、食道閉鎖症、腹壁欠損症等)においては、子供の成長過程などを考慮すると、自家組織または自家細胞の生着率がより高く、長期に機能するであろうと考えられます。さい帯組織から採取できる幹細胞を用いた再生医療については、その安全性と有効性が明らかになりつつあり、近年目覚ましく進展している分野の一つです。そこで、本研究においては、基礎研究を行い安全性を十分に確認した上で、自家さい帯細胞を用いて、将来的に小児形態異常等の先天性疾患を治療することができるよう、取り組んで参ります。
研究の体制としては、東京大学医科学研究所附属病院の長村 登紀子准教授の研究チームが正常児または疾患患児のさい帯由来細胞を調製し、東京大学医学部附属病院の星 和人教授と古村 眞特任教授の研究チームが3D培養を含めた培養系の確立および小型動物モデルを用いた有効性の確認試験を担い、ステムセル研究所がこれをサポート致します。
ステムセル研究所では現在、2021年の初頭を目途に、自家さい帯の保管事業を開始すべく、東京大学医科学研究所のノウハウに基づく高品質な自家さい帯組織保管のための技術導入と、神奈川県横浜市における新たな細胞培養加工施設(GCTP基準に準拠)の建設工事を順調に進めています。本研究における東京大学とステムセル研究所の産学連携による相乗効果により、自家さい帯由来細胞の臨床応用が早期に実現できるよう目指して参ります。
<研究の名称>「自家臍帯由来細胞を用いたティッシュエンジニアリングの研究開発」
<共同研究者> 東京大学医科学研究所附属病院、東京大学医学部附属病院
<登録期間> 2020年9月1日~2021年8月31日
<研究目的> 自家さい帯由来の細胞を用いた、先天性形態学的な異常部位の組織を再生する治療法の開発。
<研究概要>
– 正常児または疾患患児のさい帯由来細胞の調製。
– さい帯由来細胞の3D培養を含めた培養系の確立と品質評価。
– 骨欠損モデルマウス等による有効性の検証。 – 自家さい帯組織のバンキングシステムの構築。
自家さい帯由来細胞を用いた研究開発に関するお知らせ(Press Release)