さい帯血の保管には「公的バンク」「民間バンク」の2種類があると聞いたけど、どういった違いがあるのだろうかと気になっていませんか。
公的バンクと民間バンクでは、使用する対象者や費用など異なる点がいくつかあります。とくに大きく異なる点は、公的バンクはドナーとしてさい帯血を寄付して第三者に用いてもらうのに対し、民間バンクはさい帯血の持ち主である赤ちゃんやその家族のために用いられる点です。
この記事では、公的バンクと民間バンクの特徴を解説します。
両者の特徴を知ると、自身に合ったさい帯血バンクを選択できるようになりますよ。
さい帯血の採取で悩んでいる人は、参考にしてくださいね。
さい帯血の公的バンクと民間バンクの特徴を解説
「公的バンクと民間バンクの違いがよく分からない」とお悩みの妊婦さんも多いかと思いますが、大きな違いは「保管先」「使用先」「費用」の3つです。公的バンクと民間バンクのそれぞれの特徴について、詳しく解説していきます。
誰かの命を救う、公的バンク
公的さい帯血バンクは、正式には臍帯血供給事業者といいます。おもに白血病など、治療が必要な患者さんへ移植するさい帯血の採取や保存などを行う事業者です。
公的バンクには、以下3点の特徴があります。
・ 自身や家族には使えない
・ 提供や保管は無料
・ 病院や医療機関の承諾があれば、採取・保管可能
さい帯血を治療に用いるには、患者さんに適合するものを見つけなければなりません。そのためには、より多くのさい帯血が必要となります。その趣旨に賛同し、協力をしたい場合は、出産する人(親)がさい帯血を無償で提供できます。公的バンクで採取されたさい帯血は10年間保存され、患者さんの治療のために提供されます。
公的バンクでは、採取にも保存にも一切費用は掛かりません。しかし、保存したさい帯血を赤ちゃん本人や家族に使うことはできません。完全に所有権を放棄して提供するため、赤ちゃんや家族が血液疾患などの病気を患ったとしても、返却されることや優先的に使えることはありません。公的バンクは「移植を待つ誰かの命を救う」ためにさい帯血を寄付するものです。
我が子の万が一に備える、民間バンク
民間さい帯血バンクは、さい帯血プライベートバンクとも呼ばれます。現在、厚生労働省に事業の届出をしている企業は2社です。業務内容や管理体制などについて、しっかりと報告が行われ、認可を受けています。
民間バンクの特徴は、以下の2点です。
・家族のために使える
・保管に費用がかかる
民間バンクで出産する人(親)が契約者となり、保管委託契約を結びます。そして費用を支払ったうえで、採取や保管を行います。
赤ちゃん本人や家族の治療に用いるものとして保管され、民間バンクに預けられたさい帯血は、第三者に用いられることはありません。
民間バンクのさい帯血を利用した治療例
・日本のステムセル研究所でさい帯血を保管し、アメリカのデューク大学で、きょうだいのさい帯血投与を受けたご家族の体験記を紹介します。
・対象のお子様:5歳(参加時点)
・経緯:妊娠25週に切迫早産にて689gにて出産し、退院時に脳室周囲白質軟化症と診断
・症状:座位保持、立位、独歩不可、手足に麻痺がある
・感想
最初は、⾧い待機が必要と連絡があり、当事者としてはとてもやきもきしましたが、スクリーニングに進んでからは、Duke大学のメール応答も速く、事がどんどん進みました。診断書などの用意には非常に時間がかかり、この準備を事前に知っていれば、もっと早く治療日程を決められたと思います。
病院によっては英語書類の準備に対応していない場合もあると思いますが、翻訳ソフトで英訳し、原本と共に送付することでも問題ありませんでした。ほとんどのやりとりはメールですが、翻訳ソフトで問題なくコミュニケーションをとる事ができました。電話をする機会もありますが、Duke大学で通訳の方を用意していただけました。さい帯血の投与から1か月ほど経過しました。体調などの問題はでておりません。
運動ではまだまだリハビリが必要ですが座位が保てるようになってきたり、緊張が緩和してきたりなど、徐々に改善しているように感じています。
出典:さい帯血情報Vol.122 デューク大学で拡大アクセス制度を利用し臍帯血投与を受けたお子様ご家族の体験記|ステムセル研究所
民間バンクの保管費用はどれくらい?
ステムセル研究所でさい帯血を保管する場合、細胞の分離作業や各種検査料を含めて、10年保管で357,600円からとなりますが、年数や契約プラン、支払い方法などにより、費用は変わります。
さい帯血はどこでも採取できる?
たくさんの可能性を秘めているさい帯血ですが、どのさい帯血バンクでも、必ず採取ができるわけではありません。
まずさい帯血の採取が行えるのか、産科医療機関に問い合わせる必要があります。希望する人は、妊婦健診の際などに確認してみるとよいでしょう。
ただし、出産時は赤ちゃんと母親の安全が最優先です。分娩時に出血が多い場合など、状況によっては採取することが難しいケースがあります。また、分離した細胞の数が少ない場合や細菌の残存が認められた場合などについては、採取はできても保管が難しい場合もあります。詳しくは、それぞれのさい帯血バンクにお問い合わせください。
民間バンクでさい帯血を保管するなら「ステムセル研究所」
・高い技術と品質管理
・選べる2つのプラン
・費用をおさえる割引サービス
高い技術と品質管理
ステムセル研究所は、厚生労働省より「特定細胞加工物製造許可」を取得しており、高い品質と安全性を確保しています。また再生医療等安全性確保法の構造設備基準に基づいた安全・安心を追求した環境下で、お子様のさい帯血を適切に処理しております。
選べる2つのプラン
ステムセル研究所では、さい帯・さい帯血ファミリーバンク「HOPECELL」という保管サービスを提供しており、選べる2つのプランをご用意しています。
どちらのプランも、出産時にしか採取できない貴重な赤ちゃんの細胞である「さい帯(へその緒)」「さい帯血」を、どちらも採取します。
① ONEホーププラン…さい帯・さい帯血のどちらか一方を保管
② Wホーププラン…さい帯・さい帯血の両方を保管できるダブルで安心なプラン
費用をおさえる割引サービス
多胎妊娠やリピーターの方には特別割引があります。その他、ステムセル研究所で保管をしたご知人からのご紹介特典もございます。
※ご契約費用やキャンペーンは予告なく変更・終了させていただく場合がございます。
まとめ
さい帯血は赤ちゃんのためだけではなく、他の誰かの未来をも大きく変える可能性を秘めています。
移植を待つ誰かの命を救うため、無償でさい帯血を寄付する公的バンク。
赤ちゃん本人や家族の万が一に備え、有料でさい帯血を保管する民間バンク。
どちらがよいというものではありませんが、さい帯血がさまざまな病気の治療に効果的であることは間違いありません。妊娠中の方は、ぜひ家族で「さい帯血はどうする?」と話し合ってみることをお勧めします。どちらのさい帯血バンクも、今日も誰かの未来を支えています。
チャンスは出産時の一度きり。赤ちゃんの将来の安心に備えるさい帯血保管とは
うまれてくる赤ちゃんのために、おなかに赤ちゃんがいる今しか準備できないことがあるのをご存知ですか?
それが「さい帯血保管」です。
さい帯血とは、赤ちゃんとお母さんを繋いでいるへその緒を流れている血液のことです。この血液には、「幹細胞」と呼ばれる貴重な細胞が多く含まれており、再生医療の分野で注目されています。
このさい帯血は、長期にわたって保管することができ、現在は治療法が確立していない病気の治療に役立つ可能性を秘めています。保管したさい帯血が、赤ちゃんやご家族の未来を変えるかもしれません。
しかし採取できるのは、出産直後のわずか数分間に限られています。採血と聞くと痛みを伴うイメージがあるかと思いますが、さい帯血の採取は赤ちゃんにもお母さんにも痛みはなく安全に行うことができます。
民間さい帯血バンクなら、赤ちゃん・家族のために保管できる
さい帯血バンクには、「公的バンク」と「民間バンク」の2種類があり、公的バンクでは、さい帯血を第三者の白血病などの治療のために寄付することができます。
一方民間バンクでは、赤ちゃん自身やそのご家族の将来のために保管できます。現在治療法が確立されていない病気に備える保険として利用できるのが、この民間さい帯血バンクです
ステムセル研究所は、国内シェア約99%を誇る国内最大の民間さい帯血バンクです。
ステムセル研究所が選ばれる理由
・1999年の設立以来20年以上の保管・運営実績あり
・民間バンクのパイオニアで累計保管者数は8万名以上
・全国各地の産科施設とのネットワークがある
・高水準の災害対策がされた国内最大級の細胞保管施設を保有
・厚生労働省(関東信越厚生局)より特定細胞加工物製造許可を取得
・2021年6月東京証券取引所に株式を上場
詳しい資料やご契約書類のお取り寄せは資料請求フォームをご利用ください。
さい帯血を保管した人の声
■出産の時だけのチャンスだから(愛知県 美祐ちゃん)
■さい帯血が本当の希望になりました(東京都 M・Y様)
※ほかの保管者のから声はこちら
さい帯血保管は、赤ちゃんへの「愛」のプレゼント。
赤ちゃんに会えるまでのもう少しの期間、ぜひ少しでも快適に、幸せな気持ちで過ごしてくださいね。
▼さい帯血保管について、もっと詳しく
この記事の監修者
坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー