初産でも無痛分娩はできる?3つのメリット・デメリットや分娩にかかる時間を解説
記事監修者:助産師 坂田陽子 先生
助産師/看護師/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

「初産で無痛分娩って選べるのかな?」
「無痛分娩にはどんなメリットやデメリットがあるの?」
「出産にかかる時間はどれくらい変わるんだろう?」
上記のように悩んでいるのではないでしょうか。
無痛分娩をしたいと思っても、初産で選んでよいのか迷ってしまいますよね。
そこでこの記事では、おもに以下の内容を解説していきます。
・初産で無痛分娩を選ぶ3つのメリット
・初産で無痛分娩を選ぶデメリット
・初産で無痛分娩にかかる平均時間
この記事を読むと、無痛分娩について正しく理解でき、自身に合った出産方法を選択できるようになりますよ。
初産で無痛分娩は選択できる

無痛分娩は初産でも選択可能です。
無痛分娩は硬膜外麻酔(背中から細い管を入れて麻酔薬を注入する方法)を使って、陣痛の痛みを和らげる出産方法で、初産婦でも安心して選択できます。
ただし施設によっては、経産婦さんを中心に対応していて、初産婦さんへの適応を段階的に広げているところもあるため、希望する医療機関へ事前に確認しましょう。
また初産・経産に関係なく、
・麻酔薬アレルギー
・心疾患がある
・糖尿病を患っている
といった状態では、無痛分娩を提供していない医療機関もあるため、あわせて確認が必要です(※1)。
初産だからといって無痛分娩が選べないわけではなく、自分の希望や体の状態に合わせて出産方法を決められるため、安心して検討できます。
▼無痛分娩ができない人の特徴とは?
(※1)出典:群馬大学医学部附属病院「無痛分娩について」
初産で無痛分娩を選ぶ3つのメリット

初産で無痛分娩を選ぶメリットとして、おもに以下の3つがあげられます。
・陣痛の痛みを軽減できる
・体力の消耗を抑えられる
・精神的ストレスが軽減される
順番に見ていきましょう。
メリット1:陣痛の痛みを軽減できる
初産で無痛分娩を選ぶ、もっとも大きなメリットは、陣痛による痛みを和らげられる点です。
陣痛の痛みは「手指を切断するほどの痛み」とも表現されるほど強く、初めて出産を経験する人にとって大きな不安の原因になります(※2)。
しかし無痛分娩で硬膜外麻酔を使うと、下半身の痛みを感じにくくなり、陣痛の苦痛が大幅に軽減されます。
あわせて精神的にも余裕が出るため、落ち着いて出産に臨みやすくなるでしょう。
また意識ははっきりしており、お腹が張る感覚も残るため、赤ちゃんが生まれてくる瞬間をしっかり感じられます。
また出産後の会陰部や腟の縫合時にも痛みがないため、傷が大きくなった場合でも安心です。
(※2)出典:J-STAGE|昭和大学医学部麻酔科学講座(加藤 里絵)「無痛分娩」昭和学士会誌 第78巻 第5号467-473頁,2018
メリット2:体力の消耗を抑えられる
無痛分娩を選ぶと、陣痛の痛みに耐えるために必要な体力を温存できます。
初産の場合、陣痛が始まってから胎児が生まれるまでに長時間かかるため、痛みを我慢し続けると体力が消耗してしまいます。
しかし硬膜外麻酔で痛みを和らげておけば、出産時に必要な体力を残しておけるので、赤ちゃんを産む最後の段階でしっかりといきめるでしょう。
さらに産後の疲労回復が早いため、入院中に授乳方法や赤ちゃんのケアについて助産師とゆっくり相談でき、育児のスタートを切りやすくなります。
初産で無痛分娩を選ぶデメリット

初産で無痛分娩を選ぶ際は、デメリットも知っておきましょう。
もっとも多いのは、麻酔によって陣痛が弱まり、出産の時間が長くなってしまう状況です。
硬膜外麻酔を使うと子宮の収縮が弱くなり、胎児が下りてくるスピードが遅くなるため、通常より分娩時間が延びてしまいます。
そのため、陣痛を強める薬(陣痛誘発剤)を使ったり、吸引分娩・鉗子分娩といった医療器具を使って胎児を取り出す処置が必要になる場合も出てくるのです。
また麻酔による副作用として、
・血圧の低下
・吐き気
・発熱
・頭痛
などといった症状が現れる可能性も。
こうした副作用や合併症の危険度は非常に低いものの、医療行為である以上リスクをゼロにはできません。
また稀ではありますが、妊婦さんや赤ちゃんの死亡事故も発生しています。
内容や実例を詳しく知りたい人は、下記も参考にしてください。
初産で無痛分娩にかかる平均時間

初産で無痛分娩を選んだ場合、出産にかかる時間は通常のお産と比べて少し長くなる傾向があります。
具体的には、陣痛が始まってから子宮口が完全に開くまでの時間(分娩第一期)は、初産で10〜12時間かかり、無痛分娩でも時間はほとんど変わりません(※3)。
一方で、子宮口が完全に開いてから胎児が生まれるまでの時間(分娩第二期)は、無痛分娩を行うと、通常より「約1時間」長くなる可能性があります(※3)。
これは麻酔によっていきむ感覚が弱くなるためですが、胎児への悪影響はないとされているので安心してください。
全体としては、初産の無痛分娩は陣痛開始から出産完了まで、通常のお産よりも平均2時間程度多くかかると考えておくとよいでしょう(※4)。
無痛分娩について、実際の体験談を知りたいという人は、下記を確認してみてください。
(※3)出典:国立研究開発法人国立成育医療研究センター「無痛分娩について」
(※4)出典:J-STAGE|磯部レディースクリニック(磯部 孟生)「硬膜外麻酔による分娩管理の注意点」日本臨床麻酔学会誌 2008 年 28 巻 5 号 p. 778-786
初産の無痛分娩に関するQ&A
ここでは初産の無痛分娩について、よくある3つの質問をまとめました。
順番に見ていきましょう。
ただし、初産は分娩の進み方がゆっくりなことが多いため、陣痛の痛みの変化に合わせて麻酔の量を何度か調整することがあります。
調整が必要なだけで、麻酔そのものが効かないというわけではありません。
ただし、以下のような場合には帝王切開へ切り替えることがあります。
・赤ちゃんの心拍に変化がある
・お産の進みが止まってしまう
・妊婦さんの体力が限界に近い
これは無痛分娩に限らず、自然分娩でも起こり得る状況です。
安全を優先して判断されます。
母乳の量が減る、赤ちゃんが眠くなるなどの心配は一般的にはほとんど見られません。
むしろ、痛みが軽くなることで体力に余裕ができ、授乳がしやすくなるという声もあります。
まとめ
初産で無痛分娩を選ぶことは可能で、メリット・デメリットの両方があります。
自分の体の状態や希望に合わせて、医療機関と相談しながら出産方法を決めることが大切です。
不安なことがあれば、事前に医師や助産師にしっかり確認し、納得した状態で出産に臨みましょう。
赤ちゃんの未来に備える「さい帯・さい帯血保管」を考えてみませんか?
赤ちゃんとお母さんをつなぐ、「へその緒(さい帯)」と、その中を流れる血液「さい帯血」には、体を作るためのもととなる貴重な「幹細胞」が多く含まれていて、赤ちゃんやご家族の将来に備えて長期的に凍結保管することができます。
幹細胞は新しい医療への活用が進められており、もしもの時に役立てられる可能性があります。
- 出産後わずか数分の間にしか採取できない貴重な赤ちゃんのものです。
- 採取の際、お母さんと赤ちゃんに痛みや危険はありません。
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実際に保管・利用した方のお声
出産時にしか採取できない「さい帯血」を、脳性まひのお子さまに対して臨床研究で使用された方のお声をご紹介します。
高知大学の臨床研究で
さい帯血投与を受けたお子さま
さい帯血を保管して
本当に良かったと思っています
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2歳の誕生日にステムセルからハガキが届き、出産時に保管したさい帯血がもしや役に立つのではと思い至りステムセルに問い合わせました。ちょうど臨床試験への参加者を募集していて、運よく2歳5ヶ月のときに参加することができました。
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現在、地域の小学校の普通級に集団登校で通えています。
まさか我が子がさい帯血を使って治療をすることになるとは思っていませんでしたが、保険のつもりでさい帯血を保管しておいて本当に良かったと思います。
さい帯・さい帯血を利用した再生医療の研究が、今まさに国内外で進んでいます。
その他のお声は公式サイトからご覧いただけます。
医師からのメッセージ
総合母子保健センター
愛育病院 病院長
百枝幹雄 先生
応用範囲が広がる
「さい帯・さい帯血」による再生医療
近年、めざましく進歩している再生医療のなかで、さい帯やさい帯血の幹細胞を利用する技術の最大の特徴は、通常は破棄してしまうけれども実はとてもポテンシャルの高い出生時の幹細胞を活用するという点です。
これまで有効性が示されている白血病、脳性まひ、自閉症のほかにも様々な疾患に対して臨床研究が進んでいますし、民間のバンクではご家族への利用も可能になりつつありますので、今後はますます応用範囲が広がることが期待されます。
一方、忘れてはならないのは必要になるまで幹細胞を長期間安全に保管するには信頼できる設備と技術が必要だということで、それにはそれなりのコストがかかります。
コスト・ベネフィットのとらえ方は人それぞれですが、お子様とご家族の将来を見据えてベネフィットが大きいとお考えの方には、信頼できる施設へのさい帯やさい帯血の保管は十分価値のある選択肢だと思います。
さい帯・さい帯血についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
保管するなら、ステムセル研究所の「HOPECELL(ホープセル)」
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ステムセル研究所は、25年以上の保管・運営実績がある日本初のさい帯血バンクで、国内最多となる累計80,000名以上のさい帯血を保管しています。

研究所
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国内では脳性まひに対する、赤ちゃんご自身やごきょうだいのさい帯血投与の研究が行われています。海外の臨床研究では、投与により運動機能および脳神経回路の改善が報告されています。また自閉症スペクトラム障害(ASD)に対して、さい帯血の投与によりコミュニケーション能力や社会への順応性が向上する可能性が期待されており、大阪公立大学にてお子さまご自身のさい帯血を投与する臨床研究が開始されます。
研究所
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この記事の監修者
助産師 坂田陽子 先生
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー
