妊娠後期に入り、腰痛が激しくなってきたと感じていませんか。妊娠後期の腰痛は「ホルモンの分泌」「体型の変化」などが原因です。この記事では、以下のような内容を解説していきます。
・妊娠後期に感じる腰痛の原因
・腰痛対策
・妊娠後期の腰痛における注意点
この記事を読むと、腰痛を緩和させる方法がわかり、妊娠後期の生活を楽に過ごせるようになりますよ。
妊娠後期に感じる腰痛の原因3つ
妊娠後期に差し掛かると、「今までなかったのに腰痛が出てきた」または「もともとあった腰痛がひどくなった」と感じられる妊婦さんも多いのではないでしょうか。
腰痛を感じる原因は、主に3つあります。
・ホルモンの分泌
・体型の変化
・下半身の血行不良順番に原因を解説していきます。
原因1:ホルモンの分泌
妊娠中の腰痛は、妊娠初期から起こるケースがあります。妊娠すると「リラキシン」と呼ばれるホルモンの分泌量が増加するためです。リラキシンには、骨盤周りの靭帯を緩める作用があります。そのため骨盤周辺の関節が不安定になり、筋肉に大きな負担がかかることで腰痛が引き起こされるのです。
原因2:体型の変化
妊娠後期に入ると胎児の成長に伴い、お腹が前方に張り出した状態になります。お腹が張ることにより体の重心も前方に移動し、無意識のうちに背骨を反らせ、お腹を突き出した姿勢になります。結果、腰周辺の靭帯や関節、筋肉に負担がかかり、腰痛を引き起すのです。姿勢の変化は腰以外に、背中や足の付け根、お尻、太ももなどに痛みを与える場合があります。
原因3:下半身の血行不良
妊娠後期になると、大きくなった子宮がお腹や骨盤内で血管を圧迫するようになります。血管が圧迫されると、血行不良により腰や足などが冷え、腰痛が起こりやすくなるでしょう。
【いますぐできる】妊娠後期の腰痛対策9つ
妊娠後期の腰痛は、妊娠による作用のため根本的に解消することはできません。しかし、痛みを緩和させることは可能です。日常生活で簡単にできる、9つの方法を紹介していきます。
対策1:運動
体を動かすことは「ストレスの発散」「体力の維持」「血液循環の回復」に繋がり、腰痛が緩和されます。たとえば自宅で簡単にできる、ストレッチやウォーキングなどがおすすめです。マタニティヨガやマタニティスイミング、マタニティビクスなど、妊婦さん向けの運動に参加してみるのもよいかもしれません。体調を見ながら、少しずつチャレンジしてみましょう。
適度な運動は腰痛の予防や緩和だけでなく、出産に必要な体力の維持、急激な体重増加の予防、便秘や肩こりなど妊娠中のさまざまなトラブルの解消も期待できます。ただし、切迫早産などの診断を受けている人の運動は、注意が必要です。かならず主治医に確認しましょう。
対策2:腰痛対策グッズの利用
妊婦用の腰痛対策グッズには、下記2点のようなものがあります。
・骨盤ベルト
・マタニティガードル
ホルモンの影響が原因である腰痛の場合、骨盤を締めて上半身を支えるのをサポートしてくれる「骨盤ベルト」やお腹を包み込むようにサポートしてくれる「マタニティガードル」を着用すると、腰回りの筋肉の負担が減り、腰痛も改善されやすくなります。大きなお腹を支える働きもあるため、妊娠後期や臨月の妊婦さんの強い味方になってくれるでしょう。
骨盤ベルトのメーカーや種類はさまざまで、締め方にも違いがあります。巻く位置や使い方は助産師からの指導が必要な場合もあるため、使用前には医師や助産師に相談しましょう。妊娠初期から産後まで使える骨盤ベルトが、多くの産院でもすすめられているようです。
対策3:姿勢を正す
妊娠後期になり、お腹が大きくなると、どうしても反り腰の姿勢になりがちです。反り腰の姿勢は、背中や腰への負担が大きいため、なるべく背筋をまっすぐにして正しい姿勢をとるように心がけてみましょう。頭のてっぺんから糸が通り、上に引っ張られているイメージをもつとよい姿勢になります。また「足を組んで座る」「いつも同じ方の手で荷物を持つ」「いつも同じ方を下に向けて横たわる」など、無意識に行っている悪い姿勢にも注意するようにしましょう。
対策4:寝方を変える
腰痛対策には寝方も重要です。横向き~ややうつ伏せの状態になり、天井側の足や腕を軽く曲げる姿勢(シムス体位)は腰の負担を軽減し、身体の緊張を取る効果があります。抱き枕も体の重みが分散されて負担が減るためおすすめです。
対策5:腰に負担をかけない
「重いものを持つ」「前かがみになる」など、腰に負担のかかる行動を避けるようにしましょう。長時間同じ姿勢を続けると、血行が悪くなり腰にも負担がかかります。同じ姿勢で家事や仕事をする場合は時々体を動かすようにしましょう。
対策6:体を温める
妊娠後期に起こる慢性的な腰痛は、体を温めることで血流がよくなり、痛みが緩和されます。「湯船にゆっくり浸かる」「体を温める食べ物や飲み物をとる」「ホットパックや使い捨てカイロを使う」などの対策で、腰回りや身体を温めてあげましょう。冬場の冷えはもちろん、夏場のクーラーによる冷えにも注意が必要です。
腰痛がつらいときは、夏場でもできるだけ温かい飲み物を飲み、シャワーだけではなく湯船に浸かり体全体を温めるよう心がけましょう。
対策7:体重を管理する
お腹の赤ちゃんが大きくなるにつれて体重が増加し、腰への負担も増していきます。急激な体重増加は、腰への負担を大きくするだけでなく「妊娠中毒症」や「妊娠糖尿病」といった妊娠期の病気にも繋がるため、注意が必要です。また難産にもなりやすいため、計画通りに体重管理をしましょう。
対策8:マッサージ
マッサージは血行がよくなるため、腰痛改善に効果があります。家族などに協力してもらうのもひとつの手段です。腰周りだけでなく、背中や肩など妊娠中に負担がかかりやすい部分を刺激してもらいましょう。
「マタニティ整体」を行っている整体もあるため、主治医に相談して利用するのもよいかもしれません。
対策9:ストレッチ
ストレッチをすると、腰周りの筋肉がほぐれ、腰痛が緩和されます。以下のような手順で、ストレッチを行いましょう。
- 座った姿勢で腰をゆっくり左右にひねる
- 脚を開いて座り、お腹に負担がかからない程度に、ゆっくり前屈
- 足の裏側やお尻を気持ちよいと感じる程度に伸ばす
【注意】妊娠後期の間違った腰痛対策
腰痛には「湿布を貼る」「薬を塗る」イメージがあるのではないでしょうか。しかし湿布や塗り薬には、胎児に悪影響を及ぼす成分が入っている場合があります。自己判断で使用せず、かならず主治医に相談するようにしてください。
妊娠後期の腰痛で右側(左側)だけ痛むのはなぜ?
なぜか片側だけ痛みがある、とお悩みの妊婦さんも多いかと思います。原因としては、妊娠によって骨盤の靭帯が緩んでいる状態で、利き手や利き足のどちらか一方に負担がかかってしまうことが考えられます。普段からなるべく真っ直ぐな姿勢を心がけるとともに、左右どちらか片方だけで荷物を持つことがないように注意しましょう。
まとめ
妊娠後期の腰痛は、根本的な解消が難しい症状です。しかし正しい対策を行えば、腰痛の緩和が期待できます。今回紹介した対策を行うと、いまよりも楽に生活できるようになりますよ。自分ができるものから試してみてくださいね。
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さい帯血保管は、赤ちゃんへの「愛」のプレゼント。
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▼さい帯血保管について、もっと詳しく
この記事の監修者
坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー