簡単にできる!陣痛を促進する10の方法をご紹介

記事監修者:坂田陽子
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

予定日(40週)を超えてもなかなか陣痛がこないと、いつ出産できるのか、焦りや不安な気持ちも出てきますよね。
42週を超えても陣痛がこないと、胎盤機能の衰えや羊水の量が減るリスクがあるなど、母体や赤ちゃんにも影響が出てきます。そこで。今回は、毎日の生活の中で実践できる陣痛を促す10の方法について解説します。
無理なく陣痛を起こす準備を整えて、スムーズなお産につなげましょう。
陣痛が起こる望ましい時期とは?
妊娠37週0日から妊娠41週6日までの期間を「正期産」といいます。赤ちゃんの成長が十分に整った出産に望ましい時期です。「出産の約90%」が正期産に起こります。
36週以前の出産は早産とよばれ、赤ちゃんの成長が未熟なリスクがあります。逆に42週を過ぎると、胎盤機能の衰えや、羊水量の減少といったリスクがあります。そのため42週を過ぎても陣痛がこない場合は、産婦人科の判断で、陣痛促進剤などを使用した分娩誘発がおこなわれることが多くなっています。
できれば正期産の間に、自然に陣痛がきてくれるのが望ましいですよね。
陣痛を促す10の方法
陣痛は、日頃の生活のなかにちょっとした運動やストレッチなどを取り入れることで、自然に起こりやすくなると言われています。
ここからは、陣痛を促す10つの方法をご紹介します。
1:ウォーキング
昔から「安産のためには、とにかく歩くこと」といわれています。人間は普段から歩いているため、無理なく身体を動かせることから、妊婦さんにはウォーキングがすすめられています。37週に入ったら、できるだけウォーキングの時間を作るようにするとよいでしょう。
ただし、ゆったりとしたスピードで歩いてもあまり効果はありません。少し息が上がるくらいのスピードで、しっかりと足を動かして歩くようにしましょう。
37週に入ってからはおなかが張っていても、どんどん歩いて構いません。
おなかが張るのは子宮の収縮が起こっているということ。歩くことによって子宮の収縮をさらに促進し、陣痛を起こしやすくします。だからといって無理は禁物です。
体調を考慮して決して無理はせずに、赤ちゃんと会話をしながら楽しく歩きましょう。
ウォーキングの際は、近所の散歩コースを選んだり、誰かに付き添ってもらったりすると安心です。何かあったときにすぐ対応できます。雨の日や外を歩くことがつらい気候のときには、ショッピングモールなどでウィンドウショッピングをしながら、ぐるぐると歩き回るのもおすすめです。
2:トイレ掃除や床拭きをする
トイレ掃除は狭い空間で、しゃがんだり立ったりを繰り返しますよね。実はこの動作は妊婦さんの股関節を柔軟にしてくれます。
床掃除もスクワットのように骨盤を広げて行う作業なので、赤ちゃんが下りやすくなり陣痛を促すことができます。このようにトイレ掃除をはじめとする家事は適度な運動になるため、37週に入ったら積極的に行うようにしましょう。
ただし、おなかが大きくなっているため、無理をすると腰痛の原因になります。ゆっくり休みながら行うようにしましょう。おなかが急激に大きくなってくると通常の家事でもやりにくさを感じますし、トイレの臭いや洗剤の臭いのせいで体調が悪くなることもあります。体調が悪いときは無理をせず休みましょう。
3:スクワットをする
運動としてスクワットを行う場合は、おなかが大きくバランスを崩しやすいので、背中を壁につけたり、机や付き添いの人につかまったりして、安全に配慮して行いましょう。
スクワットの姿勢は、両足を肩幅に広げ、背筋を伸ばします。その姿勢で、ゆっくり腰を落とします。このとき、膝がつま先より前に出ないようにしましょう。そしてゆっくりと膝が伸びきらないところまで戻します。10回=1セットで、合計3セットが目安です。ゆったりと呼吸しながら、決して無理せず行ってくださいね。
4:階段の昇降
階段の昇り降りは、陣痛を促す刺激になるといわれています。足の上下運動が骨盤周囲からおなか周りの筋肉を刺激するからです。家の中はもちろん、外出時もエスカレーターやエレベーターを使わず、階段を利用してみましょう。しかし、おなかが大きいと足元が見えづらくなり、昇降の際につまずく危険があります。きちんと靴を履いて行い、とくに降りるときには注意しましょう。
5:骨盤ストレッチを行う
骨盤周りの血流を良くするストレッチも、陣痛を促すためには効果的です。簡単にできるストレッチを3つ紹介します。
・腰ゆらゆら(四つん這い)
・骨盤揺らし
・あぐらを組む運動
腰ゆらゆら(四つん這い)
四つん這いは、陣痛を促進する体勢だといわれています。
骨盤まわりの血行を良くすることができるからです。
ストレッチは以下の手順で行いましょう。
- 床に手と膝をつき、四つん這いに
- 膝は骨盤幅に開く。腰は反らないように注意
- 四つん這いのまま、おしりの横を見るように後ろを振り向く。同じ方向に腰も振る。左右交互に数回行う
骨盤揺らし(いすを用います)
- いすの背もたれ側に足を骨盤幅に開いて立つ
- 背もたれの上に前腕を重ねておく
- 前腕におでこをのせて体を前傾させ、骨盤を回旋させるようにぐるぐると腰を左右に揺らす。
- 右回し、左回しをゆっくり交互に行う。腰は反らないように注意する
あぐらを組む運動
筋肉を柔軟にして、産道を広がりやすくします。
- あぐらを組む
- 両膝に重みをかけ、ひと呼吸して手を緩める
- 足の裏をつけ、息を吸いながら背筋を伸ばす
- 息を吐きながら、からだを軽く前に倒す
お風呂上がりなど、時間を見つけて行ってみてください。
6:体を温める
身体が冷えていると、効果的な陣痛が起こりづらく、お産が長引いたりするといわれています。普段から身体を冷やす食べ物を控え、身体を温める作用のある「根菜類」や「温かい飲み物」を積極的に取るようにしましょう。湯船に浸かることも、陣痛を促すためには効果的です。
7:乳輪・乳頭マッサージ
乳輪・乳頭を刺激すると「オキシトシン」というホルモンが分泌され、子宮収縮を促してくれます。妊娠初期は子宮の収縮を避けるためにおっぱいのへ刺激は控えますが、陣痛がきてほしいときや産後に子宮収縮を促したいときには、とても有効な方法です。かかりつけの医師や助産師と相談しながら行うようにしてください。
8:陣痛を促進するツボを押す
身体には陣痛を促進するツボが存在します。
・三陰交(さんいんこう)
・太衝(たいしょう)
・次髎(じりょう)
それぞれのツボの場所や押し方を解説していきます。
・三陰交(さんいんこう)
足の内くるぶしから「手の指4本分上」に三陰交というツボがあります。女性ホルモンの分泌を促す効果があるため、出産の現場では「安産のツボ」とも呼ばれているのです。三陰交を指圧すると腟や子宮口がやわらかくなり、出産が進みやすくなるといわれています。37週に入ったら、お風呂で三陰交をゆっくりと押してみてください。
ただし三陰交は、陣痛に影響のあるツボなので、妊娠初期や切迫早産傾向にある妊婦さんは、触るのを控えるようにしましょう。
・太衝(たいしょう)
足の親指と人差し指の間をかかと側に向かってなぞると、へこんでいる部分があります。へこんでいる部分が太衝というツボです。痛くて気持ちよい程度で左右を順番に押していきましょう。
ストレスや不眠にも効果があるため、産後にもよい効果が期待できます。
・次髎(じりょう)
おしりの上辺りに仙骨という骨があり、仙骨周辺のくぼみにあるのが次髎です。腰とおしりの間にあり、ツボは左右対称に2つあります。
血流の促進やリラックス効果が次髎の特徴です痛くて気持ちよい程度に、ゆっくりと押していきましょう。テニスボールなどで刺激をしてもよいでしょう。腰痛や妊活中にもおすすめのツボです。
9:音楽鑑賞
せせらぎの音などの自然音を聴くと、とてもリラックスできますよね。実は自然音を聞くと、幸せホルモンと呼ばれる「オキシトシン」が分泌されると言われています。
そんな「オキシトシン」は、お産が近づくにつれて自然に分泌が増えていき、子宮を収縮させる作用があるのです。
自然音を聴くことで、リラックス効果だけでなく、陣痛を促すことにもつながるかもしれませんね。
出典:周産期におけるオキシトシン値の変化と母親役割獲得過程の関連|藤田医科大学 医療科学部 看護学科
出典:自然音を聴くことによる自律神経機能に及ぼす効果に関する研究|筑波大学
10:アロマテラピー
アロマテラピーにもオキトキシンを分泌させる効果があるのをご存知でしょうか
妊娠39週~40週の妊婦さんを対象とした研究で、足湯の際に「クラリセージ」「ラベンダー」の精油を使用したところ、オキトキシンが増加したという結果が得られたそうです。
また足湯をすると血行が良くなり、陣痛が促進される効果もあるのでおすすめです。
出典:自然分娩を希望する妊婦のオキシトシン・システム活性化の効果|聖路加国際大学看護学研究科
まとめ
陣痛が始まる時期というのは人それぞれ。そのため37週に入ったから、予定日を過ぎたからといってひどく焦る必要はありません。赤ちゃんが産まれたいと動き出すときをリラックスして待ちましょう。
今回紹介した陣痛を促進させるための方法は、赤ちゃんが起こす陣痛をよりスムーズに進めるための準備となります。
出産は母親だけでなく、赤ちゃんも苦しい思いをして頑張って産まれてきます。
正期産に入ったら少しずつ陣痛を促す準備をしてスムーズなお産につなげましょう。
赤ちゃんの未来に備える「さい帯・さい帯血保管」を考えてみませんか?
赤ちゃんとお母さんをつなぐ、「へその緒(さい帯)」と、その中を流れる血液「さい帯血」には、体を作るためのもととなる貴重な「幹細胞」が多く含まれていて、赤ちゃんやご家族の将来に備えて長期的に凍結保管することができます。
幹細胞は新しい医療への活用が進められており、もしもの時に役立てられる可能性があります。
- 出産後わずか数分の間にしか採取できない貴重な赤ちゃんのものです。
- 採取の際、お母さんと赤ちゃんに痛みや危険はありません。
- どちらにも幹細胞がたくさん含まれています。
- 再生医療分野など、さまざまな活用が進んでいます。
- それぞれ異なる幹細胞が含まれているため、両方を保管しておくことで将来の利用の選択肢が広がります。
実際に保管・利用した方のお声
出産時にしか採取できない「さい帯血」を、脳性まひのお子さまに対して臨床研究で使用された方のお声をご紹介します。

高知大学の臨床研究で
さい帯血投与を受けたお子さま
さい帯血を保管して
本当に良かったと思っています
元気に産まれたと思っていましたが、生後半年頃から左手をほとんど使おうとしないことに気付き、1歳頃にやはり何かおかしいと思ってMRIを撮ってもらうことにしました。結果1歳5ヶ月で脳性まひとわかりました。
2歳の誕生日にステムセルからハガキが届き、出産時に保管したさい帯血がもしや役に立つのではと思い至りステムセルに問い合わせました。ちょうど臨床試験への参加者を募集していて、運よく2歳5ヶ月のときに参加することができました。
輸血前は左手と左足に麻痺があり、歩けてはいるものの、とても転びやすく、少し歩いては転びを繰り返していました。しかし輸血後、翌日には転ぶ回数が減り、おもちゃを両手で掴めるようになって驚きました。その後もリハビリも継続し、完治したわけではありませんがかなり麻痺が軽くなったように思います。
現在、地域の小学校の普通級に集団登校で通えています。
まさか我が子がさい帯血を使って治療をすることになるとは思っていませんでしたが、保険のつもりでさい帯血を保管しておいて本当に良かったと思います。
さい帯・さい帯血を利用した再生医療の研究が、今まさに国内外で進んでいます。
その他のお声は公式サイトからご覧いただけます。
医師からのメッセージ

総合母子保健センター
愛育病院 病院長
百枝幹雄 先生
応用範囲が広がる
「さい帯・さい帯血」による再生医療
近年、めざましく進歩している再生医療のなかで、さい帯やさい帯血の幹細胞を利用する技術の最大の特徴は、通常は破棄してしまうけれども実はとてもポテンシャルの高い出生時の幹細胞を活用するという点です。
これまで有効性が示されている白血病、脳性まひ、自閉症のほかにも様々な疾患に対して臨床研究が進んでいますし、民間のバンクではご家族への利用も可能になりつつありますので、今後はますます応用範囲が広がることが期待されます。
一方、忘れてはならないのは必要になるまで幹細胞を長期間安全に保管するには信頼できる設備と技術が必要だということで、それにはそれなりのコストがかかります。
コスト・ベネフィットのとらえ方は人それぞれですが、お子様とご家族の将来を見据えてベネフィットが大きいとお考えの方には、信頼できる施設へのさい帯やさい帯血の保管は十分価値のある選択肢だと思います。
さい帯・さい帯血についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
保管するなら、ステムセル研究所の「HOPECELL(ホープセル)」
株式会社ステムセル研究所が提供する「さい帯・さい帯血ファミリーバンクHOPECELL(ホープセル)」は、日本国内で最も選ばれている保管サービスです。
ステムセル研究所は、25年以上の保管・運営実績がある日本初のさい帯血バンクで、国内最多となる累計80,000名以上のさい帯血を保管しています。

研究所

研究所
国内では脳性まひに対する、赤ちゃんご自身やごきょうだいのさい帯血投与の研究が行われています。海外の臨床研究では、投与により運動機能および脳神経回路の改善が報告されています。また自閉症スペクトラム障害(ASD)に対して、さい帯血の投与によりコミュニケーション能力や社会への順応性が向上する可能性が期待されており、大阪公立大学にてお子さまご自身のさい帯血を投与する臨床研究が開始されます。

研究所
無料パンフレットをお送りします!
さい帯・さい帯血保管についてより詳しく知っていただけるパンフレットをご自宅へお送りします。
赤ちゃんの将来に備える「さい帯・さい帯血保管」をぜひ妊娠中にご検討ください。

この記事の監修者
坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー