陣痛はどんな痛み?和らげる方法や痛みの程度、兆候などを解説

助産師 坂田陽子 先生

記事監修者:助産師 坂田陽子 先生

助産師/看護師/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

妊娠後期に入り、陣痛はどんな痛みなのだろうかと気になっていませんか。

陣痛には2種類あり、痛み方や痛む間隔などが異なるのです。

この記事では、以下のような内容を解説します。

・陣痛の種類
・前駆陣痛と本陣痛の違い
・陣痛の間隔や痛み方

この記事を読むと、陣痛の痛みが具体的にイメージできるようになり、安心して出産に備えられるようになりますよ。

【種類別】陣痛の痛み方

出産前の陣痛には、2つの種類があります。

・前駆陣痛
・本陣痛

2つの陣痛は痛み方が異なるため、その特徴を理解しつつ内容を確認していきましょう。

順番に解説していきます。

1:前駆陣痛

「前駆陣痛」は出産前の子宮の準備運動のようなもので、痛みが続く時間や間隔は不規則です。

痛み方の特徴としては、以下のようなものがあげられます。

・軽度の生理痛に似たような痛み
・子宮が締め付けられるような痛み
・下痢をしたときの痛み

また前駆陣痛の特徴として、お腹の張りが伴ったり、腰周辺に痛みが広がる場合もあります。

安静にしていると、痛みが和らぐといった特徴も持ち合わせています。

2:本陣痛

「本陣痛」は分娩の始まりとなる規則的で強い陣痛をさし、おもな特徴は以下のとおりです。

・規則的な間隔で痛みが来る(最初は10分間隔程度)(※1)
・時間の経過とともに間隔が短くなる
・痛みの強さが徐々に増していく
・下腹部全体がキュッと締め付けられるような痛み
・強烈な生理痛のような痛み

痛む間隔は10分程度から始まり、最終的には1~3分間隔になっていきます(※2)。

テレビや映画でよく目にする場面、俳優さんがうんうん唸って汗びっしょりの出産シーンは、正に本陣痛です。

この本陣痛がお産の始まりとなります。

本陣痛がどのような痛みか気になるという人は、こちらの記事も参考にしてくださいね。

出産の痛みが怖い!感覚を4つの例えや体験談で紹介

(※1,2)出典:西宮市保健所地域保健課「マザークラス」(令和6年3月)

【分娩期別】陣痛の痛み・持続時間・特徴など

出産は3つの期間に分かれ、それぞれ異なる陣痛の特徴があります。

分娩第1期~第3期まで段階的に進行し、痛みの強さや間隔が変化していくのです。

各期間の特徴を理解できれば、出産の進行状況を把握でき、心の準備を整えられます。

順番に見ていきましょう。

分娩第1期

分娩第1期は陣痛開始から子宮口が全開大(約10cm)になるまでの期間で、出産でもっとも長い時間を要する段階です(※3)。

具体的には、

・初産婦:平均10~12時間
・経産婦:4~6時間

程度の時間がかかることが、一般的とされています(※3)。

さらに分娩第1期は「準備期」「進行期」「極期」に分けられます。

「準備期では子宮口が3cm開くまでの段階で、陣痛の間隔は約10分、1回の陣痛が続く時間は20〜30秒程度です(※4)。

痛みはまだ弱く、生理痛のような感覚から始まる場合が多いでしょう。

子宮口が4〜7cm開く「進行期」に入ると、陣痛間隔は約4~7分になり、1回の陣痛の持続時間は30〜40秒程度に延びます(※4)。

痛みも徐々に強くなっていき、下腹部や腰に痛みを感じる人も

もっともつらい「極期(子宮口8〜10cm)」では、陣痛間隔が約2〜3分まで短くなり、持続時間も40〜60秒まで延びます(※4)

極期になると、いきみたくなる感覚が出てくることが多く「腰が砕かれそう」と例えられるほどの強い痛みを感じる人もいます。

(※3)出典:西宮市保健所地域保健課「マザークラス」(令和6年3月)

(※4)出典:名寄市立総合病院 看護部「4.お産の経過」

分娩第2期

分娩第2期は、子宮口が全開大してから胎児が生まれるまでの期間で、娩出期とも呼ばれます。

初産婦では1~2時間、経産婦では30分~1時間の所要時間です(※5)。

分娩第2期の陣痛は1~2分間隔で起こり、60秒から90秒ほど持続します(※6)。

この時期の痛みは、第1期とは性質が異なり「引き裂かれるような」「ひきちぎられるような」感覚として表現されることも(※7)。

胎児の頭が産道を通るときに膣壁を強く圧迫・伸展するため、これまでとは違った鋭い痛みを感じるためです。

また強い陣痛と一緒に「いきみたい」という感覚も生まれ、便意に似たような感覚もあります。

そして胎児が子宮口や膣から出てくると、膣や会陰部にも痛みが現れるようになります。

下腹部から外陰部にかけて強い痛みを感じる場合が多く、とくに胎児が生まれる瞬間は外陰部の痛みが強くなるでしょう。

医師や助産師の指示に従っていきみましょう。

(※5)出典:独立行政法人国立病院機構 東京医療センター 産婦人科外来「和痛分娩を受けられる方へ」2024年8月

(※6)出典:西宮市保健所地域保健課「マザークラス」(令和6年3月)

(※7)出典:J-STAGE|京都大学医療技術短期大学部助産学特別専攻(我部山キヨ子)「分娩進行に伴う産痛の性質」日本助産学会誌 第7巻 第1号(1993)

分娩第3期

分娩第3期は、胎児が生まれ胎盤が出るまでをさします。

所要時間は、

・初産婦:15~30分
・経産婦:10~20分

と比較的短く、ほかの期間と比べて負担の少ない段階といえるでしょう(※8)。

胎児に続いて胎盤が出てくるため、軽い痛みを感じますが、赤ちゃんとの対面による喜びや安堵感で、痛みをあまり意識しなくなるでしょう。

胎盤娩出後は本格的な産後の回復期に入るため、陣痛による痛みは基本的に終了となります。

(※8)出典:西宮市保健所地域保健課「マザークラス」(令和6年3月)

陣痛が始まる5つの兆候

陣痛が始まる兆候は、人によってさまざまです。

下記に代表的な予兆をあげました。

・おしるし
・破水
・胃の圧迫感が軽くなる
・腰痛の悪化
・お腹が張る

これらの兆候を知っておくと、陣痛や出産への心構えができるようになりますよ。

順番に解説していきます。

兆候1:おしるし

出産が近づいてくると、おりものに混ざって少量の出血が出ることがあります。

妊娠中、子宮口には粘液栓と呼ばれるゼリー状の粘液がつまっており、細菌が子宮内に侵入するのを防いでいます。

出産が近づくと子宮口が少しずつ開いていくため、粘液栓が剥がれ落ち外に出てきます。

粘液に少量の血液が混じることもあり、これをおしるしと言います。

個人差はありますが、薄いピンク色や茶色がかった粘り気のある分泌物が見られるケースが多いです。

ただし、おしるしがなくても陣痛が始まる場合もあります。

日頃から自身の体調や分泌物の変化に注意を払い、気になる点があれば医療機関に相談しましょう。

▼臨月の出血は陣痛のサイン?注意すべき出血についても解説

臨月の出血は陣痛のサイン?出血が多い・続くときの対応や陣痛前の症状を解説

兆候2:破水

破水は、赤ちゃんを包んでいてくれた羊水が外に出ることで、通常は陣痛が始まった後に起こります。

温かい液体で、においはほとんどなく、尿漏れと勘違いしてしまうケースも。

また陣痛が始まるより前に、破水する場合もあります。

実際に聖路加国際大学が発表した研究論文では、妊婦さんの「20%」に前期破水が発生したと報告されています(※9)。

さらに破水したあとは、24時間以内に陣痛が起こる確率が「90%」もあるという報告も(※10)。

破水後は感染リスクが高まるため、すぐに医療機関へ連絡をとり、指示を仰ぎましょう。

(※9,10)出典:J-STAGE|聖路加国際大学(杉岡 寛子,森 明子)「正期産における前期破水に関わる要因」日本助産学会誌 2016 年 30 巻 2 号 p. 323-332

兆候3:胃の圧迫感が軽くなる

妊娠後期に見られる胃の圧迫感が和らぐ現象も、出産が近づいている兆候のひとつです。

赤ちゃんが骨盤の方へ下降することで、内臓への圧迫が軽減されるためです。

ただし、胃の圧迫感の状態や経過には個人差があるため、過信しないようにしましょう。

ほかの兆候とあわせた総合的な判断が重要です。

兆候4:腰痛がひどくなる

赤ちゃんがお腹の中で大きくなるにつれて、腰痛に悩まされる妊婦さんは多いでしょう。

お産が近づいてくると、赤ちゃんが下がってくるため、腰痛の悪化、骨盤や恥骨に痛みを感じる人もいます。

腰痛の程度が急激に変化した場合は、陣痛の始まりやほかの問題が起きている可能性もあるため、医療機関に相談しましょう。

兆候5:お腹の張り

出産が近づくと、お腹の張りや、生理痛のような下腹部の痛みを感じることがあるでしょう。

規則的にお腹の張りがある場合は、陣痛の始まりの可能性があります。

▼陣痛前のサインは胎動にもあらわれる?医療機関を受診する目安も解説

陣痛前の胎動はどう変わる?陣痛のサインと注意すべき胎動の変化を紹介

【経験者が語る】前駆陣痛と本陣痛の違い

「前駆陣痛」は、子宮の準備運動、「本陣痛」は出産につながる陣痛ですが、見分けるのは難しいですよね。

前駆陣痛は「不規則に起こる」ことが特徴だといわれており、痛みや痛む間隔も不規則です。

前駆陣痛の場合は、病院に電話しても「自宅で様子を見てください」と言われるでしょう。

一方10分以内で、規則的に痛みを繰り返す子宮収縮が始まると本陣痛に移行したと判断できます(※11)。

本陣痛が始まった場合は、出産に備えて病院に連絡・入院が必要です。

前駆陣痛と本陣痛が、いざ自分に起こったときに見分けがつくか心配ですよね。

そこで私が実際に感じた、前駆陣痛と本陣痛の痛みや痛む間隔を紹介します。

陣痛のイメージや見分け方の参考にしてくださいね。

(※11)出典:国立研究開発法人国立成育医療センター「おしるし、破水、陣痛について」

私が経験した前駆陣痛

前駆陣痛はどのようなものなのでしょう。

出産経験のある人達たちに聞いてみると「前駆陣痛?」「あったっけ?」「そういえば、あれが前駆陣痛だったのかも・・・」という反応で、本陣痛や出産の一番強い痛みの記憶しか残っていないという人がほとんどです。

私も「前駆陣痛ってあったかな」と遠い記憶を辿ってみました。

前駆陣痛の前兆

妊婦健診でノンストレステスト(赤ちゃんの心拍データとお腹の張りの記録)をとっている最中に赤ちゃんがお腹の中でグーっと動いて、「普段の胎動とはなにか違う」と感じたことがありました。

いままでは、お腹の右のあたりが動き、お腹を蹴飛ばされたような部分的な動きだったのに対して、子宮全体がキューとなる感じです。

そのときは「赤ちゃんが伸びをしたのかな」と思ったくらいでした。

しかし、ノンストレステストのデータを見た看護師さんが「前駆陣痛かしら」とつぶやいたのを覚えています。

臨月に入ると前駆陣痛を感じる妊婦さんが多いようです。

前駆陣痛ってどんな痛み?

出産4日前から時々キューと痛くなって、少し横になっているとおさまるといった症状が始まりました。

痛みは我慢できるけど、息は止まるという感じです。

「赤ちゃんに酸素が届かなかったらどうしよう」と思い、一生懸命に深呼吸をしたのを覚えています。

前駆陣痛を、張りとして感じる人もいるようです。

前駆陣痛の間隔が定期的になり、痛みも強くなってくるとそろそろ出産も近いのかなと思い始めます。

私にとって前駆陣痛は、本陣痛に比べて軽めの陣痛という印象でした。

前駆陣痛が続く時間や間隔はどれくらい?

前駆陣痛が続く時間には個人差があります。

生理痛のひどい感じが長い間続いているかと思えば「本陣痛なのかな」と思える痛みも続くため日に日に体力を奪われるそうです。

数秒や数分で終わるケースや、数時間続いたという人も…。

ほかにも、何日もつらい状態で前駆陣痛が続いたという人もいました。

経産婦さんは「本陣痛のピークは、どんな痛みも比べ物にならない」と言う人が多いですよね。

▼前駆陣痛についてもっと詳しく知りたい場合はこちら

前駆陣痛と便意は似ている?違いを見分ける5つのポイントと対処法

私が経験した本陣痛

次に、私が経験した本陣痛を紹介します。

これから本陣痛を迎える時期に入るという人は、参考にしてくださいね。

本陣痛の前兆

出産予定日から3日後、下着に赤黒いシミがついていることを発見しました。

とうとうおしるしがきたのです。

さらに2日後、ソファで横になっていたところ、子宮がキューッとなるような、軽い痛みを伴う収縮を感じました。

収縮の間隔が規則的で、最初は「15~20分間隔」だったのが、次第に「15~10分間隔」と短くなってきたことを覚えています。

「10分間隔」を規則的に切るようになったところで、病院に連絡。

出産に備えた入院となりました。

本陣痛はどんな痛み?

私が感じた痛みの特徴は以下のとおりです。

・痛む間隔が規則的
・段階的に痛みが強くなる
・腰やお尻などの骨が痛む感覚

前駆陣痛より規則的で、段々と痛みが強くなるのが特徴です。

最終的に、ピーク時の痛みは1~3分間隔程度まで狭まりました。

出産の際は骨盤が大きく開くので、腰・お尻(尾てい骨)などに痛みを感じる妊婦さんも多いようです。

お腹・腰・お尻など、局所的な痛みというより、体全体の骨や筋肉が、一丸となって赤ちゃんを外に押し出そうと一斉に動いている感覚です。

本陣痛が続く時間や間隔はどれくらい?

私の経験では長女は「丸2日」、次女は「3時間」続きました。

本陣痛が続く時間にも個人差があるようです。

痛みの間隔は、10分間隔から徐々に短くなっていき、生まれる直前は約1分間隔で痛みの波がくることが多いようです。

陣痛が始まったときに確認すべき3つのポイント

「陣痛かな」と思うような強い痛みがきたら以下のポイントをメモしておきましょう。

・痛み始めた日時
・痛みが何秒続いたか
・痛む間隔

産院へ連絡をすると、上記3点を聞かれるでしょう。

すぐに答えられるよう、準備しておきましょう。

スマホのアプリでは、上記のポイントをおさえられるものがリリースされています。

ぜひ活用を検討してみてくださいね。

▼陣痛がきたら何で病院に行く?おすすめ交通手段を紹介

陣痛で救急車を呼んだらダメ?救急車を呼ぶべきケースや利用料金を紹介

陣痛の痛みを和らげるための2つの対処法

陣痛の痛みを和らげるための対処法として、以下の2つがあげられます。

・呼吸法とリラクゼーション
・楽な姿勢をとる

順番に見ていきましょう。

対処法1:呼吸法とリラクゼーション

陣痛中の呼吸法は、痛みを和らげる基本的で効果的な方法です。

鼻から息を吸って、口からゆっくり吐くことで、体の緊張をほぐし痛みを軽減できます。

陣痛のピーク時には息を止めずに吐くことを意識し、深呼吸で体の力を抜くことが大切です。

さらに体を温めることで痛みが和らぐため、カイロを貼ったり、ホットタオルを腰や下腹部に当てるとより効果的です。

生理痛のときと同じように、温かさが子宮の緊張を緩和し、血流を改善して痛みを軽くしてくれます。

また腰やお腹を優しくさすってもらうマッサージも、痛みを和らげる効果があります。

対処法2:楽な姿勢をとる

痛みを感じる部位や程度は人それぞれ異なるため、自分にとって楽な姿勢を見つけましょう。

・四つん這いになってクッションを抱える姿勢
・横向きで丸くなって足の間に抱き枕を挟む体勢
・立ったりあぐら座で座ってみる

など、さまざまな姿勢を試してみてください。

動いている方が痛みを紛らわせやすく、胎児も下に下がりやすくなるため陣痛が進みやすくなるでしょう。

疲れたときはベッドに横になり、陣痛の合間に休んで体力を温存することも大切です。

病院へ連絡するタイミングの目安

本陣痛が始まってから、分娩になるまでの時間は初産婦さんと経産婦さんで異なります(※12)。

・初産婦さん:陣痛が10分間隔
・経産婦さん:陣痛が10~15分間隔

痛む間隔を計測し、上記のとおりになれば医療機関へ連絡するタイミングです。

(※12)出典:国立研究開発法人国立成育医療センター「入院について」

要注意!すぐに病院へ連絡した方がよい4つのケース

陣痛に関係なく以下のような場合は、すぐに病院へ連絡しましょう。

・破水
・大量の出血
・胎動がない
・お腹の異常な痛みや張り

1:破水

破水にはさまざまな種類があり、多くの羊水が出ることもあれば、尿漏れかよくわからないほどの少量の場合もあります。

いずれの場合も、すぐに病院へ連絡しましょう。

破水すると、赤ちゃんを包んでいた膜が破れて感染症のリスクが高くなるため、お風呂には入らないよう注意してください。

また羊水が出てくることがあるため、大きめのバスタオルを持って車やタクシーで移動すると安心です。

2:大量の出血

おしるしのようにおりものに混ざる少量の出血ではなく、大量の出血がある場合はすぐに病院へ連絡してください。

3:胎動がない

出産に近づいてくると、赤ちゃんが骨盤の中へ降りていくため胎動が少なくなることがありますが、完全に胎動がなくなることはありません。

心配な場合は病院へ連絡しましょう。

4:お腹の異常な痛みや張り

この症状がある場合、妊娠中に胎盤が剝がれてしまう常位胎盤早期剥離のリスクがあります。

特徴は強烈な腹痛が急に起こり、継続します。

またお腹の強い張りも続くでしょう。

いつもと違うお腹の痛みや張りなどの症状があったら、ためらわずにすぐに病院へ連絡してください。

前駆陣痛から本陣痛につなげるために

前駆陣痛を感じてからなかなか本陣痛に移行しない場合は、赤ちゃんが下に降りてくるのを促す「ウォーキングや階段昇降」など体を動かすことが効果的です。

私自身なかなか本陣痛に移行せず一時退院をしました。

その際、産院の先生に「いっぱい歩いてきてね」と送り出されました。

本陣痛がこないことには出産にはつながりません。

激しい運動はできませんが、できるだけ体を動かして、よいお産の始まりにつなげましょう。

▼陣痛を促進するためにできることは?

簡単にできる!陣痛を促進する10の方法をご紹介

陣痛に関するQ&A

ここでは陣痛について、よくある3つの質問をまとめました。

順番に見ていきましょう。

陣痛に耐えられるか不安です…
土肥先生
陣痛の痛みに対する不安を感じるのは自然なことです。

陣痛の痛みは「波のように増減する痛み」と表現され、最初は軽度から始まり、進行するにつれて強くなるのが一般的です。

このメカニズムを理解することで、出産のイメージが湧き、不安が軽減する可能性があります。

また、ラマーズ法などの呼吸法は痛みを軽減する効果があるとされています。

妊娠中にマタニティクラスで学んだり、ご自宅で練習することをおすすめします。

さらに、パートナーや助産師からのサポートが精神的安心感を与えることも、痛みの軽減に寄与することが示されています。

出典:

・Smith, C. A., et al. (2018). Relaxation techniques for pain management during labor: A systematic review. Journal of Obstetric, Gynecologic & Neonatal Nursing, 47(2), 161-170.

・Hodnett, E. D., et al. (2013). Continuous support for women during childbirth. Cochrane Database of Systematic Reviews, (7).

後陣痛ってなに?
土肥先生
後陣痛とは、赤ちゃんの出産後に感じる子宮収縮による痛みをさします。

妊娠で大きくなった子宮が元の大きさに戻る過程で収縮を繰り返すことで起こります。

この痛みは、生理痛に似た鈍い痛みとして感じられることが多いですが、経産婦ではより強い痛みを感じることがあります。

後陣痛は通常、産後2~3日間続き、徐々に軽減します。

授乳中にオキシトシンが分泌されることで痛みが一時的に強まる場合もありますが、これは子宮収縮を促進する正常な反応です。

出典:

・Chalmers, B., et al. (2015). Postpartum uterine involution and pain management strategies. Birth, 42(3), 203-210.

・Uvnäs-Moberg, K., & Petersson, M. (2005). Oxytocin, a mediator of anti-stress, well-being, social interaction, growth and healing. Zeitschrift für Psychosomatische Medizin und Psychotherapie, 51(1), 57-80.

無痛分娩だったら痛くない?
土肥先生
無痛分娩は、硬膜外麻酔などの方法を用いて痛みを軽減する分娩方法です。

通常、痛みは大幅に軽減されますが、完全に痛みがなくなるわけではありません。

麻酔の効果は体質や麻酔薬の投与量によって異なるため、痛みや感覚が多少残ることがあります。

また、医療施設によっては出産を円滑に進めるために、軽い感覚を残す設定をする場合があります。

無痛分娩は比較的安全で、多くの妊婦が満足している一方で、頭痛や一時的な麻酔の影響が起こることもあるため、担当医との十分な相談が重要です。

出典:

・Anim-Somuah, M., et al. (2018). Epidural versus non-epidural or no analgesia for pain management in labour. Cochrane Database of Systematic Reviews, (5).

・Leighton, B. L., & Halpern, S. H. (2002). The effects of epidural analgesia on labor, maternal, and neonatal outcomes: A systematic review. American Journal of Obstetrics and Gynecology, 186(5), S69-S77.

まとめ

出産の準備段階として起きる「おしるし」や「前駆陣痛」はかならず起きるわけではありません。

そして前駆陣痛は、出産にむけて本格的な陣痛(本陣痛)が来る前の準備運動のようなものです。

痛みには個人差があり、前駆陣痛をつらく感じる妊婦さんやまったく気付かないという妊婦さんもいます。

出産は、なかなか教科書通りにはいきませんが、今回の記事を参考に、出産への準備を整えましょう。

▼分娩の流れと進み方をもう一度おさらい!詳しい記事はこちら

【事前に確認】分娩の流れや陣痛の進み方とは?3ステップで紹介

赤ちゃんの未来に備える「さい帯・さい帯血保管」を考えてみませんか?

赤ちゃんとお母さんをつなぐ、「へその緒(さい帯)」と、その中を流れる血液「さい帯血」には、体を作るためのもととなる貴重な「幹細胞」が多く含まれていて、赤ちゃんやご家族の将来に備えて長期的に凍結保管することができます。

幹細胞は新しい医療への活用が進められており、もしもの時に役立てられる可能性があります。

さい帯・さい帯血保管のポイント!

  1. 出産後わずか数分の間にしか採取できない貴重な赤ちゃんのものです。
  2. 採取の際、お母さんと赤ちゃんに痛みや危険はありません。
  3. どちらにも幹細胞がたくさん含まれています。
  4. 再生医療分野など、さまざまな活用が進んでいます。
  5. それぞれ異なる幹細胞が含まれているため、両方を保管しておくことで将来の利用の選択肢が広がります。

実際に保管・利用した方のお声

出産時にしか採取できない「さい帯血」を、脳性まひのお子さまに対して臨床研究で使用された方のお声をご紹介します。

高知大学の臨床研究で
さい帯血投与を受けたお子さま

さい帯血を保管して
本当に良かったと思っています

元気に産まれたと思っていましたが、生後半年頃から左手をほとんど使おうとしないことに気付き、1歳頃にやはり何かおかしいと思ってMRIを撮ってもらうことにしました。結果1歳5ヶ月で脳性まひとわかりました。
2歳の誕生日にステムセルからハガキが届き、出産時に保管したさい帯血がもしや役に立つのではと思い至りステムセルに問い合わせました。ちょうど臨床試験への参加者を募集していて、運よく2歳5ヶ月のときに参加することができました。
輸血前は左手と左足に麻痺があり、歩けてはいるものの、とても転びやすく、少し歩いては転びを繰り返していました。しかし輸血後、翌日には転ぶ回数が減り、おもちゃを両手で掴めるようになって驚きました。その後もリハビリも継続し、完治したわけではありませんがかなり麻痺が軽くなったように思います。
現在、地域の小学校の普通級に集団登校で通えています。
まさか我が子がさい帯血を使って治療をすることになるとは思っていませんでしたが、保険のつもりでさい帯血を保管しておいて本当に良かったと思います。

さい帯・さい帯血を利用した再生医療の研究が、今まさに国内外で進んでいます。

その他のお声は公式サイトからご覧いただけます。

医師からのメッセージ


総合母子保健センター
愛育病院 病院長
百枝幹雄 先生

応用範囲が広がる
「さい帯・さい帯血」による再生医療

近年、めざましく進歩している再生医療のなかで、さい帯やさい帯血の幹細胞を利用する技術の最大の特徴は、通常は破棄してしまうけれども実はとてもポテンシャルの高い出生時の幹細胞を活用するという点です。
これまで有効性が示されている白血病、脳性まひ、自閉症のほかにも様々な疾患に対して臨床研究が進んでいますし、民間のバンクではご家族への利用も可能になりつつありますので、今後はますます応用範囲が広がることが期待されます。
一方、忘れてはならないのは必要になるまで幹細胞を長期間安全に保管するには信頼できる設備と技術が必要だということで、それにはそれなりのコストがかかります。
コスト・ベネフィットのとらえ方は人それぞれですが、お子様とご家族の将来を見据えてベネフィットが大きいとお考えの方には、信頼できる施設へのさい帯やさい帯血の保管は十分価値のある選択肢だと思います。

さい帯・さい帯血についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

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国内では脳性まひに対する、赤ちゃんご自身やごきょうだいのさい帯血投与の研究が行われています。海外の臨床研究では、投与により運動機能および脳神経回路の改善が報告されています。また自閉症スペクトラム障害(ASD)に対して、さい帯血の投与によりコミュニケーション能力や社会への順応性が向上する可能性が期待されており、大阪公立大学にてお子さまご自身のさい帯血を投与する臨床研究が開始されます。

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この記事の監修者

助産師 坂田陽子 先生

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー