2023年6月29日
陣痛・出産
#前駆陣痛

陣痛の始まりがわからない!痛みやその間隔など特徴を解説

坂田陽子

記事監修者:坂田陽子

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

妊娠後期に入り、陣痛の始まりにはどのような体調の変化があるのだろうかと気になっていませんか。

陣痛には2種類あり、痛み方や痛む間隔などが異なるのです。

この記事では、以下のような内容を解説します。

  • 陣痛の種類
  • 前駆陣痛と本陣痛の違い
  • 陣痛の間隔や痛み方

この記事を読むと、陣痛の始まりがわかるようになり、安心して出産に備えられるようになりますよ。

陣痛は2種類ある

出産前の陣痛には、2つの種類があります。

  • 前駆陣痛
  • 本陣痛

「前駆陣痛」は出産前の子宮の準備運動のようなもので、痛みが続く時間や間隔は不規則です。前駆陣痛は、出産に備えて子宮が準備運動をしているようなものです。

「本陣痛」は出産につながる陣痛をさします。はじめは10分間隔など規則的に起こり、徐々に痛みの起こる感覚が短くなっていきます。

たとえばテレビや映画でよく目にする場面、女優さんがうんうん唸って汗びっしょりの出産シーンは、正に本陣痛です。

この本陣痛がお産の始まりとなります。

陣痛が始まる5つの予兆

陣痛が始まる予兆は、人によってさまざまです。下記に代表的な予兆をあげました。

  • おしるし
  • 破水
  • つわりがおさまる
  • 腰痛の悪化
  • おなかが張る

予兆1:おしるし

出産が近づいてくると、おりものに混ざって少量の出血が出ることがあります。これはおしるしや産徴と呼ばれるもので、出産の数日前くらいから起こることがあるため、日ごろから観察しておきましょう。

予兆2:破水

破水は、赤ちゃんを包んでいてくれた羊水が外に出ることで、通常は子宮口が全開になったときに起こります。しかし、陣痛が始まるより前に破水をすることもあるのです。先に破水があった場合は、病院へ連絡しすぐに受診しましょう。

予兆3:つわりがおさまる

妊娠後期は、おなかが大きくなり胃が圧迫されることで吐き気を感じることがあります。この後期つわりは、出産が近づいてくると、赤ちゃんが子宮の出口の方へ下がっていくことで解消されることが多いです。

予兆4:腰痛がひどくなる

赤ちゃんがおなかの中で大きくなるにつれて、腰痛に悩まされる妊婦さんは多いでしょう。お産が近づいてくると、赤ちゃんが下がってくるため、腰痛の悪化、骨盤や恥骨に痛みを感じる人もいます。

予兆5:おなかの張り

出産が近づくと、おなかの張りや、生理痛のような下腹部の痛みを感じることがあるでしょう。規則的におなかの張りがある場合は陣痛の始まりの可能性があります。

【経験者が語る】前駆陣痛と本陣痛の違い

「前駆陣痛」は、子宮の準備運動、「本陣痛」は出産につながる陣痛ですが、見分けるのは難しいですよね。

前駆陣痛は「不規則に起こる」ことが特徴だといわれています。痛みや痛む間隔も不規則です。前駆陣痛の場合は、病院に電話しても「自宅で様子を見てください」と言われるでしょう。

一方10分以内で、規則的に痛みを繰り返す子宮収縮が始まると本陣痛に移行したと判断できます。本陣痛が始まった場合は、出産に備えて病院に連絡・入院が必要です。

前駆陣痛と本陣痛が、いざ自分に起こった時に見分けがつくか心配ですよね。

そこで私が実際に感じた、前駆陣痛と本陣痛の痛みや痛む間隔を紹介します。

陣痛のイメージや見分け方の参考にしてくださいね。

私が経験した前駆陣痛

前駆陣痛ってどんなものなのでしょう。

出産経験のある人達たちに聞いてみると「前駆陣痛?」「あったっけ?」「そういえば、あれが前駆陣痛だったのかも・・・」という反応で、本陣痛や出産の一番強い痛みの記憶しか残っていないという人がほとんどです。

私も「前駆陣痛ってあったかな」と遠い記憶を辿ってみました。

前駆陣痛の前兆

妊婦健診で赤ちゃんの心拍データをとっている最中に赤ちゃんがおなかの中でグーっと動いて、「普段の胎動とは何か違う」と感じたことがありました。

いままでは、おなかの右のあたりが動き、おなかを蹴飛ばされたような部分的な動きだったのに対して、子宮全体がキューとなる感じです。

そのときは「赤ちゃんが伸びをしたのかな」と思ったくらいでした。しかし赤ちゃんの心拍データがとんでいる状態を見た看護師さんが「前駆陣痛かしら」とつぶやいたのを覚えています。

臨月に入ると前駆陣痛を感じる妊婦さんが多いようです。

前駆陣痛ってどんな痛み?

出産4日前から時々キューと痛くなって、少し横になっているとおさまるといった症状が始まりました。痛みは我慢できるけど、息は止まるという感じです。

「赤ちゃんに酸素が届かなかったらどうしよう」と思い、一生懸命に深呼吸をしたのを覚えています。

前駆陣痛を、張りとして感じる人もいるようです。前駆陣痛の間隔が定期的になり、痛みも強くなってくるとそろそろ出産も近いのかなと思い始めます。私にとって前駆陣痛は、本陣痛に比べて軽めの陣痛という印象でした。

前駆陣痛が続く時間や間隔はどれくらい?

前駆陣痛が続く時間には個人差があります。

生理痛のひどい感じが長い間続いているかと思えば「本陣痛なのかな」と思える痛みも続くため日に日に体力を奪われるそうです。

数秒や数分で終わるケースや、数時間続いたという人も・・・。

ほかにも、何日もつらい状態で前駆陣痛が続いたという人もいました。

経産婦さんは「本陣痛のピークは、どんな痛みも比べ物にならない」と言う人が多いですよね。

私が経験した本陣痛

次に、私が経験した本陣痛を紹介します。これから本陣痛を迎える時期に入るという人は、参考にしてくださいね。

本陣痛の前兆

出産予定日から3日後、下着に赤黒いシミがついていることを発見しました。とうとうおしるしがきたのです。さらに2日後、ソファで横になっていたところ、子宮がキューッとなるような、軽い痛みを伴う収縮を感じました。収縮の間隔が規則的で、最初は「15~20分間隔」だったのが、次第に「15~10分間隔」と短くなってきたことを覚えてえいます。「10分間隔」を規則的に切るようになったところで、病院に連絡。出産に備えた入院となりました。

本陣痛はどんな痛み?

私が感じた痛みの特徴は以下のとおりです。

  • 痛む間隔が規則的
  • 段階的に痛みが強くなる
  • 腰やお尻などの骨が痛む感覚

前駆陣痛より規則的で、段々と痛みが強くなるのが特徴です。最終的に、ピーク時の痛みは1~3分間隔程度まで狭まりました。出産の際は骨盤が大きく開くので、腰・お尻(尾てい骨)などに痛みを感じる妊婦さんも多いようです。お腹・腰・お尻など、局所的な痛みというより、体全体の骨や筋肉が、一丸となって赤ちゃんを外に押し出そうと一斉に動いている感覚です。

本陣痛が続く時間や間隔はどれくらい?

私の経験では長女は「丸2日」次女は「3時間」続きました。本陣痛が続く時間にも個人差があるようです。痛みの間隔は、10分間隔から徐々に短くなっていき、生まれる直前は約1分間隔で痛みの波がくることが多いようです。

陣痛が始まったときに確認すべき3つのポイント

「陣痛かな」と思うような強い痛みがきたら以下のポイントをメモしておきましょう。

  • 痛み始めた日時
  • 痛むが続いた時間
  • 痛む間隔

産院へ連絡をすると、上記3点を聞かれるでしょう。すぐに答えられるよう、準備しておきましょう。

スマートフォンのアプリでは、上記のポイントをおさえられるものがリリースされています。ぜひ活用を検討してみてくださいね。

【出産経験回数別】病院へ連絡するタイミングの目安

本陣痛が始まってから、分娩になるまでの時間は初産婦さんと経産婦さんで異なります。

  • 初産婦さん:陣痛が10分間隔
  • 経産婦さん:陣痛が10~15分間隔

要注意!すぐに病院へ連絡した方がよい4つのケース

陣痛に関係なく以下のような場合は、すぐに病院へ連絡しましょう。

  • 破水
  • 大量の出血
  • 胎動がない
  • お腹の異常な痛みや張り

1:破水した

破水には様々な種類があり、たくさん羊水が出ることもあれば、尿漏れかよくわからないほどの少量の場合もあります。いずれの場合も、すぐに病院へ連絡してください。破水すると、赤ちゃんを包んでいた膜が破れて感染症のリスクが高くなるため、お風呂には入らないよう注意してください。また羊水がたくさん出てくることがあるため、大きめのバスタオルを持って車やタクシーで移動すると安心です。

2:大量出血がある

おしるしのようにおりものに混ざる少量の出血ではなく、大量の出血がある場合はすぐに病院へ連絡してください。

3:胎動がない

出産に近づいてくると、赤ちゃんが骨盤の中へ降りていくため胎動が少なくなることがありますが、完全に胎動がなくなることはありません。心配な場合は病院へ連絡しましょう。

4:おなかの異常な痛みや張り

この症状がある場合、妊娠中に胎盤が剝がれてしまう常位胎盤早期剥離のリスクがあります。特徴は強烈な腹痛が急に起こり、それが継続します。またおなかの強い張りも続くでしょう。いつもと違うおなかの痛みや張りなどの症状があったら、ためらわずにすぐに病院へ連絡してください。

前駆陣痛から本陣痛につなげるために

 前駆陣痛の期間は一般的には「2週間~1ヶ月」といわれています。

前駆陣痛を感じてからなかなか本陣痛に移行しない場合は、赤ちゃんが下に降りてくるのを促す「ウォーキングや階段昇降」など体を動かすことが効果的です。

私自身なかなか本陣痛に移行せず一時退院をしました。その際、産院の先生に「いっぱい歩いてきてね」と送り出されました。

本陣痛がこないことには出産にはつながりません。激しい運動はできませんが、できるだけ体を動かして、よいお産の始まりにつなげましょう。

まとめ

出産の準備段階として起きる「おしるし」や「前駆陣痛」は絶対に起きるわけではありません。そして前駆陣痛は、出産にむけて本格的な陣痛(本陣痛)が来る前の準備運動のようなものです。

痛みには個人差があり、前駆陣痛を辛く感じる妊婦さんや全く気付かないという妊婦さんもいます。出産は、なかなか教科書通りにはいきませんが、今回の記事を参考に、出産への準備を整えましょう。

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▼さい帯血保管について、もっと詳しく

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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