自分の体が食べた物でできているように、お腹の赤ちゃんの体も、自分が食べるものからつくられます。
しかし、現代の日本人女性の多くは栄養不足で、そのために妊娠できなかったり、貧血だったり、妊娠しても血糖値に問題が出たり、深刻な産後うつになっているとの報告も。
妊娠中の食事は、単にお腹を満たせば良いと言うものではなく、健康な体と健やかな暮らしを実現していくために「何をどのように食べる」かがとても大切です。
そこで、
■妊娠中の食事ポイント5つ
■妊娠中に摂りたい食べ物・避けたい食べ物
をご紹介します。
妊娠中の食事ポイント1:「糖質過剰」を避ける
糖質を取りすぎると、危険な食後高血糖を招き、妊娠中の様々な病気の引き金となります。さらに過剰な糖質を代謝するために、ビタミンやミネラルが無駄遣い(浪費)され、結果的にビタミンやミネラルが不足します。
妊娠中は、糖質過剰を避け、良質の脂肪を摂取し、タンパク質の食べ物を増やす必要があります。
ちなみに、炭水化物と糖質は似ていますが、違いがあります。
炭水化物、たんぱく質、脂質を3大栄養素と呼びます。糖質は、炭水化物から食物繊維をひいたものです。
糖質の多い食べ物
・ご飯、小麦(パン、麺類、ピザ)などの穀物
・いも類(さつまいも、じゃがいもなど)
・甘味料(砂糖類、蜂蜜など)
糖質の少ない食べ物
・大豆や大豆製品(豆腐、納豆など)
・ナッツ類(アーモンド、カシューナッツ、ピーナッツなど)
・野菜(オクラ、キャベツ、キュウリ、小松菜、ごぼう、大根、玉ねぎ、トマト、なす、にら、にんじん、にんにく、ねぎ、白菜、ピーマン、ブロッコリー、ほうれんそう、もやし、レタスなど)
妊娠中の食事ポイント2:「食物繊維」を多くとる
一方、食物繊維は、腸内環境を整える効果があり、妊娠中積極的に取るべきものです。
食物繊維の多い食べ物
・野菜(ごぼう、セロリ、アスパラガス、キャベツ、白菜、青菜類など)
・海藻(わかめ、寒天など)
・きのこ類(しいたけ、しめじ、えのきなど)
妊娠中の食事ポイント3:「鉄分」をしっかりと取る
妊娠中は、月経がなくなるのにもかかわらず、多くの妊婦さんが妊娠中に貧血になり、鉄剤の補充が必要になってしまいます。妊娠によって消費される貯蔵鉄は、500mgと言われています。血清フェリチンの値とすると、理論上60〜70に相当します。つまり妊娠は、その期間は月経による出血がないにもかかわらず、普通では利用しない貯蔵鉄を大量に消費することなのです。
そのため、妊娠中は鉄分の含まれる食べ物を普段よりも多く取る必要があります。その他、タンパク質、良質の脂肪、ビタミン、ミネラルも不足しがちになりますので、食事による補充が必要です。もしかしたら、そのマタニティブルーは鉄不足かもしれません。また、出産時の異常出血予防のためにも、欠かせることのできない栄養素です。
「鉄分」は産後の食事にも重要
アメリカ小児科学会の論文によると、母乳育児の赤ちゃんは、4ヶ月目で既に鉄不足に。私も三人の子供を完全母乳で育てましたが、長男と次女が10ヶ月検診で貧血に!丸々とした赤ちゃんだっただけにびっくりしました。
離乳食前から赤ちゃんが鉄不足になってしまうのなら、母乳の質を高めるために、母親がしっかり鉄不足を補うためにお肉などを食べ物で摂取することが大切です。
出産後のママの母体は、妊娠、出産で既に鉄を大量に消耗しているのだから、他の人以上に、鉄を食べ物などでしっかり摂らなければいけないのです。
鉄不足により、妊娠貧血や、産後は産後うつや不妊症の原因となります。
したがって、妊娠中は鉄分の含まれる食べ物を普段よりも多く取る必要があります。その他、タンパク質、良質の脂肪、ビタミン、ミネラルも不足しがちになりますので、食事による補充が必要です。もしかしたら、そのマタニティブルーは鉄不足かもしれません。また、出産時の異常出血予防のためにも、欠かせることのできない栄養素です。
鉄分の多い食べ物
・ほうれんそう(100gあたり鉄分量2mg)
栄養価が高く、鉄分の他にビタミンCも豊富です。ほうれんそうは灰汁が強いため、調理前に茹でて使いましょう。胡麻和えやナムルなどが時短で作れるため、お勧めです。
・あさり(30gあたり鉄分量1.1mg)
鉄分の他にカルシウム、カリウムなどのミネラルが豊富です。しょうがやニンニクなどで味付けした酒蒸しにしたり、野菜と一緒にスープに入れて。温活メニューにも合う食材です。
・たまご(50gあたり鉄分量0.9mg)
鉄分の他に食物繊維やビタミンC以外のすべての栄養素を含んでいる便利な食材です。万能な食材ですので、彩りの良い野菜をたっぷり入れたオムレツ、卵スープなど、メニューのバリエーションも豊富ですね。
妊娠中の食事ポイント4:妊娠中の消化機能の低下に気をつける
妊娠中は、消化機能が低下します。一度にたくさん食べると、お腹を壊しやすくなります。妊娠中はよく噛んで食べる、極端に冷たいものは避ける、消化しやすく調理する、塩辛い加工食品は避けるなどの工夫が必要になります。私は、妊娠中に、普段は行かない食べ放題のバイキングに行ったものですが、食欲にまかせるといけませんね。
消化の悪い食べ物
・揚げ物(フライドポテト、あげパン、天ぷら、唐揚げなど)
・海藻
・脂の多い肉、加工品(ハム、ベーコンなど)
・菓子類(ケーキ、ドーナツなど)
消化の良い食べ物
・バナナ、りんご、白桃
・脂の少ないヒレ肉、鶏ささみ
・じゃがいも、長芋、里芋
揚げ物はすごくおいしいのですが、古くなると酸化します。妊娠中は、酸化した悪い油が多いものは避けた方が良いでしょう。揚げ物を多くとる食習慣は、動脈硬化の原因となります。
つわりの時期が過ぎてくると、ご飯がとても美味しくなってきますよね。そして赤ちゃんのために、もっとご飯を食べるように家族からも勧められます。
そんな時こそ、栄養価や消化などにも気をつけながら、料理を美味しく食べて、ストレスのない妊娠生活を送りましょう
妊娠中の食事ポイント5:妊娠中は避けたいNG食材
・アルコール
アルコールを摂取すると、胎盤を通じて赤ちゃんに届いてしまい、赤ちゃんの低体重や脳障害などを引き起こす可能性があります。妊娠中はアルコールを摂取しないのが基本です。洋菓子にラム酒などが含まれることもあるので注意しましょう。
・生肉やお刺身
妊娠中は食中毒の原因であるリステリア菌に感染しやすくなっています。感染し、重症化してしまうと流産や早産の危険があります。リステリア菌は塩分にも強く、4℃以下の低温でも繁殖するため、妊娠中はお肉や魚介類は火を通してから食べるようにしましょう。生ハムやスモークサーモン等の加工食品でも注意が必要です。
・ナチュラルチーズ
こちらもリステリア菌の感染を予防するために避けたい食べ物です。食べる場合には十分に加熱したものにしましょう。
・香辛料やスパイス
香辛料やスパイスを過剰摂取することにより、子宮収縮を引き起こし流産や早産の危険を高めるといわれています。適量を摂取する分には問題ありませんが、過剰な摂取は避けましょう。
まとめ
私たちの心も体も、食べ物で出来ています。命を誕生させる、最も大切な妊娠中こそ、正しい栄養の摂り方を知り、毎日の食事に取り入れてください。
ただし妊娠中は、つわり・後期つわりなど、思うように食事がとれない時期でもあるもの。
頑張りすぎてストレスが溜まらないよう、妊娠中は自分に合ったリフレッシュ法を見つけてリラックスしながら乗り越えましょう。
良い出産をお迎えできるよう、心より願っております。
チャンスは出産時の一度きり。赤ちゃんの将来の安心に備えるさい帯血保管とは
うまれてくる赤ちゃんのために、おなかに赤ちゃんがいる今しか準備できないことがあるのをご存知ですか?
それが「さい帯血保管」です。
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しかし採取できるのは、出産直後のわずか数分間に限られています。採血と聞くと痛みを伴うイメージがあるかと思いますが、さい帯血の採取は赤ちゃんにもお母さんにも痛みはなく安全に行うことができます。
民間さい帯血バンクなら、赤ちゃん・家族のために保管できる
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一方民間バンクでは、赤ちゃん自身やそのご家族の将来のために保管できます。現在治療法が確立されていない病気に備える保険として利用できるのが、この民間さい帯血バンクです。
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さい帯血を保管した人の声
※ほかの保管者のから声はこちら
さい帯血保管は、赤ちゃんへの「愛」のプレゼント。
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▼さい帯血保管について、もっと詳しく
この記事の監修者
坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー