妊娠初期に水っぽいおりものが増える原因とは?注意したい症状も解説

助産師 坂田陽子 先生

記事監修者:助産師 坂田陽子 先生

助産師/看護師/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

「妊娠初期におりものが水っぽくなってきた…」
「この症状は正常?」
「どんな状態のときに病院に行くべき?」

上記のように悩んでいるのではないでしょうか。

妊娠初期のおりものの変化は多くの妊婦さんが経験することですが、正常な変化なのか異常なサインなのか判断に迷うことも多いですよね。

妊娠初期の水っぽいおりものが増える現象には理由があり、注意すべき症状を知っておくことで適切な対応ができます。

そこでこの記事では、おもに以下の内容を解説していきます。

・妊娠初期に水っぽいおりものが増える原因
・妊娠初期の水っぽいおりものとあわせて注意したい状態

この記事を読むと、おりものの変化が正常なものか異常なサインなのかを判断できるようになり、安心して妊娠初期を過ごせるようになりますよ。

妊娠初期に水っぽいおりものが増える原因はホルモンの変化

妊娠が成立すると、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が急激に増え、子宮頸部(子宮の入り口)からの分泌物が多くなります。

妊娠しなかった場合であれば排卵後にエストロゲンは減少していくものの、妊娠を維持するために高いレベルで分泌されつづけます。

そのため、妊娠初期のおりものは排卵期に似たサラサラとした水っぽい状態がつづくのです。

妊娠初期の水っぽいおりものの増加は、母体と胎児を守るための自然な変化といえるでしょう。

妊娠初期の水っぽいおりものとあわせて注意したい状態

妊娠初期の水っぽいおりものとあわせて注意したいおりものの状態として、以下の3つがあげられます。

・血液が混じったおりもの
・においや色が異常なおりもの
・水っぽいおりものの急激な増加

順番に見ていきましょう。

状態1:血液が混じったおりもの

妊娠初期に血液が混じったおりものが見られる場合は、流産の一歩手前の状態である「切迫流産」の可能性があるため注意が必要です。

切迫流産は妊娠22週未満に起こる状態で、痛みやお腹の張りを感じる場合も(※1)。

妊娠初期の出血は、子宮外妊娠の可能性も考えられるため、自己判断せずに医療機関で受診することが大切です。

茶色や黒色のおりものが出ている場合は出血している可能性もあるため、色の変化にも注意を払いましょう。

▼妊娠初期の茶色いおりものや出血について詳しい記事はこちら

【体験談あり】妊娠初期に起こる出血や茶色いおりものの原因は?対処法も紹介

(※1)出典:公益社団法人 日本産科婦人科学会「流産・切迫流産」

状態2:においや色が異常なおりもの

いつもと異なるおりもののにおいや、色にも注意が必要です。

とくに以下のような変化が見られる場合は、感染症の疑いもあるため確認しておきましょう(※2)。

おりものの変化 疑いのある感染症
おりものが黄色くなる 性器クラミジア感染症
おりものが緑黄色になる 淋菌感染症
強い悪臭 トリコモナス症
白くポロポロした状態のおりもの 性器カンジダ症

においや色の変化は自身でも気づきやすいサインです。

普段と明らかに違う変化を感じたら、恥ずかしがらずに医療機関で相談しましょう。

妊娠初期のおりものの変化について、さらに詳しく知りたい人は、下記にも目をとおしてみてくださいね。

妊娠初期におりものが変化する理由とは?正常・異常のパターンも解説

出典:国立保健医療科学院 健康危機管理支援ライブラリー|福岡県保健医療介護部がん感染症疾病対策課「性感染症ってどんな病気?~「ひとごと」ではなく「身近なこと」~」

状態3:水っぽいおりものの急激な増加

妊娠初期に水っぽいおりものが急激に増えた場合、前期破水の可能性があります。

前期破水とは、陣痛が来る前に卵膜が破れて羊水が外に流出した状態のことで、全分娩の約10~20%に起こるといわれています(※2)。

破水感は「水っぽいおりものが出る感じ」として自覚されることが多く、尿もれとの区別がつかない場合も。

破水となった場合、卵膜が破れた部位から子宮内に細菌が感染するリスクが高まります。

そのため、水のようなおりものが流れ出てきた場合は、陣痛を伴わない前期破水の可能性があるため、早急にかかりつけ医に連絡することが大切です。

破水感があった場合はかならず医療機関に連絡し、シャワーや入浴は避けましょう。

(※2)出典:J-STAGE|慶應義塾大学(中村 幸代),聖路加看護大学(堀内 成子)ほか「妊婦の冷え症と前期破水における因果効果の推定—傾向スコアによる交絡因子の調整—」日本助産学会誌 2012 年 26 巻 2 号 p. 190-200

妊娠初期の水っぽいおりものに関するQ&A

ここでは妊娠初期の水っぽいおりものについて、よくある3つの質問をまとめました。

順番に見ていきましょう。

妊娠初期の水っぽいおりものはいつまでつづく?
坂田先生
妊娠初期はホルモンの影響でおりものの量や性状が変わり、水っぽく感じることがあります。

これは体の自然な変化で、多くの場合は妊娠中期以降に落ち着いてくることが多いです。

ただし、個人差があり、妊娠を通して続く方もいます。

おりものが水っぽいだけなら病院に行かなくても大丈夫?
坂田先生
水っぽいおりものだけで、かゆみや強いにおい、出血を伴わない場合は大きな心配はいりません。

清潔を保ち、健診のときに医師や助産師に伝えると安心です。

ただし、おりものの量が急に増えた、下着が濡れるほど出るといった場合は、破水などの可能性もあるため早めに相談してください。

妊娠初期にピンクや茶色の水っぽいおりものが出ると流産の危険がある?
坂田先生
ピンクや茶色のおりものは、古い血が混じっていることが多く、必ずしも流産を意味するわけではありません。

妊娠初期にはよくあることです。

ただし、鮮血が続く、量が増える、強い腹痛を伴う場合は注意が必要です。心配なときは早めに病院を受診してください。

まとめ

妊娠初期の水っぽいおりものの増加は、エストロゲンの分泌量急増により起こる自然な変化です。

ただし、以下の症状がある場合は医療機関への相談が必要です。

症状 考えられる原因
血液が混じる・茶色や黒色など 切迫流産、子宮外妊娠
黄色・緑黄色・強い悪臭など 性感染症(クラミジア、淋病、トリコモナス症など)
白くポロポロした状態 性器カンジダ症
急激な水っぽいおりもの増加 前期破水

なかでも前期破水は全分娩の10〜20%で発生し、細菌感染リスクが高まります。

入浴を避けて速やかに医療機関へ連絡することが大切です。

妊娠初期のおりものは母体と胎児を守るための変化ですが、異常を感じた際は医療機関で相談しましょう。

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その他のお声は公式サイトからご覧いただけます。

医師からのメッセージ


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百枝幹雄 先生

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この記事の監修者

助産師 坂田陽子 先生

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー