妊娠初期に肌荒れする5つの原因とは?対処法やケア時の注意点も解説
記事監修者:助産師 坂田陽子 先生
助産師/看護師/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

「妊娠初期に入ってから急に肌荒れがひどくなった…」
「この肌トラブルは妊娠が原因なの?」
「安全にできる肌荒れ対策が知りたい」
上記のように悩んでいるのではないでしょうか。
いままで経験したことのない肌トラブルに戸惑う人も多いでしょう。
じつは妊娠初期の肌荒れには明確な原因があり、妊娠中でも安全に行える対処法も存在します。
そこでこの記事では、おもに以下の内容を解説していきます。
・妊娠初期に肌荒れする5つの原因と症状
・妊娠初期にも安全な4つの肌荒れ対処法
・妊娠初期の肌荒れケア時の注意点
この記事を読むと、妊娠中でも安心して肌荒れケアができるようになりますよ。
妊娠初期に肌荒れする5つの原因と症状

妊娠初期に肌荒れが起きる原因とおもな症状としては、以下の5つがあげられます。
| 原因 | 現れる症状 | なぜ起こるのか |
| ホルモンバランスの変化 | ・ニキビ・吹き出物 ・シミ・そばかすの増加 ・皮脂の過剰分泌 |
・プロゲステロンが皮脂分泌とメラニン生成を促進 ・絨毛性ゴナドトロピン(hCG)がつわりを引き起こし体調不良に |
| 肌の水分不足と乾燥 | ・肌のカサつき・かゆみ ・バリア機能の低下 ・刺激に対する敏感化 |
・胎児の成長に水分が優先的に使用される ・毛細血管拡張により水分蒸発量が増加 |
| つわりによる栄養バランスの乱れ | ・肌のバリア機能低下 ・新陳代謝の悪化 ・治りにくい肌荒れ |
・食欲不振や偏食でビタミン・ミネラル不足 ・水分摂取不足による乾燥悪化 |
| 睡眠不足と生活リズムの変化 | ・肌の修復力低下 ・ストレスホルモン増加 ・自律神経の乱れ |
・つわりや頻尿で質のよい睡眠が取れない ・夜間の肌修復・再生が不十分に |
| 免疫の変化による敏感化 | ・化粧品かぶれ ・アレルギー反応 ・湿疹・かゆみの増加 |
・胎児を異物認識しないよう免疫が変化 ・新陳代謝の活発化で汗による刺激増加 |
妊娠初期はホルモンバランスの変化が激しいため、複数の原因が重なって肌荒れが起こりやすくなります。
多くの症状は出産後にホルモンバランスが安定すると改善されますが、妊娠中はやさしいスキンケアと生活習慣の見直しが大切です。
妊娠初期にも安全な4つの肌荒れ対処法

妊娠初期にも行える安全な肌荒れの対処法は、以下の4つです。
・低刺激なスキンケアアイテムへの切り替え
・洗顔はやさしく行う
・保湿ケア
・栄養バランスの見直し
順番に解説していきます。
対処法1:低刺激なスキンケアアイテムへの切り替え
妊娠初期は肌が敏感になるため、いままで問題なく使えていた化粧品でも合わなくなる場合があります。
その場合、無香料や無着色、アルコールフリーなど、刺激となる可能性のある成分が含まれていない低刺激タイプのアイテムを選ぶのがおすすめです。
また、つわり中は匂いに敏感になっているため、無香料のものを選ぶとよいでしょう。
もしいま使っているスキンケアアイテムで、ピリつきや痛みなどの違和感があれば、使用を中止することが大切です。
肌の変化に合わせて柔軟にアイテムを見直していき、自分の肌にやさしいものを見つけていきましょう。
対処法2:洗顔はやさしく行う
クレンジングや洗顔の際にゴシゴシと強く洗うのは避けましょう。
妊娠中の敏感な肌には、やさしく丁寧な洗顔が基本です。
泡立てた洗顔料を使って、肌を泡で包み込むように洗いましょう。
皮脂の落としすぎも肌荒れを悪化させる原因になるため、洗浄力の強いアイテムはできるだけ使わないようにしてください。
洗顔時はぬるま湯で丁寧に洗い流すことも大切です。
熱すぎるお湯は肌の必要な油分まで奪ってしまい、乾燥を招く原因になるためです。
対処法3:保湿ケア
妊娠初期の肌荒れは、肌内部の水分量と皮脂量のバランスが崩れて発生する場合が多いです。
化粧水を塗布したあとは、乳液や保湿クリームを使用して、水分を肌に閉じ込めましょう。
とくに皮膚の水分が蒸散しやすい入浴後は、すぐに保湿ケアを行いましょう。
また妊娠線ができやすい部位(お腹やバスト、ふともも、おしり、二の腕など)も保湿ケアすれば、妊娠線対策にもなります。
対処法4:栄養バランスの見直し
つわりで食べられるものが限られがちな妊娠初期でも、肌荒れ改善のために、
・ビタミン
・食物繊維
・たんぱく質
を意識して摂取するようにしましょう。
たとえば、ビタミンには血行をよくして、肌の新陳代謝を活発にする働きがあります(※1)。
サプリメントによる摂取もひとつの手段ですが、飲む前に医療機関で相談しましょう。
体質や体調、サプリメントの種類によって避けたほうがよいものもあるためです。
(※1)出典:日本女子大学「肌トラブル」
妊娠初期の肌荒れケアでは自己判断での薬剤使用を控える

肌荒れを薬でケアしたいときは、自己判断で市販薬を使うのではなく、必ず医療機関で相談しましょう。
市販薬の中には、妊娠時に使用すると、胎児への悪影響を及ぼすものもあるためです。
たとえば、難治性ニキビの治療に使用されている薬剤を妊娠中に使用すると、
・胎児の先天異常
・流産
・早産
・死産
を引き起こす可能性があるといわれています(※2)。
(※2)出典:厚生労働省「アキュテイン(ACCUTANE)(わが国で未承認の難治性ニキビ治療薬)に関する注意喚起について」
妊娠初期の肌荒れに関するQ&A
ここでは妊娠初期の肌荒れについて、よくある3つの質問をまとめました。
順番に見ていきましょう。
個人差はありますが、妊娠がわかって間もない時期から起こることもあり、多くの場合は中期以降に落ち着いてくることが多いです。
ただし、出産まで続く方もいます。
そのため、おでこや口周りなど皮脂が多い部分にニキビが出やすくなるのです。
「さらに、つわりで食生活が不規則になったり、眠れない日が続いたりすると、肌荒れが悪化することもあります。
皮膚科や産婦人科では、妊娠中でも安全に使える塗り薬(抗菌作用のあるものや保湿を中心としたもの)が処方されることがあります。
肌荒れがつらいときは、早めに医師に相談するのが安心です。
まとめ
妊娠初期の肌荒れは、ホルモンバランスの変化を中心として引き起こされます。
妊娠中でも行える安全な対処法として、以下の4点があげられます。
| 対処法 | 詳細 |
| スキンケア見直し | 無香料・無着色の低刺激アイテムに変更 |
| やさしい洗顔 | 泡で包み込むように、ぬるま湯で洗浄 |
| 保湿ケア | 化粧水後の乳液・クリームで水分維持 |
| 栄養バランス見直し | ビタミン・食物繊維・たんぱく質を意識的に摂取 |
妊娠初期の肌荒れケアで注意すべきは、市販薬の自己判断による使用です。
なかには胎児へ悪影響を及ぼす可能性が高い薬もあるため、かならず医療機関での相談が必要です。
多くの肌荒れ症状は、出産後のホルモン安定化とともに改善されるため、妊娠中は無理をせず、肌にやさしいケアを心がけて乗り越えましょう。
赤ちゃんの未来に備える「さい帯・さい帯血保管」を考えてみませんか?
赤ちゃんとお母さんをつなぐ、「へその緒(さい帯)」と、その中を流れる血液「さい帯血」には、体を作るためのもととなる貴重な「幹細胞」が多く含まれていて、赤ちゃんやご家族の将来に備えて長期的に凍結保管することができます。
幹細胞は新しい医療への活用が進められており、もしもの時に役立てられる可能性があります。
- 出産後わずか数分の間にしか採取できない貴重な赤ちゃんのものです。
- 採取の際、お母さんと赤ちゃんに痛みや危険はありません。
- どちらにも幹細胞がたくさん含まれています。
- 再生医療分野など、さまざまな活用が進んでいます。
- それぞれ異なる幹細胞が含まれているため、両方を保管しておくことで将来の利用の選択肢が広がります。
実際に保管・利用した方のお声
出産時にしか採取できない「さい帯血」を、脳性まひのお子さまに対して臨床研究で使用された方のお声をご紹介します。
高知大学の臨床研究で
さい帯血投与を受けたお子さま
さい帯血を保管して
本当に良かったと思っています
元気に産まれたと思っていましたが、生後半年頃から左手をほとんど使おうとしないことに気付き、1歳頃にやはり何かおかしいと思ってMRIを撮ってもらうことにしました。結果1歳5ヶ月で脳性まひとわかりました。
2歳の誕生日にステムセルからハガキが届き、出産時に保管したさい帯血がもしや役に立つのではと思い至りステムセルに問い合わせました。ちょうど臨床試験への参加者を募集していて、運よく2歳5ヶ月のときに参加することができました。
輸血前は左手と左足に麻痺があり、歩けてはいるものの、とても転びやすく、少し歩いては転びを繰り返していました。しかし輸血後、翌日には転ぶ回数が減り、おもちゃを両手で掴めるようになって驚きました。その後もリハビリも継続し、完治したわけではありませんがかなり麻痺が軽くなったように思います。
現在、地域の小学校の普通級に集団登校で通えています。
まさか我が子がさい帯血を使って治療をすることになるとは思っていませんでしたが、保険のつもりでさい帯血を保管しておいて本当に良かったと思います。
さい帯・さい帯血を利用した再生医療の研究が、今まさに国内外で進んでいます。
その他のお声は公式サイトからご覧いただけます。
医師からのメッセージ
総合母子保健センター
愛育病院 病院長
百枝幹雄 先生
応用範囲が広がる
「さい帯・さい帯血」による再生医療
近年、めざましく進歩している再生医療のなかで、さい帯やさい帯血の幹細胞を利用する技術の最大の特徴は、通常は破棄してしまうけれども実はとてもポテンシャルの高い出生時の幹細胞を活用するという点です。
これまで有効性が示されている白血病、脳性まひ、自閉症のほかにも様々な疾患に対して臨床研究が進んでいますし、民間のバンクではご家族への利用も可能になりつつありますので、今後はますます応用範囲が広がることが期待されます。
一方、忘れてはならないのは必要になるまで幹細胞を長期間安全に保管するには信頼できる設備と技術が必要だということで、それにはそれなりのコストがかかります。
コスト・ベネフィットのとらえ方は人それぞれですが、お子様とご家族の将来を見据えてベネフィットが大きいとお考えの方には、信頼できる施設へのさい帯やさい帯血の保管は十分価値のある選択肢だと思います。
さい帯・さい帯血についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
保管するなら、ステムセル研究所の「HOPECELL(ホープセル)」
株式会社ステムセル研究所が提供する「さい帯・さい帯血ファミリーバンクHOPECELL(ホープセル)」は、日本国内で最も選ばれている保管サービスです。
ステムセル研究所は、25年以上の保管・運営実績がある日本初のさい帯血バンクで、国内最多となる累計80,000名以上のさい帯血を保管しています。

研究所
研究所
国内では脳性まひに対する、赤ちゃんご自身やごきょうだいのさい帯血投与の研究が行われています。海外の臨床研究では、投与により運動機能および脳神経回路の改善が報告されています。また自閉症スペクトラム障害(ASD)に対して、さい帯血の投与によりコミュニケーション能力や社会への順応性が向上する可能性が期待されており、大阪公立大学にてお子さまご自身のさい帯血を投与する臨床研究が開始されます。
研究所
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さい帯・さい帯血保管についてより詳しく知っていただけるパンフレットをご自宅へお送りします。
赤ちゃんの将来に備える「さい帯・さい帯血保管」をぜひ妊娠中にご検討ください。
この記事の監修者
助産師 坂田陽子 先生
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー
