羊水検査とは?わかることや3つのリスク、受ける判断基準を解説

助産師 坂田陽子 先生

記事監修者:助産師 坂田陽子 先生

助産師/看護師/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

「羊水検査って何を調べる検査なの?」
「リスクがあると聞いて不安…」
「自分は受けるべきなのか判断できない」

上記のように悩んでいるのではないでしょうか。

出生前診断の選択肢として羊水検査があげられますが、リスクや費用のことを考えると、受けるべきなのか迷ってしまいますよね。

羊水検査は確定診断として高い精度を持つ一方で、流産などのリスクも伴うため、正しい知識を持ったうえで判断することが大切です。

そこでこの記事では、以下の内容を解説していきます。

・羊水検査の基礎知識
・羊水検査でわかる3つの疾患
・羊水検査を行う3つのリスク
・羊水検査を受けるべきか悩んだときの4つの判断基準

この記事を読むと、羊水検査について正しく理解し、納得のいく判断ができるようになりますよ。

羊水検査とは?

羊水検査は、母体のお腹に細い針を刺して羊水を採取し、その中に含まれる胎児の細胞を調べる出生前診断の一つです。

胎児は、母体のお腹で羊水に包まれて成長しており、この中には胎児の皮膚や粘膜から自然に剥がれ落ちた細胞が浮かんでいます。

そのため、羊水を調べれば赤ちゃんの染色体や遺伝子の状態を直接確認でき、染色体異常があるかどうかの確定診断ができるのです。

具体的には、超音波で胎児や胎盤の位置を確認しながら、痛みを軽減するために皮膚の局所麻酔を行って、安全な場所を選んで細い針で羊水を採取します。

採取した細胞は培養して詳しく分析するため、結果が出るまでには2〜3週間以上の期間が必要になります(※1)。

また羊水検査は確定検査であるため、ほぼ100%の精度で染色体に関する疾患を診断可能です(※2)。

検査は、羊水の量が十分に増える「妊娠15週以降」に行われるのが一般的です(※3)。

なお羊水検査にかかる費用は、医療機関によって異なりますが「約16万円」かかります(※4)。

(※1)出典:慶應義塾大学病院|医療・健康情報サイト KOMPAS「羊水検査」

(※2)出典:J-STAGE|昭和大学横浜市北部病院産婦人科臨床遺伝ゲノム医療センター(土肥 聡)「産科領域で行われる出生前診断の現状」脳と発達 2021 年 53 巻 5 号 p. 375-379

(※3)出典:厚生労働省|厚生科学審議会科学技術部会 NIPT 等の出生前検査に関する専門委員会「NIPT等の出生前検査に関する専門委員会報告書 」令和3(2021)年5月

(※4)出典:独立行政法人 地域医療機能推進機構 大阪病院「出生前検査のご案内」

羊水検査でわかる3つのこと

羊水検査でわかる疾患として、おもに以下の3つがあげられます。

疾患名 発生頻度(※5) おもな症状・特徴
21トリソミー(ダウン症候群) 約1,000人に1人 ・発達がゆっくり進む
・心臓の病気
・知的発達の遅れ
・消化管異常や白血病などの合併症など
18トリソミー(エドワーズ症候群) 約4,000~10,000人に1人 ・重度の発達の遅れ
・指の重なり
・先天性心疾患
・消化器系の異常など
13トリソミー(パトウ症候群) 約5,000~10,000人に1人 ・小頭症
・頭蓋骨の欠損
・口唇口蓋裂
・重度の発達の遅れ
・先天性心疾患など

ただし、羊水検査でわかる染色体異常は、先天性異常の一部であり、すべての疾患がわかるわけではありません。

(※5)出典:こども家庭庁|令和 3 年度 厚生労働科学研究費補助金「NIPT」

羊水検査を行う3つのリスク

リスク 発生頻度 おもな症状・内容
流産 約0.3%(※6) 検査後の破水などにより流産や死産に至る場合がある
破水 約0.3%(※6) ・針を刺した部分から羊水が漏れ出る
・水のようなおりものが出現
感染 約0.1%(※7) 絨毛膜羊膜炎の可能性

さまざまな疾患を調べられる羊水検査ですが、上記のようなリスクがあることも理解しておきましょう。

(※6)出典:兵庫医科大学「出生前診断についてキチンと知っていますか?」2025年1月

(※7)出典:慶應義塾大学病院|医療・健康情報サイト KOMPAS「羊水検査」

羊水検査を受けるべきか悩んだときの4つの判断基準

羊水検査を受けるべきか悩んだときの判断基準として、以下の4つがあげられます。

判断基準 考慮すべきポイント
出産時に35歳以上の妊娠 母体年齢が上がるほど染色体異常の発生率が増加
NIPTや母体血清マーカー検査で陽性判定 スクリーニング検査は「可能性」を調べる非確定的検査であり、陽性でも偽陽性の場合があるため、確定診断には羊水検査が必要
家族の健康状態 ・夫婦のどちらかが染色体異常の保因者
・染色体異常児を分娩した既往がある
・遺伝性疾患の家族歴がある
リスクを理解 流産・破水・感染などの合併症リスクあり

上記は、この基準に従わなければならない、というものではありません。

最終的にはパートナーや家族と相談して、納得のできる判断をしましょう。

羊水検査に関するQ&A

ここでは羊水検査について、よくある3つの質問をまとめました。

順番に見ていきましょう。

羊水検査は痛い?
坂田先生
採血より少し強いチクッとした痛みを感じる人がいますが、多くは「思ったほど痛くなかった」という声が多い検査です。

お腹に細い針を刺して羊水を採るため、短い時間だけ不快感がある場合があります。

検査後は安静にすることで、ほとんどの人が大きな問題なく過ごせます。

羊水検査はいつまで受けられる?
坂田先生
一般的には、妊娠15〜16週ごろから受けることが多く、遅くとも妊娠20週頃までに実施されます。

ただし、産院によって時期の基準が異なるため、早めに相談しておくと安心です。

羊水検査は誰でも受けられる?
坂田先生
基本的には、希望すれば多くの妊婦さんが受けることができます。

ただし、以下のような場合には、医師が慎重に判断することがあります。

・子宮の状態に問題がある
・妊娠合併症がある
・多胎妊娠(双子・三つ子など)
・感染症の有無

羊水検査は確定診断ができる大切な検査ですが、リスクとメリットを考えながら医師と相談して受けることが大切です。

まとめ

羊水検査は、母体のお腹に細い針を刺して羊水を採取し、胎児の染色体や遺伝子を直接調べる確定診断です。

妊娠15週以降に実施され、ほぼ100%の精度で染色体異常を診断できます。

羊水検査では、おもに3つの染色体異常が診断できます。

疾患名 発生頻度(※5) おもな症状・特徴
21トリソミー(ダウン症候群) 約1,000人に1人 ・発達がゆっくり進む
・心臓の病気
・知的発達の遅れ
・消化管異常や白血病などの合併症など
18トリソミー(エドワーズ症候群) 約4,000~10,000人に1人 ・重度の発達の遅れ
・指の重なり
・先天性心疾患
・消化器系の異常など
13トリソミー(パトウ症候群) 約5,000~10,000人に1人 ・小頭症
・頭蓋骨の欠損
・口唇口蓋裂
・重度の発達の遅れ
・先天性心疾患など

ただし、すべての胎児の病気がわかるわけではなく、先天異常の一部のみが対象です。

また羊水検査には、以下のリスクが伴います。

リスク 発生頻度 内容
流産 約0.3% 検査後の破水などによる流産・死産
破水 約0.3% 針を刺した部分からの羊水漏出
感染 約0.1% 絨毛膜羊膜炎の可能性

羊水検査を受ける際は、出産時の年齢や上記のリスクを考慮して、納得のできる判断をしましょう。

赤ちゃんの未来に備える「さい帯・さい帯血保管」を考えてみませんか?

赤ちゃんとお母さんをつなぐ、「へその緒(さい帯)」と、その中を流れる血液「さい帯血」には、体を作るためのもととなる貴重な「幹細胞」が多く含まれていて、赤ちゃんやご家族の将来に備えて長期的に凍結保管することができます。

幹細胞は新しい医療への活用が進められており、もしもの時に役立てられる可能性があります。

さい帯・さい帯血保管のポイント!

  1. 出産後わずか数分の間にしか採取できない貴重な赤ちゃんのものです。
  2. 採取の際、お母さんと赤ちゃんに痛みや危険はありません。
  3. どちらにも幹細胞がたくさん含まれています。
  4. 再生医療分野など、さまざまな活用が進んでいます。
  5. それぞれ異なる幹細胞が含まれているため、両方を保管しておくことで将来の利用の選択肢が広がります。

実際に保管・利用した方のお声

出産時にしか採取できない「さい帯血」を、脳性まひのお子さまに対して臨床研究で使用された方のお声をご紹介します。

高知大学の臨床研究で
さい帯血投与を受けたお子さま

さい帯血を保管して
本当に良かったと思っています

元気に産まれたと思っていましたが、生後半年頃から左手をほとんど使おうとしないことに気付き、1歳頃にやはり何かおかしいと思ってMRIを撮ってもらうことにしました。結果1歳5ヶ月で脳性まひとわかりました。
2歳の誕生日にステムセルからハガキが届き、出産時に保管したさい帯血がもしや役に立つのではと思い至りステムセルに問い合わせました。ちょうど臨床試験への参加者を募集していて、運よく2歳5ヶ月のときに参加することができました。
輸血前は左手と左足に麻痺があり、歩けてはいるものの、とても転びやすく、少し歩いては転びを繰り返していました。しかし輸血後、翌日には転ぶ回数が減り、おもちゃを両手で掴めるようになって驚きました。その後もリハビリも継続し、完治したわけではありませんがかなり麻痺が軽くなったように思います。
現在、地域の小学校の普通級に集団登校で通えています。
まさか我が子がさい帯血を使って治療をすることになるとは思っていませんでしたが、保険のつもりでさい帯血を保管しておいて本当に良かったと思います。

さい帯・さい帯血を利用した再生医療の研究が、今まさに国内外で進んでいます。

その他のお声は公式サイトからご覧いただけます。

医師からのメッセージ


総合母子保健センター
愛育病院 病院長
百枝幹雄 先生

応用範囲が広がる
「さい帯・さい帯血」による再生医療

近年、めざましく進歩している再生医療のなかで、さい帯やさい帯血の幹細胞を利用する技術の最大の特徴は、通常は破棄してしまうけれども実はとてもポテンシャルの高い出生時の幹細胞を活用するという点です。
これまで有効性が示されている白血病、脳性まひ、自閉症のほかにも様々な疾患に対して臨床研究が進んでいますし、民間のバンクではご家族への利用も可能になりつつありますので、今後はますます応用範囲が広がることが期待されます。
一方、忘れてはならないのは必要になるまで幹細胞を長期間安全に保管するには信頼できる設備と技術が必要だということで、それにはそれなりのコストがかかります。
コスト・ベネフィットのとらえ方は人それぞれですが、お子様とご家族の将来を見据えてベネフィットが大きいとお考えの方には、信頼できる施設へのさい帯やさい帯血の保管は十分価値のある選択肢だと思います。

さい帯・さい帯血についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

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株式会社ステムセル研究所が提供する「さい帯・さい帯血ファミリーバンクHOPECELL(ホープセル)」は、日本国内で最も選ばれている保管サービスです。

ステムセル研究所は、25年以上の保管・運営実績がある日本初のさい帯血バンクで、国内最多となる累計80,000名以上のさい帯血を保管しています。

どうやって保管するの?
ステムセル
研究所
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保管したさい帯血は何に使えるの?
ステムセル
研究所

国内では脳性まひに対する、赤ちゃんご自身やごきょうだいのさい帯血投与の研究が行われています。海外の臨床研究では、投与により運動機能および脳神経回路の改善が報告されています。また自閉症スペクトラム障害(ASD)に対して、さい帯血の投与によりコミュニケーション能力や社会への順応性が向上する可能性が期待されており、大阪公立大学にてお子さまご自身のさい帯血を投与する臨床研究が開始されます。

さい帯・さい帯血保管は高いと聞いたのですが…
ステムセル
研究所
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この記事の監修者

助産師 坂田陽子 先生

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー