経産婦とは?初産婦との2つの違いや知っておきたい注意点を解説
記事監修者:助産師 坂田陽子 先生
助産師/看護師/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

「経産婦って?」
「初産婦との違いは?」
「2人目以降の出産で注意すべきことはあるのかな?」
上記のように悩んでいるのではないでしょうか。
経産婦には明確な定義があり、分娩時間や後陣痛の強さなどの違いがあります。
また妊娠・出産は、回数を重ねても毎回異なる経過をたどることがあるのです。
そこでこの記事では、おもに以下の内容を解説していきます。
・経産婦の定義と基本知識
・経産婦と初産婦の2つのおもな違い
・経産婦さんが知っておきたい2つの注意点
この記事を読むと、経産婦について正しく理解し、安心して出産に臨めるようになりますよ。
経産婦とは?定義と基本知識
経産婦とは、これまでに「妊娠22週以降」の出産を1回以上経験したことがある女性のことをさします(※1)。
妊娠22週は、胎児が母体のお腹の外でも生きていける可能性が出てくる週数で、この時期以降の出産経験があれば経産婦と呼ばれるのです(※2)。
なお、初めて出産する女性は「初産婦」と呼ばれています。
初産について知りたい人は、下記も参考にしてみてください。
経産婦と初産婦の2つのおもな違い

経産婦と初産婦の、おもな違いとしては以下の2つがあげられます。
・分娩にかかる時間の長さ
・出産後の後陣痛の強さ
順番に見ていきましょう。
違い1:分娩にかかる時間の長さ
経産婦と初産婦では、陣痛が始まってから胎児が生まれるまでの時間が大きく異なります。
初産婦の場合、陣痛開始から胎盤が出るまでの分娩所要時間は「12〜16時間」ほどかかりますが、経産婦では「5〜8時間」と、約半分の時間で済むことが一般的です(※3)。
胎児が生まれるまでの最終段階である分娩第二期も、初産婦では平均50分かかるのに対し、経産婦では平均20分ほどで完了します(※3)。
出産経験があると子宮口が開きやすく、胎児が通る産道も柔らかくなっているため、分娩の進行がスムーズになるのです。
ただし、
・前回の出産から時間が経っている場合
・胎児の大きさ・位置
などによっては、経産婦でも時間がかかることがあるため、個人差があることを理解しておきましょう。
(※3)出典:厚生労働省「産科における看護師等の業務について」
違い2:出産後の後陣痛の強さ
出産後に感じる後陣痛の痛みは、初産婦よりも経産婦のほうが強くなる傾向があります。
後陣痛とは、大きくなった子宮が妊娠前の大きさに戻ろうとして収縮するときに感じる痛みで、分娩当日から2〜3日間続くことが多いです(※4)。
経産婦の場合、2人目以降の妊娠で子宮がより大きくなっていることに加え、子宮を元に戻す収縮の力が初産婦のときよりも強くなるため、後陣痛の痛みを強く感じやすくなります。
また授乳をすると、子宮収縮を促す「オキシトシン」というホルモンが分泌されるため、授乳中に痛みが増すことも。
痛みが強い場合は、鎮痛薬を使用することもできるため、我慢せずに医療機関に相談しましょう。
(※4)出典:鰺ヶ沢町ホームページ「褥婦さん向けプチテキスト」
経産婦が知っておきたい2つの注意点

経産婦が知っておきたい注意点は、おもに以下の2点です。
・出産回数が増えるほどリスクが高まる
・前回と同じ経過をたどるとは限らない
順番に見ていきましょう。
注意点1:出産回数が増えるほどリスクが高まる
出産回数が増えるほど、「前置胎盤」や「癒着胎盤」といった胎盤異常が発生しやすくなるため注意が必要です。
また妊産婦死亡のデータを見ると、1回経産婦が最も死亡率が低くなっています。
ついで初産婦、そして2回以上の出産経験がある多産婦になるほど、死亡率が増加していることがわかっています(※5)。
母体年齢が高くなることに加え、帝王切開や流産手術などの子宮内瘢痕形成による着床部位異常が影響し、癒着胎盤などの胎盤異常のリスクが増加するためです。
前置胎盤や癒着胎盤は、妊娠中や分娩時に大量出血をきたし、母体の危険が高い病気であるため、経産婦であっても定期的な妊婦健診を欠かさず受けることが大切です。
(※5)出典:公益社団法人 日本産婦人科医会「母体安全への提言 2020 Vol.11」令和3年9 月
注意点2:前回と同じ経過をたどるとは限らない
経産婦だからといって、前回の出産と同じように分娩が進むとは限らない、と理解しておく必要があります。
実際の事例では、前回2回の出産がスムーズに進行した3回経産婦であっても、子宮口5cm開大から「約24時間」かかったケースがあったため、出産経験があっても予測がむずかしいといえるでしょう(※6)。
出産経験があっても油断せず、医療機関としっかりコミュニケーションをとりながら準備を進めていきましょう。
経産婦に関するQ&A
ここでは経産婦について、よくある3つの質問をまとめました。
順番に見ていきましょう。
代表的なものは以下のとおりです。
・妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病のリスク上昇
・流産・早産の可能性の上昇
・赤ちゃんの染色体異常のリスクが上がる
・分娩時に帝王切開になる割合が高くなる
ただし、経産婦は出産経験があるため、子宮口が開きやすいなど有利な点もあります。
・授乳や育児に慣れているため、産後の生活が軌道に乗りやすい
・体の変化に対して対処法を把握している
そのため、医師が問題ないと判断すれば、初産婦より早めに退院できるケースがあります。
ただし、過去に妊娠・出産した経験があることで、大きな不妊要因が少ない可能性はあります。
一方で、年齢が高くなれば妊娠しにくくなる傾向は、初産婦・経産婦どちらも同じです。
まとめ
経産婦とは「妊娠22週以降」の出産を1回以上経験した女性をさし、初めて出産する女性は「初産婦」と呼ばれます。
両者のおもな違いは、以下のとおりです。
| 項目 | 初産婦 | 経産婦 |
| 分娩所要時間 | 12〜16時間 | 5〜8時間 |
| 後陣痛の強さ | 比較的軽い | より強い傾向 |
経産婦は子宮口が開きやすく産道も柔らかいため、分娩時間は初産婦の約半分で済みます。
一方で、子宮収縮の力が強くなるため、出産後の後陣痛は初産婦より強く感じやすくなります。
また経産婦が知っておきたい注意点は、以下の2つです。
・出産回数が増えるほど胎盤異常リスクが高まり、妊産婦死亡率も上昇する傾向
・前回の出産経験があっても同じ経過をたどるとは限らない
経産婦であっても定期的な妊婦健診を欠かさず受け、医療機関としっかりコミュニケーションをとりながら準備を進めることが大切です。
赤ちゃんの未来に備える「さい帯・さい帯血保管」を考えてみませんか?
赤ちゃんとお母さんをつなぐ、「へその緒(さい帯)」と、その中を流れる血液「さい帯血」には、体を作るためのもととなる貴重な「幹細胞」が多く含まれていて、赤ちゃんやご家族の将来に備えて長期的に凍結保管することができます。
幹細胞は新しい医療への活用が進められており、もしもの時に役立てられる可能性があります。
- 出産後わずか数分の間にしか採取できない貴重な赤ちゃんのものです。
- 採取の際、お母さんと赤ちゃんに痛みや危険はありません。
- どちらにも幹細胞がたくさん含まれています。
- 再生医療分野など、さまざまな活用が進んでいます。
- それぞれ異なる幹細胞が含まれているため、両方を保管しておくことで将来の利用の選択肢が広がります。
実際に保管・利用した方のお声
出産時にしか採取できない「さい帯血」を、脳性まひのお子さまに対して臨床研究で使用された方のお声をご紹介します。
高知大学の臨床研究で
さい帯血投与を受けたお子さま
さい帯血を保管して
本当に良かったと思っています
元気に産まれたと思っていましたが、生後半年頃から左手をほとんど使おうとしないことに気付き、1歳頃にやはり何かおかしいと思ってMRIを撮ってもらうことにしました。結果1歳5ヶ月で脳性まひとわかりました。
2歳の誕生日にステムセルからハガキが届き、出産時に保管したさい帯血がもしや役に立つのではと思い至りステムセルに問い合わせました。ちょうど臨床試験への参加者を募集していて、運よく2歳5ヶ月のときに参加することができました。
輸血前は左手と左足に麻痺があり、歩けてはいるものの、とても転びやすく、少し歩いては転びを繰り返していました。しかし輸血後、翌日には転ぶ回数が減り、おもちゃを両手で掴めるようになって驚きました。その後もリハビリも継続し、完治したわけではありませんがかなり麻痺が軽くなったように思います。
現在、地域の小学校の普通級に集団登校で通えています。
まさか我が子がさい帯血を使って治療をすることになるとは思っていませんでしたが、保険のつもりでさい帯血を保管しておいて本当に良かったと思います。
さい帯・さい帯血を利用した再生医療の研究が、今まさに国内外で進んでいます。
その他のお声は公式サイトからご覧いただけます。
医師からのメッセージ
総合母子保健センター
愛育病院 病院長
百枝幹雄 先生
応用範囲が広がる
「さい帯・さい帯血」による再生医療
近年、めざましく進歩している再生医療のなかで、さい帯やさい帯血の幹細胞を利用する技術の最大の特徴は、通常は破棄してしまうけれども実はとてもポテンシャルの高い出生時の幹細胞を活用するという点です。
これまで有効性が示されている白血病、脳性まひ、自閉症のほかにも様々な疾患に対して臨床研究が進んでいますし、民間のバンクではご家族への利用も可能になりつつありますので、今後はますます応用範囲が広がることが期待されます。
一方、忘れてはならないのは必要になるまで幹細胞を長期間安全に保管するには信頼できる設備と技術が必要だということで、それにはそれなりのコストがかかります。
コスト・ベネフィットのとらえ方は人それぞれですが、お子様とご家族の将来を見据えてベネフィットが大きいとお考えの方には、信頼できる施設へのさい帯やさい帯血の保管は十分価値のある選択肢だと思います。
さい帯・さい帯血についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
保管するなら、ステムセル研究所の「HOPECELL(ホープセル)」
株式会社ステムセル研究所が提供する「さい帯・さい帯血ファミリーバンクHOPECELL(ホープセル)」は、日本国内で最も選ばれている保管サービスです。
ステムセル研究所は、25年以上の保管・運営実績がある日本初のさい帯血バンクで、国内最多となる累計80,000名以上のさい帯血を保管しています。

研究所
研究所
国内では脳性まひに対する、赤ちゃんご自身やごきょうだいのさい帯血投与の研究が行われています。海外の臨床研究では、投与により運動機能および脳神経回路の改善が報告されています。また自閉症スペクトラム障害(ASD)に対して、さい帯血の投与によりコミュニケーション能力や社会への順応性が向上する可能性が期待されており、大阪公立大学にてお子さまご自身のさい帯血を投与する臨床研究が開始されます。
研究所
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赤ちゃんの将来に備える「さい帯・さい帯血保管」をぜひ妊娠中にご検討ください。
この記事の監修者
助産師 坂田陽子 先生
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー
