妊娠中に絶対避けるべき4つの食材とは?注意が必要なものも一覧で紹介
記事監修者:助産師 坂田陽子 先生
助産師/看護師/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

「妊娠中に食べてはいけない食材って?」
「安全な食事を心がけたいけど、なにに注意すればいいの?」
上記のように悩んでいるのではないでしょうか。
妊娠中は胎児の健康を第一に考えて食事を選びたいものの、避けるべき食材や注意が必要な食材がわからず不安になりますよね。
妊娠中に避けるべき食材は決められており、適切な知識を身につければ、安心して食事を楽しめます。
そこでこの記事では、おもに以下の内容を解説していきます。
・妊娠中に絶対避けるべき4つの食材
・妊娠中に注意が必要な4つの食材
この記事を読むと、妊娠中でも安心して栄養バランスのよい食事ができるようになりますよ。
妊婦さんが食べられないもの・食べ過ぎ注意の食材一覧

まずは、妊婦さんが食べられないNG食材と、食べ過ぎ注意の食材一覧をご紹介します。
| 食材 | 例 | |
| NG | 生ハム・肉や魚のパテ・スモークサーモン | - |
| NG | 生肉類 | ユッケ・馬刺し・鶏刺し・サラミ |
| NG | 加熱殺菌していないナチュラルチーズ | カマンベールチーズ・ブルーチーズ |
| NG | 生卵 | - |
| 注意 | 水銀含有量の多い魚介類 | メカジキ・本マグロ・メバチ・金目鯛・マカジキ・ユメカサゴ・バンドウイルカ・クジラ類 |
| 注意 | ビタミンA含有量の多い食品 | レバー・うなぎ |
| 注意 | ヨウ素含有量の多い食品 | 昆布 |
| 注意 | カフェインを含むもの | コーヒー・紅茶・緑茶 |
なぜこれらの食材が妊娠中はNGまたは注意なのか、後の章で詳しく解説します。
妊娠中に絶対避けるべき4つの食材一覧

妊娠中に避けるべき食材としては、以下の4つがあげられます。
・生ハム・肉や魚のパテ・スモークサーモン
・生肉類
・加熱殺菌していないナチュラルチーズ
・生卵
順番に解説していきます。
食材1:生ハム・肉や魚のパテ・スモークサーモン
これらの食品には「リステリア菌」という細菌が付着している可能性があります。
リステリア菌は、妊娠中の女性が感染しやすく、4℃以下の低温でも増殖できるため、冷蔵庫で保存していても安心できません(※1)。
妊娠中にリステリア菌に感染すると、早産や流産の原因となったり、胎児に健康上の悪影響が出る可能性があります。
海外では、これらの加工食品が原因となった食中毒事例も報告されているため、妊娠期間中は完全に避けることをおすすめします(※2)。
どうしても食べたい場合は、十分に加熱しましょう。
(※1)出典:内閣府|食品安全委員会「お母さんになるあなたと周りの人たちへー妊娠の前から気をつけたい食べ物のことー」
(※2)出典:農林水産省「これから赤ちゃんを迎えるご家庭のための食中毒予防」
食材2:生肉類
生肉や加熱が不十分な肉類は、トキソプラズマという寄生虫による感染のリスクがあります。
トキソプラズマは加熱不十分な豚や羊などの肉に含まれていることがあり、口に入ることで人に感染します。
妊娠中に、トキソプラズマに初めて感染すると、死産や流産を引き起こしたり、胎児の脳に大量の髄液が貯まってしまう「水頭症」などを起こす、先天性トキソプラズマ症になる場合も(※3)。
・ユッケ
・馬刺し
・鶏刺し
・サラミ
などの摂取は控えましょう。
(※3)出典:内閣府|食品安全委員会「お母さんになるあなたと周りの人たちへー妊娠の前から気をつけたい食べ物のことー」
食材3:加熱殺菌していないナチュラルチーズ
ナチュラルチーズも、リステリア菌による食中毒の原因になる食品です。
とくにカマンベールやブルーチーズなどの軟質チーズは注意が必要で、食品表示の種類別欄で「ナチュラルチーズ」と記載されているものは避けましょう(※4)。
一方、プロセスチーズは製造過程で加熱殺菌されているため、安心して食べられます。
(※4)出典:社会医療法人 宏潤会「妊娠中に注意が必要な食べ物」
食材4:生卵
卵の殻には「サルモネラ菌」が付着している可能性があり、食中毒を引き起こす危険があります(※5)。
ただし卵は栄養価が高く、とくに白身は良質なたんぱく質でできているため、しっかりと加熱調理すれば妊娠中にも積極的に摂取したい食品です。
(※5)出典:内閣府|「食品安全委員会「食の安全ダイヤル」に寄せられた質問等Q&A【生物系物質】」
妊娠中に注意が必要な4つの食材一覧

妊娠中に完全に禁止ではないものの、注意が必要な食材として以下4つがあげられます。
・水銀含有量の多い魚介類
・ビタミンA含有量の多い食品
・ヨウ素含有量の多い食品
・カフェインを含むもの
順番に解説していきます。
食材1:水銀含有量の多い魚介類
キンメダイやメカジキなどの大型魚は、水銀含有量が多いため摂取量に注意が必要です。
一般的に大きな魚は小さな魚よりも、食物連鎖による濃縮で多くの水銀を含んでいます。
水銀は胎児の発育に影響する可能性があるため、週に80g程度に留めるなど、魚の種類と量を考えて食べる必要があるのです(※6)。
しかし魚は、良質なたんぱく質やミネラルを含み、妊婦さんにとって栄養バランスのよい食材です。
・キハダ
・サケ
・イワシ
・ブリ
・アジ
・サンマ
・カツオ
・サバ
・タイ
などは、積極的にとりたい食材です(※7)。
(※6)出典:厚生労働省「妊娠中・産後のママのための食事BOOK」
(※7)出典:国立大学法人富山大学 医学部内エコチル調査富山ユニットセンター「妊娠前期における抑うつ症状と血中ω3系多価不飽和脂肪酸の研究」
食材2:ビタミンA含有量の多い食品
妊娠中はうなぎやレバーなど、ビタミンAを多く含んでいる食材に注意しましょう。
ビタミンAの過剰摂取は、胎児の奇形につながる可能性があるためです(※8)。
なかでもレバーは、妊娠中に必要な鉄分補給にも優れた食材ですが、妊娠初期はとくに摂取量を控えめにし、ほかの鉄分豊富な食材との組み合わせでバランスよく栄養を摂取しましょう。
・牛モモ肉
・マイワシ
・あさり
・大豆製品
・緑黄色野菜
・ひじき
なども、鉄分を多く含む食品として活用できます。
(※8)出典:つくばみらい市役所「妊娠中の食事について」
食材3:ヨウ素含有量の多い食品
海藻類に多く含まれるヨウ素をとり過ぎると、胎児に甲状腺の機能低下が生じるといわれています(※9)。
とくに昆布にはヨウ素が多く含まれているため、妊娠中は摂取量に注意が必要です。
海藻類はミネラルやビタミンの供給源として大切な食材ですが、昆布だしを頻繁に使用する場合や昆布を大量に摂取する場合は控えめにしましょう。
(※9)出典:社会福祉法人 交響「第46回 妊娠中の栄養管理 -妊娠中に注意すべき食べ物-」
食材4:カフェインを含むもの
コーヒーや紅茶、緑茶などに含まれるカフェインの過剰摂取量にも注意しましょう。
カフェインをとり過ぎると、流産や出生時体重に悪影響を及ぼす可能性があるためです。
妊娠中のカフェイン摂取について、詳しく知りたい人は下記も参考にしてください。
妊婦さんの食事に関するQ&A
ここでは妊婦さんの食事について、よくある3つの質問をまとめました。
順番に見ていきましょう。
特に生肉や生魚、ナチュラルチーズなどは食中毒や感染症のリスクがあります。
衛生管理がしっかりしているお店を選び、なるべく加熱調理されたメニューを選ぶと安心です。
塩分や油分が多くなりがちなので、サラダやスープを組み合わせてバランスをとる工夫もおすすめです。
体調に異変がなければ過度に心配しなくても大丈夫です。
ただし、下痢や発熱、強い腹痛などが出た場合は、食中毒の可能性があるので早めに医師に相談してください。
次からは気をつけて、安心できる食材を選ぶようにしましょう。
ただし、洋酒入りのチョコレートやアルコールが使われているお菓子は控えた方が安心です。
また、甘いものの食べすぎは体重増加や妊娠糖尿病につながることがあるため、量を意識しながら楽しみましょう。
まとめ
妊婦さんがかならず避けるべき食材として、
・生肉類
・生卵
・生ハム
・加熱殺菌していないナチュラルチーズ
などがあげられます。
これらの食材にはリステリア菌やトキソプラズマ、サルモネラ菌などの感染リスクがあるため、摂るのは避けましょう。
一方、禁止ではないものの注意が必要な食材は以下のとおりです。
| 食材 | 理由 |
| 水銀を含んだ魚(キンメダイなど) | 胎児発育への影響 |
| ビタミンA過多食品(レバーなど) | 胎児奇形リスク |
| ヨウ素過多食品(昆布など) | 甲状腺機能低下 |
| カフェイン含有品 | 流産・低体重リスク |
これらの知識を正しく理解して、十分な加熱調理や摂取量の調整を行えば、妊娠中でも安全で栄養バランスのよい食事を楽しめます。
適切な食材選びに注意して、母子ともに健康な妊娠期間を過ごしましょう。
▼妊娠中に積極的にとりたい食材など、さらに詳しく知りたい場合はこちら
赤ちゃんの未来に備える「さい帯・さい帯血保管」を考えてみませんか?
赤ちゃんとお母さんをつなぐ、「へその緒(さい帯)」と、その中を流れる血液「さい帯血」には、体を作るためのもととなる貴重な「幹細胞」が多く含まれていて、赤ちゃんやご家族の将来に備えて長期的に凍結保管することができます。
幹細胞は新しい医療への活用が進められており、もしもの時に役立てられる可能性があります。
- 出産後わずか数分の間にしか採取できない貴重な赤ちゃんのものです。
- 採取の際、お母さんと赤ちゃんに痛みや危険はありません。
- どちらにも幹細胞がたくさん含まれています。
- 再生医療分野など、さまざまな活用が進んでいます。
- それぞれ異なる幹細胞が含まれているため、両方を保管しておくことで将来の利用の選択肢が広がります。
実際に保管・利用した方のお声
出産時にしか採取できない「さい帯血」を、脳性まひのお子さまに対して臨床研究で使用された方のお声をご紹介します。
高知大学の臨床研究で
さい帯血投与を受けたお子さま
さい帯血を保管して
本当に良かったと思っています
元気に産まれたと思っていましたが、生後半年頃から左手をほとんど使おうとしないことに気付き、1歳頃にやはり何かおかしいと思ってMRIを撮ってもらうことにしました。結果1歳5ヶ月で脳性まひとわかりました。
2歳の誕生日にステムセルからハガキが届き、出産時に保管したさい帯血がもしや役に立つのではと思い至りステムセルに問い合わせました。ちょうど臨床試験への参加者を募集していて、運よく2歳5ヶ月のときに参加することができました。
輸血前は左手と左足に麻痺があり、歩けてはいるものの、とても転びやすく、少し歩いては転びを繰り返していました。しかし輸血後、翌日には転ぶ回数が減り、おもちゃを両手で掴めるようになって驚きました。その後もリハビリも継続し、完治したわけではありませんがかなり麻痺が軽くなったように思います。
現在、地域の小学校の普通級に集団登校で通えています。
まさか我が子がさい帯血を使って治療をすることになるとは思っていませんでしたが、保険のつもりでさい帯血を保管しておいて本当に良かったと思います。
さい帯・さい帯血を利用した再生医療の研究が、今まさに国内外で進んでいます。
その他のお声は公式サイトからご覧いただけます。
医師からのメッセージ
総合母子保健センター
愛育病院 病院長
百枝幹雄 先生
応用範囲が広がる
「さい帯・さい帯血」による再生医療
近年、めざましく進歩している再生医療のなかで、さい帯やさい帯血の幹細胞を利用する技術の最大の特徴は、通常は破棄してしまうけれども実はとてもポテンシャルの高い出生時の幹細胞を活用するという点です。
これまで有効性が示されている白血病、脳性まひ、自閉症のほかにも様々な疾患に対して臨床研究が進んでいますし、民間のバンクではご家族への利用も可能になりつつありますので、今後はますます応用範囲が広がることが期待されます。
一方、忘れてはならないのは必要になるまで幹細胞を長期間安全に保管するには信頼できる設備と技術が必要だということで、それにはそれなりのコストがかかります。
コスト・ベネフィットのとらえ方は人それぞれですが、お子様とご家族の将来を見据えてベネフィットが大きいとお考えの方には、信頼できる施設へのさい帯やさい帯血の保管は十分価値のある選択肢だと思います。
さい帯・さい帯血についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
保管するなら、ステムセル研究所の「HOPECELL(ホープセル)」
株式会社ステムセル研究所が提供する「さい帯・さい帯血ファミリーバンクHOPECELL(ホープセル)」は、日本国内で最も選ばれている保管サービスです。
ステムセル研究所は、25年以上の保管・運営実績がある日本初のさい帯血バンクで、国内最多となる累計80,000名以上のさい帯血を保管しています。

研究所
研究所
国内では脳性まひに対する、赤ちゃんご自身やごきょうだいのさい帯血投与の研究が行われています。海外の臨床研究では、投与により運動機能および脳神経回路の改善が報告されています。また自閉症スペクトラム障害(ASD)に対して、さい帯血の投与によりコミュニケーション能力や社会への順応性が向上する可能性が期待されており、大阪公立大学にてお子さまご自身のさい帯血を投与する臨床研究が開始されます。
研究所
無料パンフレットをお送りします!
さい帯・さい帯血保管についてより詳しく知っていただけるパンフレットをご自宅へお送りします。
赤ちゃんの将来に備える「さい帯・さい帯血保管」をぜひ妊娠中にご検討ください。
この記事の監修者
助産師 坂田陽子 先生
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー
