妊娠初期に喉が渇く3つの原因とは?効果的な対処法も紹介
記事監修者:助産師 坂田陽子 先生
助産師/看護師/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

「妊娠初期になってから急に喉が渇くようになった…」
「この症状は妊娠と関係があるの?」
「喉の渇きを和らげる方法はある?」
上記のように悩んでいるのではないでしょうか。
妊娠初期の喉の渇きは多くの妊婦さんが経験する一般的な症状ですが、原因がわからずに不安に感じることも多いですよね。
じつは妊娠初期に喉が渇くのには明確な理由があり、適切な対処法を実践することで症状を和らげられます。
そこでこの記事では、おもに以下の内容を解説していきます。
・妊娠初期に喉が渇く3つの原因
・妊娠初期に喉が渇くときの3つの対処法
この記事を読むと、喉の渇きの原因が理解でき、効果的な対処法を身につけられるため、快適な妊娠初期を過ごせるようになりますよ。
妊娠初期に喉が渇く3つの原因

妊娠初期に喉が渇く原因としては、おもに以下3つの原因があげられます。
・ホルモンバランスの変化
・血液量の増加
・エネルギー消費の増加
順番に解説していきます。
原因1:ホルモンバランスの変化
妊娠初期に喉が渇く大きな原因のひとつは、女性ホルモンの変化によるものです。
妊娠すると、エストロゲンとプロゲステロンという2つのホルモンの分泌量が急激に増加します。
とくにプロゲステロンには体温をわずかに上昇させる働きがあるため、その結果、代謝が高まり普段よりも汗をかきやすい状態になることで水分が失われやすくなります。
またプロゲステロンは体内に水分をためこむ性質もあるため、十分に水分を摂取していても喉の渇きを感じやすくなることがあります。
妊娠を継続させるために必要な変化であり、多くの妊婦さんが経験する一般的な症状です。
原因2:血液量の増加
妊娠すると、胎児に十分な栄養と酸素を届けるために母体の循環血液量は増加し始めます。
血液の大部分は水分で構成されているため、新しい血液を作るために体はより多くの水分を必要とします。
そのため、体は「もっと水分が必要だ」というサインとして、喉の渇きを感じるのです。
原因3:エネルギー消費の増加
妊娠初期は、胎児の成長を支えるために基礎代謝が活発になります。
代謝が活発になると体温が上昇し、汗をかきやすくなるため、失われた水分を補おうとして自然と喉の渇きを感じるのです。
また、ホルモンの影響で血液循環なども増えるため、より多くのエネルギーと水分を必要とする状態になります。
妊娠初期に喉が渇くときの3つの対処法

妊娠初期に喉が渇くときの対処法としては、おもに以下の3つが効果的です。
・こまめな水分補給を心がける
・適切な飲み物を選んで摂取する
・塩分を控えて生活習慣を整える
順番に見ていきましょう。
対処法1:こまめな水分補給を心がける
妊娠初期に喉が渇くときは、定期的な水分補給を心がけましょう。
厚生労働省の資料によると、成人が食事や水分から摂取する1日の水分量は2.5Lで、そのうち1.2Lを飲み物から補給しているとされています。(※1)
妊娠中は脱水や便秘予防のため、上記よりも多めの水分補給を心がけましょう。
大切なポイントは、一度に大量に飲むのではなく、複数回に分けてこまめに摂取することです。
・朝起きた直後
・食事の前後
・運動後
などタイミングを決めて飲む習慣をつけるとよいでしょう。
また喉の渇きを感じる前から水分をとると、脱水症状の予防にもつながります。
つわりで水分がとりにくい場合は、氷を口に含む方法も効果的です。
水は飲めなくても氷なら食べられる場合が多く、少しずつでも水分を補給できるでしょう。
(※1)出典:厚生労働省「健康のため水を飲もう講座」
対処法2:適切な飲み物を選んで摂取する
妊娠初期の水分補給では、飲み物の選び方もポイントになります。
おすすめの飲み物としては、無糖の水や麦茶などカフェインを含まない飲み物です。
これらの飲み物は健康的かつ効果的に水分補給ができ、胎児にも安全です。
一方でコーヒーや紅茶などカフェインや、糖分が多く含まれる飲み物はできるだけ控える必要があります。
あわせて、体を冷やさないように常温やホットの飲み物を選ぶことも大切です。
冷たすぎる飲み物は体を冷やし、血行を悪くする可能性があるためです。
アルコール類については、妊娠中は少量でも避けなければなりません。
▼妊娠初期のカフェイン摂取について
▼妊娠初期のアルコール摂取について
対処法3:塩分を控えて生活習慣を整える
塩分のとりすぎは喉の渇きを強くするため、適切な量を守ることが重要です。
厚生労働省が公表している資料によると、妊娠初期の適切な塩分摂取量は1日6.5gを目安に、7g未満とされています(※2)。
普段の食事で塩分をとりすぎている可能性があるときは、醤油やソースなどの調味料を減らすようにしましょう。
・加工食品
・コンビニ弁当
・外食
などには塩分が多く含まれている場合が多いため、できるだけ控えることをおすすめします。
また、水分の多い食べ物を積極的に摂取するのも効果的な方法です。
果物や野菜、スープなどは水分補給と栄養摂取を同時に行えるでしょう。
あまりにも喉の渇きがひどい場合は、糖尿病や腎臓病などの可能性もあるため、医療機関に相談してください。
(※2)出典:厚生労働省「ママのための食事BOOK」
妊娠初期の喉の渇きに関するQ&A
ここでは妊娠初期の喉の渇きについて、よくある3つの質問をまとめました。
順番に見ていきましょう。
そのため、妊娠初期の早い段階から喉の渇きを感じ始める方もいます。
特につわりで吐き気がある場合は、体の水分が減りやすく、喉の渇きとして自覚することがあります。
妊娠糖尿病や脱水が隠れていることもあるため、健診で医師に相談しましょう。
水だけでなく、麦茶や経口補水液などを取り入れると吸収がよくなります。
それでも改善しない場合は、早めに医師に相談することをおすすめします。
まとめ
妊娠初期の喉の渇きは、多くの妊婦さんが経験する一般的な症状です。
喉の渇きが起こる原因はおもに3つあり、
・ホルモンバランスの変化
・血液量の増加
・エネルギー消費の増加
などがあげられます。
とくにプロゲステロンというホルモンが体温を上昇させて汗をかきやすくなることや、胎児への栄養供給のために血液量が増加することが大きな要因です。
効果的な対策は、以下のとおり。
| 対処法 | 詳細 |
| 水分補給 | こまめに摂取 |
| 飲み物に注意 | 無糖の水・麦茶(常温・ホット) |
| 食生活 | 塩分を1日6.5gを目安に、7.0g未満に制限 |
カフェインや糖分の多い飲み物は控えることが重要です。
また加工食品や外食に含まれる塩分にも注意し、果物や野菜から水分を摂取する方法も効果的でしょう。
ただし、あまりにも喉の渇きがひどい場合は糖尿病などの可能性もあるため、医療機関への相談をおすすめします。
赤ちゃんの未来に備える「さい帯・さい帯血保管」を考えてみませんか?
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高知大学の臨床研究で
さい帯血投与を受けたお子さま
さい帯血を保管して
本当に良かったと思っています
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輸血前は左手と左足に麻痺があり、歩けてはいるものの、とても転びやすく、少し歩いては転びを繰り返していました。しかし輸血後、翌日には転ぶ回数が減り、おもちゃを両手で掴めるようになって驚きました。その後もリハビリも継続し、完治したわけではありませんがかなり麻痺が軽くなったように思います。
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まさか我が子がさい帯血を使って治療をすることになるとは思っていませんでしたが、保険のつもりでさい帯血を保管しておいて本当に良かったと思います。
さい帯・さい帯血を利用した再生医療の研究が、今まさに国内外で進んでいます。
その他のお声は公式サイトからご覧いただけます。
医師からのメッセージ
総合母子保健センター
愛育病院 病院長
百枝幹雄 先生
応用範囲が広がる
「さい帯・さい帯血」による再生医療
近年、めざましく進歩している再生医療のなかで、さい帯やさい帯血の幹細胞を利用する技術の最大の特徴は、通常は破棄してしまうけれども実はとてもポテンシャルの高い出生時の幹細胞を活用するという点です。
これまで有効性が示されている白血病、脳性まひ、自閉症のほかにも様々な疾患に対して臨床研究が進んでいますし、民間のバンクではご家族への利用も可能になりつつありますので、今後はますます応用範囲が広がることが期待されます。
一方、忘れてはならないのは必要になるまで幹細胞を長期間安全に保管するには信頼できる設備と技術が必要だということで、それにはそれなりのコストがかかります。
コスト・ベネフィットのとらえ方は人それぞれですが、お子様とご家族の将来を見据えてベネフィットが大きいとお考えの方には、信頼できる施設へのさい帯やさい帯血の保管は十分価値のある選択肢だと思います。
さい帯・さい帯血についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
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研究所
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国内では脳性まひに対する、赤ちゃんご自身やごきょうだいのさい帯血投与の研究が行われています。海外の臨床研究では、投与により運動機能および脳神経回路の改善が報告されています。また自閉症スペクトラム障害(ASD)に対して、さい帯血の投与によりコミュニケーション能力や社会への順応性が向上する可能性が期待されており、大阪公立大学にてお子さまご自身のさい帯血を投与する臨床研究が開始されます。
研究所
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この記事の監修者
助産師 坂田陽子 先生
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー
