「妊娠初期になってから、おりもののにおいが気になる…」
「このにおいの変化は正常なの？」
「なにかの病気になっていないだろうか」

上記のように悩んでいるのではないでしょうか。

妊娠初期はホルモンバランスが大きく変化する時期であるため、おりもののにおいが普段と違って感じられる場合も。

おりもののにおいの変化は、妊娠以外の可能性もありますが、正しい知識があれば、安心して過ごせるようになります。

そこでこの記事では、おもに以下の内容を解説していきます。

・妊娠初期におりもののにおいが変化する3つの原因
・注意すべき症状とその対処法
・におい変化に関するよくある疑問と回答

この記事を読むと、おりもののにおいの正常・異常な変化を区別できるようになり、安心して妊娠初期を過ごせるようになりますよ。

妊娠初期のおりものの特徴

妊娠初期に現れるおりものの特徴として、色や形状の変化があげられます。

正常な妊娠中のおりものは「透明〜乳白色」または「クリーム色がかった白色」をしています。

下着に付着すると、黄色味を帯びて見える場合も。

形状は粘り気が少なくサラサラとした状態になり、よく伸びることも特徴です。

また妊娠超初期には、受精卵が子宮内膜に着床する際にわずかな出血が起こり、薄いピンク色や茶色っぽいおりものが見られることもあります。

おりもの変化は胎児を育てる準備として起こる自然な現象なのです。

妊娠初期におりもののにおいが変化する3つの原因

妊娠初期におりもののにおいが変化する原因として、以下の3つがあげられます。

・女性ホルモンの分泌増加
・感染症による影響
・嗅覚の変化

順番に解説していきます。

原因1：女性ホルモンの分泌増加

妊娠初期におりもののにおいが変化する大きな原因は、女性ホルモンの分泌量が大きく変化することです。

中でも、エストロゲン（卵胞ホルモン）の分泌量が増えることで、膣内の分泌物が増加します。

これは、胎児を外部からの細菌やウイルスから守る役割を果たしており、胎児を守るための生理的な反応です。

この分泌物の増加に伴い、においの強さも変化します。

膣内のpHバランスも変化するため、普段よりも酸っぱいにおいを感じる人が多くなります。

原因2：感染症による影響

妊娠初期におりもののにおいが変化する原因として、膣カンジダ症や細菌性膣炎などの感染症も考えられます。

普段以上に強いにおいがしたり、色に変化が見られる場合は注意が必要です。

においのほかにも、

・かゆみ
・痛み
・色の変化

があった場合には、医療機関で相談しましょう。

妊娠中は免疫力が低下しやすく、普段よりも感染症にかかりやすい状態になっているため、異常を感じたら早めの受診が重要です。

妊娠初期のおりものと感染症の関係について、さらに詳しく知りたい場合は下記も参考にしてください。

妊娠初期におりものが変化する理由とは？正常・異常のパターンも解説

原因3：嗅覚の変化

おりもの自体が変化しているのではなく、妊娠によって自身の嗅覚が変化しているケースも。

妊娠初期には嗅覚が非常に敏感になるため、普段は気にならないおりもののにおいを強く感じるようになる場合があるのです。

実際に産業医科大学が行った妊娠初期の人を対象に行った研究によると、約1/3の人が嗅覚の変化を自覚して、これまで気にならなかったタバコや冷蔵庫内、便などのにおいを敏感に感じ取るようになったと報告されています（※1）。

上記であげた嗅覚の変化は、妊娠によるホルモンバランスの変動が原因と考えられており、妊娠している女性は非妊娠女性と比較して嫌いな香りが多く、においの好みにはっきりとした差が出ることが知られています（※2）。

このように、実際におりもののにおいが変化していなくても、嗅覚が敏感になったことで普段より強くにおいを感じている可能性もあるのです。

（※1）出典：科学研究費助成事業｜産業医科大学（柴田 美雅）「妊娠悪阻（つわり）と嗅覚・味覚の変化－性ホルモンと微量元素の検討」平成 27年12月25日

（※2）出典：J-STAGE｜土浦協同病院看護部（吉成 舞）岩手保健医療大学看護学部（江守 陽子）ほか「性周期における嗅覚感受性とにおいに対する嗜好の変化」日本看護研究学会雑誌 2019年42巻2号 p. 2_185-2_193

妊娠初期のおりもののにおいとあわせて注意すべき症状

妊娠初期のおりものは通常「透明〜乳白色で甘酸っぱいにおい」がしますが、異常な変化には注意が必要です。

とくに強い悪臭がして、黄色や黄緑色のおりものが出る場合は「淋菌感染症」「トリコモナス症」などの感染症の可能性があります（※3）。

また、おりものの変化と一緒に、

・かゆみ
・痛み
・発熱

などの症状があるときは、医療機関で受診しましょう。

妊娠中は免疫力が低下しやすく、普段よりも感染症にかかりやすい状態になっています。

正常な妊娠によるおりものの変化と区別するためには、においの強さや色の変化、随伴症状に注意することが大切です。

心配な症状があれば一人で悩まず、医療機関で相談して、適切な診断と治療を受けましょう。

▼妊娠初期の茶色いおりものは危険？出血との見分け方や注意点について詳しい記事はこちら

【体験談あり】妊娠初期に起こる出血や茶色いおりものの原因は？対処法も紹介

（※3）出典：国立保健医療科学院 健康危機管理支援ライブラリー｜福岡県保健医療介護部がん感染症疾病対策課「性感染症ってどんな病気？～「ひとごと」ではなく「身近なこと」～」

妊娠初期のおりもののにおいに関するQ&A

ここでは妊娠初期について、よくある3つの質問をまとめました。

順番に見ていきましょう。

おりもののにおいを軽減する方法はある？

坂田先生

妊娠初期はホルモンの影響でおりものの量やにおいが変わることがあります。

清潔な下着にこまめに替える、通気性のよいコットン素材を使う、デリケートゾーン専用の洗浄料で優しく洗うといった工夫で軽減できます。

強い香りでごまかすより、清潔を保つことが大切です。

おりもののにおいの変化は流産と関係がある？

坂田先生

おりもののにおいの変化と流産は直接の関係はありません。

においが少し強くなるのは、妊娠中によくある体の変化です。

ただし、強い悪臭やかゆみ、色の変化（黄色や緑など）がある場合は感染症の可能性があるため、早めに病院で相談してください。

おりもののにおいがしなくても大丈夫？

坂田先生

おりもののにおいは人によってさまざまで、ほとんど感じない方もいます。

においが弱いからといって問題があるわけではありません。

量や色、かゆみなどの症状に変化がなければ心配はいりません。

まとめ

妊娠初期におけるおりもののにおいの変化は、おもに女性ホルモンの分泌増加によって起こる自然な現象です。

おりもののにおいが変化する原因には、以下のようなものがあげられます。

ただし、以下の症状がある場合は医療機関での受診が必要です。

・強い悪臭を伴う
・黄色や黄緑色のおりもの
・かゆみ・痛み・発熱

妊娠中は免疫力が低下しやすく、感染症にかかりやすい状態にあります。

正常な妊娠による変化と感染症を区別するため、においの強さや色の変化、随伴症状に注意を払い、心配な症状があれば早めに医療機関で相談しましょう。

赤ちゃんの未来に備える「さい帯・さい帯血保管」を考えてみませんか？

赤ちゃんとお母さんをつなぐ、「へその緒（さい帯）」と、その中を流れる血液「さい帯血」には、体を作るためのもととなる貴重な「幹細胞」が多く含まれていて、赤ちゃんやご家族の将来に備えて長期的に凍結保管することができます。

幹細胞は新しい医療への活用が進められており、もしもの時に役立てられる可能性があります。

さい帯・さい帯血保管のポイント！

1. 出産後わずか数分の間にしか採取できない貴重な赤ちゃんのものです。
2. 採取の際、お母さんと赤ちゃんに痛みや危険はありません。
3. どちらにも幹細胞がたくさん含まれています。
4. 再生医療分野など、さまざまな活用が進んでいます。
5. それぞれ異なる幹細胞が含まれているため、両方を保管しておくことで将来の利用の選択肢が広がります。

実際に保管・利用した方のお声

出産時にしか採取できない「さい帯血」を、脳性まひのお子さまに対して臨床研究で使用された方のお声をご紹介します。

高知大学の臨床研究で
さい帯血投与を受けたお子さま

さい帯血を保管して
本当に良かったと思っています

元気に産まれたと思っていましたが、生後半年頃から左手をほとんど使おうとしないことに気付き、1歳頃にやはり何かおかしいと思ってMRIを撮ってもらうことにしました。結果1歳5ヶ月で脳性まひとわかりました。
2歳の誕生日にステムセルからハガキが届き、出産時に保管したさい帯血がもしや役に立つのではと思い至りステムセルに問い合わせました。ちょうど臨床試験への参加者を募集していて、運よく2歳5ヶ月のときに参加することができました。
輸血前は左手と左足に麻痺があり、歩けてはいるものの、とても転びやすく、少し歩いては転びを繰り返していました。しかし輸血後、翌日には転ぶ回数が減り、おもちゃを両手で掴めるようになって驚きました。その後もリハビリも継続し、完治したわけではありませんがかなり麻痺が軽くなったように思います。
現在、地域の小学校の普通級に集団登校で通えています。
まさか我が子がさい帯血を使って治療をすることになるとは思っていませんでしたが、保険のつもりでさい帯血を保管しておいて本当に良かったと思います。

さい帯・さい帯血を利用した再生医療の研究が、今まさに国内外で進んでいます。

その他のお声は公式サイトからご覧いただけます。

医師からのメッセージ

総合母子保健センター
愛育病院 病院長
百枝幹雄 先生

応用範囲が広がる
「さい帯・さい帯血」による再生医療

近年、めざましく進歩している再生医療のなかで、さい帯やさい帯血の幹細胞を利用する技術の最大の特徴は、通常は破棄してしまうけれども実はとてもポテンシャルの高い出生時の幹細胞を活用するという点です。
これまで有効性が示されている白血病、脳性まひ、自閉症のほかにも様々な疾患に対して臨床研究が進んでいますし、民間のバンクではご家族への利用も可能になりつつありますので、今後はますます応用範囲が広がることが期待されます。
一方、忘れてはならないのは必要になるまで幹細胞を長期間安全に保管するには信頼できる設備と技術が必要だということで、それにはそれなりのコストがかかります。
コスト・ベネフィットのとらえ方は人それぞれですが、お子様とご家族の将来を見据えてベネフィットが大きいとお考えの方には、信頼できる施設へのさい帯やさい帯血の保管は十分価値のある選択肢だと思います。

さい帯・さい帯血についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

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