つらい妊娠初期の吐き気はいつまで続く?原因や3つの対処法を紹介

助産師 坂田陽子 先生

記事監修者:助産師 坂田陽子 先生

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

「妊娠がわかって嬉しいけど、この吐き気はいつまで続くのだろう」
「何も食べられないけど、赤ちゃんは大丈夫?」
「つわりの吐き気を少しでも和らげる方法はないの?」

このように悩んでいる妊婦さんも多いのではないでしょうか。

妊娠初期の吐き気は多くの人が経験する症状ですが、日常生活に支障をきたすほどつらいものです。

しかし妊娠初期の吐き気は、適切な対処法で和らげられる可能性もあります。

そこで本記事では、おもに以下の内容を解説していきます。

  • 妊娠初期の吐き気が起こる原因
  • 妊娠初期の吐き気の一般的な期間
  • つらい吐き気を和らげる対処法3つ

この記事を読むと、つわりの時期を少しでも快適に過ごせるようになりますよ。

妊娠初期の吐き気が起こる原因

妊娠初期の吐き気が起こる最大の原因は、胎盤から分泌されるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンの急増で、胃腸や自律神経に影響を与えることといわれています。

また妊娠中のプロゲステロンというホルモンが、消化器官の働きを鈍らせることも一因と考えられています。

くわえて妊娠への不安やストレス、といった心理的要因がつわりを悪化させるケースもあるのです。

妊娠初期の吐き気はいつからいつまで続く?

妊娠初期の吐き気は、つわりの症状のひとつとして考えると、妊娠5〜6週目頃から始まります(※1)。

そして個人差がありますが、多くの妊婦さんは「妊娠8〜10週頃」に症状がピークを迎えることが一般的で、吐き気などのつらい症状は、およそ「妊娠16週」程度で収まるといわれています(※2)。

ただし妊娠終了まで症状が残る場合もあるため、目安として考えておきましょう。

(※1,2)出典:東京山手メディカルセンター 産婦人科 「ママノート」

妊娠初期の吐き気を和らげる3つの対処法

ここからは、妊娠初期の吐き気を和らげる対処法を3つ紹介していきます。

  • ビタミンB群の摂取
  • 少量頻回の食事摂取
  • こまめな水分補給

順番に見ていきましょう。

対処法1:ビタミンB群の摂取

社会医療法人 愛育会によると、吐き気(つわり)予防にはマルチビタミン、とくにビタミンB6は吐き気に効果的で、つわりの症状緩和が期待できるといわれています(※3)。

また、つわりが続いて食事摂取がむずかしくなると、栄養不足による飢餓状態や、嘔吐の繰り返しによる脱水状態になるリスクも。

この症状の予防には、ビタミンB1の摂取が効果的とされています(※3)。

妊娠中のビタミンB群の摂取は、つわりの症状緩和だけでなく、合併症予防の観点からも重要です。

食事からの摂取がむずかしい場合は、ビタミン剤などを処方してもらえることもあるため、医師や助産師に相談してみましょう。

(※3)出典:社会医療法人 愛育 会福田病院「【ご回答】妊娠初期のつわり症状の対処法について」

対処法2:少量頻回の食事摂取

妊娠初期に見られる「食べづわり」は、空腹状態になると吐き気が強まる症状です。

この症状を和らげるには、1日の食事回数を5〜6回に分けて少量ずつ摂取すると効果的(※4)。

空腹を避けるため、すぐに食べられる一口サイズのおにぎりやクラッカーなどを常に準備しておくと安心です。

つわりの時期は胃の働きが弱くなっているため、一度に多くの量を食べると症状が悪化する場合もあります。

食事は食べられるときに、食べられるものを無理せず摂取することが大切です。

甘いものやお菓子でも構わないので、自分が食べられそうなものを口にしましょう。

空腹状態は逆に吐き気を強くしてしまうため、少しでも口にできるものを見つけることが重要です。

(※4)出典:箕面市ホームページ「「つわり」を楽にする対処法」

対処法3:こまめな水分補給

妊娠初期は脱水状態になると、吐き気が悪化する傾向があります。

日頃から小まめな水分補給を心がけましょう。

吐き気がひどいときでも、常温の水やレモン水など飲めそうなものを少しずつ摂取するのが効果的です。

また炭酸水は、口をすっきりさせ、吐き気を軽減する効果が期待できます。

嘔吐を繰り返す場合は、水分だけでなく電解質も失われるため、経口補水液やスポーツドリンクを少量ずつ飲んで、脱水症状を防ぎましょう。

吐いてしまったとしても、経口補水液に含まれる電解質は大腸で素早く吸収されるため、脱水予防には有効です。

水だけでは体内の電解質濃度が薄くなるため、バランスの良い水分補給を意識しましょう。

妊娠初期の吐き気に関するQ&A

ここでは妊娠初期の吐き気について、よくある3つの質問をまとめました。

順番に見ていきましょう。

妊娠初期に吐き気止めは処方してもらえる?
坂田先生
つわりの状態により、医師より吐き気止めが処方されることがあります。
またビタミンB6等を含む点滴を行う場合もあります。
吐き気と赤ちゃんの健康に関係はある?
坂田先生
つわりの症状や程度は人によって異なり、医学的にはつわりの有無は赤ちゃんの健康や成長に関係ないと言われています。
病院に行くべき吐き気の症状は?
坂田先生
強い吐き気や嘔吐が頻回にあり、水分摂取ができない場合は脱水症状になる可能性があるため、早めに病院を受診しましょう。

まとめ

妊娠初期の吐き気はつらい症状の一つですが、多くの場合一時的なものです。

この症状は主にhCGホルモンやプロゲステロンの影響で引き起こされ、通常は妊娠5〜6週目から始まり、8〜10週でピークを迎え、16週頃には収まることが一般的です。

効果的な対処法としては、以下が挙げられます。

対処法 詳細
ビタミンB群の摂取 ・ビタミンB6とB1が効果的
・サプリメントを使用する際は医療機関で相談
少量頻回の食事 ・1日5〜6回に分けて摂取
・空腹を避ける
こまめな水分補給 常温の水や経口補水液を少しずつ摂取

妊娠初期の吐き気の症状は個人差があるため、自分に合った対処法を見つけることが大切です。

症状がひどい場合は無理せず医療機関で相談しましょう。

今回紹介したポイントを踏まえ、栄養と水分摂取を心がけて、つらい時期を少しでも快適に過ごしましょう。

赤ちゃんの未来に備える「さい帯・さい帯血保管」を考えてみませんか?

赤ちゃんとお母さんをつなぐ、「へその緒(さい帯)」と、その中を流れる血液「さい帯血」には、体を作るためのもととなる貴重な「幹細胞」が多く含まれていて、赤ちゃんやご家族の将来に備えて長期的に凍結保管することができます。

幹細胞は新しい医療への活用が進められており、もしもの時に役立てられる可能性があります。

さい帯・さい帯血保管のポイント!

  1. 出産後わずか数分の間にしか採取できない貴重な赤ちゃんのものです。
  2. 採取の際、お母さんと赤ちゃんに痛みや危険はありません。
  3. どちらにも幹細胞がたくさん含まれています。
  4. 再生医療分野など、さまざまな活用が進んでいます。
  5. それぞれ異なる幹細胞が含まれているため、両方を保管しておくことで将来の利用の選択肢が広がります。

実際に保管・利用した方のお声

出産時にしか採取できない「さい帯血」を、脳性まひのお子さまに対して臨床研究で使用された方のお声をご紹介します。

高知大学の臨床研究で
さい帯血投与を受けたお子さま

さい帯血を保管して
本当に良かったと思っています

元気に産まれたと思っていましたが、生後半年頃から左手をほとんど使おうとしないことに気付き、1歳頃にやはり何かおかしいと思ってMRIを撮ってもらうことにしました。結果1歳5ヶ月で脳性まひとわかりました。
2歳の誕生日にステムセルからハガキが届き、出産時に保管したさい帯血がもしや役に立つのではと思い至りステムセルに問い合わせました。ちょうど臨床試験への参加者を募集していて、運よく2歳5ヶ月のときに参加することができました。
輸血前は左手と左足に麻痺があり、歩けてはいるものの、とても転びやすく、少し歩いては転びを繰り返していました。しかし輸血後、翌日には転ぶ回数が減り、おもちゃを両手で掴めるようになって驚きました。その後もリハビリも継続し、完治したわけではありませんがかなり麻痺が軽くなったように思います。
現在、地域の小学校の普通級に集団登校で通えています。
まさか我が子がさい帯血を使って治療をすることになるとは思っていませんでしたが、保険のつもりでさい帯血を保管しておいて本当に良かったと思います。

さい帯・さい帯血を利用した再生医療の研究が、今まさに国内外で進んでいます。

その他のお声は公式サイトからご覧いただけます。

医師からのメッセージ


総合母子保健センター
愛育病院 病院長
百枝幹雄 先生

応用範囲が広がる
「さい帯・さい帯血」による再生医療

近年、めざましく進歩している再生医療のなかで、さい帯やさい帯血の幹細胞を利用する技術の最大の特徴は、通常は破棄してしまうけれども実はとてもポテンシャルの高い出生時の幹細胞を活用するという点です。
これまで有効性が示されている白血病、脳性まひ、自閉症のほかにも様々な疾患に対して臨床研究が進んでいますし、民間のバンクではご家族への利用も可能になりつつありますので、今後はますます応用範囲が広がることが期待されます。
一方、忘れてはならないのは必要になるまで幹細胞を長期間安全に保管するには信頼できる設備と技術が必要だということで、それにはそれなりのコストがかかります。
コスト・ベネフィットのとらえ方は人それぞれですが、お子様とご家族の将来を見据えてベネフィットが大きいとお考えの方には、信頼できる施設へのさい帯やさい帯血の保管は十分価値のある選択肢だと思います。

さい帯・さい帯血についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

保管するなら、ステムセル研究所の「HOPECELL(ホープセル)」

株式会社ステムセル研究所が提供する「さい帯・さい帯血ファミリーバンクHOPECELL(ホープセル)」は、日本国内で最も選ばれている保管サービスです。

ステムセル研究所は、25年以上の保管・運営実績がある日本初のさい帯血バンクで、国内最多となる累計80,000名以上のさい帯血を保管しています。

どうやって保管するの?
ステムセル
研究所
出産時に産科施設で採取されたさい帯・さい帯血は、ステムセル研究所の高レベルのクリーンな環境で専門スタッフが処理・検査を行います。国内最大級の細胞保管施設にて、約-190℃の液体窒素タンク内で長期間大切に保管されます。また、ステムセル研究所は厚生労働省(関東信越厚生局)より「特定細胞加工物製造許可」を取得しており、高品質と安全性を実現しています。
保管したさい帯血は何に使えるの?
ステムセル
研究所

国内では脳性まひに対する、赤ちゃんご自身やごきょうだいのさい帯血投与の研究が行われています。海外の臨床研究では、投与により運動機能および脳神経回路の改善が報告されています。また自閉症スペクトラム障害(ASD)に対して、さい帯血の投与によりコミュニケーション能力や社会への順応性が向上する可能性が期待されており、大阪公立大学にてお子さまご自身のさい帯血を投与する臨床研究が開始されます。

さい帯・さい帯血保管は高いと聞いたのですが…
ステムセル
研究所
さい帯またはさい帯血のどちらか一方を10年間保管する場合、月々2,980円(税込)で保管することができます。出産時にしか採取・保管することができない貴重な細胞なので、お子さまの将来に備えて保管される方が増えています。

無料パンフレットをお送りします!

さい帯・さい帯血保管についてより詳しく知っていただけるパンフレットをご自宅へお送りします。

赤ちゃんの将来に備える「さい帯・さい帯血保管」をぜひ妊娠中にご検討ください。

この記事の監修者

助産師 坂田陽子 先生

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー