妊娠初期の微熱が起きても大丈夫?2つの原因や胎児に与える影響も解説

記事監修者:坂田陽子
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

「微熱があるが、妊娠したことと関係あるのだろうか」
「胎児への影響が心配…」
と悩んでいませんか。
妊娠初期の微熱は、めずらしい症状ではありません。
実際、株式会社ゼネラルリンクが妊娠経験者を対象に行った調査によると「約32%」の人が、妊娠初期で微熱を感じたと回答しているからです(※1)。
また微熱程度では、胎児への悪影響はない場合がほとんどです。
この記事では、
・妊娠初期の微熱はいつまでつづくのか
・妊娠初期に微熱が起こる2つの原因
・妊娠初期に起こる微熱で胎児に与える影響
について解説していきます。
この記事を読むと、安心して妊娠初期を過ごせるようになりますよ。
(※1)出典:PR TIMES|株式会社ゼネラルリンク「妊娠初期症状・つわりに関する調査!76.8%は「日常生活に支障がある」【赤ちゃんの部屋】」
妊娠初期は平均37.25度の微熱がつづく
妊娠初期にみられる微熱は「平均37.25℃」であり、杏林大学医学部が発表した研究論文によると「妊娠15〜17週」までつづくといわれています(※2)。
ただし、あくまでも目安であり、個人差がある点はを理解しておきましょう。
妊娠中期まで微熱がつづく人もいれば、早く平熱に戻る人もいます。
妊娠初期に微熱が起こる2つの原因
妊娠初期に微熱が起こると、不安になる人もいるでしょう。
しかし微熱が起こる現象には、きちんとした理由があるのです。
理由はさまざまありますが、ここではおもな理由を2つに分けて解説していきます。
・ホルモンバランスの変化
・基礎代謝の上昇
順番に見ていきましょう。
原因1:ホルモンバランスの変化
妊娠初期は「プロゲステロン」を中心としたホルモンバランスが大きく変化する時期です。
プロゲステロンは妊娠を維持し、子宮内膜を整えるために必須のホルモンで、体温調節にも影響を与えます。
プロゲステロンは妊娠が確認された直後から増加し始め、基礎体温を上昇させます。
また、エストロゲンやhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)なども増加し、これらのホルモンが複雑に作用し合うことで、微熱が引き起こされるのです。
原因2:基礎代謝の上昇
妊娠すると、胎盤の形成や子宮の血流が増加して、通常よりもエネルギー消費が多くなります。
エネルギー消費が多くなると、体内では代謝が活発になって熱が発生します。
つまり基礎代謝が上がれば上がるほど、より多くの熱が発生することになり、体温上昇につながるのです。
妊娠初期に起こる微熱で胎児に悪影響はない
妊娠による体温上昇由来の微熱であれば、胎児への悪影響はないと考えてよいでしょう。
しかし高熱に伴い、
・悪寒
・頭痛
・倦怠感
・咳や鼻水
・腹痛や出血
などの症状がみられる場合は、医療機関で相談してください。
上記以外の症状でも、体に異変を感じたときは医療機関で受診しましょう。
もし、風邪をひいてしまったとしても、自己判断での薬の服用は厳禁です。
そのほかにも、注意したいことや対処法を知りたい人は下記も参考にしてみてくださいね。
妊娠初期の微熱に関するQ&A
ここでは妊娠初期の微熱について、よくある3つの質問をまとめました。
順番に見ていきましょう。


しかし、38℃以上の高熱、関節痛、のどの痛みや咳が出る、などの症状の場合は、風邪やその他の病気の可能性がありますので、内科やかかりつけ医を受診するようにしましょう。

妊娠14週までに下がってしまっても、一時的なことがほとんどです。
また悪阻などが原因で十分な睡眠できないと体温が下がることもあります。

そのような症状がある場合には、無理をせず過度な疲労やストレスを避けることが大切です。
まとめ
妊娠初期にみられる微熱は、妊婦さんに起こる自然な現象だといえます。
平均37.25度程度の微熱が妊娠15〜17週頃まで続くことが一般的で、約32%の妊婦さんが経験する症状です。
熱程度であれば胎児への悪影響はありませんが、あきらかな高熱や悪寒、頭痛などの症状が伴う場合は、必ず医療機関で受診しましょう。
また、風邪をひいた場合でも、自己判断での服薬は控え、必ず医師に相談してください。
妊娠中は体調の変化に不安を感じやすいものですが、微熱は赤ちゃんの成長を支えるための大切な過程です。
心配はし過ぎず、体調の変化を感じたら無理をせずに休息を取り、必要に応じて医療機関で相談してくださいね。
赤ちゃんの未来に備える「さい帯・さい帯血保管」を考えてみませんか?
赤ちゃんとお母さんをつなぐ、「へその緒(さい帯)」と、その中を流れる血液「さい帯血」には、体を作るためのもととなる貴重な「幹細胞」が多く含まれていて、赤ちゃんやご家族の将来に備えて長期的に凍結保管することができます。
幹細胞は新しい医療への活用が進められており、もしもの時に役立てられる可能性があります。
- 出産後わずか数分の間にしか採取できない貴重な赤ちゃんのものです。
- 採取の際、お母さんと赤ちゃんに痛みや危険はありません。
- どちらにも幹細胞がたくさん含まれています。
- 再生医療分野など、さまざまな活用が進んでいます。
- それぞれ異なる幹細胞が含まれているため、両方を保管しておくことで将来の利用の選択肢が広がります。
実際に保管・利用した方のお声
出産時にしか採取できない「さい帯血」を、脳性まひのお子さまに対して臨床研究で使用された方のお声をご紹介します。

高知大学の臨床研究で
さい帯血投与を受けたお子さま
さい帯血を保管して
本当に良かったと思っています
元気に産まれたと思っていましたが、生後半年頃から左手をほとんど使おうとしないことに気付き、1歳頃にやはり何かおかしいと思ってMRIを撮ってもらうことにしました。結果1歳5ヶ月で脳性まひとわかりました。
2歳の誕生日にステムセルからハガキが届き、出産時に保管したさい帯血がもしや役に立つのではと思い至りステムセルに問い合わせました。ちょうど臨床試験への参加者を募集していて、運よく2歳5ヶ月のときに参加することができました。
輸血前は左手と左足に麻痺があり、歩けてはいるものの、とても転びやすく、少し歩いては転びを繰り返していました。しかし輸血後、翌日には転ぶ回数が減り、おもちゃを両手で掴めるようになって驚きました。その後もリハビリも継続し、完治したわけではありませんがかなり麻痺が軽くなったように思います。
現在、地域の小学校の普通級に集団登校で通えています。
まさか我が子がさい帯血を使って治療をすることになるとは思っていませんでしたが、保険のつもりでさい帯血を保管しておいて本当に良かったと思います。
さい帯・さい帯血を利用した再生医療の研究が、今まさに国内外で進んでいます。
その他のお声は公式サイトからご覧いただけます。
医師からのメッセージ

総合母子保健センター
愛育病院 病院長
百枝幹雄 先生
応用範囲が広がる
「さい帯・さい帯血」による再生医療
近年、めざましく進歩している再生医療のなかで、さい帯やさい帯血の幹細胞を利用する技術の最大の特徴は、通常は破棄してしまうけれども実はとてもポテンシャルの高い出生時の幹細胞を活用するという点です。
これまで有効性が示されている白血病、脳性まひ、自閉症のほかにも様々な疾患に対して臨床研究が進んでいますし、民間のバンクではご家族への利用も可能になりつつありますので、今後はますます応用範囲が広がることが期待されます。
一方、忘れてはならないのは必要になるまで幹細胞を長期間安全に保管するには信頼できる設備と技術が必要だということで、それにはそれなりのコストがかかります。
コスト・ベネフィットのとらえ方は人それぞれですが、お子様とご家族の将来を見据えてベネフィットが大きいとお考えの方には、信頼できる施設へのさい帯やさい帯血の保管は十分価値のある選択肢だと思います。
さい帯・さい帯血についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
保管するなら、ステムセル研究所の「HOPECELL(ホープセル)」
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ステムセル研究所は、25年以上の保管・運営実績がある日本初のさい帯血バンクで、国内最多となる累計80,000名以上のさい帯血を保管しています。

研究所

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国内では脳性まひに対する、赤ちゃんご自身やごきょうだいのさい帯血投与の研究が行われています。海外の臨床研究では、投与により運動機能および脳神経回路の改善が報告されています。また自閉症スペクトラム障害(ASD)に対して、さい帯血の投与によりコミュニケーション能力や社会への順応性が向上する可能性が期待されており、大阪公立大学にてお子さまご自身のさい帯血を投与する臨床研究が開始されます。

研究所
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この記事の監修者
坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー