妊娠初期に寒気がする5つの原因とは?3つの対処法や続く期間も紹介

記事監修者:坂田陽子
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

「妊娠が発覚してから、風邪をひいたときのような寒気がする」
「寒気も妊娠初期の症状なのだろうか」
と心配になっていませんか。
妊娠初期は、女性ホルモンやつわりの影響で寒気を感じる場合があります。
寒気が続くとつらいものですが、対処法は存在します。
この記事では、おもに以下の内容を解説していきます。
・妊娠初期に感じる5つの寒気の原因
・3つの対処方法
・寒気が続く期間
この記事を読むと、寒気のくわしい原因と対処法がわかり、安心してこれからの妊娠生活を送れるようになりますよ。

妊娠初期の寒気の原因
妊娠初期に寒気を感じる原因は大きく5つあげられます。
・女性ホルモンの分泌量増加
・自律神経の乱れ
・つわり
・貧血
・風邪・感染症
原因1:女性ホルモンの分泌量増加
妊娠初期の寒気の原因の1つとして、女性ホルモンであるプロゲステロンの増加があげられます。
プロゲステロンは妊娠の継続を助ける女性ホルモン。
妊娠によってプロゲステロンの値が上昇し、女性ホルモンの体内バランスは急激に変化します。
妊娠初期のつわりも、プロゲステロンの上昇が原因といわれています。
妊娠で増加したプロゲステロンは体温を上げ、微熱やほてり、寒気を感じさせます。
原因2:自律神経の乱れ
妊娠中はプロゲステロンやエストロゲンなど、女性ホルモンのバランスが変化すると、自律神経のバランスも乱れやすくなります。
自律神経は体温調節機能にかかわるため、バランスが乱れると寒気を感じるのです。
原因3:つわりによる低血糖
妊娠初期は、つわりで思うように食事がとれなくなることも多いですよね。
食事量が減少して身体が低血糖状態になると、冷や汗・寒気・めまいなどの症状が出る可能性があります。
原因4:貧血
妊娠中は貧血になりやすい状態です。
自律神経やホルモンバランスの乱れや、つわりであまり食事がとれないこと、また血液の水分量が増加して血液が薄まってしまうことなどが、貧血の主な原因です。
貧血によって、頭痛・寒気などの症状が出ることもあります。
原因5:感染症
寒気は風邪のひきはじめや、新型コロナウイルス・インフルエンザなど感染症のサインであるケースもあります。
寒気にくわえて、咳や鼻水の症状を伴う・高熱が出るといった場合は、早めに病院で受診しましょう。
妊娠初期の寒気はいつまで続く?
寒気の原因となる、つわりの症状が安定してくる時期は「妊娠6か月頃」が多いといわれています。
実際に株式会社エムティーアイが運営する「ルナルナ」が妊娠した経験のある人につわりがおさまった期間をアンケート調査したところ、妊娠6ヶ月までにつわりがおさまった人は「61.8%」という回答を得られました(※1)。
ただし出産までつわりが続く人もいるため、目安として考えておきましょう。
出典(※1)【ルナルナ みんなの声】「つわり」についての調査|ルナルナ
妊娠初期の寒気と間違いやすい症状
妊娠初期に感じる寒気は、以下の症状と似ているため混同されやすいといえます。
・冷え性
・風邪
・低血糖による寒気
それぞれの症状には特徴的な違いがあるため、正しく理解すれば、より適切な対処が可能になります。
症状の違いを詳しく見ていきましょう。
1:冷え性との違い
妊娠初期の寒気と冷え性は多くの妊婦さんが混同しやすい症状です。
それぞれの特徴は以下のとおり。
寒気の特徴 | 冷え性の特徴 |
・突発的に体が震える感覚がある ・症状の強さが時間とともに変化する ・体の芯から寒さを感じる ・歯がカチカチ鳴る場合も ・布団にくるまっても、すぐには改善しないことがある ・ホルモンバランスの変化がおもな原因 ・時間帯や活動内容による症状の変化が大きい ・ストレスや疲労で悪化する場合がある ・温かい飲み物や食べ物で一時的に改善する |
・手足が持続的に冷たい ・とくに指先や足先の冷えが目立つ ・じわじわと冷えを感じる ・温めると徐々に改善する ・血行不良がおもな原因 ・妊娠前から症状がある場合も多い ・一年を通して症状が続く場合も ・冷たい飲み物や食べ物で悪化する ・天候や気温の影響を受けやすい ・運動不足で症状が悪化しやすい |
2:風邪との違い
妊娠初期の寒気と風邪は症状が似ているため、間違いやすい症状です。
それぞれの特徴を把握しておきましょう。
寒気の特徴 | 風邪の特徴 |
・発熱や咳などの症状を伴わない ・体調は比較的良好 ・食欲は普段通り ・喉の痛みはない ・鼻づまりや鼻水も見られない ・休息で改善する場合が多い ・自然に改善することが多い |
・喉の痛みや鼻水が出る ・全身のだるさがある ・食欲が低下する ・発熱を伴う場合が多い ・頭痛やくしゃみが出ることもある ・症状が徐々に悪化するケースも |
3:低血糖による寒気との違い
妊娠初期の寒気と低血糖は症状が似ている部分があり、とくにつわりの時期は間違いやすいといえます。
それぞれを比較したときの特徴は、以下のとおりです。
寒気の特徴 | 低血糖による寒気の特徴 |
・体が震える感覚がおもな症状 ・意識はしっかりしている ・休息で改善するケースが多い ・めまいの症状は無い、もしくは軽い ・空腹感は強くない ・集中力は保たれている ・短時間で症状が改善する場合が多い ・特別な対処が必要ない場合が多い ・日常生活への支障は比較的少ない |
・めまいや空腹感が強い ・冷や汗が出る ・脱力感を強く感じる ・食事をとると改善する ・手の震えを伴う場合がある ・イライラや不安感が強まる ・集中力が低下する ・顔面蒼白になる場合がある ・緊急の対応が必要な場合もある ・日常生活に支障をきたすことが多い |
妊娠初期は体調の変化が大きく、症状の判断がむずかしい場合も多いでしょう。
不安な場合は医療機関での相談をおすすめします。
妊娠初期の寒気は赤ちゃんに影響する?
妊娠初期の寒気は、女性ホルモンの急激な変化や自律神経の乱れなど、妊娠することで生理的に起きるものが大半です。
そのため、寒気によって流産してしまうなど「赤ちゃんへの影響はない」と言ってよいでしょう。
ただし、寒気以外にも発熱や頭痛など風邪のような症状がある場合は、感染症の可能性も考えられますので、自己判断せず病院で受診するようにしましょう。
上気道炎、尿路感染、皮膚炎などは通常妊娠中に深刻な問題になることはありませんが、いくつかの感染症は胎児へ悪影響が及ぶ可能性もあります。
サイトメガロウイルス感染症、ヘルペスウイルス感染症、風疹などの感染症は胎児に障がいをもたらす可能性があります。
また、細菌性膣炎、絨毛膜羊膜炎、リステリア症などの感染症は切迫早産のリスクを高め、早産や流産につながる恐れもあります。
妊娠初期の寒気の対処法【3選】
妊娠初期の寒気は根本的に解決することは難しいですが、緩和することはできます。
普段からできる、寒気の対処法を3つご紹介します。
対処法1:足湯で体をあたためる
お風呂に浸かると、体が温まって気持ちよいですよね。
しかし妊娠中は、長時間お風呂に入るとのぼせやすくなります。
そこで、安全にからだを温められる足湯がおすすめです。
足湯によって血液の循環もよくなり、身体全体が温まりますよ。
対処法2:つわりによる低血糖状態を避ける
つわりによって思うように食事がとれず、本当に大変ですよね。
つわりの症状があるときには、無理にたくさん食べようとしなくて大丈夫です。
食べられるときに食べられるものを摂るようにしてください。
つわりがひどい場合には、病院で相談すれば点滴による栄養補給も行ってくれます。
栄養を摂ることで貧血予防にもなるため、つわり症状がひどいときや、冷や汗・めまいなどの低血糖症状がある場合には病院へ相談してみましょう。
対処法3:軽い運動やストレッチを行う
無理のない範囲での運動もおすすめです。
軽いウォーキング・マタニティビクス・マタニティヨガなど、身体に負担のない運動を行ってみましょう。
血行がよくなり、自律神経のバランスも整うため、寒気など不調の改善が期待できます。
ただし激しい運動や無理な運動はNGです。
ご自身の体調と相談しながら、息の上がらない程度に身体を動かしてみましょう。
妊娠初期の寒気に関するQ&A
ここでは妊娠初期の寒気について、よくある3つの質問をまとめました。
順番に見ていきましょう。


その他の症状がない場合には異常はなく、赤ちゃんへの影響もありません。
寒気を感じる場合はなるべくシャワーで済ませるのではなく、のぼせない程度に入浴して体を温めましょう。
その他にも、衣服で調整したり、温かい飲み物をとることもおすすめです。

そのため、寒気によって流産してしまうなど「赤ちゃんへの影響はない」と言ってよいでしょう。

サプリメントや漢方薬の内服を希望されるときは、かかりつけの産婦人科で相談しましょう。
まとめ
妊娠初期の寒気は、ホルモンバランスの変化など妊娠に伴う身体の変化が原因です。
妊娠6ヶ月頃に自然におさまることが多く、妊娠初期の寒気が流産などの原因にはならないといえます。
寒気がするときの対処法としては、以下3点を紹介しました。
・体をあたためる
・なるべく栄養をとる
・軽い運動
できることを日常に取り入れながら、症状を緩和しましょう。
赤ちゃんの未来に備える「さい帯・さい帯血保管」を考えてみませんか?
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高知大学の臨床研究で
さい帯血投与を受けたお子さま
さい帯血を保管して
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さい帯・さい帯血を利用した再生医療の研究が、今まさに国内外で進んでいます。
その他のお声は公式サイトからご覧いただけます。
医師からのメッセージ

総合母子保健センター
愛育病院 病院長
百枝幹雄 先生
応用範囲が広がる
「さい帯・さい帯血」による再生医療
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一方、忘れてはならないのは必要になるまで幹細胞を長期間安全に保管するには信頼できる設備と技術が必要だということで、それにはそれなりのコストがかかります。
コスト・ベネフィットのとらえ方は人それぞれですが、お子様とご家族の将来を見据えてベネフィットが大きいとお考えの方には、信頼できる施設へのさい帯やさい帯血の保管は十分価値のある選択肢だと思います。
さい帯・さい帯血についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
保管するなら、ステムセル研究所の「HOPECELL(ホープセル)」
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ステムセル研究所は、25年以上の保管・運営実績がある日本初のさい帯血バンクで、国内最多となる累計80,000名以上のさい帯血を保管しています。

研究所

研究所
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研究所
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この記事の監修者
坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー