高齢出産する3つのメリットとは?注意したい5つのポイントも紹介

記事監修者:坂田陽子
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

「高齢出産ではデメリットばかりを耳にする」「メリットはないのだろうか」と悩んでいませんか。
デメリットに気を取られがちですが、高齢出産にもメリットはあるのです。
この記事では、以下の内容を解説していきます。
● 高齢出産をする3つのメリット
● 高齢出産を控える妊婦さんが注意したい5つのポイント
この記事を読むと、高齢出産のメリットがわかり、前向きに出産へ臨めるようになりますよ。
デメリットだけではない!高齢出産をする3つのメリット
年齢を重ねるということは、若い年齢の時に増して社会人経験が豊富ということになります。この豊かな社会人経験は、経済的な余裕や精神的な余裕を生み出し、ひいては高齢出産のメリットとして考えることができます。また、周りに子育て経験をした友人や知人が増えることから、出産や子育てのアレコレの悩みを相談できることもあるかと思います。
(※1) 老年者の介護(2002年12月)|J-STAGE
メリット1:経済的なゆとりをもっている場合が多い
経済的な余裕は、より充実した子育ての環境を構築することを可能にします。子どもの可能性を広げるための、様々な習い事や経験の機会を経済面からも支えることができます。経済的な余裕は精神的な余裕にもつながり、家庭の円満を支え、穏やかな気持ちを根底に持つことが可能になります。
メリット2:精神的に成長している場合が多い
豊かな人生経験が、子育てにおいても生かされます。何事にも動揺せずに、深い洞察力を持ちながら、子どもに対して寛容になれる心の土壌が形成されているはずです。また、人生で培われた教養や経験を礎に、より計画的で明確な子育ての方針が定まっている事でしょう。
メリット3:相談できる相手が増える
自分の周りでの子育て経験者がより増えるため、出産や子育ての悩みをリアルに聞ける環境が整いやすいでしょう。経験談は、本やネットの情報ではなかなか得られない実生活に即したものが多く、先輩の意見は参考になることも多いです。出産や子育てを経験したからこそ、共有できる悩みや喜びを共に分かち合うことができると思います。
高齢出産を控える妊婦さんが注意したい5つのポイント
高齢出産を控える妊婦さんは、どのような事に特に気を付けて生活しなければならないのでしょうか?特に体調面や食生活における注意点を考えながらポイントをお伝えします。
・体調の変化に気を配る
・妊婦健診を受ける
・食生活に配慮する
・体をいたわる
・軽い運動を取り入れる
ポイント1:体調の変化に気を配る
高齢出産では、安定期と呼ばれる妊娠16週を過ぎても、体の変化やサインに気を配りましょう(※2)。
とくに、切迫早産のサインである
● おなかの張りや痛み
● 出血
● 胎動が急に減った
などの異変に気がついたら、すぐに病院で受診しましょう。
「いつもと比べて違和感があるな」と思ったら、迷わず受診することが母体と胎児を守ることに繋がります。
出典
(※2) 妊娠・出産・子育て期の父親の役割|厚生労働省
ポイント2:妊婦健診を受ける
高齢妊娠の場合は、合併症が起こりやすいといわれています(※3)。
妊娠初期から出産直前まで、健診できちんと状態を把握することが、大切です。
心配・不安なことは、母子健康手帳にメモをしておき、健診当日に医師や助産師さんに相談しましょう。
出典
(※3) 年齢と妊娠・出産に伴う合併症のリスク評価について|厚生労働省
ポイント3:食生活に配慮する
妊娠中に大事な栄養素は、タンパク質、カルシウム、鉄分、葉酸などですが、特に妊娠中にたっぷりとりたい栄養素は、カルシウム、鉄分、葉酸といわれています(※4)。
カルシウムは、赤ちゃんの体を作るために、1日650mgの摂取が必要です。乳製品、豆製品、小魚、緑黄色野菜に含まれています。
また鉄分は赤ちゃんとママの血液中の赤血球をつくる大事な成分です。妊娠中は、血液の量が増えるため、貧血防止としても大切で、1日9~16mgが目安となります。レバー、牛肉、小松菜などに含まれ、ビタミンCと合わせて食べることで吸収率も上がります。
最後に葉酸については、妊娠のごく初期、胎児の脳脊髄の発達に欠かせない栄養素といわれています。ビタミンB群に属し、細胞分裂にも必要なものです。葉酸を摂取することで、口唇口蓋裂など、赤ちゃんの病気の発症リスクを減らせることがわかっています。妊娠していない場合の倍の量1日480㎍摂取が推奨され、緑黄色野菜、果物全般、豆類に含まれます。
栄養素 | 摂取量目安 |
カルシウム | 1日650mg |
鉄分 | 1日9~16mg |
葉酸 | 1日480㎍ |
出典:食生活の10のポイント|国立研究開発法人医療基盤・健康・栄養研究所
出典
(※4) 妊娠中の食事Q&A|四日市市 こども保健福祉課
ポイント4:体をいたわる
妊娠生活では、つわりや腰痛、おなかの張りといったトラブルを抱え、掃除や炊事がつらくなるときもあるでしょう。
つらいときは無理せず、自分ひとりで抱え込まないことがあなたのケアになります。
具体的には
● 外食に行く(もちろん栄養バランスを考えて注文)
● 中食や宅配を利用する
● 休日はパートナーに料理や掃除を任せる
などが考えられます。
私のパートナーも子育て生活を機に、台所に立ってくれています。
ポイント5:軽い運動を取り入れる
有酸素運動は、酸素をたくさん体内に取り入れることができます。酸素を取り込むことで血行が良くなり、酸素と一緒に栄養も運んでくれるので、お腹の赤ちゃんにも酸素や栄養素がより多く運ばれるというメリットがあります。
とくに軽いウォーキングがおすすめです。
また、産後の育児が始まった時のことを考える上でも、育児はとにかく体力が必要ですので、体力作りが重要になってきます。
まとめ
高齢出産では、デメリットばかりがクローズアップされることが多いですが、経済的なゆとりや精神的な豊かさ、相談できる相手が増えるなど、大変素晴らしいメリットがあります。本日のコラムでご紹介しました体調の変化に気を配る、妊婦健診を受ける、食生活に配慮するなどより体のケアをお考えいただきながら、素敵な妊娠生活を送ってください。スタッフ一同応援しております。
赤ちゃんの未来に備える「さい帯・さい帯血保管」を考えてみませんか?
赤ちゃんとお母さんをつなぐ、「へその緒(さい帯)」と、その中を流れる血液「さい帯血」には、体を作るためのもととなる貴重な「幹細胞」が多く含まれていて、赤ちゃんやご家族の将来に備えて長期的に凍結保管することができます。
幹細胞は新しい医療への活用が進められており、もしもの時に役立てられる可能性があります。
- 出産後わずか数分の間にしか採取できない貴重な赤ちゃんのものです。
- 採取の際、お母さんと赤ちゃんに痛みや危険はありません。
- どちらにも幹細胞がたくさん含まれています。
- 再生医療分野など、さまざまな活用が進んでいます。
- それぞれ異なる幹細胞が含まれているため、両方を保管しておくことで将来の利用の選択肢が広がります。
実際に保管・利用した方のお声
出産時にしか採取できない「さい帯血」を、脳性まひのお子さまに対して臨床研究で使用された方のお声をご紹介します。

高知大学の臨床研究で
さい帯血投与を受けたお子さま
さい帯血を保管して
本当に良かったと思っています
元気に産まれたと思っていましたが、生後半年頃から左手をほとんど使おうとしないことに気付き、1歳頃にやはり何かおかしいと思ってMRIを撮ってもらうことにしました。結果1歳5ヶ月で脳性まひとわかりました。
2歳の誕生日にステムセルからハガキが届き、出産時に保管したさい帯血がもしや役に立つのではと思い至りステムセルに問い合わせました。ちょうど臨床試験への参加者を募集していて、運よく2歳5ヶ月のときに参加することができました。
輸血前は左手と左足に麻痺があり、歩けてはいるものの、とても転びやすく、少し歩いては転びを繰り返していました。しかし輸血後、翌日には転ぶ回数が減り、おもちゃを両手で掴めるようになって驚きました。その後もリハビリも継続し、完治したわけではありませんがかなり麻痺が軽くなったように思います。
現在、地域の小学校の普通級に集団登校で通えています。
まさか我が子がさい帯血を使って治療をすることになるとは思っていませんでしたが、保険のつもりでさい帯血を保管しておいて本当に良かったと思います。
さい帯・さい帯血を利用した再生医療の研究が、今まさに国内外で進んでいます。
その他のお声は公式サイトからご覧いただけます。
医師からのメッセージ

総合母子保健センター
愛育病院 病院長
百枝幹雄 先生
応用範囲が広がる
「さい帯・さい帯血」による再生医療
近年、めざましく進歩している再生医療のなかで、さい帯やさい帯血の幹細胞を利用する技術の最大の特徴は、通常は破棄してしまうけれども実はとてもポテンシャルの高い出生時の幹細胞を活用するという点です。
これまで有効性が示されている白血病、脳性まひ、自閉症のほかにも様々な疾患に対して臨床研究が進んでいますし、民間のバンクではご家族への利用も可能になりつつありますので、今後はますます応用範囲が広がることが期待されます。
一方、忘れてはならないのは必要になるまで幹細胞を長期間安全に保管するには信頼できる設備と技術が必要だということで、それにはそれなりのコストがかかります。
コスト・ベネフィットのとらえ方は人それぞれですが、お子様とご家族の将来を見据えてベネフィットが大きいとお考えの方には、信頼できる施設へのさい帯やさい帯血の保管は十分価値のある選択肢だと思います。
さい帯・さい帯血についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
保管するなら、ステムセル研究所の「HOPECELL(ホープセル)」
株式会社ステムセル研究所が提供する「さい帯・さい帯血ファミリーバンクHOPECELL(ホープセル)」は、日本国内で最も選ばれている保管サービスです。
ステムセル研究所は、25年以上の保管・運営実績がある日本初のさい帯血バンクで、国内最多となる累計80,000名以上のさい帯血を保管しています。

研究所

研究所
国内では脳性まひに対する、赤ちゃんご自身やごきょうだいのさい帯血投与の研究が行われています。海外の臨床研究では、投与により運動機能および脳神経回路の改善が報告されています。また自閉症スペクトラム障害(ASD)に対して、さい帯血の投与によりコミュニケーション能力や社会への順応性が向上する可能性が期待されており、大阪公立大学にてお子さまご自身のさい帯血を投与する臨床研究が開始されます。

研究所
無料パンフレットをお送りします!
さい帯・さい帯血保管についてより詳しく知っていただけるパンフレットをご自宅へお送りします。
赤ちゃんの将来に備える「さい帯・さい帯血保管」をぜひ妊娠中にご検討ください。

この記事の監修者
坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー