陣痛前の検査で使うモニターとは?見方や経験談も紹介

記事監修者:坂田陽子
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

「陣痛前に使うモニターとはなんなのだろうか」と疑問に思っていませんか。
陣痛前に使うモニターはNST(ノンストレステスト)とよばれ、胎児の心拍数や子宮収縮の様子を数値化しています。
グラフの見方がわかると、自身や胎児の様子も把握できるようになるのです。
この記事では、おもに以下の内容を解説していきます。
● 陣痛前の検査で使うモニターとは
● NSTの見方
● 陣痛の体験談
この記事を読むと、NSTの様子から自身や胎児の状態が理解できるようになりますよ。
陣痛前の検査で使うモニターはNST
・胎児の健康状態と子宮収縮を確認する検査をNST(ノンストレステスト)といいます。
胎児心拍数モニタリングともよばれ、産婦人科では一般的な検査です。
腹部にセンサーを当て、分娩監視装置という機会で胎児の心拍数をグラフ化しています。
お腹にセンサーのついているベルトを巻いて横になっているだけなので、痛みは無く母体にも胎児にもノンストレスです。
胎児は「起きる→寝る」を20分間隔で繰り返していて(※1)、胎児が起きているタイミングであれば20分ほど、寝ているときはお母さんが寝返りをうつなどして起きるまで待つため40分ほどかかります。
出典
(※1)妊娠36週からのノンストレステスト(NST)について|JCHO東京山手メディカルセンター
【グラフで解説】陣痛前に行うNSTの見方
引用:飯能産婦人科,医学情報|飯能産婦人科
グラフ上には2本の線があります。
上の線は胎児の心拍数を示しています。
胎児が健康であれば動いているので線がゆらぎ、山形の線形になります。
一方元気がない、苦しいと感じる場合には心拍数やゆらぎが小さくなる波形が見られます。
1分間の心拍数は110~160bpmが正常範囲です。
109以下では徐脈、161以上では頻脈(※2)なので注意が必要です。
また、下の線は子宮収縮の様子をあらわしています。
陣痛がくると子宮収縮がおこるので、大きな山形ができます。
出典
(※2)2. スタートアップ2(CTGの読み方)|日本産婦人科医会
陣痛前のNSTを受ける目安【36週】
病院によりさまざまですが、一般的には胎児の状態がわかりやすくなる時期である36週以降(※3)に行います。
(※3)妊娠36週からのノンストレステスト(NST)について|JCHO東京山手メディカルセンター
陣痛前のNSTにかかる費用の目安は?
この検査にかかる費用も病院によりさまざまですが一般的には2,000円前後です。(※4)
出典
(※4)産科外来|独立行政法人国立病院機構大阪医療センター
【体験談】陣痛中のモニター(NST)をみて助産師さんに言われたこと
まとめ
NSTは病院内で普通に使われる言葉ですが、何をするか分からないと不安ですよね。
実際には胎児の心拍を確認するための大事な検査です。
手順はベッドに横になり、センサーのついたベルトを腹部に巻いて20~40分横になるだけの安心な検査です。
波形を見ることで陣痛が起こっているのか、胎児の動きや心拍が正常であるかを見ることができます。
長い時間付けることになるので、お腹の中の赤ちゃんの心拍を感じることができたり、陣痛の波が過ぎるのが分かったりと波形を読むことにも慣れてくるかもしれません。
この検査をするころには出産も間近です。
赤ちゃんの鼓動を感じながら良いご出産をお迎えください。
赤ちゃんの未来に備える「さい帯・さい帯血保管」を考えてみませんか?
赤ちゃんとお母さんをつなぐ、「へその緒(さい帯)」と、その中を流れる血液「さい帯血」には、体を作るためのもととなる貴重な「幹細胞」が多く含まれていて、赤ちゃんやご家族の将来に備えて長期的に凍結保管することができます。
幹細胞は新しい医療への活用が進められており、もしもの時に役立てられる可能性があります。
- 出産後わずか数分の間にしか採取できない貴重な赤ちゃんのものです。
- 採取の際、お母さんと赤ちゃんに痛みや危険はありません。
- どちらにも幹細胞がたくさん含まれています。
- 再生医療分野など、さまざまな活用が進んでいます。
- それぞれ異なる幹細胞が含まれているため、両方を保管しておくことで将来の利用の選択肢が広がります。
実際に保管・利用した方のお声
出産時にしか採取できない「さい帯血」を、脳性まひのお子さまに対して臨床研究で使用された方のお声をご紹介します。

高知大学の臨床研究で
さい帯血投与を受けたお子さま
さい帯血を保管して
本当に良かったと思っています
元気に産まれたと思っていましたが、生後半年頃から左手をほとんど使おうとしないことに気付き、1歳頃にやはり何かおかしいと思ってMRIを撮ってもらうことにしました。結果1歳5ヶ月で脳性まひとわかりました。
2歳の誕生日にステムセルからハガキが届き、出産時に保管したさい帯血がもしや役に立つのではと思い至りステムセルに問い合わせました。ちょうど臨床試験への参加者を募集していて、運よく2歳5ヶ月のときに参加することができました。
輸血前は左手と左足に麻痺があり、歩けてはいるものの、とても転びやすく、少し歩いては転びを繰り返していました。しかし輸血後、翌日には転ぶ回数が減り、おもちゃを両手で掴めるようになって驚きました。その後もリハビリも継続し、完治したわけではありませんがかなり麻痺が軽くなったように思います。
現在、地域の小学校の普通級に集団登校で通えています。
まさか我が子がさい帯血を使って治療をすることになるとは思っていませんでしたが、保険のつもりでさい帯血を保管しておいて本当に良かったと思います。
さい帯・さい帯血を利用した再生医療の研究が、今まさに国内外で進んでいます。
その他のお声は公式サイトからご覧いただけます。
医師からのメッセージ

総合母子保健センター
愛育病院 病院長
百枝幹雄 先生
応用範囲が広がる
「さい帯・さい帯血」による再生医療
近年、めざましく進歩している再生医療のなかで、さい帯やさい帯血の幹細胞を利用する技術の最大の特徴は、通常は破棄してしまうけれども実はとてもポテンシャルの高い出生時の幹細胞を活用するという点です。
これまで有効性が示されている白血病、脳性まひ、自閉症のほかにも様々な疾患に対して臨床研究が進んでいますし、民間のバンクではご家族への利用も可能になりつつありますので、今後はますます応用範囲が広がることが期待されます。
一方、忘れてはならないのは必要になるまで幹細胞を長期間安全に保管するには信頼できる設備と技術が必要だということで、それにはそれなりのコストがかかります。
コスト・ベネフィットのとらえ方は人それぞれですが、お子様とご家族の将来を見据えてベネフィットが大きいとお考えの方には、信頼できる施設へのさい帯やさい帯血の保管は十分価値のある選択肢だと思います。
さい帯・さい帯血についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
保管するなら、ステムセル研究所の「HOPECELL(ホープセル)」
株式会社ステムセル研究所が提供する「さい帯・さい帯血ファミリーバンクHOPECELL(ホープセル)」は、日本国内で最も選ばれている保管サービスです。
ステムセル研究所は、25年以上の保管・運営実績がある日本初のさい帯血バンクで、国内最多となる累計80,000名以上のさい帯血を保管しています。

研究所

研究所
国内では脳性まひに対する、赤ちゃんご自身やごきょうだいのさい帯血投与の研究が行われています。海外の臨床研究では、投与により運動機能および脳神経回路の改善が報告されています。また自閉症スペクトラム障害(ASD)に対して、さい帯血の投与によりコミュニケーション能力や社会への順応性が向上する可能性が期待されており、大阪公立大学にてお子さまご自身のさい帯血を投与する臨床研究が開始されます。

研究所
無料パンフレットをお送りします!
さい帯・さい帯血保管についてより詳しく知っていただけるパンフレットをご自宅へお送りします。
赤ちゃんの将来に備える「さい帯・さい帯血保管」をぜひ妊娠中にご検討ください。

この記事の監修者
坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー