経産婦さんは無痛分娩にしたほうがよい?体験談からその理由を紹介

記事監修者:坂田陽子
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

経産婦の皆さん、初産は思い描いていた出産よりも過酷ではありませんでしたか?
私は長男を産んだあと「この強烈な痛みは絶対に忘れられない。もう出産はしない」と固く決意したほどでした。
そんな私ですが、いまは4学年差の兄妹を育てています。
2人目に踏み切れたのは無痛分娩という出産方法を選択したからです。
この記事では、自然分娩を経験し出産後にトラウマを持ってしまった方に向けて、「無痛分娩」という選択肢があることを伝えていきます。
とくに経産婦さんに無痛分娩がおすすめの理由をご紹介。
もちろん、メリットだけでなく、気になるリスクについても解説しています。
2回目の出産を無痛分娩にするかどうか迷っている人は、ぜひ参考にしてください。
【1人目の出産】自然分娩の経験
なにがそれほど痛かったのか。私がもう二度と出産したくないとまで思ってしまった理由は3つありました。
- 陣痛がつらい
- 胎動もつらい
- 会陰の痛み
まず陣痛がきておなかが痛い、さらに陣痛がピークになると腰が痛い、割れそうに痛い。
さらに元気すぎる男の子だったのか、産まれる瞬間まで胎動が激しかったのです。
陣痛が過ぎたと思ったらドンドコ蹴られる。
思わず「お願いだから動かないで」と話しかけましたが効果なし。
その痛みが丸2日続きました。
そして極め付けは会陰の痛み。
医師がいないタイミングだったため、切開してもらえませんでした。
会陰がこれ以上広がらない感覚はなんとなくわかっていて、いざ赤ちゃんを出す瞬間は会陰が切れてしまう痛みで、叫びながら出産しました。
無事に出産するも身体はボロボロ
産まれた息子を見て、先生も助産師さんも「この大きさよく頑張ったねー」というほどのビッグベビーだったからか、産後の身体はボロボロ。
陣痛中はずっと全身に力を入れていたため、出産翌日は頭から足まで筋肉痛。
グリップを握りしめ過ぎていた手は力が入らず、骨盤はグラグラ、骨盤ベルトでサポートをしないと歩けないという始末。
出産の痛みは壮絶と聞いてはいたものの、これほどまでとは、そして産後も痛みが続くとは想像以上に過酷なものでした。
結局、出産の間は始終「痛い」という言葉で頭がいっぱい。
早く終わってくれと願うばかりで、赤ちゃんを思いやってあげる余裕はありませんでした。
【体験談】初産より冷静でいられた!私の無痛分娩レポ
産んだ時の痛みは忘れてしまったと言うお母さんもいます。
しかし正直な話、私はあまりにも痛い1人目の出産が忘れられませんでした。
元々もう一人は産みたいと思っていたのですが、出産後の数年間は出産が怖くて妊娠に踏み切れないでいました。
育児中に出来たママ友たちから、1人目とは別のところでしたが、近所で人気の産婦人科では無痛分娩が多く行われていて評判もいいと聞きました。
そこで初めて無痛分娩に興味を持ち安全性やリスクを調べたのち、これならばもう一度頑張るかもしれないと夫に有無を言わせず無痛分娩を選択することとなりました。
計画無痛分娩の当日
朝、息子は幼稚園へ、夫と私は病院へ。
9時に入院開始で促進剤を使い始めました。
10時半頃からバルーンで子宮口を広げ、とくにひどい痛みはありません。
痛みがピークになったら硬膜外麻酔をしようと言われました。
硬膜外麻酔とは、脊髄を覆う硬膜の外側の部分に麻酔を入れることです。
細いカテーテルを背中から入れておくので、途中で痛みが出たときに麻酔を追加することができます。
陣痛は感じていましたが、とくにつらい痛みはありません。
痛そうな様子はないけれど、タイミングを見計らい麻酔を入れてもらいました。
バルーンを外し、順調に子宮口も広がる。
しかし、そこからなかなか子宮口が広がりません。
17時頃、やっと子宮口が全開に近くなります。おしりの下の方に、ものすごい圧迫感があるけど痛くはありません。
赤ちゃんがすぐそこまで来てるな、という感覚をしっかり味わいました。
分娩台にあがってからも冷静でいられた
分娩台に上がってからも、冷静でいられ、助産師さんと会話しながら、いきみ方を指示してもらいました。
正直「こんなものでいいの」というくらいのいきみ数回で無事に出産できました。
産まれたあとに息子を呼び、新生児室で対面。
これはあくまでも私の入院した病院、私個人のお産の進み方であるため、ひとつの参考程度に捉えてもらえたらと思います。
しかしこれだけは言えます。
こんなに穏やかにおなかの中の赤ちゃんを感じながら、お産ができたことは本当に幸せでした。
経産婦さんに無痛分娩をおすすめした3つの理由
いきんだ経験があり、自然分娩の痛みを知っていて、上の子の育児に忙しくしている経産婦さんだからこそ、一度は無痛分娩を検討してもらいたいです。
その理由は以下の3つ。
- 事前準備ができる
- 産後の回復が早い
- いきみやすい
理由1:事前準備ができる
病院によっては、
- 24時間いつでも無痛分娩に対応しているところ
- 予定を決めて入院するところ
があります。
私の場合は24時間対応の病院でしたが、結局、計画無痛分娩で出産しました。
入院する日が決まると、上の子をどこで誰に預けるのかを考えておけるため、助かります。
「陣痛が来たのが夜だった」「上の子が幼稚園などに行っている時間だった」など、さまざまなケースを考えなくてよいのです。
上の子を突然不安にさせることなく「この日に入院して赤ちゃんが産まれるからね」と言っておけるのも、よい点だと思いました。
理由2:産後の回復が早い
身体に力が入ったのは、分娩台でいきんだ20分程度だったため、身体の疲労もあまり感じずに済みました。
翌日の筋肉痛も、もちろんありません。
やはり陣痛に耐えて消費するパワーは凄まじかったのだと痛感しました。
また経産婦ということもあり、落ち着いていきむことができたからか、会陰が切れることもなく、骨盤のぐらつきも今回はありませんでした。
産後は休まなければならないですが、上の子がいるとどうしても家で動かなければならないですよね。
その点で産後の回復が早いかどうかは、2人の子供を里帰りせずに育児をする母としては死活問題です。
理由3:いきみやすい
麻酔が効いて痛みがなくなったとき、正しくいきめているかと不安になりました。
しかし、助産師さんの指導の元、どのタイミングで身体のどこに力を入れたらよいかが、なんとなくわかるのです。
初産での無痛分娩よりも、スムーズに出産できるかもしれません。
2人目に踏み切るには色々な壁があります。
もし、私のように痛みのトラウマから2人目をためらっている人がいるなら「無痛分娩に頼ってもいいんだよ」と言いたいです。
出産方法を選ぶことができるのはお母さんの権利だと思っています。
知っておきたい無痛分娩のリスク
・無痛分娩にはリスクもある
麻酔薬に対する副作用が起こる可能性があります。
良く起こるのが足の感覚が鈍る、血圧低下、発熱、排尿障害です。
その他に頭痛やかゆみ、呼吸困難が起こる可能性もあります。
また、麻酔により陣痛が弱くなることもあるので陣痛促進剤を同時に使用する場合があります。
計画分娩や予定日超過、微弱陣痛のときにも陣痛促進剤 を使用しますが、その場合と同様に薬を使うことの副作用(胎児機能不全、子宮破裂など)のリスクがあります。
・産婦人科医だけでなく、麻酔科医がいる病院を選ぶことがポイント
個人のクリニックでは産婦人科医が麻酔を行うこともありますが、硬膜の外に正しく針を入れるためには技術が必要です。
また、麻酔中になにか異変が起きたときに素早く対応できるためにも、常駐する麻酔科医がいるとより安心です。
まとめ
特に1人目を自然分娩で出産したお母さんの中には、出産時の痛みが忘れられない人もいるでしょう。
その痛みを知るからこそ無痛分娩という手段を検討する価値があると言えます。
上の子のお世話のために出産のタイミングや産後の体の負担を考えると無痛分娩はお母さんの味方になります。
無痛分娩に対してのリスクや、麻酔を扱う病院の事情などを確認したうえで選択肢の1つとして考えてみてください。
赤ちゃんの未来に備える「さい帯・さい帯血保管」を考えてみませんか?
赤ちゃんとお母さんをつなぐ、「へその緒(さい帯)」と、その中を流れる血液「さい帯血」には、体を作るためのもととなる貴重な「幹細胞」が多く含まれていて、赤ちゃんやご家族の将来に備えて長期的に凍結保管することができます。
幹細胞は新しい医療への活用が進められており、もしもの時に役立てられる可能性があります。
- 出産後わずか数分の間にしか採取できない貴重な赤ちゃんのものです。
- 採取の際、お母さんと赤ちゃんに痛みや危険はありません。
- どちらにも幹細胞がたくさん含まれています。
- 再生医療分野など、さまざまな活用が進んでいます。
- それぞれ異なる幹細胞が含まれているため、両方を保管しておくことで将来の利用の選択肢が広がります。
実際に保管・利用した方のお声
出産時にしか採取できない「さい帯血」を、脳性まひのお子さまに対して臨床研究で使用された方のお声をご紹介します。

高知大学の臨床研究で
さい帯血投与を受けたお子さま
さい帯血を保管して
本当に良かったと思っています
元気に産まれたと思っていましたが、生後半年頃から左手をほとんど使おうとしないことに気付き、1歳頃にやはり何かおかしいと思ってMRIを撮ってもらうことにしました。結果1歳5ヶ月で脳性まひとわかりました。
2歳の誕生日にステムセルからハガキが届き、出産時に保管したさい帯血がもしや役に立つのではと思い至りステムセルに問い合わせました。ちょうど臨床試験への参加者を募集していて、運よく2歳5ヶ月のときに参加することができました。
輸血前は左手と左足に麻痺があり、歩けてはいるものの、とても転びやすく、少し歩いては転びを繰り返していました。しかし輸血後、翌日には転ぶ回数が減り、おもちゃを両手で掴めるようになって驚きました。その後もリハビリも継続し、完治したわけではありませんがかなり麻痺が軽くなったように思います。
現在、地域の小学校の普通級に集団登校で通えています。
まさか我が子がさい帯血を使って治療をすることになるとは思っていませんでしたが、保険のつもりでさい帯血を保管しておいて本当に良かったと思います。
さい帯・さい帯血を利用した再生医療の研究が、今まさに国内外で進んでいます。
その他のお声は公式サイトからご覧いただけます。
医師からのメッセージ

総合母子保健センター
愛育病院 病院長
百枝幹雄 先生
応用範囲が広がる
「さい帯・さい帯血」による再生医療
近年、めざましく進歩している再生医療のなかで、さい帯やさい帯血の幹細胞を利用する技術の最大の特徴は、通常は破棄してしまうけれども実はとてもポテンシャルの高い出生時の幹細胞を活用するという点です。
これまで有効性が示されている白血病、脳性まひ、自閉症のほかにも様々な疾患に対して臨床研究が進んでいますし、民間のバンクではご家族への利用も可能になりつつありますので、今後はますます応用範囲が広がることが期待されます。
一方、忘れてはならないのは必要になるまで幹細胞を長期間安全に保管するには信頼できる設備と技術が必要だということで、それにはそれなりのコストがかかります。
コスト・ベネフィットのとらえ方は人それぞれですが、お子様とご家族の将来を見据えてベネフィットが大きいとお考えの方には、信頼できる施設へのさい帯やさい帯血の保管は十分価値のある選択肢だと思います。
さい帯・さい帯血についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
保管するなら、ステムセル研究所の「HOPECELL(ホープセル)」
株式会社ステムセル研究所が提供する「さい帯・さい帯血ファミリーバンクHOPECELL(ホープセル)」は、日本国内で最も選ばれている保管サービスです。
ステムセル研究所は、25年以上の保管・運営実績がある日本初のさい帯血バンクで、国内最多となる累計80,000名以上のさい帯血を保管しています。

研究所

研究所
国内では脳性まひに対する、赤ちゃんご自身やごきょうだいのさい帯血投与の研究が行われています。海外の臨床研究では、投与により運動機能および脳神経回路の改善が報告されています。また自閉症スペクトラム障害(ASD)に対して、さい帯血の投与によりコミュニケーション能力や社会への順応性が向上する可能性が期待されており、大阪公立大学にてお子さまご自身のさい帯血を投与する臨床研究が開始されます。

研究所
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赤ちゃんの将来に備える「さい帯・さい帯血保管」をぜひ妊娠中にご検討ください。

この記事の監修者
坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー