早産の場合に入るNICUとは?入る基準や入院期間と費用の目安も解説
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記事監修者:坂田陽子
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー
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「近々出産の予定だが早産になりそう」
「早産の場、NICUに入る可能性があると知り不安になった」
上記のような悩みがある妊婦さんもいるのではないでしょうか。
早産の場合、大切な赤ちゃんを守るためNICUへ入る可能性があります。
この記事では主に、以下のような内容を解説していきます。
・NICUとは
・NICUに入る基準
・NICUにかかる費用や入院期間
この記事を読むとNICUの基本的なことがわかり、出産後の心配や焦りがやわらぎますよ。
早産児が入院するNICUってどんなところ?
NICUとは「新生児集中治療室」の略称で、早産や心臓に病気のある赤ちゃんが健康に大きく育つためのサポートをする治療室です。
細菌感染などを防ぐために厳重に管理されていて、赤ちゃんはひとりずつ保育器の中で酸素や栄養をもらいながら治療を受けます。
呼吸や心拍、体温を管理するための特別な機械や設備が整っており、新生児を専門に治療する医師や看護師が、24時間体制で治療や赤ちゃんのお世話をしているのです。
またNICUでは、赤ちゃんの健康や成長を助けるため「照度」「騒音」にも配慮しています。
母親のお腹の中にいた赤ちゃんは、慣れない大きな音や明るい光にストレスを感じてしまうからです。
早産でNICUに入る基準
37週未満の早産、1000g未満の超低出生体重児、先天性の異常、呼吸器などに病気を抱えているなど、出生後に呼吸の管理が必要な赤ちゃんがNICUに入ります。
人工呼吸器を外せるようになり、体重2000gを超えるようになるとNICU退院の目安と言われます。
早産でNICUに入る場合の費用の目安
NICUの保育器の中での管理や治療に対して1日10万円ほどかかると言われていますが、保険適用や医療費の助成制度があるため実際に支払う額は数万円で済む場合がほとんどです。
未熟児療育医療制度、こども医療費助成制度、高額医療費支給制度を申請、利用することで入院費は数万円に抑えられます。
早産後の母親の入院生活はどうなる?
産後のお母さんは、NICUで赤ちゃんと一緒に入院生活を送るのは難しいといえます。
赤ちゃんとは別の部屋で、ほかの産婦さんと入院生活を送ることになるでしょう。
「赤ちゃんと別々の部屋で過ごす」という事実だけでも、気持ちがナーバスになりますよね。
大部屋でほかの赤ちゃんの泣き声が気になる場合は、スタッフに相談すると個室を用意してもらえる可能性があります。
遠慮せずに声をかけてみましょう。
また入院生活は別々でも、赤ちゃんに面会はできます。
早産児がNICUで入院する期間や退院の目安【個人差あり】
小児保健研究によれば、同じ34週の早産でも入院期間は「20日~45日」と個人差が大きいこと。
退院の目安は、赤ちゃんの修正週数(予定日を基準とした週数)が37週を過ぎ、体重が「2300~2500g以上」になってきた頃です。
さらに医師が、下記のような母子の状態を見て、退院が可能かどうか総合的に判断をします。
・合併症がない
・呼吸が安定している
・直接授乳できる
・母親の精神状態
退院後の不安解消!NICU退院前に、早産児と同室入院するケースも
低出生体重児や早産児の育児の不安を少しでも解消してからNICUを退院できるよう、両親の同室入院を行っている施設もあります。
退院後の対処法をひとつひとつスタッフに教えてもらうことで、赤ちゃんのお世話の不安を解消していくことができます。
入院期間は病院によって異なりますが、目安は3日ほどです。
「病院に母子同室入院制度がない」「上の子がいてお母さんが入院できない」など、母子同室入院が経験できない場合は、不安なことやわからないことを退院前に医師やスタッフに聞いておきましょう。
夫婦一緒に聞くようにし、パートナーが困ったときにはフォローしあえる状態がベストです。
自宅での生活が始まってから心配なことが出てきても、多くのNICUでは24時間相談に応じてくれます。
相談の窓口を退院前に確認しておくといいでしょう。
NICU退院後に利用できる6つの早産児支援事業
自治体では早産児と家族をサポートする下記のような支援事業があります。
【医療費の支援】
・未熟児養育医療制度…低出生体重児などを対象に指定医療機関への入院費などを助成してくれる。
・小児慢性特定疾病医療費助成制度…特定の小児慢性疾患に対し自己負担額が軽減される。
・乳幼児医療費助成制度…病院の窓口負担額を自治体が助成してくれる。
【家庭への支援】
・未熟児訪問指導…早産児がいる家庭を保健師や助産師が訪問して健康状態の確認や必要な保健指導、育児の不安や悩みについて相談できる。
・極低出生体重児支援事業…出生体重1500g未満児の極低出生体重児に対し入院中から退院後に継続的な支援を行い、赤ちゃんの健やかな育ちと家族の育児不安の軽減を図る。
・育児支援ヘルパー派遣事業…出産前後に家事や育児をサポートしてくれる育児支援ヘルパーを家庭に派遣してもらえる。
まとめ
NICUは、早産や疾患を抱えて産まれた赤ちゃんが健康に大きく育つためのサポートをする治療室です。24時間体制で酸素や栄養をもらい、NICUを出ても無事に過ごせるようになるまで懸命にお世話や治療をしてくれます。
突然の早産などでNICUに入ることになると不安に思うこともあるでしょうが、金額面でも退院後のお世話についてもサポートがありますので安心して赤ちゃんの回復を見守ることができます。
赤ちゃんの未来に備える「さい帯・さい帯血保管」を考えてみませんか?
赤ちゃんとお母さんをつなぐ、「へその緒(さい帯)」と、その中を流れる血液「さい帯血」には、体を作るためのもととなる貴重な「幹細胞」が多く含まれていて、赤ちゃんやご家族の将来に備えて長期的に凍結保管することができます。
幹細胞は新しい医療への活用が進められており、もしもの時に役立てられる可能性があります。
- 出産後わずか数分の間にしか採取できない貴重な赤ちゃんのものです。
- 採取の際、お母さんと赤ちゃんに痛みや危険はありません。
- どちらにも幹細胞がたくさん含まれています。
- 再生医療分野など、さまざまな活用が進んでいます。
- それぞれ異なる幹細胞が含まれているため、両方を保管しておくことで将来の利用の選択肢が広がります。
実際に保管・利用した方のお声
出産時にしか採取できない「さい帯血」を、脳性まひのお子さまに対して臨床研究で使用された方のお声をご紹介します。
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高知大学の臨床研究で
さい帯血投与を受けたお子さま
さい帯血を保管して
本当に良かったと思っています
元気に産まれたと思っていましたが、生後半年頃から左手をほとんど使おうとしないことに気付き、1歳頃にやはり何かおかしいと思ってMRIを撮ってもらうことにしました。結果1歳5ヶ月で脳性まひとわかりました。
2歳の誕生日にステムセルからハガキが届き、出産時に保管したさい帯血がもしや役に立つのではと思い至りステムセルに問い合わせました。ちょうど臨床試験への参加者を募集していて、運よく2歳5ヶ月のときに参加することができました。
輸血前は左手と左足に麻痺があり、歩けてはいるものの、とても転びやすく、少し歩いては転びを繰り返していました。しかし輸血後、翌日には転ぶ回数が減り、おもちゃを両手で掴めるようになって驚きました。その後もリハビリも継続し、完治したわけではありませんがかなり麻痺が軽くなったように思います。
現在、地域の小学校の普通級に集団登校で通えています。
まさか我が子がさい帯血を使って治療をすることになるとは思っていませんでしたが、保険のつもりでさい帯血を保管しておいて本当に良かったと思います。
さい帯・さい帯血を利用した再生医療の研究が、今まさに国内外で進んでいます。
その他のお声は公式サイトからご覧いただけます。
医師からのメッセージ
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総合母子保健センター
愛育病院 病院長
百枝幹雄 先生
応用範囲が広がる
「さい帯・さい帯血」による再生医療
近年、めざましく進歩している再生医療のなかで、さい帯やさい帯血の幹細胞を利用する技術の最大の特徴は、通常は破棄してしまうけれども実はとてもポテンシャルの高い出生時の幹細胞を活用するという点です。
これまで有効性が示されている白血病、脳性まひ、自閉症のほかにも様々な疾患に対して臨床研究が進んでいますし、民間のバンクではご家族への利用も可能になりつつありますので、今後はますます応用範囲が広がることが期待されます。
一方、忘れてはならないのは必要になるまで幹細胞を長期間安全に保管するには信頼できる設備と技術が必要だということで、それにはそれなりのコストがかかります。
コスト・ベネフィットのとらえ方は人それぞれですが、お子様とご家族の将来を見据えてベネフィットが大きいとお考えの方には、信頼できる施設へのさい帯やさい帯血の保管は十分価値のある選択肢だと思います。
さい帯・さい帯血についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
保管するなら、ステムセル研究所の「HOPECELL(ホープセル)」
株式会社ステムセル研究所が提供する「さい帯・さい帯血ファミリーバンクHOPECELL(ホープセル)」は、日本国内で最も選ばれている保管サービスです。
ステムセル研究所は、25年以上の保管・運営実績がある日本初のさい帯血バンクで、国内最多となる累計80,000名以上のさい帯血を保管しています。
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研究所
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研究所
国内では脳性まひに対する、赤ちゃんご自身やごきょうだいのさい帯血投与の研究が行われています。海外の臨床研究では、投与により運動機能および脳神経回路の改善が報告されています。また自閉症スペクトラム障害(ASD)に対して、さい帯血の投与によりコミュニケーション能力や社会への順応性が向上する可能性が期待されており、大阪公立大学にてお子さまご自身のさい帯血を投与する臨床研究が開始されます。
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研究所
無料パンフレットをお送りします!
さい帯・さい帯血保管についてより詳しく知っていただけるパンフレットをご自宅へお送りします。
赤ちゃんの将来に備える「さい帯・さい帯血保管」をぜひ妊娠中にご検討ください。
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この記事の監修者
坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー