【注意】妊娠初期の運動で気をつけるポイント|おすすめの運動や目安量も紹介

記事監修者:坂田陽子
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

「妊娠初期だけど運動したい」「どんな運動であれば問題ないのだろうか」と悩んでいませんか。
妊娠初期は母体や胎児の状態を考慮して、激しい運動を控える必要があります。
この記事では主に、以下のような内容を解説していきます。
・ 妊娠初期に運動するメリット
・ 注意点
・ おすすめの運動と目安量
この記事を読むと、妊娠初期に適した運動を知ることができ、安全に出産を迎えられますよ。
妊娠中に運動する4つのメリット
妊娠中の運動は心身によい影響を与えるといわれています。
妊娠中に運動をするメリットは以下の4点が挙げられます。
・ 適正な体重の維持
・ストレス解消
・便秘予防
・ 体力がつく
順番に内容を解説していきます
メリット1:適正な体重の維持
太り過ぎは「妊娠高血圧症候群」や「妊娠糖尿病」などになりやすく、入院が必要になる場合もあります。適度な運動で太りすぎないようにコントロールできるメリットがあります。
メリット2:ストレス解消
妊娠中は体調や食生活が変化します。また思うように動けなかったり、制限されることが多くなったりと、ストレスが溜まる要素が多いです。心と体は繋がっています。適度に体を動かすことで心身ともに健康に過ごせるようになりますよ。
メリット3:便秘予防
運動を避けて家の中でじっとしていると、代謝が促されずに便秘になってしまうこともあります。
妊婦さんはホルモンバランスの影響や、大きくなった子宮が腸を圧迫することで、便秘になりがちです。運動すると腸のぜん動運動が活発になり、便が腸内をスムーズに移動します。また、運動して腹筋をつけると、排便の時にいきむ力が強くなります。
適度な運動は、便秘解消にもつながります。
メリット4:体力がつく
出産に体力は必須。長時間の出産を乗り越えるためには、体力が必要です。また体力は、産後の回復度にも影響します。産後の生活で体力不足にならないよう、いまのうちから対策しておくことが大切です。
ほかにも、運動によって早産や低出生体重児のリスクを減らすことができるなど、健康維持だけではない効果が期待できます。
妊娠初期の運動で注意すべき6つのポイント
妊娠初期に注意すべきポイントは、以下の6点です。
・運動する習慣がなかった人は無理に取り入れない
・激しい運動を避ける
・体調の変化に気を付ける
・水分不足にならないようにする
・無理な体勢をとらない
・気温を考慮する
順番に内容を解説していきます
注意1:運動する習慣がなかった人は無理に取り入れない
妊娠前に運動をする習慣がなかった人は、妊娠したからといって急に運動を始めると、体への負担が大きくなります。
とくにまだ不安定な妊娠初期は、無理に始めないことが重要です。取り入れるなら「中期以降」体調を見ながらウォーキングやストレッチなど軽度なものを取り入れましょう。
注意2:激しい運動を避ける
体型的には、まだ大きな変化がない妊娠初期。人によっては妊娠に気づかず、激しい運動をしてしまっていたという人もいます。
しかし心拍数が過度に上がる運動は、お腹の赤ちゃんに負担がかかります。中期以降は胎盤が完成し、母体の状態がダイレクトに赤ちゃんに届くようになるため、注意が必要です。
また、転倒や体への衝撃を与える可能性のある運動も避けましょう。
注意3:体調の変化に気をつける
妊娠初期は、つわりが始まり偏った食生活になるケースが多く、栄養不足になりがちな時期です。また、中期以降は胎盤を通じて鉄分などの栄養素が胎児へと送られていきます。運動をすることで貧血等の体調不良を起こし兼ねないため、自身の体調変化を日々観察しておくことが大切です。
注意4:水分不足にならないようにする
妊娠中は胎児が成長していくための水分が必要となり、母体は水分不足になりがちです。そのうえ、運動で汗をかいたり、すぐに水分補給ができなかったりすると、簡単に脱水症状を起こす可能性があります。
たくさん汗をかくような激しい運動を避けるほか、ホットヨガなどの暑い場所で行う運動も避けたほうがよいでしょう。
注意5:無理な体勢をとらない
中期以降はお腹が日増しに大きくなっていくため、嫌でもおなかを意識することになり、無理な体勢が取れなくなっていきます。
しかし、妊娠初期は、体型的にもまだ大きな変化はなく、体も動かしやすいため、つい無理な体勢を取りがちです。おなかに負担がかかるような体勢をとらないよう注意しましょう。無理な体勢をとると流産や早産のリスクにつながるおそれがあります。
注意6:気温を考慮する
真夏や真冬の時期の運動は、気温にも注意が必要です。
真夏の炎天下で運動してしまうと「脱水や熱中症」のリスクが高くなります。屋外で運動する場合は日中を避け、夕方以降のウォーキングなどの軽い運動をおすすめします。
また冬の低い気温では、汗をかくと体が冷えてしまうでしょう。
寒さを感じる時期には、室内で動画などを視聴しながら行う運動もおすすめです。
ヨガやマタニティビクスなど、室内でも可能な運動を取り入れてみましょう。
妊娠初期におすすめする3つの運動
妊娠初期は、身体に負担をかけない運動がおすすめです。
妊娠初期におすすめする運動は下記の3点です。
・ウォーキング
・ストレッチ
・マタニティヨガ
順番に内容を紹介していきます
おすすめ1:ウォーキング
特別な準備がいらないため、すぐ始められるのが魅力です。散策しながら歩くのは、気分転換にも最適ですよ。「体への負荷が少ない」「有酸素運動である」ことが妊婦さんにとっては効果的。
いままで運動をしてこなかった妊婦さんでも、気軽に取り入れられるでしょう。
おすすめ2:ストレッチ
妊娠初期には座りながら首や肩を回すストレッチ、足首を動かすストレッチがおすすめです。ストレッチを行うことで、血流が促進され、首や肩の凝りが解消されます。足首のストレッチはこむら返り予防にもなります。
おすすめ3:マタニティヨガ
私は妊娠初期からDVDを用意して、自宅でマタニティヨガを行っていました。マタニティ用のヨガであれば、避けたほうがよいポーズが含まれていることはなく、妊娠中の体に効果的なポーズを取り入れてくれています。寒い季節になると感染症なども心配ですが、家のなかで行えるため安心して運動を取り入れられます。
産後もしばらくは気軽に外出できないため、気分転換や体型を戻すうえでも、非常に役に立ちました。
【種類別】妊娠初期に注意したい運動量の目安
ウォーキング
週に1~2回、1回20~30分程度から始めてみましょう。ウォーキングは歩くだけなので特別な準備は必要ありません。家の近所を歩いてみたり目的地まで少し遠回りしてみたりと身近なところから始めてみましょう。慣れてきたら週2~3回、1回1時間程度に増やしてみても良いかもしれません。
ストレッチ
ストレッチは毎日10~15分程度、お風呂上りや寝る前に行うと良いでしょう。体が伸びて気持ちがいいと感じる程度が目安です。
マタニティヨガ
マタニティヨガは必ず医師の許可を取ってから行うようにしましょう。一般的にはマタニティヨガは安定期に入ってから行うことが推奨されています。
妊娠前からヨガの習慣がある人は、通常の8割程度の時間と量を目安に、専門家が推奨する妊娠初期のマタニティヨガを正しく行うようにしましょう。
妊娠中に運動をしてもよいタイミングは?
妊娠中にたくさんのメリットがある運動ですが、妊娠したらいつから初めてよいのか、また出産前はいつまでしてもよいのか不安なひとも多いと思います。
運動をしてよい時期は「安定期に入ってから出産直前まで」といわれています。
妊娠が分かり安定期に入るまでの期間は、つわりもあり体調が安定しないことも多いため、激しい運動は控えたほうがよいでしょう。また安定期以降は、出産の直前まで運動しても問題ありません。ただし、切迫早産や出血などで安静が必要だと診断されている場合の運動は控えましょう。
妊娠初期の運動はなぜダメだと言われるのか?
妊娠初期に安静にしたほうがよいといわれるのは、妊娠初期に流産する確率が高いためです。
妊娠した人の約15%が、妊娠初期に流産するといわれています。
妊娠初期とは「妊娠12週」までをさします。
しかし妊娠初期の流産は、胎児の染色体異常であることがほとんどで、母体側の原因ではありません。
つまり体をほとんど動かさずに過ごしても、流産のしやすさに大きな影響はないということです。
まとめ
妊娠初期の運動は適正な体重の維持、ストレス解消、便秘予防などに効果的です。また、出産に向けて体力をつけることにもつながります。
妊娠初期は体調が安定しないことも多く、無理は禁物です。激しい運動は控え、体調の変化に気を付けながら運動するようにしましょう。
軽いウォーキングやおなかに負担のかからない体勢でのストレッチがおすすめです。
赤ちゃんの未来に備える「さい帯・さい帯血保管」を考えてみませんか?
赤ちゃんとお母さんをつなぐ、「へその緒(さい帯)」と、その中を流れる血液「さい帯血」には、体を作るためのもととなる貴重な「幹細胞」が多く含まれていて、赤ちゃんやご家族の将来に備えて長期的に凍結保管することができます。
幹細胞は新しい医療への活用が進められており、もしもの時に役立てられる可能性があります。
- 出産後わずか数分の間にしか採取できない貴重な赤ちゃんのものです。
- 採取の際、お母さんと赤ちゃんに痛みや危険はありません。
- どちらにも幹細胞がたくさん含まれています。
- 再生医療分野など、さまざまな活用が進んでいます。
- それぞれ異なる幹細胞が含まれているため、両方を保管しておくことで将来の利用の選択肢が広がります。
実際に保管・利用した方のお声
出産時にしか採取できない「さい帯血」を、脳性まひのお子さまに対して臨床研究で使用された方のお声をご紹介します。

高知大学の臨床研究で
さい帯血投与を受けたお子さま
さい帯血を保管して
本当に良かったと思っています
元気に産まれたと思っていましたが、生後半年頃から左手をほとんど使おうとしないことに気付き、1歳頃にやはり何かおかしいと思ってMRIを撮ってもらうことにしました。結果1歳5ヶ月で脳性まひとわかりました。
2歳の誕生日にステムセルからハガキが届き、出産時に保管したさい帯血がもしや役に立つのではと思い至りステムセルに問い合わせました。ちょうど臨床試験への参加者を募集していて、運よく2歳5ヶ月のときに参加することができました。
輸血前は左手と左足に麻痺があり、歩けてはいるものの、とても転びやすく、少し歩いては転びを繰り返していました。しかし輸血後、翌日には転ぶ回数が減り、おもちゃを両手で掴めるようになって驚きました。その後もリハビリも継続し、完治したわけではありませんがかなり麻痺が軽くなったように思います。
現在、地域の小学校の普通級に集団登校で通えています。
まさか我が子がさい帯血を使って治療をすることになるとは思っていませんでしたが、保険のつもりでさい帯血を保管しておいて本当に良かったと思います。
さい帯・さい帯血を利用した再生医療の研究が、今まさに国内外で進んでいます。
その他のお声は公式サイトからご覧いただけます。
医師からのメッセージ

総合母子保健センター
愛育病院 病院長
百枝幹雄 先生
応用範囲が広がる
「さい帯・さい帯血」による再生医療
近年、めざましく進歩している再生医療のなかで、さい帯やさい帯血の幹細胞を利用する技術の最大の特徴は、通常は破棄してしまうけれども実はとてもポテンシャルの高い出生時の幹細胞を活用するという点です。
これまで有効性が示されている白血病、脳性まひ、自閉症のほかにも様々な疾患に対して臨床研究が進んでいますし、民間のバンクではご家族への利用も可能になりつつありますので、今後はますます応用範囲が広がることが期待されます。
一方、忘れてはならないのは必要になるまで幹細胞を長期間安全に保管するには信頼できる設備と技術が必要だということで、それにはそれなりのコストがかかります。
コスト・ベネフィットのとらえ方は人それぞれですが、お子様とご家族の将来を見据えてベネフィットが大きいとお考えの方には、信頼できる施設へのさい帯やさい帯血の保管は十分価値のある選択肢だと思います。
さい帯・さい帯血についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
保管するなら、ステムセル研究所の「HOPECELL(ホープセル)」
株式会社ステムセル研究所が提供する「さい帯・さい帯血ファミリーバンクHOPECELL(ホープセル)」は、日本国内で最も選ばれている保管サービスです。
ステムセル研究所は、25年以上の保管・運営実績がある日本初のさい帯血バンクで、国内最多となる累計80,000名以上のさい帯血を保管しています。

研究所

研究所
国内では脳性まひに対する、赤ちゃんご自身やごきょうだいのさい帯血投与の研究が行われています。海外の臨床研究では、投与により運動機能および脳神経回路の改善が報告されています。また自閉症スペクトラム障害(ASD)に対して、さい帯血の投与によりコミュニケーション能力や社会への順応性が向上する可能性が期待されており、大阪公立大学にてお子さまご自身のさい帯血を投与する臨床研究が開始されます。

研究所
無料パンフレットをお送りします!
さい帯・さい帯血保管についてより詳しく知っていただけるパンフレットをご自宅へお送りします。
赤ちゃんの将来に備える「さい帯・さい帯血保管」をぜひ妊娠中にご検討ください。

この記事の監修者
坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー