妊婦さんはいつまで仕事ができる?注意点やおすすめの働き方

坂田陽子

記事監修者:坂田陽子

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

・妊娠したら、仕事はいつまでできるのか?

・妊娠中は、体に負担の少ない仕事がしたい

・産休や育休制度について知りたい

お仕事をされている妊活中の方や妊婦さんは、妊娠中や出産後のお仕事のことはとても気がかりになりますよね。

そこで今回は、

■妊婦さんの仕事と法律

■妊婦さんが仕事をするうえで気をつけること

■妊婦さんにおすすめの働き方

■先輩ママさんの体験談

をご紹介します。

妊婦さんの仕事と法律

日本では、妊婦さんやおなかの赤ちゃんを守るために様々な法律があります。まずは法律でどのようなことが定められているのか、見てみましょう。

・労働基準法:産前産後休暇、妊婦等の危険有害業務の就業制限、時間外・休日労働・深夜業の制限など

・男女雇用機会均等法:健康診断を受ける時間の確保、通勤緩和、休憩に関する措置、妊娠中や出産後の症状に関する措置など

・育児・介護休業法:育児休業や介護休業、子の看護休暇、育産後パパ育休など(出生時育児休業)

出産前、妊婦さんはいつまで仕事ができる?

妊婦さんが仕事をできる期間は、労働基準法によって定められています。原則として、産前は出産予定日の6週間前まで(多胎妊娠の場合は14週間前まで就業することができる決まりとなっています。

妊娠中の経過が順調であれば、出産予定日の6週間前の妊娠34週(妊娠9カ月を過ぎた時期)まで仕事をすることができます。

また双子以上の多胎妊娠の場合は、より休業に入るタイミングが早まり、妊娠26週(妊娠7カ月を過ぎた時期)となります。

出産後、仕事の再開はいつから可能?

産後休業は原則、出産翌日から8週間は就業することができません。ただし、医師が認めた場合には出産6週間後から仕事に復帰することもできます。

産休を取得する条件とは?

産休を取得するには、企業で勤務していることが条件となります。勤務形態はアルバイトであっても取得できます。また就業期間等の制限もないため、転職した直後の場合でも産休を取得できます。

育児休暇はいつまでとれる?

育児休暇は、子どもを育てるための休業期間で、産休は対象が女性のみだったのに対し、育休は男性も取得できます。期間は、子どもが生まれてから1歳になるまでが原則ですが、保育所に入れないなどの事由で1歳6ヶ月から2歳まで延長することも可能です。またパパとママが交互に育休を取得したり、産後直後にパパが育休を取得できるなどの制度が充実しているため、いつ育休を取得するか、パートナーとよく相談しておくことをおすすめします。

育児を取得できる条件は?

産休とは違い、育休を取得するには一定の条件があります。

1.同一の事業主に引き続き1年以上雇用されている

2.子どもの1歳の誕生日以降も引き続き雇用されることが見込まれる

3.子どもの2歳の誕生日の前々日までに、労働契約の期間が満了しており、かつ、契約が更新されないことが明らかでないこと

雇用形態にかかわらず取得できますが、契約社員や派遣社員で雇用期限がある場合には取得ができない可能性があります。上記の3つの条件を満たすことができるか、よく確認をしておきましょう。

妊婦さんが仕事をするうえで気をつけること

妊娠により女性の体は大きな変化があります。おなかの赤ちゃんを守るためにも、しんどい、きついと思ったら無理をせず休むことを心がけてくださいね。

体がしんどいけど、職場にはなかなか言い出しにくい、という場合には「母性健康管理指導事項連絡カード」を利用する方法もあります。事業主は、妊娠中・出産後1年以内の女性労働者が保健指導・健診の際に主治医や助産師から指導を受け、事業主に申し出た場合、その指導事項を守ることができるようにするために必要な措置を講じることが義務付けられています。妊娠中の通勤緩和、妊娠中の休憩、作業の制限、勤務時間の短縮、休業等についてこのカードを用いて職場に伝えることができるので、負担の少ない働き方の希望を出してください。

また、「妊婦だからと休みすぎ」、「サボリ癖だ」といったマタハラ発言を受けたら、厚生労働省の都道府県労働局、雇用環境・均等部(室)などに相談しましょう。

妊婦さんにおすすめの働き方

職種によっては難しい場合もあるかと思いますが、在宅ワーク、テレワーク、内職などができる環境であれば、積極的に取り入れるのもおすすめです。通勤や立ちっぱなし・座りっぱなしの姿勢は辛くなるためなるべく負担の少ない働き方ができるように工夫していきたいですね。

【体験談】みんなが妊婦になっても仕事を続けた理由

私自身が妊娠中にも出産後にも、妊婦で仕事をしている女性たちに話を聞く機会があったので、記憶にあることを綴ってみたいと思います。

「仕事が好きで辞めたくなかった。産休育休制度を利用して産後も働き続けたかった」

「仕事をしないと生活できなかった」

「子供と24時間一緒にはいられない、仕事がなかったら私自身を維持できない」

「夫の給料が少ないので働き続けるしかないの」

「仕事は大好きなの。出産前は産んだらまた働くと思っていたし。だけど赤ちゃんの顔を見たら、考えや価値観が変わったの。本当は夫に稼ぎがあったなら、子育てに専念したいって」

「0~2歳の間は浪費さえしなければ、夫の稼ぎだけで暮らそうと思えば暮らせる。だけど、その先のことを考えたら、子供の成長と共に教育資金は必要だし、余暇を過ごす時の予算も必要。1、2年に1度は旅行にも行きたいし」

「好きな仕事だったとしても、社会生活はストレスフル。でも夫の会社が未来永劫続くとも限らない。それまでは夫は大黒柱と言ったけれど、実は現代の大黒柱の全てが太いとは限らなくて、先行き不安でしかないから、収入の柱は複数あった方が良いと思う。だから保育園を利用させてもらって、私も仕事を持ち続けるしかないの」

まとめ

少子化問題はますます深刻になる昨今。女性たちは「産めよ、育てよ、働けよ」と家庭でも社会でも忙しく、ストレスフルな日々を送っている人が多いのではないでしょうか。

いざ妊婦になっても、産休育休の期限があるので、おなかが目立つ妊婦さんが仕事のために満員電車に揺られている姿を見るたび「どうにかならないのだろうか」と妊婦だった頃のわが身を振り返りつつ、近ければ席を譲り、遠ければ「安産を祈っています視線」を送ってしまいます。

今回は産休や育休について、制度の内容や利用できる条件などをご紹介しました。このような制度を利用して、みなさんが健康的で無理のない妊婦生活、産後の子育てができることを祈っています。

赤ちゃんの未来に備える「さい帯・さい帯血保管」を考えてみませんか?

赤ちゃんとお母さんをつなぐ、「へその緒(さい帯)」と、その中を流れる血液「さい帯血」には、体を作るためのもととなる貴重な「幹細胞」が多く含まれていて、赤ちゃんやご家族の将来に備えて長期的に凍結保管することができます。

幹細胞は新しい医療への活用が進められており、もしもの時に役立てられる可能性があります。

さい帯・さい帯血保管のポイント!

  1. 出産後わずか数分の間にしか採取できない貴重な赤ちゃんのものです。
  2. 採取の際、お母さんと赤ちゃんに痛みや危険はありません。
  3. どちらにも幹細胞がたくさん含まれています。
  4. 再生医療分野など、さまざまな活用が進んでいます。
  5. それぞれ異なる幹細胞が含まれているため、両方を保管しておくことで将来の利用の選択肢が広がります。

実際に保管・利用した方のお声

出産時にしか採取できない「さい帯血」を、脳性まひのお子さまに対して臨床研究で使用された方のお声をご紹介します。

高知大学の臨床研究で
さい帯血投与を受けたお子さま

さい帯血を保管して
本当に良かったと思っています

元気に産まれたと思っていましたが、生後半年頃から左手をほとんど使おうとしないことに気付き、1歳頃にやはり何かおかしいと思ってMRIを撮ってもらうことにしました。結果1歳5ヶ月で脳性まひとわかりました。
2歳の誕生日にステムセルからハガキが届き、出産時に保管したさい帯血がもしや役に立つのではと思い至りステムセルに問い合わせました。ちょうど臨床試験への参加者を募集していて、運よく2歳5ヶ月のときに参加することができました。
輸血前は左手と左足に麻痺があり、歩けてはいるものの、とても転びやすく、少し歩いては転びを繰り返していました。しかし輸血後、翌日には転ぶ回数が減り、おもちゃを両手で掴めるようになって驚きました。その後もリハビリも継続し、完治したわけではありませんがかなり麻痺が軽くなったように思います。
現在、地域の小学校の普通級に集団登校で通えています。
まさか我が子がさい帯血を使って治療をすることになるとは思っていませんでしたが、保険のつもりでさい帯血を保管しておいて本当に良かったと思います。

さい帯・さい帯血を利用した再生医療の研究が、今まさに国内外で進んでいます。

その他のお声は公式サイトからご覧いただけます。

医師からのメッセージ


総合母子保健センター
愛育病院 病院長
百枝幹雄 先生

応用範囲が広がる
「さい帯・さい帯血」による再生医療

近年、めざましく進歩している再生医療のなかで、さい帯やさい帯血の幹細胞を利用する技術の最大の特徴は、通常は破棄してしまうけれども実はとてもポテンシャルの高い出生時の幹細胞を活用するという点です。
これまで有効性が示されている白血病、脳性まひ、自閉症のほかにも様々な疾患に対して臨床研究が進んでいますし、民間のバンクではご家族への利用も可能になりつつありますので、今後はますます応用範囲が広がることが期待されます。
一方、忘れてはならないのは必要になるまで幹細胞を長期間安全に保管するには信頼できる設備と技術が必要だということで、それにはそれなりのコストがかかります。
コスト・ベネフィットのとらえ方は人それぞれですが、お子様とご家族の将来を見据えてベネフィットが大きいとお考えの方には、信頼できる施設へのさい帯やさい帯血の保管は十分価値のある選択肢だと思います。

さい帯・さい帯血についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

保管するなら、ステムセル研究所の「HOPECELL(ホープセル)」

株式会社ステムセル研究所が提供する「さい帯・さい帯血ファミリーバンクHOPECELL(ホープセル)」は、日本国内で最も選ばれている保管サービスです。

ステムセル研究所は、25年以上の保管・運営実績がある日本初のさい帯血バンクで、国内最多となる累計80,000名以上のさい帯血を保管しています。

どうやって保管するの?
ステムセル
研究所
出産時に産科施設で採取されたさい帯・さい帯血は、ステムセル研究所の高レベルのクリーンな環境で専門スタッフが処理・検査を行います。国内最大級の細胞保管施設にて、約-190℃の液体窒素タンク内で長期間大切に保管されます。また、ステムセル研究所は厚生労働省(関東信越厚生局)より「特定細胞加工物製造許可」を取得しており、高品質と安全性を実現しています。
保管したさい帯血は何に使えるの?
ステムセル
研究所

国内では脳性まひに対する、赤ちゃんご自身やごきょうだいのさい帯血投与の研究が行われています。海外の臨床研究では、投与により運動機能および脳神経回路の改善が報告されています。また自閉症スペクトラム障害(ASD)に対して、さい帯血の投与によりコミュニケーション能力や社会への順応性が向上する可能性が期待されており、大阪公立大学にてお子さまご自身のさい帯血を投与する臨床研究が開始されます。

さい帯・さい帯血保管は高いと聞いたのですが…
ステムセル
研究所
さい帯またはさい帯血のどちらか一方を10年間保管する場合、月々2,980円(税込)で保管することができます。出産時にしか採取・保管することができない貴重な細胞なので、お子さまの将来に備えて保管される方が増えています。

無料パンフレットをお送りします!

さい帯・さい帯血保管についてより詳しく知っていただけるパンフレットをご自宅へお送りします。

赤ちゃんの将来に備える「さい帯・さい帯血保管」をぜひ妊娠中にご検討ください。

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー