【無痛分娩レポ】出産への恐怖を和らげてくれた無痛分娩という選択

記事監修者:坂田陽子
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

「無痛分娩」。みなさんはどのようなイメージをお持ちでしょうか。
「無痛分娩を検討しているが、どんな分娩方法なのかイメージがつかなくて怖い」
「実際に無痛分娩を体験したママの、詳細なレポートや感想が知りたい」
とお考えの方も多いかと思います。
そこで今回は、無痛分娩を初産または2人目で体験したママの
→無痛分娩を決めたきっかけ
→無痛分娩での出産の流れ
→無痛分娩をした感想
→これから無痛分娩を考えている人へのメッセージ
を詳しいレポート形式でご紹介していきます。
併せて、無痛分娩を考えるうえで、知っておきたい注意点
もご紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
今まさに無痛分娩を検討されている方は、このレポートをぜひご参考にしていただけると嬉しいです。
【無痛分娩レポ1】初産ママが体験した無痛分娩
まずは、初めての出産=初産で無痛分娩をしたママのレポートをご紹介します。
私が初産で無痛分娩を決めたきっかけ
学生時代に授業で自然分娩の映像を見てから、出産に対して「怖い」や「痛い」というイメージが先行するようになってしまい、出産自体に対してもあまり良いイメージを持てなくなっていましたが、無痛分娩という分娩方法があると知ってから、もし出産する機会があれば絶対に無痛分娩を希望しようと決めていました。
妊娠が分かり出産をする産婦人科を探す時に、無痛分娩を行っていることを第一条件として探したところ、自宅から通える範囲で数件見つかったのでそれらのホームページを熟読し、医師がいるタイミングでは可能という産婦人科ではなく、計画無痛分娩ができる産婦人科を選びました。
無痛分娩での出産の流れ
妊娠3カ月に入り分娩の予約を取る段階で先生に無痛分娩を希望する旨を伝え、8カ月頃には麻酔科の先生と個人面談で無痛分娩の流れやリスクを説明してもらいました。普段、健診の時に麻酔科の先生と会うことがなかったので、この個人面談で事前に先生と顔を合わせることができたことは安心に繋がりました。
計画無痛分娩だったので、夫も休暇が取れて立ち会えた
おなかの中の赤ちゃんの成長度合いから、予定日数日前に分娩日を決めました。普段仕事で忙しい主人も事前に分娩日を決めてもらえたことで、仕事の休みを取ることができ、出産に立ち会うことができました。
硬膜外麻酔は緊張したが、痛くなかった
分娩日の前日に入院し、当日スムーズに麻酔が入れられるように背中の方に管を通すという処置をしてもらいました。これが結構痛いと聞いたことがあったので少し緊張しましたが、私はそんなに痛いとは感じませんでした。その後、私の場合はまだ子宮口も全然開いていない状態だったのでバルーンを入れてもらい、それからは普通においしい夕食を食べたり、テレビを見たりしながら過ごしました。
促進剤と麻酔投与開始。麻酔が効き始めるまでが長かった
分娩当日の翌朝7時から促進剤を打ち始め、痛みが強くなった時点で麻酔を開始してもらいました。事前に麻酔開始後は食事をとることはできず、飲み物も水のみ可能になると言われており、子宮口の開き具合から分娩の日程が翌日にずれ込むかもと先生に言われたので、合間に何か口にできた方が体力も持つと思い、できるだけ痛みに耐えようと思っていました。
正午ごろに麻酔をお願いし、麻酔開始から30分で痛みがほぼ消えリラックスして会話をしたり、テレビを見たりしながら過ごしました。結局は当日夕方5時過ぎには出産したのですが、この麻酔をお願いしてから効き始めるまでの30分が私の出産の中で一番長く感じた時間でした。痛みがどうしても怖い場合は、限界まで耐えずに少し早めに麻酔開始をお願いすると良いと思います。
少し話が前後しますが、麻酔開始後に痛みが強くなった場合はある程度の間隔を保てば自分で麻酔の量を調節することができるため、学生時代に見て脳裏に焼き付いていた自然分娩で痛みに苦しんでいた妊婦さんとは全く違う出産だなとしみじみ感じる余裕さえありました。
リラックス効果もあったのか、7時間のスムーズ安産
痛みで体が強張らなかったのも良かったのか、麻酔を開始してからあっという間に子宮口も開き、初産だったにも関わらず約7時間のスムーズな出産でした。
産後は後陣痛や会陰切開の傷みに苦しむものの、無痛分娩で体力温存できた
産後の処置をしてもらい、その後はおいしいお祝い膳をいただきました。夜になり10時過ぎた頃から痛みが徐々に始まり眠れない程の痛みになったのですが、そこはさすがに出産という大仕事を終え身体が疲れていたようで気づけば朝になっていました。それからは処方してもらった痛み止めを6時間間隔で飲みながら回復を待ちました。この6時間の間隔もとても長く感じました。陣痛・分娩の痛みで疲弊していたら、この産後の痛みも更につらいものとなっていたと思います 。
無痛分娩を希望される方へお勧めしたいこと・気をつけてほしいこと
今までに書いた内容と重複する点もありますが、無痛分娩を希望される方にお勧めしたいことはこの2点です。
①ご自身が希望する無痛分娩、計画無痛分娩ができる産婦人科を選ぶこと
②麻酔開始は痛みの限界まで待たないこと(効き始めるまでの時間を知っておくこと)
*子宮口の開き具合も関係しますので、産婦人科の先生に相談してくださいね。
無痛分娩を選んで良かったと思う私が感じたデメリットとしては以下です。
①費用面ではプラスでかかる場合が多いこと
②産後の入院の期間が短くなる可能性があること
出産する産婦人科にもよるかと思いますが、私の場合、通常のお産費用プラス10万円で無痛分娩にできました。気軽に払える金額ではないのですが、出産への恐怖を軽減させてくれたこと、主人も立ち会えたこと、出産当日の和やかな陣痛室の雰囲気を思えば、価値がある10万円だったと思います。 産後の入院期間に関しても、絶対短くなるという訳ではないと思いますが、私の場合は計画無痛分娩で前日の一泊も入院期間のうちの一泊というカウントになったので、産後の母乳教室、調乳教室、沐浴教室などが自然分娩をされた方よりタイトスケジュールで組まれており、ゆっくり過ごせる時間がとても少なかったです。
無痛分娩を選択するか悩んでいるあなたへ
最後に、私の場合は自分自身も主人も親族も周りの仲の良い友達も無痛分娩に理解があり、当たり前の選択として無痛分娩を希望することができました。ただ、「痛みを経験してこその母親」「痛みを感じることで子どもの大切さを感じる」という概念を持っている人もいます。私自身そういう人からの言葉で嫌な思いをしたこともあり、それからは無痛分娩の予定です、無痛分娩で出産しました、と人に言うことを避けるようになりました。
無痛分娩で出産した私も、自然分娩や帝王切開で出産された他のお母さんたちと同じように子どもを愛しています。無痛分娩を本当は希望したいけど、しづらいと思っている方の目に、無痛分娩して良かったと思う私の声が届くといいな、と思っています。
【無痛分娩レポ2】2人目ママが体験した無痛分娩
次に、2人目の出産で無痛分娩をした、経産婦ママのレポートをご紹介します。
私が2人目出産で無痛分娩を決めたきっかけ
私の場合、1人目の出産は自然分娩でしたが、陣痛から2日もかかり、痛みがなかばトラウマになってしまいました。出産で疲弊しすぎたためか、産後の体力回復も遅く、新生児のお世話が楽しめなかったのが心残りでした。
2人目妊娠がわかったとき、上の子の世話もある中、出産で疲弊している場合ではないと悟り、産後の回復が比較的早いと聞いた無痛分娩を決意しました。
実母には「痛みのないお産で愛情がうまれるのか」と最初は反対されましたが、「産むのは私」と反論し、納得してもらいました。
無痛分娩での出産の流れ
病院を選らぶ際には、無痛分娩で有名な産婦人科を調べて予約しました。産婦人科医のほかに、麻酔科医も2名いる体制なのか、計画無痛分娩に対応しているかなど、安心して無痛分娩ができるかも重視しました。
無痛分娩の予約は妊娠確定時
とても人気の産院だったので、初診で妊娠がわかった時点で分娩予約をしました。その病院では、妊娠3ヶ月をすぎると、無痛分娩の予約がいっぱいになってとれない可能性もあると言われたため、決断するなら早めがおすすめです。
予定日は子宮口の状態を見て、2度延期になった
今回は計画無痛分娩だったので、予定日は臨月入った頃ぐらいに決定しました。
予定日直前の内診で子宮口の状態を見て、予定日に無痛分娩ができるかどうかを医師が判断します。私の場合、子宮口がなかなか柔らかくならず、予定日直前に2度(2週間)延期になりました。計画分娩といえども、妊婦さんや赤ちゃんの状況によって入院日が決定されます。
硬膜外麻酔、出産ともに、まさに無痛。3時間のスピード安産
計画無痛分娩の予定日は、朝指定の時間に病院へ行き、入院します。
予定日前日の夜からちょうど前駆陣痛が始まり、徐々に強まっていたこともあり、内診後はバルーンなどもなく、すぐに分娩室で硬膜外麻酔を入れる処置をしてもらいました。
麻酔のチューブを入れるとき、背中を丸めて注射をされますが、驚くことに痛みはまったくなし!
麻酔が効いてくると、だんだんと足など下半身の感覚がなくなるのを感じました。
陣痛のピーク時は、子宮がキューっと収縮している感覚はわかるものの痛みはないので、家族と談笑したり、友人に連絡するなど、リラックスして過ごすことができました。
2回目の出産だったことや、リラックスできた効果もあったのか、分娩開始から3時間のスピード安産!1人目の出産は疲弊しすぎて出産の感動どころではありませんでしたが、無痛分娩では、我が子の温かさや産声に感動する余裕がありました。
産後の回復が早く、上の子のケアも十分にできた
今回の出産では、陣痛の痛みに耐える必要がなかった分、体力が温存できたことがとても大きいメリットだと感じています。
おかげで産後の回復が早く、上の子の赤ちゃんがえりなどのケアもできました。
無痛分娩を希望される方へお勧めしたいこと・気をつけてほしいこと
・おすすめしたいこと
無痛分娩は産後の回復が比較的早い傾向にあるので、2人目以降の出産・早期の職場復帰を考えている人には、特におすすめです。
・気を付けてほしいこと
無痛分娩の予約は、妊娠初期でないと取れないこともあります。検討しているなら早めに産院の決定や・ご予約を!
無痛分娩を選択するか悩んでいるあなたへ
無痛分娩の認知はまだ十分でなく、「痛みのないお産なんて」と根性論で反対されることもあります。しかし、産むのは妊婦さん自身。無痛分娩をする・しないに関わらず、自分自身の決断を大切にしてほしいと思います。
まとめ
今回は無痛分娩を初産または2人目で体験したママの
無痛分娩を決めたきっかけや出産の流れ、無痛分娩をした感想をレポート形式でご紹介しました。
実際の体験談を聞くと、無痛分娩について想像しやすくなりますよね。知っておきたい注意点も含めて、出産方法をご検討中の方のご参考になりましたらうれしいです。
赤ちゃんの未来に備える「さい帯・さい帯血保管」を考えてみませんか?
赤ちゃんとお母さんをつなぐ、「へその緒(さい帯)」と、その中を流れる血液「さい帯血」には、体を作るためのもととなる貴重な「幹細胞」が多く含まれていて、赤ちゃんやご家族の将来に備えて長期的に凍結保管することができます。
幹細胞は新しい医療への活用が進められており、もしもの時に役立てられる可能性があります。
- 出産後わずか数分の間にしか採取できない貴重な赤ちゃんのものです。
- 採取の際、お母さんと赤ちゃんに痛みや危険はありません。
- どちらにも幹細胞がたくさん含まれています。
- 再生医療分野など、さまざまな活用が進んでいます。
- それぞれ異なる幹細胞が含まれているため、両方を保管しておくことで将来の利用の選択肢が広がります。
実際に保管・利用した方のお声
出産時にしか採取できない「さい帯血」を、脳性まひのお子さまに対して臨床研究で使用された方のお声をご紹介します。

高知大学の臨床研究で
さい帯血投与を受けたお子さま
さい帯血を保管して
本当に良かったと思っています
元気に産まれたと思っていましたが、生後半年頃から左手をほとんど使おうとしないことに気付き、1歳頃にやはり何かおかしいと思ってMRIを撮ってもらうことにしました。結果1歳5ヶ月で脳性まひとわかりました。
2歳の誕生日にステムセルからハガキが届き、出産時に保管したさい帯血がもしや役に立つのではと思い至りステムセルに問い合わせました。ちょうど臨床試験への参加者を募集していて、運よく2歳5ヶ月のときに参加することができました。
輸血前は左手と左足に麻痺があり、歩けてはいるものの、とても転びやすく、少し歩いては転びを繰り返していました。しかし輸血後、翌日には転ぶ回数が減り、おもちゃを両手で掴めるようになって驚きました。その後もリハビリも継続し、完治したわけではありませんがかなり麻痺が軽くなったように思います。
現在、地域の小学校の普通級に集団登校で通えています。
まさか我が子がさい帯血を使って治療をすることになるとは思っていませんでしたが、保険のつもりでさい帯血を保管しておいて本当に良かったと思います。
さい帯・さい帯血を利用した再生医療の研究が、今まさに国内外で進んでいます。
その他のお声は公式サイトからご覧いただけます。
医師からのメッセージ

総合母子保健センター
愛育病院 病院長
百枝幹雄 先生
応用範囲が広がる
「さい帯・さい帯血」による再生医療
近年、めざましく進歩している再生医療のなかで、さい帯やさい帯血の幹細胞を利用する技術の最大の特徴は、通常は破棄してしまうけれども実はとてもポテンシャルの高い出生時の幹細胞を活用するという点です。
これまで有効性が示されている白血病、脳性まひ、自閉症のほかにも様々な疾患に対して臨床研究が進んでいますし、民間のバンクではご家族への利用も可能になりつつありますので、今後はますます応用範囲が広がることが期待されます。
一方、忘れてはならないのは必要になるまで幹細胞を長期間安全に保管するには信頼できる設備と技術が必要だということで、それにはそれなりのコストがかかります。
コスト・ベネフィットのとらえ方は人それぞれですが、お子様とご家族の将来を見据えてベネフィットが大きいとお考えの方には、信頼できる施設へのさい帯やさい帯血の保管は十分価値のある選択肢だと思います。
さい帯・さい帯血についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
保管するなら、ステムセル研究所の「HOPECELL(ホープセル)」
株式会社ステムセル研究所が提供する「さい帯・さい帯血ファミリーバンクHOPECELL(ホープセル)」は、日本国内で最も選ばれている保管サービスです。
ステムセル研究所は、25年以上の保管・運営実績がある日本初のさい帯血バンクで、国内最多となる累計80,000名以上のさい帯血を保管しています。

研究所

研究所
国内では脳性まひに対する、赤ちゃんご自身やごきょうだいのさい帯血投与の研究が行われています。海外の臨床研究では、投与により運動機能および脳神経回路の改善が報告されています。また自閉症スペクトラム障害(ASD)に対して、さい帯血の投与によりコミュニケーション能力や社会への順応性が向上する可能性が期待されており、大阪公立大学にてお子さまご自身のさい帯血を投与する臨床研究が開始されます。

研究所
無料パンフレットをお送りします!
さい帯・さい帯血保管についてより詳しく知っていただけるパンフレットをご自宅へお送りします。
赤ちゃんの将来に備える「さい帯・さい帯血保管」をぜひ妊娠中にご検討ください。

この記事の監修者
坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー