帝王切開の語源は?言葉の由来がわかる3つの説

記事監修者:坂田陽子
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

分娩方法には大きく経腟分娩と帝王切開があり、日本では約2割の方が帝王切開で出産をしています。赤ちゃんが逆子であったり、双子の妊婦さんであったり、帝王切開となる理由は様々ですが、帝王切開を予定されている方は、手術方法・入院期間・リスクなどの不安がつきものですよね。そのため帝王切開に関してさまざまな情報を集めている方もいるかもれません。
そんな中で、帝王切開の語源や由来について、疑問に思ったことはありませんか?
そこで今回は、
・なぜ「帝王切開」という?語源にある3つの説
・「帝王切開」の入院・手術・産後の流れ
についてご紹介します。
なぜ「帝王切開」という?語源にある3つの説
1.古代ローマ皇帝(カエサル)が生まれた方法
一つ目は、古代ローマ皇帝のカエサルが帝王切開で生まれたから、「帝王切開」と呼ばれるようになったという説があります。しかし、こちらは俗説であり誤りと言われています。
2.中国皇帝が生まれた方法
二つ目は、中国では占星術によって皇帝の誕生日が決められており、誕生日通りに産むために、帝王切開で出産していたからという説です。
しかし「帝王切開」の語源はドイツ語由来であり、中国語由来ではないのでこちらの説も誤りと言われています。
3.ドイツ語和訳の誤り
最後の三つ目の説は、ドイツ語和訳の誤りによるものです。もともと「子宮を切開する」という意味のラテン語が、ドイツ語に翻訳され、”Kaisershinitt(切開分離)”になりました。
このドイツ語の”Kaiser”の部分には、「分離する」「切り分ける」と言う意味のほかに「皇帝」という意味も含まれています。
そしてその手術法と言葉が19世紀に日本に紹介された際、”Kaiser”を「帝王」と誤訳したことから、日本では「帝王切開」という言葉が生まれたという説が一般的です。
「帝王切開」の入院期間や手術方法
帝王切開の場合、入院期間は1週間~10日と長期間になることが多いです。
一般的には帝王切開を受ける前日に入院し、手術に備えた準備を行います。帝王切開の当日を産後0日として、産後7日目に退院となる病院が多いようですが、退院日は病院により多少前後します。帝王切開の手術方法は、腰から麻酔を入れて、下半身の痛みを感じない状態で子宮を切開し、赤ちゃんが生まれます。手術中もお母さんの意識はある状態なので、赤ちゃんが生まれた後に写真を撮ったり、抱っこができるところもあるので、出産予定の病院で確認してみてくださいね。
赤ちゃんの未来に備える「さい帯・さい帯血保管」を考えてみませんか?
赤ちゃんとお母さんをつなぐ、「へその緒(さい帯)」と、その中を流れる血液「さい帯血」には、体を作るためのもととなる貴重な「幹細胞」が多く含まれていて、赤ちゃんやご家族の将来に備えて長期的に凍結保管することができます。
幹細胞は新しい医療への活用が進められており、もしもの時に役立てられる可能性があります。
- 出産後わずか数分の間にしか採取できない貴重な赤ちゃんのものです。
- 採取の際、お母さんと赤ちゃんに痛みや危険はありません。
- どちらにも幹細胞がたくさん含まれています。
- 再生医療分野など、さまざまな活用が進んでいます。
- それぞれ異なる幹細胞が含まれているため、両方を保管しておくことで将来の利用の選択肢が広がります。
実際に保管・利用した方のお声
出産時にしか採取できない「さい帯血」を、脳性まひのお子さまに対して臨床研究で使用された方のお声をご紹介します。

高知大学の臨床研究で
さい帯血投与を受けたお子さま
さい帯血を保管して
本当に良かったと思っています
元気に産まれたと思っていましたが、生後半年頃から左手をほとんど使おうとしないことに気付き、1歳頃にやはり何かおかしいと思ってMRIを撮ってもらうことにしました。結果1歳5ヶ月で脳性まひとわかりました。
2歳の誕生日にステムセルからハガキが届き、出産時に保管したさい帯血がもしや役に立つのではと思い至りステムセルに問い合わせました。ちょうど臨床試験への参加者を募集していて、運よく2歳5ヶ月のときに参加することができました。
輸血前は左手と左足に麻痺があり、歩けてはいるものの、とても転びやすく、少し歩いては転びを繰り返していました。しかし輸血後、翌日には転ぶ回数が減り、おもちゃを両手で掴めるようになって驚きました。その後もリハビリも継続し、完治したわけではありませんがかなり麻痺が軽くなったように思います。
現在、地域の小学校の普通級に集団登校で通えています。
まさか我が子がさい帯血を使って治療をすることになるとは思っていませんでしたが、保険のつもりでさい帯血を保管しておいて本当に良かったと思います。
さい帯・さい帯血を利用した再生医療の研究が、今まさに国内外で進んでいます。
その他のお声は公式サイトからご覧いただけます。
医師からのメッセージ

総合母子保健センター
愛育病院 病院長
百枝幹雄 先生
応用範囲が広がる
「さい帯・さい帯血」による再生医療
近年、めざましく進歩している再生医療のなかで、さい帯やさい帯血の幹細胞を利用する技術の最大の特徴は、通常は破棄してしまうけれども実はとてもポテンシャルの高い出生時の幹細胞を活用するという点です。
これまで有効性が示されている白血病、脳性まひ、自閉症のほかにも様々な疾患に対して臨床研究が進んでいますし、民間のバンクではご家族への利用も可能になりつつありますので、今後はますます応用範囲が広がることが期待されます。
一方、忘れてはならないのは必要になるまで幹細胞を長期間安全に保管するには信頼できる設備と技術が必要だということで、それにはそれなりのコストがかかります。
コスト・ベネフィットのとらえ方は人それぞれですが、お子様とご家族の将来を見据えてベネフィットが大きいとお考えの方には、信頼できる施設へのさい帯やさい帯血の保管は十分価値のある選択肢だと思います。
さい帯・さい帯血についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
保管するなら、ステムセル研究所の「HOPECELL(ホープセル)」
株式会社ステムセル研究所が提供する「さい帯・さい帯血ファミリーバンクHOPECELL(ホープセル)」は、日本国内で最も選ばれている保管サービスです。
ステムセル研究所は、25年以上の保管・運営実績がある日本初のさい帯血バンクで、国内最多となる累計80,000名以上のさい帯血を保管しています。

研究所

研究所
国内では脳性まひに対する、赤ちゃんご自身やごきょうだいのさい帯血投与の研究が行われています。海外の臨床研究では、投与により運動機能および脳神経回路の改善が報告されています。また自閉症スペクトラム障害(ASD)に対して、さい帯血の投与によりコミュニケーション能力や社会への順応性が向上する可能性が期待されており、大阪公立大学にてお子さまご自身のさい帯血を投与する臨床研究が開始されます。

研究所
無料パンフレットをお送りします!
さい帯・さい帯血保管についてより詳しく知っていただけるパンフレットをご自宅へお送りします。
赤ちゃんの将来に備える「さい帯・さい帯血保管」をぜひ妊娠中にご検討ください。

この記事の監修者
坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー