1人目の子どもを帝王切開で産んだ人が、「2人目・3人目がほしい」と思ったとき、いろいろな不安がでてきますよね。
・帝王切開で2人目・3人目を産むリスクは?
・帝王切開はそもそも何回までできる?
・帝王切開で2人目・3人目がほしいとおもった時、1人目との間隔はどれぐらいあけるのが安全?
・帝王切開で2人目・3人目を産むと、後陣痛の痛みはひどくなるって本当?
上記のような悩みを抱く人が多いかと思います。
このコラムでは、帝王切開をする妊婦さんの不安や疑問を解決する情報を紹介していきます。
また後半では、5人の子どもを5回の帝王切開で産んだ妊婦さんの経験談も紹介するので、参考にしてくださいね。
帝王切開は何回までできる?【3回までが目安】
「帝王切開を何回も行うのは危険」と聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。
帝王切開ができるのは、一般的には「3回まで」といわれています。
4回以上の帝王切開も可能ではありますが、子宮破裂などのリスクが高くなるといった理由からおすすめはできません。
帝王切開で2人目・3人目を産むリスク
帝王切開で2人目・3人目を産む際のリスクとして「子宮破裂」があげられます。
帝王切開を経験している人は、普通分娩の人よりも子宮破裂のリスクが高くなるのです。
子宮破裂とは、妊娠中の女性の子宮体部ないし子宮下部の裂傷をいいます。
分娩時の腹圧に耐え切れずに起こることがほとんどです。
発生頻度は全分娩の0.05〜0.1%と稀な疾患ですが、発症すると母児ともに重篤な状態に陥りに緊急治療が必要な状態になります。
母体の死亡率が0.2~30%、胎児の死亡率は50~75%という、極めて深刻な裂傷です。
子宮破裂は、一度帝王切開をしたことによって子宮壁の薄い部分ができ、陣痛による破裂が原因で引き起こされます。
そのため1人目が帝王切開の場合、2人目以降の普通分娩はしないことが推奨されています。
2人目・3人目を考えているなら、子宮の切り方に注意
帝王切開時の子宮へのメスの入れ方によっても、リスクが変わるといわれています。
・横切開 皮膚表面の傷跡が目立ちにくいが、癒着しやすい。
・縦切開 皮膚表面に傷跡が残りやすいが、癒着しにくい。
2人目・3人目を考えている場合は、癒着が起こりにくい「縦切開」がおすすめです。
病院によっては切り方を相談できるところもあるため、医師と相談してみてくださいね。
帝王切開で2人目・3人目を産むときは、どれぐらい間隔をあけるべき?
妊娠中に赤ちゃんを育てるために大きく変化していた子宮などの臓器やホルモンバランスは、少しずつ時間をかけて元の状態に戻っていきます。
帝王切開の場合に限らず、産後は子宮やからだの回復のために十分な時間が必要です。帝王切開の場合、傷口の治癒にも時間がかかります。
お腹の傷だけでなく、子宮にも切開した傷ができています。
帝王切開で2、3人目の妊娠を考えるなら「最低1年」は期間をあけるのが目安とされています。
帝王切開で2人目・3人目を産むと、術後の痛みや後陣痛はひどい?
帝王切開では術後の痛みも不安要素ですよね。
経膣分娩でも起こる後陣痛にくわえて、帝王切開の場合はおなかを切開した傷の痛みもあり、産後は痛みが強くなる傾向です。
また後陣痛は、と出産の回数を重ねるほど痛みを強く感じるといわれています。
【体験談】5人の子供を5回の帝王切開で産んだ妊婦さんの話
私には、5人の子供がいます。
全員を帝王切開で産みました。
そんな私の帝王切開の体験談をお話しします。
初めての出産は緊急帝王切開
予定日が近づいたころ、出血がありました。
出産のおしるしなのか分からず、不安もあったので、産院に向かい診察してもらうことに。
そこで健診時には分からなかった「胎盤剥離」によって、羊水が出血で濁っていること、胎盤が半分剥がれ胎児に栄養と酸素が半分しか届いていないことを伝えられました。
赤ちゃんが破水して知らせてくれたので、赤ちゃんも私も大事には至らずにいられると教えて貰いました。
『緊急帝王切開で、赤ちゃんを誕生させます』との先生の言葉に、初めての出産が帝王切開になるとは、思っていなかったこともあり、不安で涙を流しました。
里帰り出産で実家に戻って間もないときであり、まだ出産準備もしていなかったことも不安のひとつでした。
一刻も早く「帝王切開を」と言われるがままに手術室に行ったことを覚えています。
そして、出産。
その後、赤ちゃんを総合病院に搬送するために、救急車が産院前に待機していました。
無事に帝王切開で赤ちゃんが誕生し、一瞬だけ顔を見たのですが、すぐに救急車に運ばれました。
帝王切開に回数制限はない?
初めての出産が帝王切開だったので、二人目以降も帝王切開だと先生から説明がありました。
二人目に通常分娩する方もいるようですが、リスクがあるので当院では帝王切開だと。
雑誌や帝王切開された方のお話では、「帝王切開は3回まで」と聞いていましたが、私が出産した産院では、何度でも大丈夫と聞いて驚いたことを覚えています。
私の場合、帝王切開の際は下半身麻酔ではなく、硬膜外鎮痛による帝王切開でした。それは無痛分娩の方法です。
硬膜外鎮痛は無痛分娩の方法です。
それを聞いて、今後妊娠しても何度でも帝王切開ができると安心しました。
1年3か月後、2人目を帝王切開で出産
一人目を出産した1年3ヶ月後に、二人目を帝王切開で出産しました。
二人目のときは緊急帝王切開ではなかったので、心の準備と気持ちの整理があり、手術中も先生や看護師さんと会話したのを覚えています。
手術して数時間後には、体力回復のために歩き、母子同室で赤ちゃんと一緒にいました。
それからも3度の帝王切開を経験し、回数を重ねるごとに余裕がでてきました。
帝王切開の傷跡は10センチ程しか無くてほとんど目立ちません。
帝王切開でも出産の大変さは同じ
帝王切開なので、陣痛の痛さを経験していませんが、子宮内で育て、出産し、育児することには変わりなく、出産の大変さは同じだと思っています。
妊娠・出産・子育てには1人1人のプロセスがあり、帝王切開を経験した方でも1人1人さまざまなことがあります。
これから出産される方へ、少しでも私の経験で勇気と元気を与えられたら嬉しいです。
まとめ
帝王切開で出産した人は子宮破裂のリスクが高くなるため、2人目以降の普通分娩はしないことが推奨されています。
また、帝王切開ができるのは、一般的に「3回まで」といわれています。
帝王切開は、子宮を切開するため、安全を考え次の妊娠まで「最低1年」は期間をあけるのが目安とされています。
後陣痛の痛みは2人目、3人目と出産回数が増えるたびに強くなっていきます。
帝王切開の場合、傷の痛みがプラスされるため、2人目、3人目の後陣痛がつらいと感じる方も多いようです。
チャンスは出産時の一度きり。赤ちゃんの将来の安心に備えるさい帯血保管とは
うまれてくる赤ちゃんのために、おなかに赤ちゃんがいる今しか準備できないことがあるのをご存知ですか?
それが「さい帯血保管」です。
さい帯血とは、赤ちゃんとお母さんを繋いでいるへその緒を流れている血液のことです。この血液には、「幹細胞」と呼ばれる貴重な細胞が多く含まれており、再生医療の分野で注目されています。
このさい帯血は、長期にわたって保管することができ、現在は治療法が確立していない病気の治療に役立つ可能性を秘めています。保管したさい帯血が、赤ちゃんやご家族の未来を変えるかもしれません。
しかし採取できるのは、出産直後のわずか数分間に限られています。採血と聞くと痛みを伴うイメージがあるかと思いますが、さい帯血の採取は赤ちゃんにもお母さんにも痛みはなく安全に行うことができます。
民間さい帯血バンクなら、赤ちゃん・家族のために保管できる
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一方民間バンクでは、赤ちゃん自身やそのご家族の将来のために保管できます。現在治療法が確立されていない病気に備える保険として利用できるのが、この民間さい帯血バンクです。
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さい帯血を保管した人の声
■出産の時だけのチャンスだから(愛知県 美祐ちゃん)
■さい帯血が本当の希望になりました(東京都 M・Y 様)
※ほかの保管者からの声はこちら
さい帯血保管は、赤ちゃんへの「愛」のプレゼント。
赤ちゃんに会えるまでのもう少しの期間、ぜひ少しでも快適に、幸せな気持ちで過ごしてくださいね。
▼さい帯血保管について、もっと詳しく
この記事の監修者
坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー