陣痛にはテニスボールが効果的!理由や使用するときの3ポイントも紹介

記事監修者:坂田陽子
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

陣痛が起こったときは、テニスボールの使用が効果的だと聞いたことはありませんか。
テニスボールを使うと「いきみ逃がし」が楽になるのです。
いきみ逃がしとは、子宮口が開ききる前のいきみを防ぐことをさします。
この記事では主に、以下のような内容を解説していきます。
- 陣痛にテニスボールの使用が効果的な理由
- テニスボールの効果的な使用方法
- テニスボールの代わりに使えるもの
私の場合、陣痛中はテニスボールが大活躍しました。
この記事を読むと、テニスボールの効果的な使い方がわかり、無事に出産を終えられるようになりますよ。
陣痛中にテニスボールを使用する理由【いきみ逃がしに効果的】
陣痛のスタートは生理痛程度の痛みから始まることが多く、お産が進んでいくにつれ、痛みは強くなっていきます。そして赤ちゃんが下がってくることで、痛みにくわえて、排便する際の踏ん張りたくなるような「いきみたい感覚」をおぼえるようになります。
しかし子宮の出口が広がりきる前にいきんでしまうと、産道(子宮頸管や腟)がむくんだり、傷ついたりしてしまう可能性があるのです。胎児にも余計なストレスがかかり、お産が長くなるリスクもあるため、いきみたい感覚をやり過ごす必要があります。
いきみたい感覚をやり過ごすことを「いきみ逃し」というのです。そこで活躍するのがテニスボール。テニスボールを使って、腰やお尻の辺りを押すことで、陣痛の強い痛みを和らげたり、いきみ逃しをしやすくなったりします。
陣痛で効果的にテニスボールを使う【3ポイント】
陣痛の際にテニスボールを使うときのポイントは以下の3つ
- 呼吸に合わせて押す
- 押す場所や力加減
- 硬式のテニスボールを使う
順番に内容を解説していきます。
ポイント1:呼吸に合わせて押す
1回の陣痛が続く時間は約1分。陣痛中に約10秒のゆっくりとした呼吸を6回ほど繰り返せば乗り越えることができます。息を吐くタイミングで力いっぱいテニスボールを押してもらうことでお互いの力で効果的にいきみを逃しやすくなります。
ポイント2:押す場所や力加減を調整する
陣痛の際にご家族の方が一緒にいらっしゃる場合は、力のある人方にお願いしましょう。私が上の子を出産したときには、夫に立ち会ってもらい、テニスボールでお尻の穴を塞ぐようにグーッと力強く押してもらいました。
時によって押してもらいたい場所は変わるため、都度パートナーにどこを押してもらいたいか伝えましょう。
ポイント3:硬式のテニスボールを使う
軟式のテニスボールはとても柔らかいです。陣痛中の骨がきしむような痛みを外側から押して和らげることにはとても太刀打ちできません。硬度のある硬式テニスボールを使いましょう。
陣痛中にパートナーがいない場合の対処方法
あくまで私の場合ですが、パートナーがそばにいなかった時には、時代劇に出てくる忍者が片膝をついて城主に報告をするような体勢で、自分のかかとをぐりぐりとお尻に押しつけて、いきみ逃がしをしました。
一人いきみ逃がしには、この体勢がとても効果がありました。気になる方はぜひお試しください。なんのこっちゃという方は、テニスボールの上にそのまま座るのもおすすめです。
陣痛でテニスボールを使うときによくある質問2点
陣痛の際に使うテニスボールについて、よくある質問をまとめました。
質問1:テニスボールは何個必要?
・基本的には1個で大丈夫
・お尻の下に敷くだけでなく、腰を強くマッサージすることもできるので、2~3個用意するのもおすすめ
質問2:陣痛中のテニスボールの代わりになる物は?
ゴルフボール、野球の硬式ボールなどで代用できます。
しかし硬すぎるとお尻の骨や筋肉などを痛めるため、適度に柔らかいテニスボールが一番おすすめです。
【体験談】陣痛中のいきみ逃がしにテニスボールが大活躍
私の初産は、2日間にわたる長丁場でした。
陣痛がピークになっても子宮口がなかなか開かず、長時間いきみ逃がしをした経験があります。
体の内側から湧き出るような、下腹部を押し出す強い力。
それに伴い、尾てい骨が折れてしまうのではないかと思うほど、お尻を中から押されるような強い痛みがありました。
横になっても四つん這いになっても座っても、どんな体勢になっても痛みから逃げられず悶絶。
そんな私を見かねた助産師さんが、テニスボールを持ってきて、お尻の下に敷くことをすすめてくれました。
私の中でしっくりきた姿勢は、
1)大きなバランスボールにしがみつくように、背中を丸めて座る
2)お尻と床の間の、尾てい骨部分にテニスボールを敷く
3)痛みのピークにあわせて、フ―ッと大きく息を吐きながら、テニスボールに尾てい骨を強く押しあてる
この3ステップを試すようになってから、陣痛中の痛みをやり過ごすのがとても楽になりました。
あの長い陣痛をなんとか乗り越えられたのは、テニスボールのおかげといっても過言ではありません。
助産師さんや付き添いの家族が、腰を強くさすってくれる間は陣痛の痛みも少し楽でした。
しかし助産師さんも忙しく、家族も2日間ずっと腰をさすりつづけるわけにもいきません。
自分で陣痛の痛みの緩和やいきみ逃がしができるテニスボールは、私の出産にとってはとても役に立つグッズでした。
陣痛中のテニスボールの必要性は人それぞれ
陣痛中にテニスボールが必須なわけではありません。
妊娠も出産も子育ても、本当に人それぞれ。
陣痛中はテニスボールより、ゴルフボールのようにピンポイントで固く押してもらうほうがよい人もいれば、
付き添いの人の手の親指で、腰に近い背骨の両脇を押してもらうほうがよいという人も。
または手のひらを広げたパーの状態で肛門辺りを強く押してもらうことで楽になる人もいます。
また、押してもらうよりはさすってもらうのが良かったり、触られない方が良かったりする人もいます。そのためテニスボールを用意していても、まったく使わなかったということもありえるのです。
こればかりは陣痛が始まってみないとわかりません。
しかし小さなテニスボール1つで、陣痛が少しでも楽になる可能性があるのなら、陣痛バッグの隙間にしのばせておくと安心ですよね。
【テニスボール以外】陣痛におけるいきみ逃がしの対処方法2点
テニスボールや手を使う方法以外にも、いきみを効果的に逃がす方法を2点紹介します。
いくつかご紹介します。ただこれも先述した通り、人それぞれ個人で感じ方は異なるため、自分に合った方法を見つけていってくださいね。
対処方法1:お腹が楽な姿勢をとる
横向きや四つん這いになり、おなかに圧がかからない姿勢をとる方法です。
腹圧がかかるといきみが逃がしにくくなるため、内臓が圧迫されないよう、楽な姿勢をとるとよいでしょう。
大きなバランスボールや抱き枕など、体をゆったり預けられるものに、もたれかかるのもおすすめですよ。
対処方法2:呼吸を意識する
いきみたくなったら、ゆっくり長く深呼吸をしてみてください。
とくに吐く息の方を意識して、長くしてみましょう。
自分の呼吸に意識を向けることで、いきみたいという気持ちも薄れていきます。
長く息を吐くといきんでしまう場合は、力強く短く吐く呼吸に変えてみるといきみを逃がせるでしょう。
まとめ
お産の進み方は人それぞれです。しかしもうすぐ産まれるという時の痛みは多くの女性にとって耐えがたいものです。
骨がきしむような痛みについいきみたくなってしまうかもしれませんが、赤ちゃんのためお母さんの体のために子宮口全開までいきみ逃しをすること必要です。
もしも楽に感じるのであれば、内側からの圧に対抗するため、立ち会っている方にテニスボールで力強く押し返してもらいましょう。
ここまでくれば赤ちゃんに会えるまでもうすぐです。
赤ちゃんの未来に備える「さい帯・さい帯血保管」を考えてみませんか?
赤ちゃんとお母さんをつなぐ、「へその緒(さい帯)」と、その中を流れる血液「さい帯血」には、体を作るためのもととなる貴重な「幹細胞」が多く含まれていて、赤ちゃんやご家族の将来に備えて長期的に凍結保管することができます。
幹細胞は新しい医療への活用が進められており、もしもの時に役立てられる可能性があります。
- 出産後わずか数分の間にしか採取できない貴重な赤ちゃんのものです。
- 採取の際、お母さんと赤ちゃんに痛みや危険はありません。
- どちらにも幹細胞がたくさん含まれています。
- 再生医療分野など、さまざまな活用が進んでいます。
- それぞれ異なる幹細胞が含まれているため、両方を保管しておくことで将来の利用の選択肢が広がります。
実際に保管・利用した方のお声
出産時にしか採取できない「さい帯血」を、脳性まひのお子さまに対して臨床研究で使用された方のお声をご紹介します。

高知大学の臨床研究で
さい帯血投与を受けたお子さま
さい帯血を保管して
本当に良かったと思っています
元気に産まれたと思っていましたが、生後半年頃から左手をほとんど使おうとしないことに気付き、1歳頃にやはり何かおかしいと思ってMRIを撮ってもらうことにしました。結果1歳5ヶ月で脳性まひとわかりました。
2歳の誕生日にステムセルからハガキが届き、出産時に保管したさい帯血がもしや役に立つのではと思い至りステムセルに問い合わせました。ちょうど臨床試験への参加者を募集していて、運よく2歳5ヶ月のときに参加することができました。
輸血前は左手と左足に麻痺があり、歩けてはいるものの、とても転びやすく、少し歩いては転びを繰り返していました。しかし輸血後、翌日には転ぶ回数が減り、おもちゃを両手で掴めるようになって驚きました。その後もリハビリも継続し、完治したわけではありませんがかなり麻痺が軽くなったように思います。
現在、地域の小学校の普通級に集団登校で通えています。
まさか我が子がさい帯血を使って治療をすることになるとは思っていませんでしたが、保険のつもりでさい帯血を保管しておいて本当に良かったと思います。
さい帯・さい帯血を利用した再生医療の研究が、今まさに国内外で進んでいます。
その他のお声は公式サイトからご覧いただけます。
医師からのメッセージ

総合母子保健センター
愛育病院 病院長
百枝幹雄 先生
応用範囲が広がる
「さい帯・さい帯血」による再生医療
近年、めざましく進歩している再生医療のなかで、さい帯やさい帯血の幹細胞を利用する技術の最大の特徴は、通常は破棄してしまうけれども実はとてもポテンシャルの高い出生時の幹細胞を活用するという点です。
これまで有効性が示されている白血病、脳性まひ、自閉症のほかにも様々な疾患に対して臨床研究が進んでいますし、民間のバンクではご家族への利用も可能になりつつありますので、今後はますます応用範囲が広がることが期待されます。
一方、忘れてはならないのは必要になるまで幹細胞を長期間安全に保管するには信頼できる設備と技術が必要だということで、それにはそれなりのコストがかかります。
コスト・ベネフィットのとらえ方は人それぞれですが、お子様とご家族の将来を見据えてベネフィットが大きいとお考えの方には、信頼できる施設へのさい帯やさい帯血の保管は十分価値のある選択肢だと思います。
さい帯・さい帯血についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
保管するなら、ステムセル研究所の「HOPECELL(ホープセル)」
株式会社ステムセル研究所が提供する「さい帯・さい帯血ファミリーバンクHOPECELL(ホープセル)」は、日本国内で最も選ばれている保管サービスです。
ステムセル研究所は、25年以上の保管・運営実績がある日本初のさい帯血バンクで、国内最多となる累計80,000名以上のさい帯血を保管しています。

研究所

研究所
国内では脳性まひに対する、赤ちゃんご自身やごきょうだいのさい帯血投与の研究が行われています。海外の臨床研究では、投与により運動機能および脳神経回路の改善が報告されています。また自閉症スペクトラム障害(ASD)に対して、さい帯血の投与によりコミュニケーション能力や社会への順応性が向上する可能性が期待されており、大阪公立大学にてお子さまご自身のさい帯血を投与する臨床研究が開始されます。

研究所
無料パンフレットをお送りします!
さい帯・さい帯血保管についてより詳しく知っていただけるパンフレットをご自宅へお送りします。
赤ちゃんの将来に備える「さい帯・さい帯血保管」をぜひ妊娠中にご検討ください。

この記事の監修者
坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー