陣痛を明るく考えてみませんか?

記事監修者:坂田陽子
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

陣痛の始まり
私は長男を出産した際、陣痛から出産まで2日ほどかかりましたので、10年経過した現在でも鮮明に記憶に残っています。
私が、陣痛のような痛みを感じたのは、出産日前々日の夜でした。下腹部が、何となくズキズキ痛いような違和感を感じました。妊娠後期に経験したお腹が張る感覚にも似ていた為、「ただの張り?もしくは、こっ、これが陣痛?」と自問自答する時間が続きました。陣痛のことは、母親学級や本などでイメージしていたつもりですが、どれも当てはまるような、当てはまらないような、確固たる自信はありませんでした。予定日まで、あと1週間と迫っていたので、いつ陣痛が始まってもおかしくなかった為、緊張が高まるなか病院に電話して確認することにしました。助産師さんからは、「まだはっきりと陣痛といえるか分からないが、自宅から病院までが車で1時間ほどかかるため、念のため病院に来るように」とのことでした。30分ほどで支度を整え、準備しておいた入院セット、臍帯血保管の為に必要なアイスノン・保冷ボックスセットも忘れずに持ち、雨の降る夜中、車に乗り込みました。
音楽どころじゃない!?迫りくる眠気と痛み
病院につくと、最初は無事到着したことに安心していました。夫が用意しておいてくれたリラックス用のCDをかけて過ごし、気持ちにも余裕がありました。そのうち、当初は陣痛かどうかも分からない状況でしたが、やはり規則的な陣痛になってきました。呼吸法を実践したり、飲み物を飲んだりしながら、陣痛を実感していました。
しかし、このCDの同じ曲、3回きいてない?って思う頃、(たぶん3時間くらい経過した頃です)眠気と痛みでもう音楽どころではありませんでした。夫は、出産の本を片手に、もうすぐ陣痛の間隔が短くなる!もうすぐ出産だ!と語気を強めていました。しかし、夫も励まし疲れて本を片手に仮眠に入りました。
陣痛は、しばらくは順調な間隔だったと思うのですが、半日経過したあたりで、ついに陣痛が弱くなってしまったのです。どうやら私の体力も限界に達しつつあったのです。
この間に、遠く離れた実家の両親や祖母も飛行機や電車で駆けつけてくれました。
極限の疲れの中で、私は何度となく語りかけました。「お腹の赤ちゃん、もう少しまだお腹の中にいたいのかな?そろそろ出てこない?みんな待っているよ。」
医師の判断で、少し仮眠をとり休憩することになりました。体力を回復させた後、陣痛が弱くなったため、薬で誘発してもう一度がんばることになりました。
とにかく、元気な赤ちゃんに会いたい!頑張ろう!この気持ちでもう一度仕切り直しです。
陣痛を超えて得られて、今まで感じたことのない幸せ
最初の陣痛を参考に、陣痛が強くなるタイミングでは、呼吸法でしのぐ、陣痛が弱い間は、少し歩いたり、飲み物を飲んで強い陣痛に備えるという自分なりの作戦も編み出しました。
さぁ、いよいよ短い間隔の陣痛がやってきました。腰の痛みのようなものを感じました。
医師からも促され、「これが人生修行!」と母に背中をおされて分娩室に向かいました。分娩室の扉を開けるまでが、非常に長かったので、やっとこの部屋に入れるという安堵感さえありました。分娩室では、陣痛にかわり「いきみ」が必要になりました。助産師さん、医師の言葉で、いきむ方法などはスムーズだったと思います。
分娩台にいた時間は、それまでの陣痛に比べると僅かなものに感じました。
赤ちゃん、かわいい!!生まれた瞬間にそれまで感じたことのない幸せを感じました。
同時にそれまで支えてくださった医療関係者のみなさんと、家族へ感謝の気持ちでいっぱいでした。私は、気持ちが興奮していましたが、立会い分娩した夫は、へその緒を確認し、「臍帯血の採取を確認したよ」と知らせてくれ、一安心しました。
こうして私は、最初の陣痛より2日を経て、長男を無事に出産しました。
私は、痛みに対して敏感な性格、人一倍怖がりな性格です。陣痛に対しても、痛みを伴うことをとても恐れていました。
確かに、陣痛は経験したことのない痛みを伴います。しかし、それは赤ちゃんにもうすぐ会えるサインだと、強く思うことで、陣痛を前向きなイメージにすることができると思います。そして、陣痛という痛みの中でも赤ちゃんに話しかける、あぁ赤ちゃんも頑張ってると思うと、どこからかパワーで出てくるはずです。
子育てをしていると、その日のいろいろな出来事に追われて、陣痛について思い出す機会も減っております。しかし、この日の出来事と比較したら、何てことない!あんな大変な陣痛を乗り切ったんだから、大丈夫!と自分を強くする経験になったことは間違えありません。言うならば、赤ちゃんが私にプレゼントしてくれた、母親としての私を強くさせてくれるための最初の経験かもしれません。
長女の時は、予定日通りの出産で、陣痛も半日足らずで、長男の時とは異なりました。 ですから、一つとして同じ出産までの道のりはないかともいますが、例え長い陣痛になっても、きっとそれは、人生を強くさせてくれると思います。
これからご出産されるみなさん、陣痛を明るく考えてみませんか?
みなさん、お身体を大切に、良いお産を迎えられますようお祈り申し上げます。
赤ちゃんの未来に備える「さい帯・さい帯血保管」を考えてみませんか?
赤ちゃんとお母さんをつなぐ、「へその緒(さい帯)」と、その中を流れる血液「さい帯血」には、体を作るためのもととなる貴重な「幹細胞」が多く含まれていて、赤ちゃんやご家族の将来に備えて長期的に凍結保管することができます。
幹細胞は新しい医療への活用が進められており、もしもの時に役立てられる可能性があります。
- 出産後わずか数分の間にしか採取できない貴重な赤ちゃんのものです。
- 採取の際、お母さんと赤ちゃんに痛みや危険はありません。
- どちらにも幹細胞がたくさん含まれています。
- 再生医療分野など、さまざまな活用が進んでいます。
- それぞれ異なる幹細胞が含まれているため、両方を保管しておくことで将来の利用の選択肢が広がります。
実際に保管・利用した方のお声
出産時にしか採取できない「さい帯血」を、脳性まひのお子さまに対して臨床研究で使用された方のお声をご紹介します。

高知大学の臨床研究で
さい帯血投与を受けたお子さま
さい帯血を保管して
本当に良かったと思っています
元気に産まれたと思っていましたが、生後半年頃から左手をほとんど使おうとしないことに気付き、1歳頃にやはり何かおかしいと思ってMRIを撮ってもらうことにしました。結果1歳5ヶ月で脳性まひとわかりました。
2歳の誕生日にステムセルからハガキが届き、出産時に保管したさい帯血がもしや役に立つのではと思い至りステムセルに問い合わせました。ちょうど臨床試験への参加者を募集していて、運よく2歳5ヶ月のときに参加することができました。
輸血前は左手と左足に麻痺があり、歩けてはいるものの、とても転びやすく、少し歩いては転びを繰り返していました。しかし輸血後、翌日には転ぶ回数が減り、おもちゃを両手で掴めるようになって驚きました。その後もリハビリも継続し、完治したわけではありませんがかなり麻痺が軽くなったように思います。
現在、地域の小学校の普通級に集団登校で通えています。
まさか我が子がさい帯血を使って治療をすることになるとは思っていませんでしたが、保険のつもりでさい帯血を保管しておいて本当に良かったと思います。
さい帯・さい帯血を利用した再生医療の研究が、今まさに国内外で進んでいます。
その他のお声は公式サイトからご覧いただけます。
医師からのメッセージ

総合母子保健センター
愛育病院 病院長
百枝幹雄 先生
応用範囲が広がる
「さい帯・さい帯血」による再生医療
近年、めざましく進歩している再生医療のなかで、さい帯やさい帯血の幹細胞を利用する技術の最大の特徴は、通常は破棄してしまうけれども実はとてもポテンシャルの高い出生時の幹細胞を活用するという点です。
これまで有効性が示されている白血病、脳性まひ、自閉症のほかにも様々な疾患に対して臨床研究が進んでいますし、民間のバンクではご家族への利用も可能になりつつありますので、今後はますます応用範囲が広がることが期待されます。
一方、忘れてはならないのは必要になるまで幹細胞を長期間安全に保管するには信頼できる設備と技術が必要だということで、それにはそれなりのコストがかかります。
コスト・ベネフィットのとらえ方は人それぞれですが、お子様とご家族の将来を見据えてベネフィットが大きいとお考えの方には、信頼できる施設へのさい帯やさい帯血の保管は十分価値のある選択肢だと思います。
さい帯・さい帯血についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
保管するなら、ステムセル研究所の「HOPECELL(ホープセル)」
株式会社ステムセル研究所が提供する「さい帯・さい帯血ファミリーバンクHOPECELL(ホープセル)」は、日本国内で最も選ばれている保管サービスです。
ステムセル研究所は、25年以上の保管・運営実績がある日本初のさい帯血バンクで、国内最多となる累計80,000名以上のさい帯血を保管しています。

研究所

研究所
国内では脳性まひに対する、赤ちゃんご自身やごきょうだいのさい帯血投与の研究が行われています。海外の臨床研究では、投与により運動機能および脳神経回路の改善が報告されています。また自閉症スペクトラム障害(ASD)に対して、さい帯血の投与によりコミュニケーション能力や社会への順応性が向上する可能性が期待されており、大阪公立大学にてお子さまご自身のさい帯血を投与する臨床研究が開始されます。

研究所
無料パンフレットをお送りします!
さい帯・さい帯血保管についてより詳しく知っていただけるパンフレットをご自宅へお送りします。
赤ちゃんの将来に備える「さい帯・さい帯血保管」をぜひ妊娠中にご検討ください。

この記事の監修者
坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー