陣痛とはどんな痛み?特徴や対処法など基礎知識を解説

記事監修者:助産師 坂田陽子 先生
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

「陣痛って、どんな感じなんだろう?」
「陣痛に備えて基礎知識を備えておきたい」
「陣痛の痛みに耐えられるかな…」
出産をひかえた妊婦さんであれば、誰もが抱く不安でしょう。
陣痛は出産につながる現象であり、初めての経験だと戸惑うことも多いもの。
しかし陣痛について正しい知識をもっていれば、心の準備もできて安心して出産に臨めるはずです。
そこで本記事では、以下のような陣痛についての基礎知識を解説していきます。
・陣痛の定義や役割
・陣痛の種類と特徴
・陣痛の間隔と持続時間
この記事を読むと、陣痛への不安がやわらぐため、落ち着いて出産に向き合えるようになりますよ。
陣痛とは子宮が収縮すること
陣痛とは、胎児を子宮から外へ押し出すために起こる子宮の収縮をさします。
具体的には、「10分間隔以内の規則的な子宮収縮で、痛みを伴うもの」と定義されています(※1)。
陣痛は体内で分泌されるホルモンのバランスの変化や、胎児の成長とともに分泌されるホルモンが影響しており、具体的には以下のプロセスで引き起こされます。
1.オキシトシンとプロスタグランジンの分泌増加
2.子宮筋の収縮
3.子宮頸部の軟化と開大
また陣痛は単に痛みを伴う現象ではなく、出産において重要な役割も。
具体的には、
・陣痛によって子宮口が徐々に開き、胎児が産道を通れるようにする
・陣痛は出産後の子宮収縮を促し、過度の出血を防ぐ
など重要な役割を果たしているのです。
(※1)出典:独立行政法人 労働者健康安全機構 関西ろうさい病院「第19回関西ろうさい病院市民公開講座を開催しました③」
3種類の陣痛とその特徴
陣痛には以下3つの種類があり、それぞれ異なる特徴と役割があります。
・前駆陣痛
・本陣痛
・後陣痛
順番に見ていきましょう。
前駆陣痛
前駆陣痛は、本格的な陣痛の前に現れる不規則な子宮収縮で、おもな特徴は以下のとおりです。
・不規則にお腹が張る
・軽度の生理痛のような痛み
・持続時間は短く、しばらくすると消える
前駆陣痛は母体の子宮や子宮頸管を柔らかくする準備段階とも考えられています。
本陣痛
本陣痛は分娩の開始を示す陣痛で、おもな特徴は以下のとおりです。
・規則的な間隔で起こる(約10分ごと)
・痛みが徐々に強くなり、間隔も短くなる
・子宮口の開大を促進する
本陣痛が始まると分娩が進行して、胎児の誕生へとつながります。
下記では出産時の痛みについて、体験談も踏まえてくわしく紹介しています。
気になる人は参考にしてくださいね。
陣痛
後陣痛は、妊娠で大きくなった子宮が元の大きさに戻る過程で発生する子宮収縮をさし、以下のような特徴があります。
・産後2~3日目がピーク(※2)
・経産婦のほうが痛みを強く感じる場合が多い
後陣痛には、出産で傷ついた血管をふさいで止血し、子宮の回復を促す重要な役割があります。
後陣痛の痛み方や対処について、くわしく知りたい人は下記を参考にしてください。
(※2)出典:杏林大学|Hello Baby「出産・産後編」
陣痛の間隔と持続時間
陣痛は
・陣痛開始から子宮口全開になるまで(分娩第1期)
・子宮口全開から胎児娩出まで(分娩第2期)
に分かれ、それぞれ間隔や持続時間が異なります。
分娩時期 | 分娩第1期 | 分娩第2期 |
所要時間 | ・初産婦:10~12時間 ・経産婦:4~6時間 |
・初産婦:2~3時間 ・経産婦:30分~1時間 |
陣痛の間隔 | 最初は約10分間隔で徐々に短くなる | 1~3分 |
陣痛の持続時間 | 最初は30~45秒で徐々に長くなる | 60~90秒 |
出典:西宮市保健所地域保健課「マザークラス」(令和6年3月)
陣痛の痛み方や対処法について知りたい人は、下記を参考にしてくださいね。
きっと陣痛をイメージできるようになりますよ。
陣痛が始まるタイミングは個人差あり
陣痛が始まるタイミングは人それぞれであり、明確な時期は示せません。
しかし陣痛が始まる兆候として、以下のような症状が現れる場合があります。
・お腹の張り
・おりものの増加
・腰痛や恥骨の痛み
・頻尿
・おしるし
・破水
「おしるし」「破水」は、陣痛よりもあとに起こったり、見られない場合もあるため過信しないようにしましょう。
陣痛が起こる前までに準備したいこと
陣痛が起こると、自分の思うように動けなくなるもの。
事前に以下にあげた準備をしておくと安心です。
準備項目 | 詳細 |
病院までの経路確認 | 複数の交通機関やルートを把握しておく |
呼吸法やリラックス法の練習 | 事前に練習しておくと本番で役立つ |
陣痛・入院バッグの準備 | 必要な衣類や衛生用品の用意 |
「陣痛・入院バッグってなに?」
「ほかになにを入れたらいいの?」
という疑問がある人は、下記も参考にしてください。
きっと安心して陣痛に備えられるようになりますよ。
陣痛に関するQ&A
ここでは陣痛について、よくある3つの質問をまとめました。
順番に見ていきましょう。


また上の子がいる場合には預け先への連絡や送り迎えなどをしてもらいましょう。
立会い分娩の場合は、妊婦さんが安心できるよう声をかけたり、水分補給を促す、マッサージを行う、などサポートをしてもらいましょう。

自宅から病院までの距離や妊娠経過によって病院へ行くタイミングはことなるため、病院の指示に従いましょう。

まとめ
陣痛とは、出産に向けて重要な役割を果たす子宮の収縮です。
前駆陣痛、本陣痛、後陣痛の3種類があり、それぞれ特徴が異なります。
陣痛開始のタイミングは人それぞれですが、お腹の張りやおりものの増加などの兆候が現れる場合も。
また陣痛に備えて、
・病院までの交通機関や経路確認
・呼吸法の練習
・入院バッグの準備
などを事前に行っておくとがよいでしょう。
今回紹介した内容を踏まえて、陣痛を乗り越えましょう。
赤ちゃんの未来に備える「さい帯・さい帯血保管」を考えてみませんか?
赤ちゃんとお母さんをつなぐ、「へその緒(さい帯)」と、その中を流れる血液「さい帯血」には、体を作るためのもととなる貴重な「幹細胞」が多く含まれていて、赤ちゃんやご家族の将来に備えて長期的に凍結保管することができます。
幹細胞は新しい医療への活用が進められており、もしもの時に役立てられる可能性があります。
- 出産後わずか数分の間にしか採取できない貴重な赤ちゃんのものです。
- 採取の際、お母さんと赤ちゃんに痛みや危険はありません。
- どちらにも幹細胞がたくさん含まれています。
- 再生医療分野など、さまざまな活用が進んでいます。
- それぞれ異なる幹細胞が含まれているため、両方を保管しておくことで将来の利用の選択肢が広がります。
実際に保管・利用した方のお声
出産時にしか採取できない「さい帯血」を、脳性まひのお子さまに対して臨床研究で使用された方のお声をご紹介します。

高知大学の臨床研究で
さい帯血投与を受けたお子さま
さい帯血を保管して
本当に良かったと思っています
元気に産まれたと思っていましたが、生後半年頃から左手をほとんど使おうとしないことに気付き、1歳頃にやはり何かおかしいと思ってMRIを撮ってもらうことにしました。結果1歳5ヶ月で脳性まひとわかりました。
2歳の誕生日にステムセルからハガキが届き、出産時に保管したさい帯血がもしや役に立つのではと思い至りステムセルに問い合わせました。ちょうど臨床試験への参加者を募集していて、運よく2歳5ヶ月のときに参加することができました。
輸血前は左手と左足に麻痺があり、歩けてはいるものの、とても転びやすく、少し歩いては転びを繰り返していました。しかし輸血後、翌日には転ぶ回数が減り、おもちゃを両手で掴めるようになって驚きました。その後もリハビリも継続し、完治したわけではありませんがかなり麻痺が軽くなったように思います。
現在、地域の小学校の普通級に集団登校で通えています。
まさか我が子がさい帯血を使って治療をすることになるとは思っていませんでしたが、保険のつもりでさい帯血を保管しておいて本当に良かったと思います。
さい帯・さい帯血を利用した再生医療の研究が、今まさに国内外で進んでいます。
その他のお声は公式サイトからご覧いただけます。
医師からのメッセージ

総合母子保健センター
愛育病院 病院長
百枝幹雄 先生
応用範囲が広がる
「さい帯・さい帯血」による再生医療
近年、めざましく進歩している再生医療のなかで、さい帯やさい帯血の幹細胞を利用する技術の最大の特徴は、通常は破棄してしまうけれども実はとてもポテンシャルの高い出生時の幹細胞を活用するという点です。
これまで有効性が示されている白血病、脳性まひ、自閉症のほかにも様々な疾患に対して臨床研究が進んでいますし、民間のバンクではご家族への利用も可能になりつつありますので、今後はますます応用範囲が広がることが期待されます。
一方、忘れてはならないのは必要になるまで幹細胞を長期間安全に保管するには信頼できる設備と技術が必要だということで、それにはそれなりのコストがかかります。
コスト・ベネフィットのとらえ方は人それぞれですが、お子様とご家族の将来を見据えてベネフィットが大きいとお考えの方には、信頼できる施設へのさい帯やさい帯血の保管は十分価値のある選択肢だと思います。
さい帯・さい帯血についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
保管するなら、ステムセル研究所の「HOPECELL(ホープセル)」
株式会社ステムセル研究所が提供する「さい帯・さい帯血ファミリーバンクHOPECELL(ホープセル)」は、日本国内で最も選ばれている保管サービスです。
ステムセル研究所は、25年以上の保管・運営実績がある日本初のさい帯血バンクで、国内最多となる累計80,000名以上のさい帯血を保管しています。

研究所

研究所
国内では脳性まひに対する、赤ちゃんご自身やごきょうだいのさい帯血投与の研究が行われています。海外の臨床研究では、投与により運動機能および脳神経回路の改善が報告されています。また自閉症スペクトラム障害(ASD)に対して、さい帯血の投与によりコミュニケーション能力や社会への順応性が向上する可能性が期待されており、大阪公立大学にてお子さまご自身のさい帯血を投与する臨床研究が開始されます。

研究所
無料パンフレットをお送りします!
さい帯・さい帯血保管についてより詳しく知っていただけるパンフレットをご自宅へお送りします。
赤ちゃんの将来に備える「さい帯・さい帯血保管」をぜひ妊娠中にご検討ください。

この記事の監修者
助産師 坂田陽子 先生
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー