陣痛が遠のいてしまったら・・・ 微弱陣痛の対処法

記事監修者:助産師 坂田陽子 先生
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

本格的な陣痛が始まったと思ったのに、陣痛が遠のいてしまった・・・
陣痛が始まり、分娩開始となった場合でも「微弱陣痛」と呼ばれ、陣痛が遠のく場合があります。どのように対応すれば、乗り切れるのでしょうか?
私も初産の時に微弱陣痛を経験したことがありますので、体験談を交え、書かせていただきます。
微弱陣痛とは
微弱陣痛には、分娩開始からずっと陣痛が弱い「原発性微弱陣痛」と分娩の途中から痛みが遠のく「続発性微弱陣痛」があります。
原発性微弱陣痛の原因は、子宮筋腫や子宮奇形などの子宮の問題や羊水過多、胎位、精神的不安など、続発性微弱陣痛は、子宮の筋肉の疲労、産道のトラブル、胎児の姿勢、ママの疲労などといわれています。
今回は、続発性微弱陣痛のときの対応について、書かせていただきます。
微弱陣痛のときの対処法
医師・助産師さんのアドバイスが第一ですが、下記にある様々な方法で、陣痛を促進したり、増強させたりします。
①姿勢、動作で陣痛を刺激する
・椅子に座る、あぐら、四つん這いの姿勢をとってみる
同じ姿勢でいると、体が緊張して、血流も悪くなります。
いろいろな姿勢を試し、血流を改善させ、陣痛を増強させるきっかけを作りましょう。
また、ママが上半身を立てた状態でいることは、赤ちゃんを押し出そうとする力に赤ちゃんの重力が加わるため、赤ちゃんが下降しやすくなります。
・お部屋の中を歩く
立った状態で、適度な運動をすることで陣痛が促進されることがあります。
お部屋の中を行ったり来たり動く、廊下を歩く、階段を上り下りすることで、刺激が伝わることもあります。(転ばないように気をつけてください)
・ツボを押す
「三陰交」は、子宮を活性化し、安産や陣痛促進に効果があるツボといわれています。内くるぶしの高いところに小指をおき、指4本をそろえて、人差し指があたるところにあります。パパさんやご家族に押してもらうのも良いですね!
・温める
全身の血流が促進されることで骨盤内の血流も増え、陣痛が増強することもあります。私も、足湯をして温めてもらった経験がありますが、とてもホカホカと気持ちが良くなります。
②心と体の疲れをとり、再び陣痛に備える
・ママが疲労して体力の消耗を感じる時は、休憩をとり体力を回復させます。
体力回復の方法は、仮眠をとる、軽食をとる、水分をとるなどです。
私は数分での仮眠でも、随分楽になったのを覚えています。
・心理的にも、痛みに対してめげそうになります。深呼吸して、もうすぐ赤ちゃんに会える、赤ちゃんも頑張っていると、明るい気持を持ちましょう。仕切り直して、気持ちをリセットです!
③陣痛促進剤を使う場合も
状況によっては、陣痛促進剤を用いて、陣痛を再び軌道に乗るように処置してもらうこともあります。
微弱陣痛を経験して
長男を出産した際に微弱陣痛になり、陣痛を再び取り戻すために、陣痛促進剤を使った経験があります。
私の場合は、陣痛開始から、半日以上たったあたりで、疲労がピークになったことが、微弱陣痛の原因でした。
陣痛が夜間に起こったため、一睡もできないまま朝を迎えました。昼が来ても陣痛と闘っていました。そのうち、水を含んでも吐いてしまうほどの疲労が襲ってきました。
医師からも休憩を勧められ、仕切り直すことに・・・
数分ですが仮眠し、廊下を歩くなど、体を動かし、もう一度頑張ろう!と決心がつきました。そして、陣痛促進剤を点滴、再び陣痛の波がやってきました。
リセット後の陣痛は、再び陣痛が弱くならないように、部屋の中をぐるぐる歩いたり、陣痛がひいているタイミングで、少し食事をとったり、体力が落ちていかないように自分なりの工夫をしました。
気持ちの面でも、陣痛の波に乗り切ろう、赤ちゃんに会おうと、とにかく明るく考えることに徹しました。
こうして、最初の陣痛から2日以上かかって出産となりました。
まとめ
私は、もともと大変怖がりな性格(お化け屋敷には入れません)ということもあり、初産の時の陣痛に対する恐怖感はものすごいものでした。
今考えると、過度にマイナスのイメージを持っていたため、痛みを多く感じてしまったり、呼吸が浅くなって体が緊張してしまうことに繋がっていたのかもしれません。
また、陣痛は痛い、つらい時間とそうでない時間が交互にやってくるものです。その痛みのない時間に微弱陣痛時の対応として挙げた温める、体力を回復させる等、できることを具体的にイメージしておけば良かったとも思いました。
微弱陣痛の時でなくても、これらの対応は、陣痛と陣痛の合間にできることとして、ぜひお勧めさせていただきたく思います。
どうぞ、良い出産の時をお迎えください。
赤ちゃんの未来に備える「さい帯・さい帯血保管」を考えてみませんか?
赤ちゃんとお母さんをつなぐ、「へその緒(さい帯)」と、その中を流れる血液「さい帯血」には、体を作るためのもととなる貴重な「幹細胞」が多く含まれていて、赤ちゃんやご家族の将来に備えて長期的に凍結保管することができます。
幹細胞は新しい医療への活用が進められており、もしもの時に役立てられる可能性があります。
- 出産後わずか数分の間にしか採取できない貴重な赤ちゃんのものです。
- 採取の際、お母さんと赤ちゃんに痛みや危険はありません。
- どちらにも幹細胞がたくさん含まれています。
- 再生医療分野など、さまざまな活用が進んでいます。
- それぞれ異なる幹細胞が含まれているため、両方を保管しておくことで将来の利用の選択肢が広がります。
実際に保管・利用した方のお声
出産時にしか採取できない「さい帯血」を、脳性まひのお子さまに対して臨床研究で使用された方のお声をご紹介します。

高知大学の臨床研究で
さい帯血投与を受けたお子さま
さい帯血を保管して
本当に良かったと思っています
元気に産まれたと思っていましたが、生後半年頃から左手をほとんど使おうとしないことに気付き、1歳頃にやはり何かおかしいと思ってMRIを撮ってもらうことにしました。結果1歳5ヶ月で脳性まひとわかりました。
2歳の誕生日にステムセルからハガキが届き、出産時に保管したさい帯血がもしや役に立つのではと思い至りステムセルに問い合わせました。ちょうど臨床試験への参加者を募集していて、運よく2歳5ヶ月のときに参加することができました。
輸血前は左手と左足に麻痺があり、歩けてはいるものの、とても転びやすく、少し歩いては転びを繰り返していました。しかし輸血後、翌日には転ぶ回数が減り、おもちゃを両手で掴めるようになって驚きました。その後もリハビリも継続し、完治したわけではありませんがかなり麻痺が軽くなったように思います。
現在、地域の小学校の普通級に集団登校で通えています。
まさか我が子がさい帯血を使って治療をすることになるとは思っていませんでしたが、保険のつもりでさい帯血を保管しておいて本当に良かったと思います。
さい帯・さい帯血を利用した再生医療の研究が、今まさに国内外で進んでいます。
その他のお声は公式サイトからご覧いただけます。
医師からのメッセージ

総合母子保健センター
愛育病院 病院長
百枝幹雄 先生
応用範囲が広がる
「さい帯・さい帯血」による再生医療
近年、めざましく進歩している再生医療のなかで、さい帯やさい帯血の幹細胞を利用する技術の最大の特徴は、通常は破棄してしまうけれども実はとてもポテンシャルの高い出生時の幹細胞を活用するという点です。
これまで有効性が示されている白血病、脳性まひ、自閉症のほかにも様々な疾患に対して臨床研究が進んでいますし、民間のバンクではご家族への利用も可能になりつつありますので、今後はますます応用範囲が広がることが期待されます。
一方、忘れてはならないのは必要になるまで幹細胞を長期間安全に保管するには信頼できる設備と技術が必要だということで、それにはそれなりのコストがかかります。
コスト・ベネフィットのとらえ方は人それぞれですが、お子様とご家族の将来を見据えてベネフィットが大きいとお考えの方には、信頼できる施設へのさい帯やさい帯血の保管は十分価値のある選択肢だと思います。
さい帯・さい帯血についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
保管するなら、ステムセル研究所の「HOPECELL(ホープセル)」
株式会社ステムセル研究所が提供する「さい帯・さい帯血ファミリーバンクHOPECELL(ホープセル)」は、日本国内で最も選ばれている保管サービスです。
ステムセル研究所は、25年以上の保管・運営実績がある日本初のさい帯血バンクで、国内最多となる累計80,000名以上のさい帯血を保管しています。

研究所

研究所
国内では脳性まひに対する、赤ちゃんご自身やごきょうだいのさい帯血投与の研究が行われています。海外の臨床研究では、投与により運動機能および脳神経回路の改善が報告されています。また自閉症スペクトラム障害(ASD)に対して、さい帯血の投与によりコミュニケーション能力や社会への順応性が向上する可能性が期待されており、大阪公立大学にてお子さまご自身のさい帯血を投与する臨床研究が開始されます。

研究所
無料パンフレットをお送りします!
さい帯・さい帯血保管についてより詳しく知っていただけるパンフレットをご自宅へお送りします。
赤ちゃんの将来に備える「さい帯・さい帯血保管」をぜひ妊娠中にご検討ください。

この記事の監修者
助産師 坂田陽子 先生
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー