陣痛がこわい方に!心配性でも大丈夫。はじめての陣痛の乗りきり方

坂田陽子

記事監修者:坂田陽子

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

出産に備える中で、どうしても「こわい」と心配になってしまうのが陣痛ではありませんか?

自然なお産がしたい!という希望はあるけれど、出来れば大変な時間はなるべく少ない方が良いと思うものではないでしょうか。

そこで今回は、少しでも妊婦様方の陣痛に対する不安を減らせるよう、自身の体験の中から特に役に立った事をご紹介したいと思います。

お産を進めるには自分に合ったリラックス法を探しておく

私自身は2人の子を自然分娩で出産しました。特に初産では、今までに経験の無い事というのもあり、とにかく陣痛がどのような物か分からず漠然と「こわい」という気持ちがとても大きかったのを覚えています。

例えば…

  • ・どのくらい痛いのかな?
  • ・具体的にどんな痛さなのかな?
  • ・人それぞれとは分かっていても、どのくらい時間がかかるのかな?
  • ・リラックスする為に他の人はどんな工夫をしてるのかな?

など心配は尽きませんでした。

産院でいただいた教材や、マタニティー雑誌など穴が開くのでは?というくらい繰り返し読み、知識だけはと詰め込んで不安を紛らわせていました。

そしていざお産当日。

予定日もちょうど過ぎた頃だったので、産院で勧められたとおり、長めの距離を歩いて買い物に行き、しっかり夕食をとった後で、タイミング良く陣痛が始まりました。

初めは生理痛と大差は無いくらいの痛みから、だんだん強くなりお腹が痛いというよりは、腰骨が思いきり引っ張られている様な感覚でした。

陣痛の間隔も短くだんだん強くなって来て、いよいよ本陣痛かな?と思っていたのですが、それなりの間隔にはなっても、10分間隔からはなかなか進みません。

産院へ電話で報告し、相談のあと向かいましたが、陣痛の間隔はそれほど縮まらなかったので一旦帰宅する事に…。

その後も痛みは同じように10分間隔となかなか進まず、とにかくリラックスしなければ進まない!と色々準備していたアロマを焚いたり、音楽を聞いたりして過ごしました。

それでも痛みと不安の為か、なかなかうまくリラックスする事ができなかったので、助産師さんから勧められた入浴をする事にしました。

(破水の可能性がある方は感染症の心配や、赤ちゃんに影響が出てしまう事もあるそうなので、自身で判断せず必ず産院に相談して下さいね。)

入浴中は浮力のおかげか、お腹が張る感覚はあるものの、定期的な痛みも和らぎ束の間ですがとてもリラックスできました。

水中出産のメリットの一つとして取り挙げられている事が良く理解出来ました。

陣痛中は噛まずに食べられる物を準備して

その後、入浴で血行も良くなり余程リラックス出来たのか、お産は一気に進み着替え終わった頃には、陣痛の間隔もほとんど分からないくらい短くなっていました。

それからは歩くのもやっとといった具合だったので、こわいという気持ちも何処へやら…。

とにかく生まれるまでに産院に着かなければと必死でした。

そんな心配とは裏腹に、初産でそのままスムーズに生まれる訳もなく、その後も陣痛室で数時間唸る事になります。

そこで重要なのが食事についてです。

どこの産院でも、必ずお産の前に助産師さんから助言がある事と思いますが、陣痛は初産で平均して14時間、経産婦でも8時間程度と基本的に長丁場です。

中には20時間以上かけてお産をされる方もおられます。

自分自身でも気付かないうちに緊張していたり、力が入ってしまったり、妊婦さんは想像以上に体力を消耗しますので、食欲が無くても食べられる物。

最悪の場合噛めなくても飲み込んでエネルギーを摂取出来るような物を用意しておきましょう。

実際に私の場合は、あれこれ考えて用意した軽食も殆ど食べられず、母が差し入れのつもりで持って来てくれたプリンを2、3口が精一杯でした。(ちなみに自力では食べられず、母に押し込んでもらいました。)

そんな具合でしたので、当然体力もギリギリで、いざいきむ段階になってもそう何度も力を入いれる事ができず苦戦しました。意識レベルも下がっていたようです。

陣痛が辛くなってきたら呼吸を意識して

それでは前述しましたリラックスする方法のひとつとして、呼吸についてのお話しを少しさせていただきたいと思います。

陣痛の際の呼吸法としてまず皆さんが思い浮かべるのが「ヒッヒッフー」といった、ラマーズ式ではないでしょうか?

この呼吸法には第一に、強い痛みと緊張で呼吸が浅くなっている中でも、赤ちゃんにしっかり酸素を送る目的があります。

それから正しい子宮の伸縮を促したり、呼吸に意識を集中させる事によって痛みを和らげる効果があるとされています。

どちらかというとリラックスする為というよりは、酸素を送る事で体の循環機能を助けてお産を進める方法といえますね。

また、助産師さんや夫婦一緒に呼吸を合わせて行うので、妊婦さんは安心感があり、ご主人様も生まれた時の達成感を味わう事が出来るのが大きなメリットではないでしょうか。

他にもラマーズ式とは異なる視点で、近年注目されてきているのが、ソフロロジー式と言われる呼吸法です。

ヨーロッパなどではポピュラーな方法だそうですが、主に分娩後期に行われるラマーズ式に対して、ソフロロジー式は陣痛が始まる前から、イメージトレーニングやエクササイズ、腹式呼吸の練習など事前に準備する事ができ、お産開始の段階から取り組める方法といえます。

普段からイメージトレーニングをする事で、陣痛が「こわい」という恐怖心も緩和出来ますし、腹式呼吸に慣れておけばいざお産が始まっても、慌てず無駄な力を使わずに赤ちゃんへ酸素が送れるという訳です。

このようにスムーズなお産をする為には、自分に合ったリラックスの方法や、呼吸法がとても重要だという事が分かります。

お産の他に普段の生活の中でも、心身が健康に過ごす上で呼吸はとても重要な役割を果たしています。

例えば、寝つきが悪い時、緊張している時、イライラしている時など一度ご自身がどのように呼吸をしているのか意識してみて下さい。浅く、短くなっているのではないでしょうか。

私の場合は出産で呼吸法について勉強した事をきっかけに、普段からふと気付いた時には深く呼吸するのを意識する事で、以前よりも落ち着いて生活する事ができるようになりました。

落ち着いて心にゆとりを持つことは、出産後子育てをしていく上でもとても役に立っています。

最後に

拙い話ではありましたが、ここまでの体験談で何か少しでも妊婦様方のお役に立てた事があれば嬉しいです。

待ちに待ったご出産を控え、さまざまな選択肢の中からバースプランを検討されている事と思います。

是非ともご自身にピッタリなプランを見つけて下さいね。

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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