皆さん、赤ちゃんを迎える準備は進んでいますか?
どんな準備をしているでしょうか。
私は、準備不足で後悔した経験があります。
本を読んだり、話を聞いたりして、情報収集はたくさんしたはずだったのですが・・・。
今回は、これから赤ちゃんを迎えるパパママに、少しでもハッピーな育児をしていただきたく、2つの準備についてお話していきたいと思います。
赤ちゃんにとって、ベビーグッズより大切な準備とは
出産後、自宅に帰ると、物言えぬ新しい生命体(赤ちゃん)との生活が始まります。
不安もありますが、楽しみですよね?
私は、出産そのものへの不安が強く、産後の生活に対しては楽観的にとらえていました。
ベビーグッズを揃えることが楽しく、新生活に必要な「モノ」の準備ばかりしていたのです。
その結果、赤ちゃんに対して勉強不足で、いらぬストレスを抱えることになりました。
赤ちゃんは、おなかがすいた時や、おむつが濡れた時や、眠い時に泣く。
と思いますよね?
もちろんそうなのですが、そうとも限らないのです。
よくわからない時にも泣きますし、しばらく泣き止まないこともあります。
初めての育児では答えもわからず、泣き止ませられないことは、ママにとって大きなストレスになります。
これを緩和するために是非準備していただきたい事があります。
それは「モノ」の準備ではありません。
「キモチ」の準備です。
私は、もしあの時「赤ちゃんのキモチ」がもう少し想像できていたら、そこまで悩まず、穏やかにいられたのかな、と思うのです。
赤ちゃんの気持ち ・・・ 想像できますか?
赤ちゃんが泣くのはどんな時か想像してみましょう。
①おなかがすいた
②おむつが濡れている
③眠い
それ以外にも、
④寒い
⑤暑い
⑥うるさい
⑦静かすぎてこわい
⑧なんだか肌がムズムズする
まだまだあります。
⑨態勢がつらい
⑩抱っこの抱かれ具合がいつもと違って落ち着かない
⑪おなかの中でなにか(ウンチとか)動いている
⑫げっぷが出なくて苦しい
⑬熱などで体調が悪い
⑭なんとなく気分が乗らない
⑮ママの機嫌が悪くて嫌な感じ
⑯暇
などなど。(これは想像です)
まだ自分が自分であることも認識できていない赤ちゃんには、よくわからない世界で「泣く」という方法しかない。
ずっと暗い羊水の中にいて、ちょうどいい温度で丸まっていたのに、急に羊水から出されて、今まで自分を包み込んでいたものはなく、何かを着せられて、体を真っ直ぐに寝かされて、急に明るいし、なんだかいつもと違うのです。
きっと不快なことばかりではないでしょうか。
厳密には生まれたての赤ちゃんに、細かな感情はまだありません。不快という感情が出るまでに3カ月くらいかかるようです。
でも起きている間は泣いていても仕方がない状況だと思いませんか?
ご機嫌に起きていられたら、それは段々とこの世界に慣れてきた証拠です。
泣き止まないから、とりあえずもう一回おっぱいをあげるお母さんはたくさんいます。
私もその一人でした。
あげたら、赤ちゃんは吸啜反応で飲んでくれます。でもおなかがいっぱいなら吐き出します。そしてまた泣きます。
お母さんは困るし、体調が悪いのか心配になるし、不安になります。
また、早く寝かそうとひたすら揺らし続けることもあります。
でもずっと泣いていて、なかなか寝てくれない。どうしていいかわからない。
お母さんも泣きたくなります。
赤ちゃんはまだ眠くないのかもしれません。
それか揺らさないで欲しいのかも?
ママの不安や焦りが伝わって悲しいのかもしれません。
そもそも夜は寝るなんて、こちらの都合です。
赤ちゃんは今まで、羊水の中で好きな時に寝ていたのですから。
ママになる準備として、「モノ」の準備も必要です。
でもそれ以上に、赤ちゃんも1人の人間だと思って、理解しようとする「キモチ」が大切ではないでしょうか。
そして、赤ちゃんがなかなか泣き止まなくてもどうぞ焦らず、赤ちゃんのキモチを想像して付き合ってあげてください。
そうすれば、きっと少しだけ、泣いている赤ちゃんを暖かく見守ることができるはずです。
夫婦関係に異常あり!?赤ちゃんがもたらす変化に備えよう!!
赤ちゃんがいる生活では、こんなことがあるかもしれません。
赤ちゃんが泣き出しました。でもご飯の支度ですぐに行ける状態ではありません。そばにいるパパに「ちょっとお願い」と頼みます。見ると、赤ちゃんはウンチをしているようです。パパは「俺はわからないから、やってよ」と言ってきました。
どんな気持ちになりますか?
・今度やり方を教えようと思う
・やってみて出来なかった時に言って欲しい、と思う
・面倒くさいだけじゃないの!?と腹が立つ
人によって感情は様々ですね。
今は、まだ心の余裕がありますが、赤ちゃんという宝物によって、感情にも変化があるかもしれません。
少なくても物事の優先順位には、影響をもたらすはずです。
私は産後、やたらとパパに苛立ちました。
もっと手伝ってよ!
少しは自分でも赤ちゃんのことを勉強して!
育児は全部私の仕事なの??
などなど。数えればきりがない不満の嵐。
今思えば、そうなることを予想していなかったことも、パパの目線から考えていなかったことも、悔やまれます。
大抵の場合、パパよりママの方が赤ちゃんのことに詳しく、赤ちゃんの変化に敏感で、育児に関しても上手なことが多いでしょう。
それもそのはず。
ママは妊娠中から赤ちゃんと一心同体で、ママとしての自覚も母性も妊娠中からスタートしているのです。
それに対してパパは、赤ちゃんが生まれるまで実感を持ちにくく、おっぱいをあげるなどの育児もできませんから、慣れるまでに時間が必要なのです。
また女性と男性では感覚的に異なる部分もあります。
男性は、子供が自分の意思を持って歩き始める頃、父性を強く感じる方が多いようです。
正直、ねんねの赤ちゃんにどうしていいかわからないという声もよく聞かれます。
そのことが、度々トラブルの元になります。
パパが育児に対して消極的、育児はママ任せ、子供の将来のことを自分から考えてくれない、などなど。
そんなことが原因なのか、産後の女性について「子供が生まれてから性格が変わった」「怖い」「どうしていいかわからない」などの声を男性から耳にすることがあります。
それは、パパとママがお互いのことを理解できていないせいかもしれませんね。
夫婦仲は子供の成長に大きく影響することがわかっています。
産後もパパママが仲良く生活するために、どのような心構えが必要か考えてみませんか?
そしてお互いのことを理解して協力できるように、予想される変化について話し合ってみてください。
まとめ
赤ちゃんを迎える準備は、いろいろあります。
モノはすぐ買えますが、キモチは簡単ではありません。
ぜひ今のうちから想像力を働かせておきましょう。
そして、パパもママもハッピーな気持ちで、赤ちゃんとの生活を楽しんでくださいね!
この記事の監修者
坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー